画面・帳票サポートシステム XMAP3 メインフレーム連携ガイド

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5.1.4 XDM/DCCM3とTP1/Client/Pによる連携(BMP)

XDM/DCCM3とTP1/Client/Pを組み合わせて,BMPによる分岐メッセージを使用した処理ができます。このとき,メインフレームのAPから送られるデータはDCCM3/TCPを経由してPCの画面管理プログラムに送られるのに対して,PC上の画面管理プログラムがメインフレームに送信する送達確認メッセージは,DCCM3/TCPが受信し,APには何も通知しません。したがって,メインフレームのAPでは,送信後にPCからの受信を待つ必要がありません。

<この項の構成>
(1) BMPの処理の仕組み
(2) MPPとの適用範囲の違い

(1) BMPの処理の仕組み

VOS3上のAPとPC上の画面管理プログラムが連携してBMPの処理をする仕組みを次の図に示します。

なお,PC側のBMP用画面管理プログラムとして,提供されているサンプル「TPCLPRC2.C」を使用していることを前提とします。

図5-7 XDM/DCCM3,TP1/Client/P環境でのAPと画面管理プログラムの連携(BMP)

[図データ]

1 開始
  • PCでは,画面管理プログラムを起動して,メインフレームからの命令を待ちます。
  • メインフレームでは,オペレータのコマンド実行,または定時起動によって,APを起動します。

2 メインフレームAPからのオープン命令
メインフレームAPは,仮想端末を起動するために,PCにオープン命令を送信します。
  • 通信論理マップに,要求種別(オープン命令はX'10')を設定します。
次のようにして,オープン命令をPCに送信します。
  • SEND 通信記述名 FROM メッセージエリア WITH EMI.
メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
[図データ]

3 PCのオープン命令受信
  1. 画面管理プログラムはメインフレームAPからのオープン命令を受信し,XMAP3にオープン要求を発行して仮想端末を開きます。DCCM3/TCPの送達確認機能によって,メインフレームAPから送信したメッセージをDCCM3/TCPが自動的に書き換えます。したがって,画面管理プログラムがメインフレームAPから受信するメッセージは,次のような形式になります。

    [図データ]

  2. 仮想端末が起動されたら,画面管理プログラムからメインフレームに送達確認メッセージが送信されます。
    PCから送信する送達確認メッセージの内容は,受信時に受け取ったメッセージの長さだけなので,次のような形式になります。

    [図データ]

    メインフレームでは,PCから送信された送達確認メッセージをDCCM3/TCPが受信します。メインフレームAPには何も通知しません。

4 メインフレームAPからの出力命令
帳票を印刷するために,出力命令を発行します。
  1. PCへ送信する出力論理マップを編集し,要求種別とマップ名称を設定します。
    要求種別にX'13'を設定します。
  2. 「2メインフレームAPからのオープン命令」に挙げたSEND文でPCに出力命令を送信します。メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

5 PCでの出力処理
  1. 画面管理プログラムはメインフレームAPからの出力命令を受信し,XMAP3に出力要求を発行します。DCCM3/TCPの送達確認機能によって,メインフレームAPから送信したメッセージをDCCM3/TCPが自動的に書き換えます。したがって,画面管理プログラムがメインフレームAPから受信するメッセージは,次のような形式になります。

    [図データ]

  2. プリンタへ帳票を出力したら,画面管理プログラムからメインフレームに送達確認メッセージが送信されます。PCから送信する送達確認メッセージの内容は,受信時に受け取ったメッセージの長さだけなので,次のような形式になります。

    [図データ]

    メインフレームでは,PCから送信された送達確認メッセージをDCCM3/TCPが受信します。メインフレームAPには何も通知しません。
業務終了まで,「4 メインフレームAPからの出力命令」および「5 PCでの出力処理」を繰り返します。
メインフレームAPは,出力命令をすべて発行したら,クローズ命令を発行して業務終了の処理を行います。

6 メインフレームAPからのクローズ命令
仮想端末を終了するために,PCにクローズ命令を送信します。要求種別にX'11'を設定します。
メインフレームから送信するメッセージは次のような形式です。
[図データ]

7 PCでのクローズ処理
  1. 画面管理プログラムはメインフレームAPからのクローズ命令を受信し,XMAP3にクローズ要求を発行します。DCCM3/TCPの送達確認機能によって,メインフレームAPから送信したメッセージをDCCM3/TCPが自動的に書き換えます。したがって,画面管理プログラムがメインフレームAPから受信するメッセージは,次のような形式になります。

    [図データ]

  2. 画面管理プログラムからXMAP3にクローズ要求が発行され,仮想端末が閉じられます。
    仮想端末が閉じられると,画面管理プログラムは送達確認メッセージをメインフレームに送信します。PCから送信する送達確認メッセージの内容は,受信時に受け取ったメッセージの長さだけなので,次のような形式になります。

    [図データ]

    メインフレームでは,PCから送信された送達確認メッセージをDCCM3/TCPが受信します。メインフレームAPには何も通知しません。

8 メインフレームAPからの終了命令
メインフレームAPは,画面管理プログラムを終了するために,PCに終了命令を送信します。要求種別にX'1F'を設定します。
メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
[図データ]

9 PCでの終了処理
  1. 画面管理プログラムはメインフレームAPからの終了命令を受信します。DCCM3/TCPの送達確認機能によって,メインフレームAPから送信したメッセージをDCCM3/TCPが自動的に書き換えます。したがって,画面管理プログラムがメインフレームAPから受信するメッセージは,次のような形式になります。

    [図データ]

  2. 画面管理プログラムから,送達確認メッセージをメインフレームに送信します。PCから送信する送達確認メッセージの内容は,受信時に受け取ったメッセージの長さだけなので,次のような形式になります。

    [図データ]

    メインフレームでは,PCから送信された送達確認メッセージをDCCM3/TCPが受信します。メインフレームAPには何も通知しません。
  3. PCでは,画面管理プログラムが処理を終了します。

メインフレームとPCの間でやり取りされる送受信メッセージについては,「5.2.2 XDM/DCCM3でのインタフェース(TP1/Client/P使用時)」を参照してください。

APの命令については,VOS3のマニュアル「COBOL85 言語」およびマニュアル「データマネジメントシステム XDM E2系 プログラム作成の手引(XDM/BASE・DCCM3・TM2)」を参照してください。

画面管理プログラムの,メインフレームと送受信を行う関数については,「5.3 PC側のインタフェース」および次に示すOpenTP1のマニュアルのどれかを参照してください。

画面管理プログラムからXMAP3に要求を伝える関数については,「5.3 PC側のインタフェース」を参照してください。

(2) MPPとの適用範囲の違い

MPPとBMPの適用範囲を次の表に示します。

表5-1 MPPとBMPの適用範囲の違い

種別 適用範囲
MPP ・対話型オンラインシステムで,XMAP3の機能を利用する
・T-560/20によるオンライン処理の代替として利用する
BMP 多数の端末への一斉通知など,XDM/DCCM3の分岐メッセージを使用したシステムで,XMAP3の帳票機能を利用する

なお,TP1/Client/Pを使用する場合,MPP用の画面管理プログラムと,BMP用の画面管理プログラムとは,それぞれ異なるポート番号を割り当てることで,同一のPC上で実行できます。したがって,MPPとBMPとを組み合わせたシステムを構成することもできます。