画面・帳票サポートシステム XMAP3 メインフレーム連携ガイド

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5.1.3 XDM/DCCM3とTP1/Client/Pによる連携(MPP)

XDM/DCCM3を使用したオンライン環境でのTP1/Client/PによるTCP/IP通信によって,VOS3上のAPとPC上の画面管理プログラムが連携する仕組みを次の図に示します。

なお,PC側のMPP用画面管理プログラムとして,提供されているサンプル「TPCLPROC.C」を使用していることを前提とします。「TPCLPROC.C」は固定長(2,920バイト)のデータをやり取りするので,送受信メッセージの長さが2,920バイト未満の場合,データの末尾に空き領域が発生します。ただし,この空き領域はプログラムでは使用しないので,以降の説明には記載しません。

図5-6 XDM/DCCM3,TP1/Client/P環境でのAPと画面管理プログラムの連携(MPP)

[図データ]

1 開始
  • トランザクションをメインフレームに送信します。トランザクション名は,画面管理プログラムで指定しておきます。
  • メインフレームでは,トランザクションを受け取ったAPが起動します。

2 トランザクションの受信
メインフレームAPは,次のようにして,PCからのトランザクションを受信します。
  • RECEIVE 通信記述名 FIRST SEGMENT FROM メッセージエリア
メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。
[図データ]

3 メインフレームAPからのオープン命令
メインフレームAPは,PCから受信したデータに基づいて,仮想端末を起動するためのオープン命令を発行します。
ユーザデータに,要求種別(オープン命令はX'10')など必要な情報を設定します。
次のようにして,メインフレームAPからPCにオープン命令を送信します。
  • SEND 通信記述名 FROM メッセージエリア WITH EMI.
メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
[図データ]

4 PCのオープン命令受信
  1. PCでは,メインフレームAPからのオープン命令によって,画面管理プログラムが起動します。画面管理プログラムはオープン命令を受信し,XMAP3にオープン要求を発行して仮想端末を開きます。
  2. 仮想端末が起動されたら,メインフレームAPは画面管理プログラムからユーザデータを受信します。メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

5 メインフレームAPからの入出力命令
●画面入出力の場合
  1. メインフレームAPは,「2 トランザクションの受信」に挙げたRECEIVE文でメッセージを受信して,オープン処理の完了を確認します。
  2. PCへ送信する出力論理マップを編集します。最初の入出力命令ならば,初期画面の出力論理マップを編集します。また,要求種別にX'12'を設定し,マップ名称に'%MMC1R'を設定します。
  3. 「3 メインフレームAPからのオープン命令」に挙げたSEND文でメッセージをPCに送信します。メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

●帳票出力の場合
  1. メインフレームAPは,「2 トランザクションの受信」に挙げたRECEIVE文でメッセージを受信して,オープン処理の完了を確認します。
  2. PCへ送信する出力論理マップを編集します。また,要求種別にX'13'を設定し,マップ名称に'%MMC1R'を設定します。
  3. 「3 メインフレームAPからのオープン命令」に挙げたSEND文でPCにメッセージをPCに送信します。メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

6 PCでの入出力処理
●画面入出力の場合
  1. 画面管理プログラムがメインフレームAPからのメッセージを受信し,XMAP3への画面の入出力要求を発行します。
    ユーザは,表示された画面でデータを編集します。
  2. 画面でデータを編集した場合,メインフレームAPは,XMAP3から入力されたユーザデータを,画面管理プログラムを経由して受信します。メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

  3. メインフレームAPは,RECEIVE文でメッセージを受信して,論理マップへ取り込みます。
●帳票出力の場合
  1. 画面管理プログラムがメインフレームAPからのメッセージを受信し,XMAP3に帳票の出力要求を発行し,プリンタに帳票を出力します。
  2. メインフレームAPは,帳票出力が終了すると,ユーザデータを画面管理プログラムを経由して受信します。メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

  3. メインフレームAPは,RECEIVE文でメッセージを受信して,論理マップへ取り込みます。
業務終了まで,「5 メインフレームAPからの入出力命令」および「6 PCでの入出力処理」を繰り返します。
PC側で業務の終了を選択すると,入力論理マップのINCが設定されます。このメッセージを受信したメインフレームAPでは,クローズ命令を発行して業務終了の処理を行います。

7 クローズ命令および終了命令
  1. 要求種別にX'11'を,マップ名称には'%MMC1R'を設定します。
    PCにクローズ命令を送信します。メインフレームAPから送信されるメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

  2. PCでは,クローズ命令を受信した画面管理プログラムからXMAP3にクローズ要求が発行され,仮想端末が閉じられます。
  3. 仮想端末が閉じられると,メインフレームAPは画面管理プログラムを経由して次のような形式のメッセージを受信します。

    [図データ]

  4. このメッセージを受信したメインフレームAPは,要求種別にはX'1F'を設定して,終了命令を送信します。メインフレームAPから送信されるメッセージは次のような形式です。

    [図データ]

  5. メインフレームAPは,終了命令を送信するとともに処理を終了します。
    PCでは,終了命令を受信して,画面管理プログラムが処理を終了します。

メインフレームとPCの間でやり取りされる送受信メッセージについては,「5.2.2 XDM/DCCM3でのインタフェース(TP1/Client/P使用時)」を参照してください。

APの命令については,VOS3のマニュアル「COBOL85 言語」およびマニュアル「データマネジメントシステム XDM E2系 プログラム作成の手引(XDM/BASE・DCCM3・TM2)」を参照してください。

画面管理プログラムの,メインフレームと送受信を行う関数については,「5.3 PC側のインタフェース」および次に示すOpenTP1のマニュアルのどれかを参照してください。

画面管理プログラムからXMAP3に要求を伝える関数については,「5.3 PC側のインタフェース」を参照してください。