XDM/DCCM3を使用したオンライン環境での拡張ホストアクセスによって,メインフレームのAPとPCの画面管理プログラムが連携する仕組みを次の図に示します。
なお,PC側の画面管理プログラムとして,提供されているサンプル「ONLNPROC.C」,「ONLNPRC2.C」,「ONLNPRC2.CBL」を使用していることを前提とします。
また,ここで扱う論理マップデータは2,920バイト以下となります。
図5-2 XDM/DCCM3環境でのAPと画面管理プログラムの連携(論理マップ長≦2,920バイトの場合)
- 1 開始
- PCでは,CommuniNet Extensionを使用して,トランザクションをメインフレームに送信します。詳細については,マニュアル「CommuniNet Extension(Windows NT,Windows 95用)」またはマニュアル「CommuniNet Extension Version 3」を参照してください。
- メインフレームでは,トランザクションを受け取ったAPが起動します。
- 2 トランザクションの受信
- メインフレームAPは,次のようにして,PCからのトランザクションを受信します。
- RECEIVE 通信記述名 FIRST SEGMENT FROM メッセージエリア
- メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。
- 3 メインフレームAPからのオープン命令
- メインフレームAPは,PCから受信したメッセージに基づいて,仮想端末を起動するためのオープン命令を発行します。
- マップ名称には'%MMC1R'を指定し,問い合わせ応答を受信するようにします。
- ユーザデータに,要求種別(オープン命令はX'10')など必要な情報を設定します。
- 次のようにして,オープン命令をPCに送信します。
- SEND 通信記述名 FROM メッセージエリア WITH EMI.
- メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
- 4 PCのオープン命令受信
- PCでは,メインフレームAPからのオープン命令によって,画面管理プログラムが起動します。
- 画面管理プログラムはメインフレームAPからのオープン命令を受信し,XMAP3にオープン要求を発行して仮想端末を開きます。
- メインフレームAPは,仮想端末が起動されたら,画面管理プログラムからユーザデータを受信します。
メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。
- 5 メインフレームAPからの入出力命令
- ●画面入出力の場合
- メインフレームAPは,「2 トランザクションの受信」に挙げたRECEIVE文でメッセージを受信して,オープン処理の完了を確認します。
- メインフレームAPは,PCへ送信する出力論理マップを編集します。最初の入出力命令ならば,初期画面の出力論理マップを編集します。また,要求種別にX'12'を設定し,マップ名称に'%MMC1R'を設定します。
- 「3 メインフレームAPからのオープン命令」に挙げたSEND文でPCにメッセージを送信します。メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
- ●帳票出力の場合
- メインフレームAPは,「2 トランザクションの受信」に挙げたRECEIVE文でメッセージを受信して,オープン処理の完了を確認します。
- PCへ送信する出力論理マップを編集します。また,要求種別にX'13'を設定し,マップ名称に'%MMC1R'を設定します。
- 「3 メインフレームAPからのオープン命令」に挙げたSEND文でPCにメッセージを送信します。メインフレームAPから送信するメッセージは次のような形式です。
- 6 PCでの入出力処理
- ●画面入出力の場合
- 画面管理プログラムがメインフレームからのメッセージを受信し,XMAP3への画面の入出力要求を発行します。
- ユーザは,表示された画面でデータを編集します。
画面でデータを編集した場合,メインフレームAPは,XMAP3から入力されたユーザデータを,画面管理プログラムを経由して受信します。メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。
- メインフレームAPは,RECEIVE文でメッセージを受信して,論理マップへ取り込みます。
- ●帳票出力の場合
- 画面管理プログラムがメインフレームからのメッセージを受信し,XMAP3に帳票の出力要求を発行し,プリンタに帳票を出力します。
- メインフレームAPは,帳票出力が終了すると,ユーザデータを画面管理プログラムを経由して受信します。メインフレームAPが受信するメッセージは次のような形式です。
- メインフレームでは,RECEIVE文でメッセージを受信して,論理マップへ取り込みます。
- 業務終了まで,「5 メインフレームAPからの入出力命令」および「6 PCでの入出力処理」を繰り返します。
- PC側で業務の終了を選択すると,入力論理マップのINCが設定されます。このメッセージを受信したメインフレームでは,クローズ命令を発行して業務終了の処理を行います。
- 7 クローズ命令および終了命令
- 要求種別にX'11'を,マップ名称には'%MMC1R'を設定します。
PCにクローズ命令を送信します。メインフレームAPから送信されるメッセージは次のような形式です。
- PCでは,クローズ命令を受信した画面管理プログラムからXMAP3にクローズ要求が発行され,仮想端末が閉じられます。
- 仮想端末が閉じられると,メインフレームAPは画面管理プログラムを経由して次のような形式のメッセージを受信します。
- このメッセージを受信したメインフレームAPでは,要求種別にはX'1F'を,マップ名称には'%MMC1S'を設定して,終了命令を送信します。
メインフレームAPから送信されるメッセージは次のような形式です。
- メインフレームAPは,終了命令を送信するとともに処理を終了します。
- PCでは,終了命令を受信して,画面管理プログラムが処理を終了します。
メインフレームとPCの間でやり取りされる送受信メッセージについては,「5.2.1 XDM/DCCM3でのインタフェース(CommuniNet使用時)」を参照してください。
APの命令については,VOS3のマニュアル「COBOL85 言語」およびマニュアル「データマネジメントシステム XDM E2系 プログラム作成の手引(XDM/BASE・DCCM3・TM2)」を参照してください。
画面管理プログラムの,メインフレームと送受信を行う関数については,「5.3 PC側のインタフェース」および次のどちらかのマニュアルを参照してください。
- マニュアル「CommuniNet Extension(Windows NT,Windows 95用)」
- マニュアル「CommuniNet Extension Version 3」
画面管理プログラムからXMAP3に要求を伝える関数については,「5.3 PC側のインタフェース」を参照してください。
XDM/DCCM3のオンライン環境で,拡張ホストアクセス機能を利用して送受信メッセージの内容をメインフレームとPCとでやり取りするとき,SEND文で指定するマップ名称(MAP-NAME句)は'%MMC1R'を指定します。'%MMC1R'は画面の入出力命令など,PCとのデータ送受信する場合に指定してください。
なお,'%MMC1S'のマップ名称は終了時に指定します。
ただし,XMAP3に添付されているサンプルの画面管理プログラムを使用するときは,帳票出力の場合でも,マップ名称には'%MMC1R'を指定してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2001, 2006, Hitachi, Ltd.