6.2.10 NATを利用するC/S構成の設定例
NATを利用して,XMAP3のC/S構成を利用する場合の構成です。プライベートネットワークにXMAP3サーバを配置することで利用できます。
NATを利用する場合はあらかじめ次の設定をしておいてください。
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グローバルアドレスとプライベートアドレスは1対1で設定します。
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次のサービスが使用するポートを開いておきます。
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XMAP3が使用するサービス
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表示・印刷サービス
オープンするポートを指定する環境の場合はポート固定化機能を使用する必要があります。ポート固定化機能については,「11.2.2(3) 受信用ポート番号の固定化」を参照してください。
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hostsファイルにはC/S構成に使用するPCのグローバルアドレスを記述します。
利用できるNATの範囲を次に示します。
NATのネットワーク空間 |
説明 |
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クライアント |
サーバ |
|
プライベート※1 |
グローバル |
C/Sシステムの通信設定の簡略化機能を使用する場合は,「/nat」オプション※2または「*.CONAT」※3を指定してください。 |
グローバル |
プライベート※1 |
C/Sシステムの通信設定の簡略化機能を使用するかどうかは動作に影響しません。 |
- 〈この項の構成〉
(1) 設定
XMAP3サーバ,およびXMAP3クライアントで必要な設定について,システム構成に沿った内容で説明します。ここでは,NATのネットワーク空間のクライアントがグローバル,サーバがプライベートで,サーバマシンのIPアドレスに「172.18.140.235」を割り当てたときを例に説明します。
設定するファイル間で名称を合わせる必要があります。ファイル間の関係を確認してください。
(a) サーバ側の設定
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TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,ポート番号を設定します。
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TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
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XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
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XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
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C/Sシステム環境の環境設定ファイルの内容例
サービス名ファイル(X3PHOST)の内容は次のとおりです。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)での仮想端末の設定内容は,次のとおりです。
上記,XMAP3のC/Sシステムと仮想端末の設定は,C/Sセットアップで定義します。上記ファイルを直接設定することもできますが,C/Sセットアップを使用することをお勧めします。
(b) クライアント側の設定
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TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。
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TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
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XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
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XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
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(2) ソフトウェア構成
クライアントから起動するサーバAPを共用するC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ/クライアント |
使用するソフトウェア |
||
---|---|---|---|
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
|
サーバ |
XMAP3 Server Runtime |
COBOL2002(Runtime)またはVisual C++ |
HiRDB※3 またはISAM※4 |
クライアント |
XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtime |
− |
− |
(3) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
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NATの設定で,XMAP3サーバの動作するマシンのIPアドレスを静的に割り当てます。
着信要求を許可するように必ず設定してください。
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サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
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クライアント側で,次のコマンドを実行して,XMAP3クライアントを起動します。
XMAP3CLT /h server1
XMAP3クライアントを起動するときは,必ず接続先のサーバを指定してください。
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XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。
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起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。