画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


6.2.8 1台のマシン上にXMAP3サーバを複数起動するC/S構成の設定例

1台のサーバマシン上にある,複数のXMAP3サーバで異なるAPを実行する場合の構成です。

起動する各XMAP3サーバのサービス名とポート番号を固有な値にします。さらに,各クライアントのXMAP3クライアントで設定する値を,接続するXMAP3サーバと同じポート番号にします。

XMAP3サーバを三つ設定する例で説明します。

[図データ]

Windows環境の場合,複数のXMAP3サーバ上にあるAPからほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスを共用できます。なお,この設定は,OpenTP1と連携したOLTP環境では利用できません。

〈この項の構成〉

(1) 設定

サーバとクライアントで必要な設定について,システム構成に沿った内容で説明します。

設定するファイル間で名称を合わせる必要があります。ファイル間の関係を確認してください。

(a) サーバ側の設定

  • TCP/IPポート番号の設定

    WindowsのSERVICESファイルに,複数起動の対象となる各XMAP3サーバに対応するユニークなサービス名とポート番号を設定します。

    [図データ]

  • TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定

    HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。

    • XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名

    • XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名

    IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。

    [図データ]

  • C/Sシステム環境の設定

    ほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスを利用する場合に設定します。詳細については,「6.2.6 サーバAPから出力先プリンタを指定するC/S構成の設定例」を参照してください。

  • XMAP3のC/Sシステム環境の環境設定ファイルの内容例

    1台のサーバマシン上の複数サーバで異なるAPを実行する場合,SERVICESファイルのサービス名ごとに,サービス名ファイル(X3PHOST)を作成します。二つ目以降のファイルは,サービス名ファイルをコピーして作成し,別のファイル名を付けてください。

    サービス名ごとのSERVICESファイルの設定内容は,次のとおりです。

    • サービス名「xpw」のサービス名ファイル(X3PHOST)の設定内容

      [図データ]

    • サービス名「xpw2」のサービス名ファイル(X3PHOSTxpw2)の設定内容

      [図データ]

    • サービス名「xpwprt」のサービス名ファイル(X3PHOSTxpwprt)の設定内容

      サービス名「xpwprt」のサービス名ファイル(X3PHOSTxpwprt)は,ほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスを利用する場合に設定します。

      [図データ]

    サーバ起動ファイル(X3PSERV)の設定内容は,次のとおりです。

    [図データ]

    仮想端末名ファイル(X3MWHOST)の仮想端末の設定内容は,次のとおりです。

    [図データ]

    サーバ起動ファイルを作成する場合,およびサービス名ファイルをサーバごとに作成する場合には,環境設定ファイルはテキストエディタで定義します。C/Sセットアップは使用できません。

    なお,テキストエディタでサービス名ファイル,および仮想端末名ファイルを編集する場合,定義項目は項目ごとに行末で改行してください。

(b) クライアント側の設定

  • TCP/IPポート番号の設定

    WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。

    [図データ]

  • TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定

    HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。

    • XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名

    • XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名

    IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。

    [図データ]

  • クライアント起動時の引数

    「XMAP3クライアント」を起動する際に,次の引数を指定してください。

    • xpwサーバに接続する場合

      xmap3clt.exeまたはxmap3clt.exe /srv xpw

    • xpw2サーバに接続する場合

      xmap3clt.exe /srv xpw2

(2) ソフトウェア構成

1台のサーバマシン上にXMAP3サーバを複数起動する場合のC/Sシステムのソフトウェア構成を次に示します。

サーバ/クライアント

使用するソフトウェア

XMAP3

コンパイラ※1

DB※2

サーバ

XMAP3 Server Runtime

COBOL2002(Runtime)またはVisual C++

HiRDB※3

またはISAM※4

クライアント

XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtime

(凡例)

−:なし。

注※1

使用するコンパイラが必要になります。

注※2

DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。

注※3

HiRDBのほかに,SQL ServerやOracleなども使用できます。

注※4

ISAMのプログラムインタフェースは,COBOL2002に標準添付されています。

(3) XMAP3システムを起動する手順

  1. 1台のサーバマシン上でXMAP3サーバを複数起動する場合,サーバマシン側でWindowsサービスを起動します。詳細については,「11.3.5 Windowsのサービスとして運用する場合のOS設定」を参照してください。

  2. クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。

  3. XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。

  4. 起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。

    ほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスを利用する場合のAP起動の設定については,「11.3.6 1台のマシン上にXMAP3サーバを複数起動する場合のAP起動の設定」を参照してください。

XMAP3サーバの複数起動は,Windowsサービスから起動することを前提としています。Windowsのプログラム一覧のメニューや,アイコンのクリックでXMAP3サーバを起動しても,XMAP3サーバを複数起動できません。