画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


11.3.6 1台のマシン上にXMAP3サーバを複数起動する場合のAP起動の設定

〈この項の構成〉

(1) Windows版XMAP3サーバの複数起動方法

Windowsサービス上でXMAP3サーバを複数起動するときの,APの起動の設定内容について説明します。設定方法はAPの起動のしかたによって異なります。

(a) APを手動で起動する場合

APを手動で起動する場合,どのXMAP3サーバに関連づけられた表示・印刷サービスに対して出力するかを環境変数「XPW_DAEMON_PORT_NO」で設定します。環境変数には,SERVICESファイルのサービス名を指定します。環境変数が指定されていない場合,SERVICESファイルのサービス名は「xpw」を仮定します。環境変数は,バッチファイルなどでAP起動前に設定するか,AP内で環境変数を設定するようコーディングしてください。

(b) APを自動で起動する場合

APを自動で起動する場合,XMAP3サーバがプロセス環境変数として環境変数「XPW_DAEMON_PORT_NO」にSERVICESファイルのサービス名を設定し,指定されたAPを起動します。

(c) OpenTP1と連携する場合

OpenTP1(TP1/MCF)と連携する場合,TP1/NET/XMAP3のシステムサービス情報定義ファイルに,APに対応するXMAP3サーバのSERVICESファイルのサービス名を設定します。システムサービス情報定義ファイルについては,マニュアル「OpenTP1 プロトコル TP1/NET/XMAP3編」を参照してください。設定内容を次に示します。

[図データ]

(d) ほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスに対して出力する場合

ほかのXMAP3サーバ上で動作する印刷サービスへ帳票を出力する場合は,環境変数「XPW_DAEMON_PORT_PRT」でどの印刷サービスに対して出力するかを設定します。この設定は,C/S構成で利用できますが,OpenTP1と連携したOLTP環境では利用できません。

環境変数「XPW_DAEMON_PORT_PRT」には,SERVICESファイルのサービス名を設定します。環境変数「XPW_DAEMON_PORT_PRT」の指定を省略すると,環境変数「XPW_DAEMON_PORT_NO」の値が仮定されます。環境変数は,バッチファイルなどでAP起動前に設定するか,AP内で環境変数を設定するようにコーディングしてください。

(2) UNIX版XMAP3サーバの複数起動方法

(a) サービス名(ポート番号)の割り当て

複数起動させるXMAP3サーバに対して,ホスト上の/etc/servicesファイルのudpおよびtcpに,ユニークなサービス名(ポート番号)を割り当てます。

また,XMAP3クライアントを起動するWindows上のSERVICESファイルのudpおよびtcpには,接続するXMAP3サーバに割り当てたサービス名(ポート番号)を設定します。

(b) 環境変数(XPW_DAEMON_PORT_NO)の設定

XMAP3サーバとリンクしたAPのプロセスが,表示・印刷サービスへサービス要求できるように,APとXMAP3サーバのサービス名(ポート番号)を合わせる設定をします。

XMAP3サーバを起動させるコマンドの前に,XMAP3サーバに割り当てたポート番号に対応するサービス名を設定します。また,APが動作する環境で,環境変数として,「XPW_DAEMON_PORT_NO」を設定します。次に「XPW_DAEMON_PORT_NO」の設定例を示します。

[図データ]

(c) サービス名(ポート番号),サービス名ファイルおよび表示・印刷環境ファイルの割り当て

1台のホスト上で,各XMAP3サーバにサービス名(ポート番号),サービス名ファイル,表示・印刷環境ファイルを割り当てます。

  • -servicesオプションの設定

    各XMAP3サーバの-servicesオプションに,使用するポート番号に対応するサービス名を指定します。

    次に「-servicesオプション」の設定例を示します。

    [図データ]

    • 使用するサービス名は,システム上でそれぞれユニークにしてください。

    • サービス名を指定しない場合は,オプション指定エラーとして,次のエラーメッセージが標準出力されます。

      「xpwdaemon:サービス名is not defind(/etc/services)」

  • -xオプションの設定

    各XMAP3サーバの-xオプションに,サービス名ファイルを割り当てます。デフォルトは,インストール時に提供しているサービス名ファイルが設定してあります。次に「-xオプション」の設定例を示します。

    [図データ]

    • このオプションを指定した場合,デフォルトのサービス名ファイルは必要ありません。

    • 読み込むサービス名ファイル中の表示または印刷サービス名は,重複しないようにしてください。

  • -cオプションの設定

    各XMAP3サーバの-cオプションに,表示・印刷環境ファイルを割り当てます。デフォルトは,インストール時に提供している表示・印刷環境ファイルが設定してあります。次に「-cオプション」の設定例を示します。

    [図データ]

    • このオプションを指定した場合,デフォルトの表示・印刷環境ファイルは必要ありません。

(d) XMAP3サーバの起動

XMAP3サーバに割り当てたパラメタを指定して,XMAP3サーバを起動し,XMAP3クライアントを起動します。

[図データ]

説明
  1. XMAP3サーバが起動するホスト上の/etc/servicesファイルのポート番号と,XMAP3クライアントが起動するホスト上の/etc/servicesファイルのポート番号をあわせます。

  2. APとXMAP3サーバの起動前に,XMAP3サーバを起動させるポート名を環境変数で指定します。

  3. 任意のサービス名ファイルを作成します。

  4. パラメタを指定してXMAP3サーバを起動すると,/etc/servicesファイルで定義されたポート番号,サービス名ファイルが,各XMAP3サーバに割り当てられます。

  5. XMAP3クライアントが,XMAP3サーバと同一ポート番号で接続し,表示・印刷サービスが起動します。

  6. APが表示・印刷サービスへ入出力を要求します。

(e) XMAP3サーバの停止

起動済みのXMAP3サーバのプロセスIDを調査し,停止してください。サービス名「xpex1」のXMAP3サーバを停止する場合の実行例を次に示します。

[図データ]