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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


9.4 指定値の見直しが必要なオペランド

指定できないオペランド,または指定値の見直しが必要なオペランドを次の表に示します。

それぞれのオペランドの詳細については,マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。

表9‒1 指定値の見直しが必要なオペランド

項番

分類

定義名

オペランド名

指定可否

および

指定値の見直し

指定値の目安

1

最大同時実行数

SYS

pd_max_users

pd_max_usersオペランドに,SDBデータベースにアクセスするユーザ数を加算してください。

HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)を使用してSDBデータベースにアクセスする場合も,1ユーザとしてpd_max_usersオペランドに加算してください。HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティを複数同時に使用する場合は,それぞれ1ユーザとしてカウントする必要があります。

また,次に示すユティリティも,HiRDBに接続するため,pd_max_usersオペランドにユーザ数を加算する必要があります。

ユティリティの最大同時実行数については,「付録C ユティリティの最大同時実行数およびコマンドの同時接続数」を参照してください。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

2

SYS

pd_max_access_tables

アクセスするレコード型数を指定値に加算してください。

HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)を実行する場合は,計算式で求めた値を加算してください。

3

SYS

pd_utl_exec_mode

次に示すユティリティは,このオペランドの対象になります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

ユティリティの最大同時実行数については,「付録C ユティリティの最大同時実行数およびコマンドの同時接続数」を参照してください。

4

SYS

pd_max_commit_write_reclaim_no

SDBデータベースに対して,空きページ解放ユティリティ(pdreclaim)は使用できません。

5

HiRDBの処理方式

SYS

pd_space_level

SDBデータベースでは,空白変換機能は使用しません。

6

SYS

pd_pageaccess_mode

SDBデータベースに対しては,スナップショット方式によるページアクセスは適用されません。

更新可能なオンライン再編成の追い付き反映キー対応表には,スナップショット方式によるページアクセスが適用されます。

7

SYS

pd_dec_sign_normalize

SDBデータベースでは,正規化された符号付きパック形式10進データと,正規化されていない符号付きパック形式10進データが混在した状態で,SDBデータベースを操作すると,不当にデータベース破壊を検知したり,実行結果が不正になったりすることがあります。

そのため,新規にHiRDB/SDを導入する際にはYを指定し,以降は指定値を変更しないでください。

8

システム監視

SYS

pd_utl_exec_time

次に示すユティリティは,このオペランドの対象となります。

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

9

DS

BES

pdwork

  • バックエンドサーバ定義の場合

    HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)のインデクス一括作成モードを使用する場合は指定する必要があります。

  • ディクショナリサーバ定義の場合

    省略できます。ただし,省略する場合は,pd_work_buff_sizeオペランドの指定を省略(または5MB以上を指定)し,pd_work_buff_modeオペランドの指定を省略(またはpoolを指定)する必要があります。

10

SVR

FES

DS

BES

pd_spd_syncpoint_skip_limit

次のコマンドは,シンクポイントダンプ有効化のスキップ回数監視機能の対象外です。

  • pdsdbdef

  • pdsdblod

  • pdsdbrog

11

排他制御

SYS

pd_nowait_scan_option

指定値に関係なく,SDBデータベースに対して,WITHOUT LOCK NOWAIT指定の検索はできません。

12

SYS

pd_key_resource_type

SDBデータベースに対しては,インデクスキー値で排他制御をしません。

13

SYS

pd_indexlock_mode

このオペランドを省略するか,またはNONEを指定してください。

14

SYS

pd_lock_uncommited_delete_data

SDBデータベースを操作するAPIまたはDML

(FETCH,FIND,FETCHDB ALL,STORE)実行時,相手トランザクションが操作中のレコードを参照したときの動作を指定します。

WAIT:

次の動作を選択したい場合に指定します。

  • レコードの検索(FETCH),位置指示子の位置づけ(FIND),または複数レコードの検索(FETCHDB ALL)実行時,相手トランザクションがレコードの削除またはレコードの更新を先に実行していた場合,相手トランザクションが決着するまで排他待ちをします。

    トランザクション決着後のデータを基にした検索結果を取得したい場合に指定します。

  • レコードの格納(STORE)またはレコードの更新(MODIFY)実行時,相手トランザクションが同じインデクスキー値のレコードの格納または更新を先に実行していた場合,排他待ちをします。相手トランザクションがロールバックしても,該当レコードを必ず追加または更新したい場合に指定します。

NOWAIT(省略値):

次の動作を選択したい場合に指定します。

  • レコードの検索(FETCH),位置指示子の位置づけ(FIND),または複数レコードの検索(FETCHDB ALL)実行時,相手トランザクションがレコードの削除またはレコードの更新を先に実行していた場合,相手トランザクションの決着を待ちません。

    削除されたデータを読み飛ばしたい場合に指定します。

    削除されたデータとは,ERASEによって削除されたレコード,またはMODIFYによって削除された更新前のインデクスキーを指します。

  • レコードの格納(STORE)またはレコードの更新(MODIFY)実行時,相手トランザクションが同じインデクスキー値のレコードの格納または更新を先に実行していた場合,排他待ちをしません。即時,ユニークエラーとしたい場合に指定します。

15

SVR

pd_lck_until_disconnect_cnt

3.8.4 HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)実行時の排他資源数」を参照して,使用する排他資源数を計算して,指定値に加算してください。

16

SVR

DS

BES

pd_lck_pool_size

3.8 排他資源数の見積もり」を参照して,排他資源数を求めて,マニュアル「HiRDB システム定義」のpd_lck_pool_sizeの《指定値の目安》にある計算式に代入して指定値を求めてください。

17

SVR

FES

pd_fes_lck_pool_size

SDBデータベースでは,フロントエンドサーバで排他制御をしません。

18

SYS

pd_dbreuse_remaining_entries

SDBデータベースに対しては,行識別子の再利用を抑止して,排他待ちの発生頻度を低くすることはできません。

19

RDエリア

SYS

pd_shared_rdarea_use

SDBデータベースでは,共用RDエリアは使用できません。

20

グローバルバッファ

SYS

pd_dbbuff_dev_sector_size

×

論理セクタ長4,096バイトのディスクは未サポートです。

21

pdbuffer

グローバルバッファ指定時の考慮点については,「3.3.3 グローバルバッファを割り当てる際の考慮点」を参照してください。

22

バッファ

SVR

FES

pd_table_def_cache_size

デフォルト値で問題ないため,pd_table_def_cache_sizeオペランドの指定は省略してください。

23

SYS

SVR

FES

DS

BES

pd_sql_object_cache_size

このオペランドの指定値の目安および見積もり式については,マニュアル「HiRDB システム定義」のpd_sql_object_cache_sizeオペランドの説明を参照してください。

また,更新可能なオンライン再編成を実行する場合は,見積もったSQLオブジェクト用バッファ長に,次の計算式で求めた値を加算してください。

  • 48+(31×更新可能なオンライン再編成の対象BES数)

    単位:キロバイト

24

メモリDB

SYS

pd_max_resident_rdarea_no

SDBデータベースに対して,メモリDBは適用できません。

25

インデクスの予約数

SYS

pd_assurance_index_no

使用するインデクス数から指定値を決めてください。

使用するインデクス数については,現在定義されているインデクス数だけでなく,次回HiRDB開始から終了までの間に追加予定のインデクス数も考慮してください。

26

再編成時期予測機能

SYS

pd_rorg_predict

×

再編成時期予測機能は未サポートです。

27

系切り替え機能

UNT

pd_ha_agent

standbyunitを指定してください。

28

HiRDB Datareplicator

UNT

pd_rpl_hdepath

×

HiRDB Datareplicatorは未サポートです。

29

リアルタイムSANレプリケーション

SYS

pd_rise_pairvolume_combination

全非同期方式だけをサポートしているため,asyncだけを指定できます。

30

SYS

pd_rise_fence_level

×

全非同期方式以外は未サポートのため,指定しても無視されます。

31

SYS

pd_rise_disaster_mode

×

全非同期方式以外は未サポートのため,指定しても無視されます。

32

通信処理

SYS

pd_utl_buff_size

次に示すユティリティは,このオペランドの対象外となります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

33

SYS

pd_utl_file_buff_size

ユティリティが使用するファイルへ入出力するデータの1回当たりのサイズを指定します。

次に示すユティリティは,このオペランドの対象となります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

34

作業表

DS

BES

pd_work_buff_mode

このオペランドを省略するか,またはpoolを指定してください。

35

DS

BES

pd_work_buff_size

  • バックエンドサーバ定義の場合

    HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)のインデクス一括作成モードを使用する場合は,このオペランドの対象となります。

    作業表用ファイルの容量を超えない範囲で,大きい値ほどユティリティの処理時間が短くなります。

    作業表用ファイルの容量については,「3.5.2 作業表用ファイルの容量の見積もり」を参照してください。

  • ディクショナリサーバ定義の場合

    HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)を実行して,SDBディレクトリ情報を削除する場合,このオペランドの指定を省略,または5MB以上を指定する必要があります。

36

ワークファイルの出力先ディレクトリの変更

UNT

pd_tmp_directory

ワークファイルの出力先ディレクトリ名を指定します。

次に示すユティリティは,このオペランドの対象となります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

37

UAPの実行環境

UAP

pd_uap_wait

SDBデータベースに対して,ローカルバッファは適用できません。

38

UAP

pdlbuffer

39

プロセス

BES

pd_max_open_fds

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティのインデクス一括作成モードを使用する場合

    次の計算式から求めた値を指定してください。

    MIN(7,320,320+データロード対象のデータベースの全インデクス数×データロード対象の格納レコード用RDエリア数)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティのインデクス一括作成モードを使用しない場合

    省略するか,320を指定してください。

40

監視時間

SYS

pd_cmd_exec_time

次に示すユティリティは,このオペランドの対象となります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

上記ユティリティの実行時間が指定値よりも長時間となる場合は,指定値を見直してください。

41

SYS

pd_cmd_process_conwaittime

次に示すユティリティは,このオペランドの対象となります。

  • HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)

  • HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)

  • HiRDB/SDデータベース再編成ユティリティ(pdsdbrog)

(凡例)

○:指定できます。ただし,指定値を見直してください。

△:該当する機能はSDBデータベースでは使用できません。または指定してもSDBデータベースには適用されません。

×:指定できません。指定した場合,動作は保証されません。

SYS:システム共通定義

UNT:ユニット制御情報定義

SVR:サーバ共通定義

FES:フロントエンドサーバ定義

DS:ディクショナリサーバ定義

BES:バックエンドサーバ定義

UAP:UAP環境定義

注※

HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)を実行する場合は,次に示す計算式で求めた値をpd_max_access_tablesオペランドに加算してください。pd_max_access_tablesオペランドの指定値が小さい場合,HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)が異常終了するおそれがあります。

  1. *DELETE DICTIONARY文を実行する場合

    A+B

    A:SDBデータベース定義に指定しているレコード型数

    B:SDBデータベース格納定義に指定しているインデクス数

  2. *CHECK DICTIONARY文を実行する場合

    *ENTRY DICTIONARY文で追加したSDBディクショナリ情報に対して,*CHECK DICTIONARY文を実行する場合に,次の計算式の値を加算します。

    A+B

    A:SDBデータベース定義に指定しているレコード型数

    B:SDBデータベース格納定義に指定しているインデクス数

    *ALTER DICTIONARY文で変更したSDBディクショナリ情報に対して,*CHECK DICTIONARY文を実行する場合に,次の計算式の値を加算します。

    A+B

    A:SDBデータベース定義に追加したレコード型数

    B:SDBデータベース格納定義に追加したインデクス数

  3. *ENTRY DIRECTORY文を実行する場合

    *CHECK DICTIONARY文を実行していない場合にかぎり,次の計算式の値を加算します。

    A+B

    A:SDBデータベース定義に指定しているレコード型数

    B:SDBデータベース格納定義に指定しているインデクス数

  4. *ALTER DIRECTORY文を実行する場合

    *CHECK DICTIONARY文を実行していない場合にかぎり,次の計算式の値を加算します。

    A+B

    A:SDBデータベース定義に追加したレコード型数

    B:SDBデータベース格納定義に追加したインデクス数

なお,複数のSDB定義文を実行する場合は,上記の各計算式を加算してください。例えば,*DELETE DICTIONARY文と*CHECK DICTIONARY文を同時に実行する場合は,上記の1と2の計算式の合計値を加算してください。