2.2.4 HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイル
HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイルについて,説明します。
設定するファイルは,実行する機能および使用するプロトコルによって異なります。
HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイルを,次の表に示します。
なお,ファイルを設定するホストはHiRDB Dataextractorをインストールするホストと同じです。詳細については,「表2-2 HiRDB Dataextractorをインストールするホスト」を参照してください。
ファイル名 |
内容 |
種別 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
抽出側 |
反映側 |
ファイル作成側 |
||||
Extractor |
XDM/XT |
Extractor |
XDM/XT※1 |
|||
HiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイル (任意のファイル名) |
HiRDB Dataextractorの環境変数を指定します。 |
− |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
ポート番号を設定します。 |
− |
◎ TCP |
◎ TCP |
◎ TCP |
◎ TCP |
|
HiRDB Dataextractorの起動を設定します。 |
− |
◎ TCP |
◎ TCP |
◎ TCP |
◎ TCP |
|
HiRDB Dataextractorの起動を設定します。 |
− |
○ OSI |
− |
○ OSI |
○ OSI |
|
(任意のファイル名) |
通信構成定義を設定します。 |
− |
◎ OSI |
− |
◎ OSI |
◎ OSI |
反映先のホスト名を設定します。 |
◎ TCP |
− |
− |
− |
− |
|
(任意のファイル名) |
抽出条件を指定します。 詳細については,「4.2.2 xtrepコマンド」,「5.1.2 xtrepOコマンド」,または「6.1.2 xtrepSコマンド」を参照してください。 |
○ |
○ |
− |
− |
− |
(任意のファイル名) |
SELECT文のWHERE句までの表式を指定します。 |
− |
○ |
− |
− |
− |
(任意のファイル名) |
ナル値の既定値を設定します。 詳細については,「4.2.2 xtrepコマンド」,「5.1.2 xtrepOコマンド」,または「6.1.2 xtrepSコマンド」を参照してください。 |
○ |
− |
− |
− |
− |
排他情報ファイル (任意のファイル名) |
データ抽出時の排他情報を設定します。 詳細については,「4.2.2 xtrepコマンド」,または「5.1.2 xtrepOコマンド」を参照してください。 |
○ |
○ |
− |
− |
− |
反映情報ファイル (任意のファイル名) |
データ型を変換する列情報とデータ型を設定します。 詳細については,「4.2.2 xtrepコマンド」,「5.1.2 xtrepOコマンド」,または「6.1.2 xtrepSコマンド」を参照してください。 |
○ |
− |
− |
− |
− |
SQLトレース情報を取得します。 詳細については,「2.2.3 環境変数の設定」の環境変数PDCLTPATHを参照してください。 |
○ |
○ |
− |
− |
− |
|
(任意のファイル名) |
HiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)のコマンドラインパラメタを設定します。 |
− |
− |
○ |
○ |
− |
(任意のファイル名) |
HiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)のパラメタである制御情報ファイル中に記述するsource文を設定します。 |
− |
− |
○ |
○ |
− |
- (凡例)
-
◎:必要です。
○:任意です。
−:不要です。
TCP:TCP/IPプロトコル使用時に設定します。
OSI:OSIプロトコル使用時に設定します。
Extractor:HiRDB Dataextractorと連携して,データの抽出・反映をする場合
XDM/XT:XDM/XTを使用して,メインフレーム側DBとHiRDB間のデータの抽出,データの反映,および順編成データセットの作成をする場合
- 注※1
-
OSIプロトコル使用時で,データの転送先のサーバ(フロントエンドサーバまたはバックエンドサーバ)とXDM/XTとの間がOSIプロトコルで接続されていて,かつシステムマネジャとXDM/XTとの間がOSIプロトコルで接続されていない場合には,データの転送先のサーバとシステムマネジャ間はTCP/IPによって通信します。このためこの場合のシステムマネジャ側には,OSIプロトコル使用時であっても,TCP/IPで使用するファイル(/etc/services,/etc/inetd.conf)を設定します。OSIプロトコルで使用するファイル(/etc/localrc,通信構成定義情報ファイル)の設定は,システムマネジャ側には必要ありません。
- 注※2
-
適用OSがUNIXの場合のファイル名です。適用OSがWindowsの場合については,「付録B Windowsの機能差異」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) HiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイルの設定
適用OSがUNIXの場合,HiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイルに環境変数を指定します。詳細については,「2.2.3 環境変数の設定」を参照してください。
適用OSがWindowsの場合については,「付録B Windowsの機能差異」を参照してください。
(2) /etc/servicesの設定
適用OSがUNIXの場合,TCP/IPプロトコル使用時は,/etc/servicesにHiRDB Dataextractorのサービス名称とポート番号を設定する必要があります。
ポート番号にはネットワーク内で統一した値を指定してください。ただし,ほかのサービスで使用していない値を指定してください。
適用OSがWindowsの場合については,「付録B Windowsの機能差異」を参照してください。
登録するエントリの例を次に示します。
- /etc/services
# @(#) services 1.2 30/06/95 # #UNIX specific services, Internet style ftp 21/tcp : : hirdbxt 20052/tcp #HiRDB Dataextractor...追加
(3) /etc/inetd.confの設定
適用OSがUNIXの場合,TCP/IPプロトコル使用時,HiRDB Dataextractorはコンフィギュレーションファイル/etc/inetd.confによって起動されます。このため,/etc/inetd.confにHiRDB Dataextractorについて設定する必要があります。
なお,/etc/inetd.confの内容を変更した場合には,マシンの再起動またはスーパユーザによるシグナルの発行が必要です。
適用OSがWindowsの場合,/etc/inetd.confの設定は必要ありません。
/etc/inetd.confに設定する内容を,次の表に示します。
フィールド名 |
設定内容 |
---|---|
service name |
/etc/servicesファイルに設定した,HiRDB Dataextractorのサービス名を指定します。(任意) |
socket type |
stream(固定) |
protocol |
tcp(固定) |
wait/nowait |
nowait(固定) |
user |
UNIXのログインユーザ名を指定します。(任意)※ |
server program |
/opt/HIRDBXT/bin/pxtcntl(固定) |
server program arguments |
第1引数:pxtcntl(固定) 第2引数:環境変数情報設定ファイル名を絶対パス名で指定します。 |
- 注※
-
指定したユーザでHiRDB Dataextractorが起動されます。次の点に注意してください。
-
スーパユーザ以外を指定した場合,HiRDB Dataextractorで障害が発生したときにcoreダンプが出力されません。
-
データを抽出してファイルを作成する場合,作成対象のファイル(LOB入力ファイルを含む)がすでに存在するときは,書き込み権限を持っている必要があります。なお,作成したファイルに対するファイルモードは,環境変数XTFPERMIT,XTDPERMITで指定できます。環境変数の設定方法については「2.2.3(2)環境変数の設定方法」を参照してください。
-
XDM/XTと連携してORACLEからデータを抽出する場合,ORACLEに登録されているユーザである必要があります。
-
- /etc/inetd.confの設定例
hirdbxt stream tcp nowait user01 /opt/HIRDBXT/bin/pxtcntl pxtcntl /usr/home/user01/xtenv1
注 1行で指定します。
- /etc/inetd.conf変更時のシグナルの発行例
kill -HUP inetdのプロセスID
(4) xtstartコマンド実行シェルの設定
OSIプロトコルを使用してHiRDB Dataextractorを自動開始するときは,xtstartコマンド実行シェルの設定が必要です。設定方法については,「7.2.2(1)(a)自動開始」を参照してください。
(5) 通信構成定義情報ファイルの設定
OSIプロトコル使用時には,通信するために必要な情報を通信構成定義情報ファイルに設定する必要があります。
設定の形式を次に示します。
記述規則
-
一つのset文は1行で記述します。
-
1行にset文は1回しか指定できません。
-
"="の前後には空白を入れないでください。
-
注釈は,"#"以降その行の終わりまでとします。
(6) /etc/hostsの設定
適用OSがUNIXの場合,TCP/IPプロトコル使用時は,抽出側の/etc/hostsに,送信対象のホスト名を記述する必要があります。
抽出したデータを表に反映する場合は,次のサーバのあるホスト名を指定します。
-
HiRDB/シングルサーバの場合はシングルサーバ
-
HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャ
抽出したデータからファイルを作成する場合は,ファイルの作成先のホスト名を指定します。
適用OSがWindowsの場合については,「付録B Windowsの機能差異」を参照してください。
登録するエントリの例を次に示します。
- /etc/hosts
: : 160.16.150.120 HOST2 : :
(7) 表名情報ファイルの設定
表名情報ファイルは,XDM/XTと連携してHiRDBからデータを抽出する際に,発行するSQLをユーザ任意に指定する機能を使う場合に,必要に応じて,抽出側に設定し,環境変数XTTBLxxxxにそのファイル名を指定します。
表名情報ファイルには,SELECT文のWHERE句までの表式を指定します。
SELECT文での表式の指定方法については,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。
(8) pdloadコマンドライン情報ファイルの設定
pdloadコマンドライン情報ファイルは,HiRDBへデータを反映する場合に,HiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)のパラメタをユーザ任意に指定する機能を使うとき,必要に応じて,反映側に設定し,環境変数XTLPRMxxxxにそのファイル名を指定します。
pdloadコマンドライン情報ファイルには,pdloadのコマンドラインパラメタを指定します。ただし,次のパラメタは指定しないでください。指定した場合,動作は保証されません。
-
反映表名(〔認可識別子.〕表識別子)
-
制御情報ファイル名
-
−bオプション(バイナリ形式データ入力)
-
−kオプション(BLOBデータ形式)
-
−vオプション(ナル値情報)
-
−Wオプション(データベース再編成ユティリティ生成バイナリ形式データ入力)
-
−cオプション(列構成情報ファイル情報)
コマンドラインパラメタの詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
(9) pdload制御情報ファイルsource文情報ファイルの設定
pdload制御情報ファイルsource文情報ファイルは,HiRDBへデータを反映する際に,pdloadのパラメタをユーザ任意に指定する機能を使う場合に,必要に応じて,反映側に設定し,環境変数XTPDSRxxxxにそのファイル名を指定します。
pdload制御情報ファイルsource文情報ファイルには,pdloadのパラメタである制御情報ファイル中に記述するsource文を記述します。ただし,次のパラメタは指定しないでください。指定した場合,動作は保証されません。
-
RDエリア名
-
サーバ名,ホスト名
-
入力ファイル名
-
エラー情報ファイル名