Hitachi

データベース抽出・反映サービス機能 HiRDB Dataextractor Version 10


2.2.2 HiRDB Dataextractorのインストール

HiRDB Dataextractorをインストールする方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) インストール前の準備

HiRDB Dataextractorをインストールする前に,次に示す作業が必要になります。

(a) 稼働環境の確認

次に示す内容を確認してください。

  • HiRDB Dataextractorをインストールするマシンのディスクの空き容量が十分にあることを確認してください。

  • HiRDB Dataextractorが動作するのに必要な製品がインストールされていることを確認してください。HiRDB Dataextractorが動作するのに必要な製品については,「2.1 ソフトウェア構成」を参照してください。

(b) ユーザ権限の確認

インストールを実行する利用者がスーパユーザであることを確認してください。

(2) HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

HiRDB Dataextractorをインストールするホストを,次の表に示します。

表2‒2 HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

種別

抽出側

反映側

ファイル作成側

インストールするホスト※1

HiRDB/シングルサーバの場合

  • シングルサーバのあるホスト

HiRDB/シングルサーバの場合

  • シングルサーバのあるホスト

ファイルを作成するホスト

HiRDB/パラレルサーバの場合

次のどれかのサーバのあるホスト

  • システムマネジャ

  • フロントエンドサーバ

  • バックエンドサーバ

  • ディクショナリサーバ

HiRDB/パラレルサーバの場合

次のサーバのあるホスト※2

  • システムマネジャのあるホスト

  • データの転送先のサーバのあるホスト※3

ORACLEの場合

  • ORACLEのあるホスト

SQL Serverの場合

  • SQL Serverのあるホスト

注※1

OSIプロトコルの場合には,インストールするホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。

注※2

データの転送先のサーバのあるホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。システムマネジャのあるホストとXDM/XT間のOSIプロトコルでの接続は任意です。

注※3

データをフロントエンドサーバに転送する場合は,フロントエンドサーバのどれかのあるホスト(データを転送するホスト)になります。

RDエリア単位の格納の場合で,バックエンドサーバにデータを直接転送するときは,転送先のバックエンドサーバのあるホストになります。

(3) インストールの実行

2.1 ソフトウェア構成」を参照して,HiRDB Dataextractorを使うために必要な製品をインストールしてください。HiRDB Dataextractorのインストールは,日立PPインストーラで行います。

HiRDBとHiRDB Dataextractorのどちらを先にインストールしてもかまいません。

(4) HiRDB Dataextractorのアンインストール

HiRDB Dataextractorのアンインストールは,日立PPインストーラで実施してください。

(5) HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイルを,次の表に示します。

HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイルは,インストールしたホストに作成されます。なお,インストールするホストにHiRDB Dataextractorが作成するファイルと同一のファイルがある場合は,リネームなどでそのファイルを退避させてください。

表2‒3 HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

ディレクトリおよび

ファイル名

作成時期

内容

種別

抽出

反映

作成

/opt/HIRDBXT/

インストール時

HiRDB HiRDB Dataextractorの各種ディレクトリおよびファイルを格納するディレクトリ

/opt/HIRDBXT/bin

HiRDB Dataextractorの実行ファイルを格納するディレクトリ(このディレクトリ下にHiRDB Dataextractorのロードモジュールおよびコマンドを格納する)

/opt/HIRDBXT/bin/xtrep

HiRDB Dataextractorのxtrepコマンドのファイル

/opt/HIRDBXT/bin/xtstart

HiRDB Dataextractorのxtstartコマンドのファイル

/opt/HIRDBXT/bin/xtmsgtext

HiRDB Dataextractorのメッセージ出力用テキストファイル

/opt/HIRDBXT/obj

オブジェクト格納ディレクトリ

/opt/HIRDBXT/obj/pxto8160.o

ORACLE抽出用オブジェクト

/opt/HIRDBXT/lib

ライブラリ格納ディレクトリ

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/euc2jis.map

文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからSJISへの変換)

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/eucg2jis.map

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/euc2ucs2.map

文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからUCS-2への変換)

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/eucg2u.map

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/jis2euc.map

文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからEUCへの変換)

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/jis2ucs2.map

文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからUCS-2への変換)

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/ucs22euc.map

文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からEUCへの変換)

/opt/HIRDBXT/lib/maptable/ucs22jis.map

文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からSJISへの変換)

/opt/HIRDBXT/lib/usermap

xtccnvedtコマンドによるマッピングテーブル更新時

ユーザの文字コード変換用マッピングテーブルを格納するディレクトリ

/opt/HIRDBXT/lib/pxtora01.sl

  • Windows版,AIX版の場合:

    インストール時

  • HP-UX版,Linux版,Solaris版の場合:

    ユーザ環境でのmake時

ORACLE抽出用ライブラリ

/opt/HIRDBXT/spool/※1

インストール時

HiRDB Dataextractorが稼働中に出力するファイルを格納するディレクトリ

/opt/HIRDBXT/spool/xter

HiRDB Dataextractor

稼働時

TCP/IP使用時のHiRDB Dataextractorのエラーログファイル

TCP

※2

TCP

※3

TCP

※3

/opt/HIRDBXT/spool/xtlog...

OSI使用時のHiRDB Dataextractorのエラーログファイル

OSI

※3

OSI

※3

OSI

※3

/opt/HIRDBXT/spool/pder...

HiRDBデータベース作成ユティリティのエラーファイル

※3

/opt/HIRDBXT/spool/.xtpc...

HiRDBデータベース作成ユティリティの一時エラーファイル

※3

/opt/HIRDBXT/spool/pdin...または/opt/HIRDBXT/spool/.pdin...

HiRDBデータベース作成ユティリティの入力データファイル

※3

/opt/HIRDBXT/spool/pdcf...

HiRDBデータベース作成ユティリティの制御情報ファイル

※3

/opt/HIRDBXT/spool/pdnf...

HiRDBデータベース作成ユティリティのナル値情報ファイル

※3

$XTTMPDIR/...

出力ファイル

設定されるファイル名の詳細については,「(6)(a)出力ファイル」を参照してください。

※4

/opt/HIRDBXT/spool/...

/opt/HIRDBXT/spool/.pden...

HiRDBデータベース作成ユティリティへのEOF通知ファイル

※3

$XTTMPDIR/...

LOB入力ファイル格納用ディレクトリ

設定されるファイル名の詳細については,「(6)(b)LOB入力ファイル格納用ディレクトリ」を参照してください。

※5

※7

※5

※7

/opt/HIRDBXT/spool/...

$XTTMPDIR/.../xtlbf...

LOB入力ファイル

設定されるファイル名の詳細については,「(6)(c)LOB入力ファイル」を参照してください。

※5

※5

/opt/HIRDBXT/spool/.../xtlbf...

/opt/HIRDBXT/dump※6

HiRDB Dataextractorが使用するモジュールトレースファイルを格納するディレクトリ

/opt/HIRDBXT/dump/xtmt...

障害時に出力されるモジュールトレースファイル

/opt/HIRDBXT/dump/プロセスID

各ロード単位にcoreファイルを格納するディレクトリ

/opt/HIRDBXT/dump/プロセスID/core

障害時に出力されるcoreファイル

(凡例)

○:作成します。

−:作成しません。

△:出力ファイルを作成しないで反映する場合に,一時的に作成されます。処理終了後に削除されます。

□:xtrepコマンドで−oオプションを指定している場合は,処理終了後も削除されません。−oオプションを指定していない場合は,処理終了後に削除されます。ただし,反映処理でエラーとなった場合は,削除されません。

TCP:TCP/IPプロトコル使用時に作成します。

OSI :OSIプロトコル使用時に作成します。

抽出:抽出側

反映:反映側

作成:ファイル作成側

注※1

/opt/HIRDBXT/spool/下には,HiRDB Dataextractorが稼働中に動的に作成するファイルがあります。/opt/HIRDBXT/spool/は削除しないでください。

また,/opt/HIRDBXT/spool/下のファイルは,HiRDB Dataextractorの稼働中には参照および削除しないでください。これらのファイルは,HiRDB Dataextractorの停止中に,定期的に削除してください。

注※2

このファイルは,パラメタ解析中にエラーが発生した場合には作成されません。この場合には,エラーメッセージは標準出力にだけ出力されます。xtrepコマンドの−eオプションでファイル名を指定して,任意のファイルに出力できます。−eオプションの指定を省略した場合は,HiRDB Dataextractorが一意になるようにファイル名を設定します。

環境変数XTTEMPNAMの指定によって,日時またはtempnam関数を使用した名称が設定できます。

注※3

ファイル名は,HiRDB Dataextractorが一意になるように設定します。

環境変数XTTEMPNAMの指定によって,日時またはtempnam関数を使用した名称が設定できます。

注※4

xtrepコマンドで−oオプションまたは−Oオプションを指定している場合に作成されます。

注※5

抽出したデータにLOBデータがある場合に作成されます。xtrepコマンドで−oオプションを指定している場合は,処理終了後も削除されません。−oオプションを指定していない場合は,処理終了後に削除されます。

注※6

/opt/HIRDBXT/dumpの下のファイルは,HiRDB Dataextractorの停止中に,定期的に削除してください。

環境変数XTTRCDIRで,ディレクトリ名を指定できます。

注※7

HiRDB Dataextractorの実行ユーザとHiRDBの管理者が異なり,かつファイルの作成に続いてHiRDBのDBへ反映する場合は,環境変数XTDPERMIT,XTFPERMITを指定してください。環境変数XTDPERMIT,XTFPERMITの詳細は,「2.2.3 環境変数の設定」を参照してください。

(6) ファイル名の決定方法

HiRDB Dataextractorが作成する次のファイルの,ファイル名の決定方法について説明します。

(a) 出力ファイル

出力ファイルの名称は,次の指定によって決定します。

  • xtrepコマンドの−oオプションまたは−Oオプションの指定

  • 環境変数XTTMPDIRの指定

  • 環境変数XTTEMPNAMの指定

また,xtrepコマンドの−oオプションまたは−Oオプションの指定,環境変数XTFILESIZEの指定によって,複数のファイルに分割して出力できます。

出力ファイルの名称を,次の表に示します。

なお,出力ファイルのファイルモードは環境変数XTFPERMITで指定できます。

表2‒4 出力ファイルの名称

指定内容

出力ファイルの名称

−oまたは−Oオプションの有無

−oまたは−Oオプションの指定値

環境変数

XTFILESIZE

環境変数

XTTMPDIR

ファイル一つ

$XTTMPDIR/指定値−通番

×

〜/spool/指定値−通番

×

$XTTMPDIR/指定値

×

〜/spool/指定値

ファイル複数

$XTTMPDIR/指定値×ファイル数

×

〜/spool/指定値×ファイル数

ディレクトリ一つ

$XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番

×

〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番

×

$XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒

×

〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒

ディレクトリ複数

$XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番×ディレクトリ数

×

〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番×ディレクトリ数

指定値なし

$XTTMPDIR/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番

×

〜/spool/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番

×

$XTTMPDIR/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒

×

〜/spool/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒

×

指定値なし

〜spool/.pdin-年.月.日-時.分.秒※2

(凡例)

〜:適用OSによって異なります。

  • HP-UX,Solaris,Linux,およびAIXの場合:/opt/HIRDBXT

  • Windowsの場合:インストールディレクトリ

○:指定あり

×:指定なし

—:該当しない

指定値:−oまたは−Oオプションで指定された名称

$XTTMPDIR:環境変数XTTMPDIRでの指定値を示します。

注※1

環境変数XTSQL=0または省略時:抽出表名

環境変数XTSQL=1:xtof-プロセスID

注※2

環境変数XTTEMPNAMに0が指定されている場合は,「-年.月.日-時.分.秒」の部分はtempnam関数で作成された値になります。

出力ファイルの作成例1

ファイルだけを作成する場合で,出力ファイルを一意の名称で作成します。

指定値なしで−oオプションを指定することによって,HiRDB Dataextractorが一意な名称を決定します。ファイルの作成先は,環境変数XTTMPDIRで指定したディレクトリ下になります。

環境変数
XTFILESIZE:なし
XTTMPDIR:/tmp
xtrepコマンド
xtrep -R -o TBL_NAME
ファイル名
/tmp/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
出力ファイルの作成例2

HiRDBの表に反映する場合で,同じパーティションにファイルを分割して作成します。

環境変数XTFILESIZEを指定してファイルを分割します。環境変数XTTMPDIRを指定していないため,ファイルの作成先は〜/spool下になります。

環境変数
XTFILESIZE:100000
XTTMPDIR:なし
xtrepコマンド
xtrep -o TBL_NAME
ファイル名
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-1
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-2
                  :
                  :
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-n

100,000バイト単位でファイル分割しますが,ファイル間でレコードまたがりはしないため,ファイルの最大長は次のようになります。

ファイルの最大長=↓100000/L↓×L
 
 L:レコード長
出力ファイルの作成例3

ファイルだけを作成する場合で,別のパーティションにDAT形式のファイルを分割して作成します。

−oオプションで複数のパーティションを指定することによって,別のパーティションにファイルを作成します。環境変数XTFILESIZEを指定していないため,パーティションの空き容量をすべて使用して空きがなくなった時点で,別のパーティションにファイルを作成します。

HP-UXの場合

・環境変数
XTFILESIZE:なし
XTTMPDIR:/
・xtrepコマンド
xtrep -R dat -o HD000/, HD001/ TBL_NAME
・ファイル名
/HD000/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
/HD001/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00

/HD000がいっぱいになったら,/HD001に作成します。

 

Windowsの場合

・環境変数
XTFILESIZE:なし
XTTMPDIR:\
・xtrepコマンド
xtrep -R dat -o C:\DATA\,D:\DATA\ TBL_NAME
・ファイル名
C:\DATA\TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
D:\DATA\TBL_NAME-99.06.11-10.00.00

C:\DATAがいっぱいになったら,D:\DATAに作成します。

(b) LOB入力ファイル格納用ディレクトリ

抽出したデータ中にBLOB列があった場合,HiRDB DataextractorはLOBデータ単位にLOB入力ファイルを作成します。このLOB入力ファイルを格納するディレクトリがLOB入力ファイル格納用ディレクトリです。

LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称は,次の指定によって決定します。

  • xtrepコマンドの−bオプションの指定

  • 環境変数XTTMPDIRの指定

  • 環境変数XTTEMPNAMの指定

LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称を,次の表に示します。

なお,環境変数XTLOBKINDの指定によって,LOB入力ファイルを作成しないで,BLOB列のデータをBLOB列以外のデータと同一の出力ファイルに格納することもできます。また,環境変数XTDPERMITの指定によって,LOB入力ファイル格納用ディレクトリに対して,ファイルモードが指定できます。

表2‒5 LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称

指定内容

LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称

−bオプション

環境変数XTTMPDIR

$XTTMPDIR/−bオプション指定値

×

〜/spool/−bオプション指定値

×

$XTTMPDIR/xtlb-年.月.日-時.分.秒-プロセスID

×

〜/spool/xtlb-年.月.日-時.分.秒-プロセスID

(凡例)

〜:適用OSによって異なります。

  • HP-UX,Solaris,Linux,およびAIXの場合:/opt/HIRDBXT

  • Windowsの場合:インストールディレクトリ

○:指定あり

×:指定なし

$XTTMPDIR:環境変数XTTMPDIRでの指定値を示します。

注※

環境変数XTTEMPNAMに0が指定されている場合は,「-年.月.日-時.分.秒-プロセスID」の部分はtempnam関数で作成された値になります。

(c) LOB入力ファイル

HiRDB Dataextractorは,LOB入力ファイル格納用ディレクトリ下に,LOBデータ単位に一意の名称のLOB入力ファイルを作成します。

LOB入力ファイルの名称設定方法を次に示します。

xtlbf−データ件数通番−BLOB列通番
(凡例)

データ件数通番 :1からの連番(1〜232

BLOB列通番:1からの連番(1〜232

なお,LOB入力ファイルのファイルモードは環境変数XTFPERMITで指定できます。