JP1/Cm2/SNMP System Observer
収集条件定義ファイルには,収集対象となるリソースや収集する時間帯などを定義します。
- <この項の構成>
- (1) 書式
- (2) リソースに関する定義内容
- (3) インスタンスに関する定義内容
- (4) サブリソースに関する定義内容
- (5) 定義例
(1) 書式
収集条件定義ファイルには,複数の収集条件を定義できます。収集条件定義ファイルの書式を,次に示します。
(2) リソースに関する定義内容
リソースに関する定義内容を,次の表に示します。リソースの数だけ繰り返し定義してください。各フィールドは,次の表の記載順序に従って記述してください。なお,リソースIDについては,「付録F リソース一覧」を参照してください。
キー名 値 target
((255バイト以内の文字列))収集対象のリソースIDと収集対象サーバを「;(セミコロン)」で区切って指定します。サーバ名は,ホスト名またはIPアドレスを指定してください。 interval
《5m:単位のデフォルトはs》((10s〜24h))リソースの収集間隔を指定します。単位はs(秒),m(分),またはh(時間)から選択してください。 d_range
((00:00:00〜24:00:00))収集を開始する時刻と終了する時刻を「;(セミコロン)」で区切って指定します。時間帯は,最大五つ指定できます。時刻は「hh:mm:ss」の形式で指定します。なお,日をまたがる時間帯の指定はできません。例えば,21:00から翌日9:00までを収集時間帯に設定したい場合には,次のように指定してください。
d_range=00:00:00;09:00:00
d_range=21:00:00;24:00:00condition
《Y;N;N※1》次の項目について,設定する場合は「Y」,設定しない場合は「N」を指定します。それぞれの項目の間は「;(セミコロン)」で区切ってください。
- 収集データのファイル保存
- しきい値チェック
- シンボル表示※2
stat_term_id
《1》((1〜10))時間帯IDを指定します。 stat_sum_time
《96》((24〜720))統計的しきい値を算出するために抽出する収集データの期間の範囲として,算出時刻から過去にさかのぼった延べ時間を指定します。 stat_timing
《1h》統計的しきい値を算出するタイミングを時間間隔または時刻で指定します。
デフォルトは,1時間間隔です。
時間間隔で指定する場合は,「**h**m」の形式で指定してください。**の部分は数字を示します。指定範囲は,15mから24hまでです。
時刻指定で指定する場合は,「hh:mm」形式で指定してください。指定範囲は,00:00から23:59です。時刻指定を複数記述する場合は「,(コンマ)」で区切り,15分以上の間隔をあけてください。注※1 一部のリソースでは値が異なることがあります。
注※2 この項目は下位バージョンとの互換性保持を目的としているため,「Y」と「N」のどちらを設定しても無効となります。
リソースに関する定義の注意事項を次に示します。
- 項目を省略する場合は,値だけを省略し,キー名と「=(イコール)」は必ず記述してください。ただし,「d_range」および「condition」を省略する場合は,キー名を含めて省略してください。
- 一つの定義ファイル内に,「target」の値に同じ収集条件がある場合は,先に記述されている収集条件の定義を有効とし,以降に記述されている収集条件の定義は無視します。
- ssocolsetコマンドを使用して収集条件を変更する場合,収集状態が収集中,延期中,または待機中になっているリソースの「d_range」は変更できません。
(3) インスタンスに関する定義内容
インスタンスごとに異なる収集条件を設定する場合は,インスタンスを定義する必要があります。すべてのインスタンスで共通の収集条件を設定する場合は,インスタンスの定義は不要です。ただし,インスタンスの定義が一つ以上ある場合は,定義のないインスタンスを,リソースの収集対象外と見なします。インスタンスに関する定義内容を,次の表に示します。
キー名 値 instance
((255バイト以内の文字列))インスタンス名を255バイト以内で指定してください。途中に空白は指定できません。 インスタンスに関する定義の注意事項を次に示します。
- 項目を省略する場合は,キー名を含めて省略してください。
- 一つのリソースに関する定義に,「instance」の値が同じインスタンスが定義されている場合は,先に記述されている定義を有効とし,以降に記述されている定義は無視します。
(4) サブリソースに関する定義内容
サブリソースに関する定義内容を,次の表に示します。各サブリソースは,次の表の記載順序に従って記述してください。
キー名 値 subcondition
《Y;N;N※1》次の項目について,設定する場合は「Y」,設定しない場合は「N」を指定します。それぞれの項目の間は「;(セミコロン)」で区切ってください。なお,このキーによる設定はconditionキーの指定よりも優先されます。
- 収集データのファイル保存
- しきい値チェック
- シンボル表示※2
commandUM しきい値を超えた場合に自動アクションによって実行するリモートコマンドを指定します。コマンドはすべて259バイト以内の文字列で指定してください。共通のコマンドを使用する場合は,すべて同じコマンドを指定してください。 commandUK commandNM commandWR commandCR threshold
- 固定しきい値の場合※3
((0,±1.00×10-2〜±1.7976931348623157×10308までの浮動小数点))
- 統計的しきい値の場合
《99.95;99.99》((0.01〜99.99))
- 固定しきい値の場合(statを指定していない場合)
警戒しきい値,および危険しきい値を指定します。しきい値の間は,「;(セミコロン)」で区切って指定します。
- 統計的しきい値の場合(statを指定した場合)
全収集回数に対して,正常値が収集される回数の割合と警戒値以下が収集される回数の割合を「;(セミコロン)」で区切って指定します。例えば,収集回数が100回として,そのうち正常な値が収集された回数が97回,警戒とする価が収集された回数が2回,危険とする価が収集された回数が1回である場合,統計的に見て,正常データの割合が97%,警戒まで含むデータの割合が99%になり,threshold=stat97.00;99.00と指定します。
値は省略できます。デフォルトは,警戒値99.95,危険値99.99です。
stat_term_idを必ず指定してください。
threshold_OVER
《1;1》((1〜99))警戒しきい値,および危険しきい値の超過回数を指定します。しきい値の間は「;(セミコロン)」で区切ってください。 注※1 一部のリソースでは,デフォルトが異なることがあります。
注※2 この項目は下位バージョンとの互換性保持を目的としているため,「Y」と「N」のどちらを設定しても無効となります。
注※3 デフォルト値はリソースによって異なります。「表4-2 収集モードのデフォルト」を参照してください。
サブリソースに関する定義の注意事項を次に示します。
- インスタンスごとに異なる収集条件を設定する場合は,該当するインスタンスに関する定義に続けて,サブリソースの数だけ繰り返し定義してください。
- すべてのインスタンスで共通の収集条件を設定する場合は,該当するリソースに関する定義に続けて,サブリソースの数だけ繰り返し定義してください。
- 項目を省略する場合は,値の記述だけを省略し,キー名と「=(イコール)」は必ず記述してください。ただし,「subcondition」および「threshold_OVER」を省略する場合は,キー名を含めて省略してください。
- 一つのインスタンスに関する定義内に,サブリソースの個数を超える定義がある場合は,先頭からサブリソースの個数までの定義を有効とし,以降に記述されている収集条件の定義は無視します。
- 一つのリソース内にconditionおよびsubconditionの両方を定義した場合,subconditionを定義したサブリソースは,subconditionの定義が有効となります。
- 自動アクションについては「2.2.3(4) 自動アクション」を参照してください。
(5) 定義例
収集条件定義ファイルの定義例を次に示します。
- 収集条件定義ファイルの定義例(回線利用率)
- 収集条件定義ファイルの定義例(CPU利用率)
- 収集条件定義ファイルの定義例(統計的しきい値の定期算出に関する定義)
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