JP1/Cm2/SNMP System Observer
APMでのプロセスおよびサービス監視について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 監視できるプロセスとサービス
- (2) APMが発行するイベント
- (3) イベント遅延
- (4) イベントのTCP通知
APMで監視できるサービス名の長さは100バイト以内,プロセス名の長さは,OSによって異なります。監視できるプロセス名の最大長を,OSごとに次の表に示します。
表2-17 監視できるプロセス名の最大長
OS 実行ファイル名 コマンドライン名 HP-UX 14バイト 60バイト Solaris 15バイト 79バイト AIX 256バイト 2016バイト Linux 15バイト 2017バイト Windows 256バイト 256バイト SSOで設定できる監視プロセス名は最大60バイトです。表2-17に示す値は,APMが認識できるプロセス名の最大長です。例えば,OSがHP-UXのシステムで実行ファイル名が20バイトのプロセスは,先頭から14バイトまでの名称で認識します。そのため,実行ファイル名で監視する場合は,14バイトの名称にするか,ワイルドカードを使用した名称を設定してください。監視プロセス名にワイルドカードを使用した場合は,APMが認識できる最大長までの範囲で一致するプロセスが対象となります。
なお,表2-17に示す最大長は,OSのバージョンや適用パッチによって異なる場合があります。APMが認識するプロセス名は,apmproclistコマンドで確認してください。apmproclistコマンドの詳細は,「6. コマンド apmproclist」を参照してください。
- Windowsでのプロセス監視方式について
Windows版APMは,Windowsのパフォーマンスデータを取得することにより,プロセスを監視します。
(2) APMが発行するイベント
APMは,次の事象を契機に,SSOにイベントを発行します。
- APMの起動,または停止
- プロセスまたはサービス状態変更(プロセスの起動/停止,またはサービスの動作状態変更)
- プロセスまたはサービス状態の確認終了
- 監視間隔変更
- 監視の開始,または停止
詳細については「付録I.3 APMが発行するイベント」を参照してください。
(3) イベント遅延
UDPプロトコルを使用したイベント発行で,プロセスまたはサービスを監視していると,イベントの順番が逆転したり,消失したりすることがあります。特に,同一サーバに対して複数のイベントを連続して発行する場合は,消失や逆転の可能性が高くなります。そのため,2回目以降のイベントを,指定した秒数だけ遅らせて発行することができます。この機能を使用すると,IDが1000005〜1000011のプロセス状態イベントと1000016〜1000023のサービス状態イベントを遅延させることができます。イベント遅延の概要を,次の図に示します。
図2-67 イベント遅延の概要
イベントの遅延間隔は,イベント遅延定義ファイルで設定します。詳細は,「7.4.5 イベント遅延定義ファイル(apmdelay.conf)」を参照してください。なお,イベントをTCPで通知する場合,イベント遅延機能は無効です。
(4) イベントのTCP通知
イベントの通知方式としてTCPプロトコルを使用する場合について説明します。
(a) イベントのTCP通知の設定方法
- APM側での設定
イベントTCP通知定義ファイル(apmtcpsend.conf)のTCPSMODE:キーを有効にすることでAPMからのイベント通知がTCP/IPでSSOに通知されます。有効にするためには,TCPSMODE:キーに"ON"を設定してください。
イベントTCP通知定義ファイルの詳細については,「7.4.7 イベントTCP通知定義ファイル(apmtcpsend.conf)」を参照してください。
- SSO側での設定
ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)のmax-apm-session:キーに値を設定してください。ssoapmon動作定義ファイルの詳細については「7.3.7 ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)」を参照してください。設定する値は,以下の見積もり式に従って設定してください。
max-apm-session ≧ 監視サーバの台数 / (APM側のリトライ回数 + 1) + 安全係数
- 注
- 上記の見積もり式の「APM側のリトライ回数」はAPMのイベントTCP通知定義ファイル(apmtcpsend.conf)のRETRYCNT:キーで指定します。また,安全係数は任意の値ですが,1を設定することを推奨します。
(b) 注意事項
- 監視マネージャのバージョンが,08-00以前の場合
TCPで通知したイベントは,監視マネージャ上のイベントログファイル(ssoapmevt.log)に出力されるため,NNMのovdumpeventsコマンドから参照できなくなります。APMのイベントについては「付録I.3 APMが発行するイベント」を参照してください。
- ファイアウォールについて
イベント通知にTCP/IPを使用する場合はSSOのポート番号定義ファイル(ssoport.conf)のssoapmevt:キーの値に対して監視マネージャの方向についてファイアウォールの設定を見直してください。詳細については「7.3.12 ポート番号定義ファイル(ssoport.conf)」を参照してください。
- ssoapmonデーモンプロセスのコネクション数の制限について
07-50以前のWindows版 SSOから監視を行う場合,ssoapmonデーモンプロセスにはコネクション数の上限があります。
このため,次の計算式でのssoapmon動作定義ファイルの各キーの値が,以下の計算式の条件を満たすように各キーの値を設定してください。コネクション数が64を超えるとプロセス監視機能が正常に動作しないことがあります。
08-00以降のWindows版SSOもしくはUNIX版SSOについてはssoapmon動作定義ファイルのmax-apm-sessionの範囲内で,APMからのイベント通知のためのコネクションを受け付けることができます。
64 ≧ (max-client:キーの値) + (max-snmp-session:キーの値) + (max-apm-session:キーの値) + 10
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