JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド

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12.7.2 JP1/IM,JP1/Baseの障害に対する検討

JP1/IMやJP1/Baseが障害などで停止すると,システムの運用管理に影響します。このため,JP1/IMやJP1/Baseでは,障害の耐性を高めるために,次の機能を提供しています。

これらの機能を有効にすることを検討してください。デフォルトでは無効になっています。

プロセス障害時の通知と対処について
  • プロセス管理機能について
    参照先:「7.1 JP1/IM - Managerのプロセス管理
  • プロセス異常時の再起動を有効にする設定
    参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「拡張起動プロセス定義ファイル(jp1co_service.conf)」(2. 定義ファイル)
  • プロセス異常発生時のJP1イベントの発行を有効にする設定
    参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「IMパラメーター定義ファイル(jp1co_param_V7.conf)」(2. 定義ファイル)
  • ヘルスチェック機能について
    参照先:「7.2 JP1/IM - Managerのヘルスチェック機能
  • プロセスのハングアップ検知時のJP1イベント発行,通知コマンド実行を有効にする設定
    参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「ヘルスチェック定義ファイル(jcohc.conf)」(2. 定義ファイル)
  • JP1/Baseの障害時の通知と対処について
    参照先:マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの障害に備えた設定に関する説明

また,障害が発生したときに迅速に資料を採取できるよう,JP1/IMでは,ダンプ出力コマンドと資料採取ツールを提供しています。通常,JP1/IMで障害が発生したときは,これらを使用して障害資料を採取します。ただし,ビューアーとしてWWWページ版のJP1/IM - Viewを使用している場合は,JP1/IMで提供しているコマンドやツールが利用できないため,JavaTM Plug-inで提供しているデバッグツールを利用して障害資料を採取する必要があります。

ダンプ出力コマンド
ダンプ出力コマンドは,JP1/IM - View,JP1/IM - Managerそれぞれに用意されています。

表12-10 ダンプ出力コマンド一覧

コマンド 説明
jcothreaddmp JP1/IM - View用ダンプ出力コマンド。
JP1/IM - Viewハングアップ時に,障害調査に必要な資料として次のダンプを出力します。
  • Javaスレッドダンプ
jcogencore JP1/IM - Managerダンプ出力コマンド。
JP1/IM - Managerプロセスのハングアップ時に,障害調査に必要な資料として次のダンプを出力します。
  • Javaスレッドダンプ:evflow,evtcon,evgen,jcdmainプロセスの障害資料として出力します。
  • コアダンプ(UNIX限定):evtcon,evgen,jcdmain,jcamain,evflowプロセスの障害資料として出力します。
プロセスがハングアップしたかどうかはヘルスチェック機能を利用するなどしてください。

注※ 5プロセス分のコアダンプを出力した場合,コアダンプの容量は合計で最大8,419メガバイトになることがあります。このため,出力する前にディスク容量にゆとりがあるか確認してください。


資料採取ツール
資料採取ツールは,バッチ(Windowsの場合)またはスクリプト(UNIXの場合)で提供されています。

表12-11 JP1/IMで提供している資料採取ツール一覧

OS 資料採取ツール 説明
Windows jcoview_log.bat JP1/IM - Viewの障害調査に必要な資料を一括採取するツールです。
jim_log.bat JP1/IM - Managerの障害調査に必要な資料を一括採取するツールです。
UNIX jim_log.sh JP1/IM - Managerの障害調査に必要な資料を一括採取するツールです。

注※ JP1/Baseの障害調査に必要な資料を採取したい場合は,JP1/Baseが提供する資料採取ツールを実行する必要があります(上記表のツールで採取できるJP1/Baseの資料はJP1/IMに関係する部分だけです)。


採取する資料の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」の「10.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。なお,Windowsの場合,トラブルが発生したときにメモリーダンプやクラッシュダンプが必要になることがあります。これらのダンプファイルも万一に備えて出力する設定にしておくことをお勧めします。
ただし,次の点に注意してください。
  • メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細は,Windowsのヘルプの「STOPエラー」の項目を参照してください。
  • クラッシュダンプに出力される情報はJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保してください。

JavaTM Plug-in提供デバッグツール
WWWページ版のJP1/IM - Viewを使用しているときにハングアップした場合には,JavaTM Plug-inで提供しているデバッグツールを利用してJavaのスタックトレースログを採取します。このツールは,WWWページ版のJP1/IM - View表示時には使用できる状態にしておく必要があります。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド」の「4.16.4 [Javaコンソール]画面の表示設定」を参照してください。

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