JP1/IMと連携してシステムを集中監視すると，Cosminexusシステムの次の事象を統合コンソールと統合スコープのビューアーで監視できるようになります。

• J2EEアプリケーションが開始，停止または実行されたことの通知や，J2EEアプリケーション内で発生した障害を監視できます。
• 論理サーバが開始，停止されたことの通知や，論理サーバで発生した障害を監視できます。
• J2EEアプリケーションやバッチアプリケーション内で出力されたユーザログの情報を監視できます。

JP1/IMを使用したシステムの集中監視の概要を次に示します。

図21-1　JP1/IMを使用したシステムの集中監視の概要

1. J2EEサーバ／Webサーバで障害が発生した場合，その事象が，JP1統合運用管理サーバに通知されます。
2. JP1統合運用管理サーバから，業務システムの運用管理者に事象が通知されます。
   通知方法としては，事象を選別して携帯電話に自動的に通知する設定などができます。このような設定をしておくと，運用管理者自身が常にコンソールを監視している必要がなくなります。
   
3. 通知を受けた運用管理者が，JP1/IMの統合スコープのビューアーを参照して，事象を確認します。
   統合スコープのビューアーでは，監視ツリーを使用して障害などの影響範囲を確認できます。例えば，特定のJ2EEサーバで障害が発生している場合，監視ツリーでは，ツリーのルートノードから該当するJ2EEサーバまでのノードが，障害を表す色で表示されます。このツリーをルートノードからたどれば，障害が発生しているJ2EEサーバとその影響範囲をすぐに確認できます。また，その障害によって業務が完全に停止してしまうのか，またはクラスタ構成によってシステムの停止にはなっていないのかなどを確認して，緊急性の有無を判断できます。
   なお，Cosminexusでは，業務指向ツリーとサーバ指向ツリーの2種類の監視ツリーを作成する機能を提供しています。詳細については，「21.2.3　監視ツリーの自動生成」を参照してください。
   
4. 障害が発生した個所を特定したら，該当するノードから統合コンソールを表示して，エラー情報などを確認します。
5. 障害の原因がCosminexusシステムの設定にあった場合は，統合コンソールからCosminexusの運用管理ポータルを表示して，障害の原因に対処します^※。
   運用管理ポータルが表示される場合は，統合コンソールで選択したイベントに応じて，その事象に対処するための画面が直接表示されます。
   

   注※

   運用管理ポータルの表示は，Windowsの場合だけできます。

Cosminexusでは，このような運用を実現するために，次の機能を提供しています。

• JP1/IMで使用するCosminexus用の監視ツリーを自動生成する機能（アダプタコマンド）
• Cosminexusシステムで発生したトラブルをJP1/IMに通知するためのJP1イベントを発行する機能
• JP1/IMからManagement Serverの運用管理ポータルを表示する機能（モニタ起動コマンド）^※

注※

モニタ起動コマンドはWindowsの場合だけ使用できます。