CTMが提供する機能の概要について説明します。機能の詳細については,「11. CTMによるリクエストのスケジューリングと負荷分散」を参照してください。
- CTMによるリクエストの流量制御と優先制御
J2EEサーバで一度に実行される処理数の最大値を設定してリクエストの同時実行数を制限することで,J2EEサーバの負荷を一定に抑え,安定した高いスループットを実現できます。
また,リクエストに優先順位を付けることで,優先順位の高いリクエストから順にキューから取り出して処理できます。
- CTMによるリクエストの閉塞制御
特定のJ2EEアプリケーションに対するリクエストの受け付けを停止したり,リクエストを滞留したりすることで,システム全体を停止させない状態でのJ2EEアプリケーションの入れ替えや再起動ができます。
- CTMによるリクエストの負荷分散
クライアントからのcreateおよびビジネスメソッドの呼び出しを,サーバ間,プロセス間およびスレッド間で負荷分散できます。
- CTMによるリクエストのキューの滞留監視
CTMがそれぞれのリクエストを制御するためのキューを,スケジュールキューといいます。キューの滞留監視機能では,スケジュールキューに滞留するリクエストを,一定間隔で監視できます。
- CTMのゲートウェイ機能を利用したTPBroker/OTMクライアントとの接続
CTMのゲートウェイ機能を利用して,TPBrokerクライアントおよびTPBroker OTMクライアントからアプリケーションサーバ上で動作するJ2EEアプリケーションを呼び出せます。
- CTMの稼働統計情報の収集
CTMを使用する場合に,CTMから出力された稼働統計情報を収集できます。この情報を基に,CTMの処理性能を分析できます。
CTMが提供する機能の目的,およびJ2EE標準との対応について,次の表に示します。
表2-9 CTMが提供する機能の目的およびJ2EE標準との対応
機能名 |
目的 |
J2EE標準への準拠 |
参照先 |
信頼性 |
性能 |
運用・
保守 |
拡張性 |
そのほか |
J2EE標準 |
拡張 |
CTMによるリクエストの流量制御と優先制御 |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
○ |
11.4 |
CTMによるリクエストの閉塞制御 |
○ |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
11.5 |
CTMによるリクエストの負荷分散 |
○ |
○ |
− |
○ |
− |
− |
○ |
11.6 |
CTMによるリクエストのキューの滞留監視 |
○ |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
11.7 |
CTMのゲートウェイ機能を利用したTPBroker/OTMクライアントとの接続 |
− |
− |
− |
○ |
− |
− |
○ |
11.8 |
CTMの稼働統計情報の収集 |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
17.9 |
(凡例) ○:対応する −:対応しない
- 注
- 表中の項目「拡張」だけに○が付いている機能はApplication Server独自の機能であることを示します。
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