JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド

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3.3.7 ガイド機能

ガイド機能は,[監視ツリー]画面および[ビジュアル監視]画面の監視ノードから,その監視ノードの種類や状態について,対応のガイドとなる情報を表示する機能です。

このガイド機能を使って,発生した問題に対する対処手順や,エラーの対処方法などを,問題対応のアドバイスとして表示できます。また,監視ノードが,どの業務に対応し,その業務の何に着目して監視しているかを説明するためのガイドとしても利用できます。

状態変化前のガイド情報:その監視ノードの業務や監視目的などの説明
状態変化後のガイド情報:発生した問題に対する対処方法の説明

ガイド機能の表示する情報は,ガイド情報といい,ユーザーが表示内容や表示形式(TXTかHTML)を設定できます。

なお,具体的な設定手順は「12.6.1 ガイド情報の編集の手順」で説明します。

<この項の構成>
(1) ガイド情報の設定内容
(2) 運用方法に合わせたガイド情報の活用

(1) ガイド情報の設定内容

ガイド情報は,JP1/IM - Managerが管理するガイド情報ファイルに設定します。

ガイド情報ファイルの書式については,次を参照してください。

ガイド情報ファイルについて

このガイド情報ファイルには,ガイド情報として表示する内容や,どういった場合にどのガイド情報を表示するかの条件を指定します。

なお,ガイド情報として表示する内容は,別ファイルに切り出して管理することもできます。JP1/IMではこの別ファイルのことをガイドメッセージファイルと呼びます。

ガイドメッセージファイルを利用する場合,ガイド情報ファイルのバージョンを2(DESC_VERSION=2)にする必要があります。また,表示する内容をガイド情報ファイルに記述する代わりにガイドメッセージファイルへのリンク指定をします。

図3-52 ガイドメッセージファイルの利用

[図データ]

(a) ガイド情報を表示する条件

どのような場合に表示するガイド情報かを,条件(EV_COMP_数字)に指定できます。条件は複数設定でき,EV_COMP_1,EV_COMP_2というように列挙します。複数設定した場合の条件同士の関係はAND条件となります。

条件には,監視ノードが受信したJP1イベントや,監視ノード自身の情報を指定できます。

 

注意
JP1/IM - Viewでガイド情報を表示する際に,ガイド情報ファイルの内容は先頭から順に参照されていきます。条件に一致するガイドがあると,そこでガイド情報ファイルの参照をやめ,条件に一致したガイドを[ガイド]画面に表示します。
条件に一致するガイドがガイド情報ファイル内に複数あった場合でも常にその中で先頭にあるものがガイドとして[ガイド]画面に表示されてしまうため,以下のことを目安にガイド情報の表示条件を設定してください。
  • 一つのガイド情報に対し,表示条件を複数設定し,ほかのガイドの表示条件と一致しないようにする。
    例えば,表示条件にイベントID,重大度,メッセージなどのJP1イベントの属性を複数設定することで,ほかのガイドの表示条件と差別化を図ります。
    また,属性の内容は正規表現で記述できますが,完全一致で記述するようにしてください。
  • 緊急度の高い順にガイド情報ファイルに記述する。
    例えば,監視ノードの状態変更条件で「警告」「エラー」の状態に変わる状態変更条件を定義していた場合,「エラー」の状態に変化したときに表示するガイド情報を「警告」の状態に変化したときに表示するガイド情報よりも先に記述します。
    なお,監視ノード自身の説明をガイド情報として表示したい場合,表示条件には監視ノードIDだけを指定することになります。このような優先度の低いものは,ガイド情報ファイルの最後尾にまとめて記述してください。

(b) ガイド情報での表示内容

ガイド情報として表示するメッセージを,ガイド情報ファイルにEV_GUIDEで指定します。ガイドメッセージファイルを利用する場合は,EV_GUIDEの変わりにEV_FILEを指定します。

メッセージは,TXT形式またはHTML形式で記述できます。また,メッセージにはJP1イベントの属性値を変数(属性値の頭に$を付ける)として使うことができます。例えば,JP1イベントのメッセージ(B.MESSAGE)は$B.MESSAGEと変数として使うことができ,JP1イベントの属性値をガイド情報のメッセージ中に表示できます。

(備考)

(2) 運用方法に合わせたガイド情報の活用

[ガイド]画面では,運用方法に合わせて,任意の内容をガイド情報として表示できます。

例えば,次のように考えて使うことができます。

システムの運用方法に合わせたガイド情報(例)

また,監視グループには対処手順,監視オブジェクトには具体的なエラー要因,といったように監視ノードの種類でガイド情報を使い分けることもできます。

(a) 対処手順についてのガイド情報

対処手順についてガイド情報を表示するには,監視ノードごと(つまり業務などの監視視点ごと)にガイド情報を登録します。

監視ノードは,それぞれ監視ノードIDがついています。この監視ノードIDを条件として,ガイド情報を設定します。

なお,監視ノードIDは,監視ノードごとにユニークな番号で,監視ノードを作成したときに自動的に割り当てられます。監視ツリー上で監視ノードを移動しても,監視ノードIDは変わりません。

  1. 監視ノードIDを調べる。
    [監視ツリー]画面で,ガイド情報を設定したい監視ノードの監視ノードIDを調べます。
    • 監視ノードを選択して右クリックして[プロパティ]を選択し,[プロパティ]画面で[全般]ページを表示する。監視ノードIDが[監視ノードID]のところに表示されます。
    • 監視ノードの検索をする。メニューバーから[表示]−[検索]を選択して[検索]画面を表示し,目的の監視ノードを検索する。監視ノードIDが,検索結果の監視ノードIDの欄に表示されます。
  2. 監視ノードIDを条件としたガイド情報を記述する。
    ガイド情報ファイル(jcs_guide_xxx.txt)に,条件(EV_COMPの指定)に監視ノードID(T.MONNODEID)を指定したガイド情報を記述します。
    例えば,次のように記述します。
    (記述例)
    [EV_GUIDE_1]
    NUM=1
    EV_COMP_1=T.MONNODEID:(監視ノードID)
    EV_TITLE=「経理業務_日次集計」異常発生時の対処手順
    EV_GUIDE=「経理業務_日次集計」で異常が発生した場合の対処手順\n参照:「運用ガイド 3.11 異常発生時の対処」\n手順概要(詳細は運用ガイドを参照)\n異常内容の確認→影響大の場合は関連ジョブを一時保留→管理者への連絡(連絡ルートC)
    [END]
    (記述例の説明)
    T.MONNODEID:(監視ノードID) の部分には確認した監視ノードIDを指定します。

(b) 問題内容(JP1イベント)についてのガイド情報

問題内容についてガイド情報を表示するには,監視ノードの状態が変わるきっかけになったJP1イベントについてガイド情報を登録します。

  1. JP1イベントを調べる。
    問題に関連するJP1イベントについて調べます。
    条件として使うのは,JP1イベントのイベントID(B.ID)などです。
    また,メッセージ(B.MESSAGE)などのJP1イベントの情報を,ガイド情報の一部として使用できるので,内容と属性名についても確認します。
  2. JP1イベントを条件としたガイド情報を記述する。
    ガイド情報ファイル(jcs_guide_xxx.txt)に,条件(EV_COMPの指定)にJP1イベントのイベントID(B.ID)などを指定したガイド情報を記述します。
    例えば,次のように記述します。
    (記述例)
    [EV_GUIDE_1]
    NUM=1
    EV_COMP_1=B.ID:00004107
    EV_TITLE=ジョブの異常終了
    EV_GUIDE=ジョブが異常終了しました。\nジョブ名:$E.OBJECT_NAME\nジョブ実行ホスト:$E.C0\nメッセージ−−\n$B.MESSAGE\n−−−\n<事例>\n・ジョブAとジョブBが同時に実行されるとジョブBが作業領域不足で異常終了する:ログ(jobexe.log)で確認してください。
    [END]

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