JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) 監視ノードの検索
- (2) 状態変更イベントの検索
(1) 監視ノードの検索
[監視ツリー]画面および[ビジュアル監視]画面では,監視ノードを検索できます。
例えば,状態の変更された(つまり何らかの事象が発生した)監視オブジェクトを確認したり,特定の監視オブジェクトを探すような場合に,検索をします。
監視ノードの検索は,専用の画面([検索]画面)が表示され,さまざまな条件で検索できます。指定できる検索条件は次のとおりです。
- 監視ノード名
- 監視ノードID
- 監視ノード種別
- 状態
- 監視状態
- JP1資源グループ※
- 基本情報
- 状態変更条件
- イベント発行条件
注※ 監視ツリーの監視範囲設定が有効になった状態のときだけ表示されます。詳細については「3.3.4(3)監視ツリーの監視範囲設定」を参照してください。
これらの検索条件の関係はすべてAND条件となります。また,監視ノード名,基本情報と状態変更条件は,正規表現で入力します。
検索結果は,[検索]画面に表示され,その画面上で監視ノードの状態,監視状態を変更できます。また,表示された監視ノードをダブルクリックすることで,その監視ノードを選択した状態で[監視ツリー]画面を表示できます。
(2) 状態変更イベントの検索
[監視ツリー]画面および[ビジュアル監視]画面では,監視オブジェクトの状態変更イベントを,発生の古い順に100件まで検索(履歴表示)できます(101件以降は検索できません)。なお,状態変更イベントとは,統合スコープで監視対象(状態変更条件)としているJP1イベントのことです。
(a) 状態変更イベントの履歴を検索する
現在の状態になるまでに発生した状態変更イベントの履歴を確認したい,またはその状態変更イベントの詳細情報を確認したい場合に利用します。状態変更イベントの検索をすると,[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページが表示され,そこに該当するJP1イベントが表示されます。
なお,監視オブジェクトの状態を手動で変更すると,状態変更イベントの履歴も削除されます。
図3-49 監視オブジェクトの状態遷移と状態変更イベント検索の関係
- (備考)
- 監視グループに対し,状態変更イベントの検索をすると,下位監視ノードで発生した状態変更イベントのうち,発生の古い順に100件までが表示されます。
- ただし,監視グループの状態変更条件を定義している場合には,下位の監視ノードの状態を変更したイベントがあっても,対策の必要がある状態変更イベントだけ,発生の古い順に100件まで表示されます。
- 次の図に例を示します。
図3-50 監視グループの状態変更イベント検索の例
- 上記図のように,対策の必要がある状態変更イベントだけが表示されます。
- 監視オブジェクト2の状態変更イベントの検索結果を表示したい場合には,監視ツリーをドリルダウンしたり,監視ノードの検索をしたりして調査できます。また,上位の監視グループ2から,監視オブジェクト2の状態変更イベントを検索したい場合には,監視グループ2の状態変更条件に,「エラーの下位監視ノードが1個以上で警告」と定義します。
- 監視オブジェクトの状態変更イベントが100件を超えた場合のイベント発行
- 監視オブジェクトの状態変更イベントの件数が100件を超えた場合には,警告のJP1イベントが発行されます。
- 発行されるJP1イベント
- イベントID=00003FB1
- メッセージ=「KAVB7901-W 監視ノード(監視ノードID)の状態変更イベントの件数が上限を超えました」
- 1件のJP1イベントを契機にして,複数の監視オブジェクトの状態変更イベントが100件を超えた場合でも,このときに発行されるJP1イベント(イベントID=00003FB1)は1件だけです。メッセージ情報の監視ノードIDの部分に監視オブジェクトのIDが最大10件,コンマ区切りで列挙されます。10件を超えた場合は,IDの後ろに(...)が付加されます。
図3-51 イベントID=00003FB1の発行
- (備考)
- 各監視オブジェクトの状態変更イベントの履歴は,100件までしか管理されません。このため,定期的に件数をチェックし(状態変更イベントの検索),件数が増えてきたら,履歴を削除することをお勧めします。履歴は,監視オブジェクトの状態を手動で変更することで削除する方法と,自動で削除する方法があります。
- なお,履歴を手動で削除する場合には,検索結果として表示されるJP1イベントへの対策が終わっていることも確認してください。
- 状態変更イベントの履歴を自動で削除する方法として,次の二つがあります。
- 特定のJP1イベントを受信したときに,監視オブジェクトの状態を「初期状態」にする
- JP1イベントの対処状況を「対処済」にしたときに,状態変更イベントの履歴を削除する
- 特定のJP1イベントを受信したときに,監視オブジェクトの状態を「初期状態」にする方法については,「(b) JP1イベント受信時に監視オブジェクトを初期状態にする」を参照してください。JP1イベントの対処状況を「対処済」にしたときに,状態変更イベントの履歴を削除する方法については,「3.3.8 (3) 対処済み時の状態変更イベントの自動削除」を参照してください。
(b) JP1イベント受信時に監視オブジェクトを初期状態にする
JP1イベントの受信を契機として,監視オブジェクトの状態を「初期状態」にできます。監視オブジェクトを「初期状態」にすることで,状態変更イベントの履歴が削除されます。この機能を監視オブジェクトの自動初期化機能といいます。この機能はデフォルトでは無効です。
例えば,障害が回復した場合に,回復を通知するJP1イベントを発行することで,回復通知を基に自動で監視オブジェクトを「初期状態」にする運用ができます。この場合は,監視オブジェクトの状態変更条件に,回復を通知するJP1イベントを受信したときに,「初期状態」に変更するよう定義しておきます。
「初期状態」の状態変更条件を定義できる対象は,監視オブジェクトだけです。監視グループには定義できません。
この機能を使用するときの注意として,一つの監視オブジェクトに対して,複数の異なる障害を通知するJP1イベントが発生した場合に,一方の障害回復を通知するJP1イベントを受信するとします。すると,もう一方の障害が回復していなくても強制的に監視オブジェクトが「初期状態」に変わり,状態変更イベントの履歴も削除されます。そのため,次の条件を満たす場合だけ,この機能を使うことを推奨します。
- 監視対象に複数の障害が発生しても,一つのJP1イベントで複数の障害が回復したことを保証できるJP1イベントを発行する。
- 障害を回復するに当たり,ユーザーが監視対象の障害履歴の確認をする必要がない。
設定方法については,「12.7.4 JP1イベント受信時に監視オブジェクトを初期化するための設定」を参照してください。
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