データベース運用中にデータベースが満杯状態になるのを防ぐための方法について説明します。データベースの使用状況は,[データベースエリアの使用状況の表示]ユティリティによって確認できます。[データベースエリアの使用状況の表示]ユティリティについては,「8.7.2 データベースエリアの使用状況の表示」を参照してください。なお,メッセージとしてKFXO41012-I,KFXO41053-I,KFXO41055-Iが出力されている場合についても,データベースの容量が満杯に近づいている可能性がありますので,同様にデータベースの使用状況の表示で使用状況を確認し必要に応じて対処を行ってください。出力した使用状況の見方については,「4.3.2 データベースエリアの使用状況の表示」を参照してください。これによって,データベースが満杯状態に近づいていることを確認した場合は,次に示す方法で対処してください。
- データベースのエリアを拡張する
- 不要なオブジェクトを削除する
また,メッセージKFXO40401-E及びKFXOE40402-Eが出力された場合も,オブジェクトサーバのデータベースエリアの容量が不足していますので,対処が必要です。
(a) データベースのエリアを拡張する
データベースエリアを拡張する方法について説明します。
Groupmax Address/Mail Server,Groupmax Document Manager及びGroupmax Workflow Serverのユーザ数増加や業務への適用範囲拡張など,環境の変更に伴うエリアの拡張作業が必要な場合にも,次に示す方法で実行してください。
- データベースのファイルの属性変更
次のような場合に利用してください。
- 「最大割り当て量」の指定があるファイルで,データベースが満杯状態なっているか,又は満杯状態に近づいており,至急にエリアを拡張したい場合にお勧めします。
- データベースへのファイルの追加
次のような場合に利用してください。
- ファイルのあるパーティションに十分な空き領域がないとき,別のパーティションにファイルを追加します。
- データベースのエリアの再構成
次のような場合に利用してください。
- ユーザ追加などによるエリアの再構成をする場合
- サーバ統合などによるサーバの再構築時にエリアの再構成をする場合
- 一時的にデータベースのファイルの属性変更及びデータベースへのファイルの追加で,エリア拡張の対処をしてきた後にエリアの再構成をする場合
- データベースのファイルの属性変更及びデータベースへのファイルの追加で,対処できない場合
[データベースのエリアの再作成]ユティリティを実行することによって,エリアのセグメントサイズ,エリアを構成するファイル,ファイルの初期割り当て量及びファイルの最大割り当て量を変更できます。
- 事前準備
エリアを拡張するために「最大割り当て量」の変更が必要かどうか検証します。
なお,この検証は,「最大割り当て量」の指定のあるファイルのエリアを拡張する場合にだけ必要です。
ただし,インデクス用エリア及びOIDインデクス用エリアの場合は不要です。
- 〔エリアのファイルの「最大割り当て量」の変更を検証する式〕
-
- a = 再見積もり後のareaパラメタの-sオペランド×再見積もり後のfileパラメタの-mオペランドの値
- b = 現在のareaパラメタの-sオペランド×現在のfileパラメタの-mオペランドの値※1 ※2
-
- 上記式が「a>bである」時,fileパラメタの-mオペランド(最大割り当て量)の変更が必要です。
変更後の-mオペランドの値は,「a/現在のareaパラメタの-sオペランドの値」を切り上げた値です。
なお,変更後の-mオペランドの値は,a式の「再見積もり後のfileパラメタの-mオペランドの値」に代入してください。
- 上記式が「a>bでない」時でも,そのデータベースのファイルが満杯になっている場合は,fileパラメタの-mオペランド(最大割り当て量)の変更が必要です。
この場合,a式の値の見積もり誤りが考えられますので,現在のfileパラメタの-mオペランドの値※1 ※2の1.2倍(適当な安全係数を設定してください)などの値を変更後の-mオペランドの値にしてください。なお,変更後の-mオペランドの値は,a式の「再見積もり後のfileパラメタの-mオペランドの値」に代入してください。
- 〔a式の求め方〕
- a式への代入値は,次の方法で求めることができます。
- [Groupmaxサーバ環境設定]ユティリティで[Object serverの簡易設定]−[データベース定義ファイルの作成]−[データベース構成変更用パラメタの作成]を選択します。
- 再見積もり後のシステム構成情報を入力してデータベース構成変更パラメタを作成します((オブジェクトサーバ組み込みディレクトリ)\ESET\usr\(パラメタ名称)のディレクトリ下にesetrc.txt及びesetcons.txtのファイルが作成されます)。
- パラメタに指定された再見積もり後の「セグメントサイズ」及び「最大割り当て量」をa式へ代入してください。
- 〔b式の求め方〕
- b式への代入値は,次のどれかの方法で求めることができます。
- Object Server 02-30及びHigh-end Object Server 02-30以降のシステムを運用している場合
データベースエリア情報出力ツール(xodarls)による表示結果から確認できます。
データベースエリア情報出力ツール(xodarls)で表示される「セグメントサイズ」及び「最大割当量」をb式へ代入してください。
- Object Server 02-30及びHigh-end Object Server 02-30より前のシステムを運用している場合
次のユティリティ処理結果リストの表示内容から確認してください。
・[データベースの初期化]ユティリティ
・[データベースのエリアの追加]ユティリティ
・[データベースへのファイルの追加]ユティリティ
・[データベースのファイルの属性変更]ユティリティ
現在の「セグメントサイズ」及び「最大割当量」※1をb式へ代入してください。
- Object Server 02-30及びHigh-end Object Server 02-30より前のシステムを運用しており,上記の[データベースの初期化],[データベースのエリアの追加],[データベースへのファイルの追加]又は[データベースのファイルの属性変更]ユティリティのユティリティ処理結果リストがない場合
次のユティリティの実行時に使用したパラメタファイルの内容から確認してください。
・[データベースの初期化]ユティリティの初期設定パラメタファイル
・[データベースのエリアの追加]ユティリティの構成変更パラメタファイル
・[データベースへのファイルの追加]ユティリティの構成変更パラメタファイル
パラメタファイルに指定した「セグメントサイズ」及び「最大割り当て量」※2をb式へ代入してください。
- 注※1:
- 当該エリアを初期化した時に指定したファイルの「最大割り当て量」は,指定した値よりも大きな値に補正されている場合があります。その場合,現在のセグメント数は,当該エリアを初期化した時に指定したファイルの「最大割り当て量」よりも大きくなっている場合があります。
- 補正の仕方については,「7.5.2 初期設定パラメタの項目」のfileパラメタ-mオペランドの説明を参照してください。
- 注※2:
- 当該エリアを初期化した時に指定したファイルの「最大割り当て量」は,指定した値よりも大きな値に補正されている場合があります。その場合,現在のセグメント数は,当該エリアを初期化した時に指定したファイルの「最大割り当て量」よりも大きくなっている場合があります。
- 「最大割り当て量」が補正されている場合は,補正後の「最大割り当て量」をb式へ代入してください。
- 補正の仕方については,「7.5.2 初期設定パラメタの項目」のfileパラメタ-mオペランドの説明を参照してください。
- エリアを拡張する手順
- オブジェクトサーバのシステム管理者のユーザIDでログオンしてください。
- オブジェクトサーバを正常停止してください。すでにオブジェクトサーバが停止していて前回の停止状態が不明である場合は,いったんオブジェクトサーバを起動して,正常停止してください。
- オブジェクトサーバのデータベースのファイルをバックアップします。
構成変更の失敗時に備えます。
なお,次の手順で,[データベースのファイルの属性変更]ユティリティだけを実行する場合,データベースのファイルのバックアップの取得を省略してもかまいません。
- オブジェクトサーバをユティリティモードで起動してください。
- ファイルを追加する場合,[データベースへのファイルの追加]ユティリティを実行します。
- ファイルを拡張する場合,[データベースのファイルの属性変更]ユティリティを実行します。
[最大割り当て量]には変更後の最大割り当て量を指定してください。
- エリアを再作成する場合,[データベースのエリアの再作成]ユティリティを実行します。
- インデクス用エリア及びOIDインデクス用エリアのfileパラメタに-mオペランドを指定していた場合,[データベースのファイルの属性変更]ユティリティを実行して,-mの指定値を無効にします。
[最大割り当て量]には「0」を指定してください。
その後,データベースを再編成してください。
今後も,定期的にデータベースの再編成を実施してください。
- オブジェクトサーバを正常停止します。
- オブジェクトサーバのデータベースのファイルをバックアップします。
- エラー発生時の対処
- [データベースのエリアの再作成]ユティリティ及び[データベースのファイルの追加]ユティリティを実行中にエラーが発生した場合は,次の手順で対処してください。
- オブジェクトサーバを停止します。
- 作成中のデータベースのファイルが残っていれば,削除します。
- バックアップからリストアします。
- エラー要因を取り除いて,上記の手順の4からやり直します。
- [データベースのファイルの属性変更]ユティリティを実行中にエラーが発生した場合は,エラーの要因を取り除いて,[データベースのファイルの属性変更]ユティリティを再度実行してください。
- エリアを拡張するときの注意事項
エリアを拡張するときには,次のことに注意してください。
- ファイルの属性を変更するときに,最大割り当て量に「0」を指定して-mオペランドの指定を無効にした場合は,ファイルはファイルシステムが一杯になるか,又は2ギガバイトまで増分します。この場合は定期的に[データベースの再編成]ユティリティを実行してください。また,定期的に[データベースエリアの使用状況の表示]ユティリティを実行して,ファイルシステムが一杯にならないように確認するようにしてください。
[データベースの再編成]ユティリティについては,「8.4.1 データベースの再編成」を,[データベースエリアの使用状況の表示]ユティリティについては,「8.7.2 データベースエリアの使用状況の表示」を参照してください。
- ファイルを追加及びエリアの再作成をする場合は,ファイルを追加するための十分な空き領域があることを確認してください。空き領域がない場合は不要なファイルを削除するか,又は領域を作成してからユティリティを実行してください。
- ファイルを追加する場合は構成変更パラメタファイル, エリアの再作成をする場合は再構成パラメタファイルの,fileパラメタの-nオペランドに指定するファイル名称に空白を含まないようにしてください。
- ファイルを追加する場合は構成変更パラメタファイル,エリアの再作成をする場合は再構成パラメタファイルのOIDインデクス用エリア及びインデクス用エリアのfileパラメタに-mオペランドは指定しないでください。
- ファイルを追加及びエリアの再作成をする場合は,データベースのバックアップ及びデータベースの回復の運用も見直してください。
データベースの満杯状態が近づいてエリアのページ不足が発生した場合に,不要なオブジェクトを削除して空きページを作成する方法について説明します。
- Groupmax Mail Serverの自動削除デーモンの起動
データベースが満杯に近づいているエリアがGroupmax Address/Mail Serverで使用しているエリアの場合は,Groupmax Mail Serverの自動削除デーモンを起動して,不要なオブジェクトを削除できます。ただし,この場合,エリアからユーザのメールを削除することになるので,計画的な運用をしてください。Groupmax Mail Serverの自動削除デーモンについては,「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編」(Windows用)を参照してください。
また,自動削除デーモンを使用した運用をする場合は,定期的に[データベースの再編成]ユティリティを実行してデータベースを再編成することをお勧めします。不要なオブジェクトを削除して空きページを作った後でデータベースの再編成を実行すると,まとまった空き領域を確保できます。[データベースの再編成]ユティリティについては,「8.4.1 データベースの再編成」を参照してください。
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