JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

8.4.3 [ジョブ実行状況]ウィンドウで表示される項目

[ジョブ実行状況]ウィンドウで表示される項目について説明します。

<この項の構成>
(1) 表示項目
(2) 実行状況を示す色
(3) ジョブの実行状態
(4) ジョブの実行状況の遷移例
(5) 中継するシステムで表示される上位システムのジョブ

(1) 表示項目

[ジョブ実行状況]ウィンドウでは,次の情報が表示されます。

図8-23 [ジョブ実行状況]ウィンドウ

[図データ]

実行状況
現在のジョブの実行状況が,百分率(%)で表示されます。配布管理システムとクライアントの間に中継システムが一つある構成の場合,中継システムまでジョブが転送されると,50%と表示されます。中継システムが複数ある場合は,中継システムの数に応じて表示される値は変化します。
ジョブの実行状況は次のように変化します。
0%
配布管理システムでジョブが作成されましたが,転送していません。
20%
配布管理システムからジョブの転送を開始しました。なお,分割配布のジョブの場合は,分割配布の進行の割合によって表示が小刻みに進みます。
50%
中継システムまでジョブが転送されています。中継システムがない構成では,この値は表示されません。なお,分割配布のジョブの場合,中継システムのセットアップの[上位通知]パネルで,「下位システムへのパッケージの分割配布の実行状況を上位システムに通知する」チェックボックスをオンにしていると,分割配布の進行の割合によって表示が小刻みに進みます。
70%
クライアントシステムへジョブが転送され,実行待ちの状態になっています。クライアントシステムに転送された直後に実行されるジョブの場合,この値は表示されません。
100%
ジョブの処理が完了しました。
実行状態
現在のジョブの状態が表示されます。ジョブの実行状態については,「(3)(a) ジョブの実行状態の種類」を参照してください。
完了/エラー/拒否/総数
ジョブの完了数,エラー数,拒否数および総数が表示されます。
進行度
ジョブの経路と,どの経路まで処理を終了したかが表示されます。青色で表示された経路は処理を終了したことを示し,黒色で表示された経路はまだ処理を終了していないことを示します。
予定日時
ジョブを実行する予定の日時が表示されます。
実行期限
ジョブを実行する期限が表示されます。
実行日時
ジョブを実行した日時が表示されます。
インストール予定日時
パッケージをインストールする予定の日時が表示されます。

(2) 実行状況を示す色

ジョブの実行状況は色分けして表示されます。表示される色と,対応する実行状況を次に示します。

緑色
正常終了したジョブです。
白色
実行中,またはクライアントが起動していないために実行されていないジョブです。
黄色
クライアントシステムでユーザのログオンが必要なジョブ,システム起動時インストールが指定され,インストール待ちの状態であるジョブ,またはリモートコレクト時収集待ちの状態であるジョブです。
明るい灰色
「クライアントユーザによるインストール」ジョブで,クライアントシステムがインストールを拒否したジョブです。
暗い灰色
ジョブの実行が中断されているジョブです。
赤色
エラーが発生したジョブです。
マゼンタ色
ファイル転送時に通信エラーが発生したジョブです。ID管理中継とクライアント間の通信エラーについては表示されません。
通信エラーの状態になるのは次に示すジョブだけです。
  • パッケージのインストール
  • クライアントユーザによるインストール
  • 中継までのパッケージ転送
  • レジストリ取得項目の転送
  • システム情報の取得
  • 中継サーバからのコレクトファイル収集
  • システム構成情報の取得
  • 中継サーバからの結果通知保留
  • 中継サーバの結果通知の保留解除
  • メッセージの通知
  • ソフトウェア稼働監視の制御
ただし,通信エラーのジョブを監視するには配布管理システム側のセットアップでの設定が必要です。設定方法については,マニュアル「構築ガイド」の「4.2 サーバをセットアップする」および「5. JP1/NETM/DM Client(中継システム)をセットアップする」を参照してください。
オリーブ色
中継するシステムまたはクライアントで削除中のジョブです。デフォルトでは表示されません。
削除中のジョブを表示する方法については,「8.4.4(6) 削除中のジョブを表示する」を参照してください。

一つのジョブに複数の実行状況があるときは,最も悪い状況の色で表示されます。例えば,一つのジョブで複数のパッケージをリモートインストールした場合,実行状況がパッケージによって正常終了,実行中,エラーの三つの状態になったときは,表示される色は赤色になります。

(3) ジョブの実行状態

[ジョブ実行状況]ウィンドウに表示されるジョブの進行度や色,または実行状態からジョブの実行状況の遷移を確認する方法について説明します。

なお,IDジョブの実行状況の遷移を確認する方法については「8.4.5 IDジョブの実行状況の表示方法」を,また,全あて先ジョブの実行状況の遷移を確認する方法については「8.4.6 全あて先ジョブの実行状況の表示方法」を,それぞれ参照してください。

(a) ジョブの実行状態の種類

[ジョブ実行状況]ウィンドウで表示されるジョブの実行状態の種類を次の表に示します。

表8-3 ジョブの実行状態の種類

ジョブの実行状態 実行状況 実行状況を示す色 意味
実行待ち 0% 白色 ジョブが作成されたが,配布管理システムで転送待ちとなっている。
実行中 20%〜70% 白色 クライアントシステムへジョブを転送中,またはジョブを実行中。
起動失敗※1 0%〜50% 白色 ジョブを転送しようとしたが中継システムまたはクライアントが起動していない,またはクライアントが非常駐である。
中断中 20%〜70% 暗い灰色 中断指示が出ているため,ジョブの実行を中断している。
再開中 20%〜70% 白色 再開指示が出ているため,ジョブの実行を再開している。
インストール/収集待ち 70% 黄色 クライアントシステム側で,リモートインストール待ちまたは収集待ちとなっている,またはジョブが保留されている。
インストール拒否 70% 明るい灰色 クライアントユーザによるインストールジョブで,クライアントシステムのパッケージセットアップマネージャがパッケージのインストール情報を削除している。
正常終了2 100% 緑色 正常に実行が終了している。
エラー 0% 赤色 実行時にエラーが発生した,またはクライアント側でジョブがキャンセルされた。
通信エラー 0%〜70% マゼンタ色 ファイルの転送時に通信エラーが発生している。
削除中 なし オリーブ色 中継するシステムまたはクライアントでジョブを削除中。
注※1
起動失敗要因を細分化するよう設定している場合,次のように表示されます。
  • JP1/NETM/DMが停止しているため起動失敗したとき:「起動失敗(JP1/NETM/DM停止状態)」
  • PCの電源がオフであるため起動失敗したとき:「起動失敗(電源オフ)」
  • 上記以外の要因(ネットワーク障害など)で起動失敗したとき:「起動失敗」
なお,起動確認用のパケットが消失したときには,「起動失敗(電源オフ)」と表示されます。
注※2
ジョブ種別が「パッケージのインストール」の場合,次のように表示されます。
  • パッケージのインストールが実行されたとき:「正常終了」
  • パッケージが配布済みでインストールが実行されなかったとき:「正常終了(配布済み)」
(b) ジョブの実行状態の遷移

ジョブの実行状態は,ジョブの実行状況に応じて変化します。ジョブの実行状態の遷移を次に示します。

図8-24 ジョブの実行状態の遷移

[図データ]

(4) ジョブの実行状況の遷移例

次に,システム起動時にパッケージをインストールするジョブの実行状況の遷移例を示します。

表8-4 実行状況の遷移例(パッケージのインストールジョブ)

ジョブの実行状況 ジョブ実行状況ウィンドウに
表示される項目
ジョブの進行度 ジョブの色 実行状態
ジョブが作成され,配布管理システムで転送待ちとなっている 0% 白色 実行待ち
ジョブの転送が開始された 20% 白色 実行中
中継システムから中断指示が出された 50% 暗い
灰色
中断中
中継システムからジョブの再開が指示された 50% 白色 実行中
ジョブを転送しようとしたが,クライアントが起動していない 50% 白色 起動失敗
クライアントにジョブが転送された 70% 黄色 インストール/収集待ち
クライアントが起動され,ジョブの実行が開始された 70% 黄色 実行中
ジョブがエラーになった 0% 赤色 エラー
ジョブの実行が正常に終了した 100% 緑色 正常終了

(5) 中継するシステムで表示される上位システムのジョブ

上位の配布管理システムで作成したジョブが自システムを経由して実行される場合,中継マネージャまたは中継システムでは,上位の配布管理システムの名称でフォルダが作成され,フォルダの下位に実行中のジョブが表示されます。

図8-25 [ジョブ実行状況]ウィンドウ

[図データ]

上位の配布管理システムのジョブは,ジョブが完了した時点で自動的に削除されます。