JP1/IT Service Level Management

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1.3.1 監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆検知と対処の支援

多くの利用者がいるサービスや,利用者の業務に欠かせないサービスにいったんトラブルが発生してしまうと,利用者に多大な影響を与えるおそれがあります。JP1/ITSLMでは,監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆である「ふだんと異なるサービスの状況」を検知し,トラブルを事前に検知できます。また,過去の監視結果を基に,検知された事象への対処を支援します。

監視対象サービスについて,サービス性能の異常の予兆を検知して対処するまでの流れを次の図に示します。

図1-8 JP1/ITSLMで監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆を検知して対処するまでの流れ

[図データ]

最初に,応答時間の増加という「サービス性能の異常の予兆」がJP1/ITSLMを使用したサービスの状況の監視によって検知されます。次に,JP1/ITSLMでの過去の監視結果から,「サービス性能の異常の予兆」の原因と考えられる事象の発生時期を確認します。この確認結果は,検知された事象への対処に役立てることができます。

原因を特定して対処したあと,JP1/ITSLMでサービスレベルが回復したことを確認すれば,サービス性能の異常の予兆段階での対処は完了です。

このように,JP1/ITSLMは監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆検知をします。また対処にも役立てられます。サービスにトラブルが発生する前に対処できるようになるため,サービスの利用者の満足度向上にもつながります。

なお,この事例については,監視項目の設定例を「3.3.1 監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆検知と対処の支援(設定例)」,監視の実行例を「4.6.1 監視対象サービスのサービス性能の異常の予兆検知と対処の支援(実行例)」で説明しています。