JP1/IT Service Level Management

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付録C 用語解説

英字ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行ラ行

英字

All Web Access
JP1/ITSLMの監視対象です。監視対象サービスに含まれるすべてのリクエストとレスポンスについて,平均応答時間,スループットおよびエラー率を監視できます。
JP1/Base
JP1/ITSLM - Managerの前提となるプログラムです。イベントサービス機能を提供し,サービスの起動順序を制御できます。また,JP1イベントを送受信できます。
JP1/ITSLMでは,認証サーバとしても使用します。
JP1/IM
JP1/IM - ManagerとJP1/IM - Viewで構成されるプログラムです。
JP1/IM - Managerは,システム全体の一元的な監視と操作を実現し,システムを統合管理します。
JP1/IM - Viewは,JP1/IMでのシステム統合管理を実現するためのビューアー機能を提供します。
JP1/ITSLM - Manager
JP1/ITSLM - URが収集したHTTPパケットを集計・分析し,サービスの状況を監視するプログラムです。
監視者は,JP1/ITSLM - Managerにアクセスしてサービスの状況を確認します。
JP1/ITSLM - UR
スイッチごとに配置することで,スイッチを通じてサービス利用者とサービスの提供サーバの間でやり取りされるリクエスト,およびレスポンスのHTTPパケットを収集するプログラムです。
収集結果は,JP1/ITSLM - Managerに送信されます。
JP1イベント
システムで発生した事象をJP1で管理するための情報です。
JP1イベントは,次のような属性に分けて,事象を記録しています。
基本属性
すべてのJP1イベントが持つ属性です。
属性名を表記する場合,例えばイベントIDはB.ID(または単にID)のように記述します。
拡張属性
JP1イベントの発行元が任意に指定できる属性です。拡張属性は,次の共通情報と固有情報で構成されます。
・共通情報(形式が統一されている拡張属性の情報)
・固有情報(共通情報以外の各製品固有の形式の情報)
属性名を表記する場合,例えば重大度はE.SEVERITY(または単にSEVERITY)のように記述します。
JP1イベントは,JP1/Baseのイベントサービス機能が管理しています。システムで発生した事象をJP1イベントとしてデータベースに記録しています。
JP1権限レベル
管理対象(資源)に対してJP1ユーザーがどのような操作ができるかを表します。ジョブ,ジョブネット,イベントなどの管理対象(資源)の種類に応じて,操作項目を定めています。管理対象(資源)の種類と,それに対する操作項目の幾つかを組み合わせた形式でJP1ユーザーのアクセス権限を管理します。
JP1/ITSLMでは,「JP1_ITSLM_Admin」(サービスグループ管理者)と「JP1_ITSLM_User」(サービスユーザー)の2種類のJP1権限レベルを使用します。
JP1ユーザー
JP1/ITSLMを使用するときのユーザーです。JP1ユーザーは,認証サーバに登録され,他ホストへのアクセス権限を認証サーバで管理されます。OSに登録されているユーザーとは異なる場合があります。
PDCAサイクル
設計(Plan),行動(Do),評価(Check),改善(Action)の4段階で管理業務を円滑に進めるための手法です。
RDエリア
データベースのデータ格納領域です。JP1/ITSLM導入の際にセットアップ処理を実行したとき,絶対パスで指定したフォルダにRDエリアが作成されます。JP1/ITSLMでは,RDエリアを使用してJP1/ITSLM運用時のデータ管理を実現しています。
SLA
サービスの委託元と委託先の間での契約で交わされる,サービスの提供品質についての保証内容です。
SLO
SLAを遵守するために,監視項目に設定した具体的な評価指標です。
URI
インターネット上にある情報資源を指し示す識別子です。情報資源の場所,情報資源の名前などを表しています。
Webアクセス
JP1/ITSLMの監視対象となる,リクエストとレスポンスの組み合わせのことです。
Webトランザクション
JP1/ITSLMの監視対象です。監視対象サービスに含まれる複数のリクエストとレスポンスで構成される業務処理のまとまりのことです。処理のまとまりは,リクエストおよびレスポンスのURI,ならびにURIに含まれるクエリやCookieの情報を基に判別されます。

ア行

イベント
警告やエラーに該当する事象が発生したことを通知する情報です。

カ行

監視項目
サービスレベルの維持のためにJP1/ITSLMで監視する項目です。平均応答時間,スループット,およびエラー率が該当します。
感度
外れ値検知での,検知のされやすさを決定する設定です。感度を高くすると検知されやすくなり,感度を低くすると検知されにくくなります。[設定]画面で設定します。
クラスタシステム
複数のサーバシステムを連携して1つのシステムとして運用することで,障害が発生しても業務を継続できるようにすることを目的としたシステムです。障害が発生したシステムで実行していた処理を正常なシステムに引き継ぐことをフェールオーバーといいます。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるため,「系切り替えシステム」とも呼びます。
なお,クラスタシステムの種類には,複数のサーバが並列処理をして負荷分散することを目的としたシステム構成などもありますが,このマニュアルでは,フェールオーバーによって業務の中断を防ぐ機能のことだけを指します。
クラスタソフト
クラスタシステムで運用している場合に,クラスタシステム全体を制御するソフトウェアのことです。クラスタソフトは,システムが正常に動作しているかを監視し,異常を検知した場合にはフェールオーバーを実行して業務が止まることを防ぎます。
傾向監視
監視対象サービスのサービス性能の傾向を計算して,傾向からサービス性能のしきい値超過を事前に検知する監視方法です。

サ行

サービス
業務システムのことです。
サービスグループ
JP1/BaseでのJP1資源グループと同じものです。監視対象を,業務システムを委託した顧客ごと(企業ごとなど)に管理するための単位です。
サービスグループ管理者
JP1権限レベルで「JP1_ITSLM_Admin」を設定したユーザーです。
サービスグループ情報,およびサービスグループ内の監視対象サービスの情報を参照できます。また,監視対象サービスの情報の設定もできます。
サービス性能
監視項目である平均応答時間,スループット,およびエラー率を監視した結果のデータです。
サービスユーザー
JP1権限レベルで「JP1_ITSLM_User」を設定したユーザーです。
サービスグループ情報,およびサービスグループ内の監視対象サービスの情報を参照できます。
しきい値監視
監視対象サービスのサービス性能が,設定したしきい値を超過した場合に検知する監視方法です。
システム定義ファイル
JP1/ITSLMの動作を指定する定義ファイル(プロパティファイル)です。ホスト名,ポート番号などを指定します。
実行系サーバ
クラスタシステムで運用しているサーバのうち,業務処理を実行中のサーバのことです。

タ行

待機系サーバ
クラスタシステムで運用しているサーバのうち,実行系の障害時に業務を引き継げるよう待機しているサーバのことです。

ナ行

認証サーバ
JP1ユーザーのアクセス権限を管理するサーバです。
1つのユーザー認証圏に1台設置する必要があります。このサーバを利用してJP1ユーザーを一括で管理します。JP1/ITSLMを導入する場合,JP1ユーザー名をこのサーバに登録する必要があります。

ハ行

外れ値検知
監視対象サービスのサービス性能がふだんのサービス性能と大きく異なっている場合に,トラブルの予兆として検知する監視方法です。
フェールオーバー
クラスタシステムで運用している場合に,障害発生時に実行系サーバから待機系サーバに処理を引き継ぐことです。これによって,業務処理の停止を防ぎます。
ベースライン
外れ値検知の検知の基準となる,ふだんのサービス性能のことです。蓄積した過去のサービス性能の平均値で作成されます。外れ値検知では,このベースラインと大きく異なるサービス性能を検知することで,ふだんのサービス性能と異なることを検知します。

ラ行

論理ホスト
クラスタシステムで運用する場合に,フェールオーバーする単位となる論理的なサーバのことです。サービス,共有ディスク,および論理IPアドレスの3つの要素で構成されています。JP1/ITSLMの場合,サービスにはJP1/ITSLMを構成するWindowsサービスが該当します。