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PRINT DATA EXCHANGE for Open


7.2.14 PDFファイルの文書属性を設定する(PDF設定)

[PDF設定]タブでは,変換するPDFファイルの文書属性を設定します。

[PDF設定]タブで設定できる項目を次に示します。

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) PDF表示倍率

Acrobatで表示するときの倍率を指定します。なお,PDF/AまたはPDF/Xで出力する場合は,[Acrobatの環境設定に従う]チェックボックス以外を指定できません。

デフォルト値

Acrobatの環境設定に従う

(2) PDF表示レイアウト

Acrobatで表示するときのページレイアウトを指定します。

デフォルト値

Acrobatの環境設定に従う

(3) PDF出力設定

PDFの出力について指定します。

[全角/半角スペースをすべて出力しない]チェックボックス

すべての全角スペースおよび半角スペースを文字として出力しません。PDFで全角スペースを含む文字列を検索したい場合,この指定で検索できることがあります。

[全角/半角スペースをすべて出力する]チェックボックス

すべての全角スペースおよび半角スペースを文字として出力させる場合に指定します。HOPSS3/AS REV/OSEで全角スペースや半角スペースを含む文字列を検索したい場合,この指定で検索できるときがあります。すべての全角スペースおよび半角スペースを文字として出力するため,帳票によっては変換データ量が増加するときがあります。2バイトシフト中の半角スペース2つを全角スペースとして扱う設定を行っていた場合は,半角スペース2つが全角スペースの文字として出力されます。

デフォルト値

チェックなし

上記のチェックボックスは同時に指定できません。また,上記のチェックボックスをどちらも指定しない場合,全角スペースはすべて出力し,半角スペースは文字列の並びに応じて最適化して出力します。このとき,2バイトシフト中の半角スペース2つを全角スペースとして扱う設定を行っていた場合は,半角スペース2つは全角スペースの文字に置き換えて出力されるのではなく,全角スペースの幅だけ文字間隔を空けて出力されます。なお,指定によってAcrobatやHOPSS3/AS REV/OSEでの表示が変わることはありません。

[詳細設定]ボタン

PDF/AまたはPDF/Xで出力する場合に設定します。クリックすると[PDF出力詳細設定]画面が表示されます。

(4) [PDF出力詳細設定]画面

[PDF出力詳細設定]画面を次に示します。

図7‒22 [PDF出力詳細設定]画面

[図データ]

[PDF/A,PDF/X出力設定]
[出力設定]プルダウンリスト

PDF/AまたはPDF/Xの規格を指定します。

  • PDF/A,PDF/Xを設定しない

  • PDF/A-1b(PDF1.4)を出力

  • PDF/X-1a(PDF1.4)を出力

  • PDF/X-4 (PDF1.6)を出力

デフォルト値

 PDF/A,PDF/Xを設定しない

重要

PostScriptで定義されているOpenTypeフォントが埋め込まれたPDFを出力する場合,「PDF/X-4(PDF1.6)を出力」を指定してください。PDF/A-1bおよびPDF/X-1aを出力する場合は,PostScriptで定義されているOpenTypeフォントを使用できません。

 
[ICCプロファイル]

PDF/Xを出力する場合に,ICCプロファイルのファイルパスを指定します。ここで指定するファイルは,CMYK用プロファイルを指定してください。指定できるファイルの拡張子は「.icc」,または「.icm」だけです。

PDE for Openで利用できるCMYK用ICCプロファイルは,以下の手順で確認できます。

  1. ICCプロファイルを「%systemroot%\system32\spool \drivers\color」に配置してください。

  2. Windowsのコントロールパネルを開き[表示方法]に[大きいアイコン]もしくは[小さいアイコン]を選択します。

  3. Windowsのコントロールパネルから[色の管理]を選択します。

  4. [色の管理]画面の[すべてのプロファイル]タブを選択します。

  5. 確認したいICCプロファイルを一覧より選択し,[説明]欄の[色空間]を確認します。CMYK用プロファイルの場合,[色空間]がCMYKとなります。

デフォルト値

 デフォルト値はありません。

重要

PDE for OpenではICCプロファイルに設定されている「Saturation(彩度)」の変換方式を使用してCMYKに変換しています。指定したICCプロファイルによって,色変換の結果が異なる場合があります。必ず事前に十分な評価を行ってください。

[FCBイメージの両面指定を有効にする]チェックボックス

FCBイメージの両面指定を変換に適用するかどうかを指定します。このチェックボックスを指定した場合,両面指定のFCBイメージを使用時に奇数ページを表面,偶数ページを裏面と仮定して以下の機能が有効になります。

  • SETPRTテキストレコードによる面スキップ

  • FCBイメージによるとじ代位置指定

  • 後置ジョブセパレータおよび後置SYSOUTセパレータの出力面指定

  • 裏面書式の挿入

デフォルト値

 チェックなし

重要

SETPRTテキストレコードを使用してページ単位に片面指定と両面指定が混在する帳票を変換する場合,このチェックボックスは指定しないでください。

(5) PDF文書情報

PDFファイルに付加する情報を設定します(タイトル・サブタイトル・作成者・キーワード)。

[タイトル]テキストボックス

PDFファイルに付加するタイトルを指定します。

PDF/X規格のPDFを出力する設定時にタイトルを空欄にした場合は,タイトルとして半角スペース1文字が設定されます。

[サブタイトル]テキストボックス

PDFファイルに付加するサブタイトルを指定します。

[作成者]テキストボックス

PDFファイルに付加する作成者を指定します。

[キーワード]テキストボックス

PDFファイルに付加するキーワードを指定します。

デフォルト値
  • [タイトル]

    デフォルト値はありません。

  • [サブタイトル]

    デフォルト値はありません。

  • [作成者]

    デフォルト値はありません。

  • [キーワード]

    デフォルト値はありません。

(6) CMap定義ファイル

Unicodeの特定の文字コードに対するPDF表示文字の対応づけを標準から変更したい場合,CMap定義ファイルを指定します。CMap定義ファイルを指定しない場合,標準のCMapが使用されます。印刷データがシフトJISの場合,CMap定義ファイルを指定しても無視されます。

なお,Windowsフォント指定時,PDF/AまたはPDF/Xでの出力時,またはHOPSS3/AS REV/OSE連携時は,CMap定義ファイルを指定できません。

[横書き]テキストボックス

横書きの文字に対するCMap定義ファイルを指定します。[参照]ボタンをクリックすると表示される画面からファイルを指定してください。

[縦書き]テキストボックス

縦書きの文字に対するCMap定義ファイルを指定します。[参照]ボタンをクリックすると表示される画面からファイルを指定してください。

デフォルト値
  • [横書き]

    デフォルト値はありません。

  • [縦書き]

    デフォルト値はありません。

CMap定義ファイルの指定と使用されるCMapの対応を次に示します。

表7‒38 CMap定義ファイルの指定と使用されるCMap

エンコード

向き

CMap定義ファイルの指定

使用されるCMap

シフトJIS

横書き

指定しても無視されます

標準のCMap(90ms-RKSJ-H)

縦書き

標準のCMap(90ms-RKSJ-V)

Unicode

横書き

指定なし

標準のCMap(UniJIS-UTF16-H)

指定あり(1〜64文字の英数字-UTF16-H.csv)

指定されたCMap定義ファイルの情報による埋め込みCMap

縦書き

指定なし

標準のCMap(UniJIS-UTF16-V)

指定あり(1〜64文字の英数字-UTF16-V.csv)

指定されたCMap定義ファイルの情報による埋め込みCMap

(凡例)

英数字:'A'〜'Z','a'〜'z','0'〜'9

Windowsフォントの場合,フォント固有のCMapが使用され,上記のCMapは使用されません。

(a) CMap定義ファイルの設定方法

CMap定義ファイルには,変更したい文字コード(UTF-16)の範囲と,対応づける文字番号(CID)を定義します。メモ帳などを利用して次の形式で作成してください。

CMap定義ファイルの形式

utf16_lo,utf16_hi,cid_lo

utf16_lo,utf16_hi,cid_lo

utf16_lo,utf16_hi,cid_lo

 :

(凡例)

斜体の文字列:可変の文字列を示します。

注1 文字コードにはASCIIコードを使用してください。

注2 空白行やコメント行など,不要な定義はしないでください。

注3 1行の終わりは必ず改行コード(0D0A)16にしてください。行の終わりが改行コードではない場合,その行は無視されます。

注4 項目中に改行コード(0D0A)16や(0A)16は指定しないでください。

注5 例えば,「0020」のように,先頭に「0」の付いたデータの含まれるCSVファイルをExcelで開くと,「20」のように「0」がない状態になります。そのためExcelを利用して,CSVファイルを編集する場合は,いったんCSVファイルをTXT形式で保存したあと,TXTファイルを文字列としてExcelに読み込んでください。

CMap定義ファイルの設定項目の詳細を次に示します。

表7‒39 CMap定義ファイルの設定項目

項目名

内容

入力規則

utf16_lo

文字コード(UTF-16)の範囲の開始

16進文字('0'〜'9','A'〜'F','a'〜'f')4けた(0000〜D7FF,E000〜FFFF),またはサロゲートの場合8けた(D800DC00〜DBFFDFFF)で指定します。utf16_loとutf16_hiは同じけた数で,utf16_lo≦utf16_hiである必要があります。4けたの場合,D800〜DFFFを含まない範囲である必要があります。8けたの場合,前半4けたはD800〜DBFF,後半4けたはDC00〜DFFFである必要があります。

utf16_hi

文字コード(UTF-16)の範囲の終了

cid_lo

文字コードの範囲に対応づける文字番号(CID)の範囲の開始

10進整数1〜5けたで指定します。

注 入力規則に一致しない場合,PDL変換時にエラーとなります。

UTF-16のutf16_loからutf16_hiの範囲に対応する文字番号(CID)をcid_loからcid_lo+utf16_hi−utf16_loに対応づけます。それぞれの範囲は昇順(例えばサロゲートはU+FF01を含む範囲より先)にオーバーラップしないよう定義する必要があります(範囲が昇順でない場合,またはオーバーラップしている場合は,PDL変換時にエラーとなります)。

(b) CMap定義ファイルの設定例

CMap定義ファイルの設定例を次に示します。

  • Unicodeの半角英数字のデザインをシフトJISの文字と合わせる場合のCMap定義ファイル(横書き)。

    0020,007d,231
    007e,007e,631
    00a5,00a5,291
  • Unicodeの全角文字「‘」「’」「“」「”」を半角文字ではなく全角文字として表示する場合のCMap定義ファイル(横書きおよび縦書き)。

    2018,2019,670
    201c,201d,672
  • U+2225を「//」ではなく[図データ]として表示する場合のCMap定義ファイル(横書き)。

    2225,2225,666
  • U+2225を「//」ではなく[図データ]として表示する場合のCMap定義ファイル(縦書き)。

    2225,2225,7895
  • Unicodeの「°」「′」「″」[図データ]「゛」「゜」の縦書き文字をシフトJISと合わせる場合のCMap定義ファイル(縦書き)。

    00b0,00b0,707
    2032,2033,708
    3013,3013,8270
    309b,309c,643

(c) 注意事項

  • 個々の文字番号(CID)に対する文字の割り当てについては,Adobeから公開されている「Adobe-Japan1-6 Character Collection for CID-Keyed Fonts」を参照してください。

    縦書きの場合,上記文書に表示されている文字を反時計回りに90度回転させて出力します。なお,実際に表示される字形は,AcrobatまたはAdobe Readerで表示に使用されるフォントに依存するため,表示する環境によって異なります。

  • Adobe-Japan1-5までのCIDを使用することを推奨します。

  • 半角文字のUnicodeに対しては半角文字のCIDを,全角文字のUnicodeに対しては全角文字のCIDを対応づけてください。なお,PDE for Openでは次のように半角および全角を扱います。

    Unicode:MS明朝Version 5.0のメトリクスに従います。

    CID:Adobe-Japan1の632以下を半角,633以上を全角として扱います。