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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN連携機能 使用の手引


1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細

BPMNビジネスプロセス定義ファイルで指定した各BPMN要素について,CSCIWビジネスプロセス定義に変換されたあとのイメージや,CSCIWでの動作について説明します。

〈この項の構成〉

(1) ユーザタスク

機能

ユーザタスクに遷移すると,個人またはグループがユーザタスクの作業者に設定されます。

変換イメージ

ユーザタスクのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

ユーザタスクは業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒8 ユーザタスクの変換イメージ

[図データ]

処理内容

ユーザタスクから変換された業務ステップに遷移すると,ユーザタスクの属するレーン名を作業の作業者に割り当てます※1。レーン名に<SYSTEMID>_WORK_ITEMテーブルのParticipantカラムのバイト数を超える文字列を指定した場合は,文字列のうちParticipantカラムのバイト数を超える部分が切り捨てられます※2

BPMNエディタでユーザタスクを定義する際にプロセスデータキー名を指定すると,プロセスデータ値を作業の作業者に割り当てます※1。これによって,ユーザタスクの作業者を案件ごとに変更できます。

プロセスデータキー名を指定した場合,ユーザタスクから変換された業務ステップに遷移すると,BPMNエディタで設定したプロセスデータの値を作業の作業者に割り当てます。プロセスデータが存在しない場合は,ユーザタスクの属するレーン名を作業の作業者に割り当てます※1。プロセスデータ値,またはレーン名に<SYSTEMID>_WORK_ITEMテーブルのParticipantカラムのバイト数を超える文字列を指定した場合は,文字列のうちParticipantカラムのバイト数を超える部分が切り捨てられます※2。また,プロセスデータ値にnullを指定した場合は,エラーになります。

注※1

レーン名およびプロセスデータ値には「IW」で始まる名称を指定できません。

また,レーン名が未設定の場合は,代わりにプール名が設定されます。レーン名とプール名が未設定の場合は,代わりにビジネスプロセス定義名が設定されます。

注※2

マルチバイト文字を含む文字列の場合,マルチバイト文字の途中でParticipantカラムのバイト数を超えたときは,そのマルチバイト文字も切り捨て対象になります。作業の検索,作業者の変更などのAPIで,作業者IDを入力する際は,注意してください。

なお,ユーザタスク(マルチインスタンス),またはサブプロセス(マルチインスタンス)の中にユーザタスクが定義されている場合,マルチインスタンスのインスタンスごとに異なるプロセスデータ値で,作業者を動的変更できます。BPMNエディタでは,{MIIndex}を付与した形式でプロセスデータキー名を指定します。指定例を次に示します。

指定例
$SParticipant{MIIndex}

(2) ユーザタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

ユーザタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,ユーザは BPMN ビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を逐次処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

シーケンシャルマルチインスタンスがユーザタスクに定義された場合の ,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたユーザタスクは,業務ステップ定義,作業定義( 審査(並列作業)),および作業定義(IWMW_ 審査(一般作業))に変換されます。

図1‒9 ユーザタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたユーザタスクから変換された業務ステップに遷移すると,ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)を1件生成し,ユーザタスクの属するレーン名称またはプロセスデータ値を作業(IWMW_審査)の作業者に割り当てます。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の作業(IWMW_審査)が完了しているかどうかを評価します。すべての作業(IWMW_審査)が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない作業(IWMW_審査)がある場合,再びユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)を1つ生成し,ユーザタスクの属するレーン名称またはプロセスデータ値を作業(IWMW_審査)の作業者に割り当てます。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)が強制終了した場合,ユーザタスクから変換された業務ステップを強制終了します。この場合,ユーザタスクから先には遷移しません。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)の着手と完了を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(3) ユーザタスク(パラレルマルチインスタンス)

機能

ユーザタスク(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,ユーザは BPMN ビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を並列処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

パラレルマルチインスタンスがユーザタスクに定義された場合の ,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

パラレルマルチインスタンスが定義されたユーザタスクは,業務ステップ定義,作業定義( 審査(並列作業)),および作業定義(IWMW_ 審査(一般作業))に変換されます。

図1‒10 ユーザタスク(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

パラレルマルチインスタンスが定義されたユーザタスクから変換された業務ステップに遷移すると,ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)を繰り返し回数(loopCardinality)分同時に生成し,ユーザタスクの属するレーン名称またはプロセスデータ値を作業(IWMW_審査)の作業者に割り当てます。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の作業(IWMW_審査)が完了しているかどうかを評価します。すべての作業(IWMW_審査)が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない作業(IWMW_審査)がある場合,業務ステップは実行中のままとなります。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)が強制終了した場合,ユーザタスクから変換された業務ステップを強制終了します。また,すべての実行中の作業(IWMW_審査)も強制終了します。この場合,ユーザタスクから先には遷移しません。

ユーザタスクから変換された作業(IWMW_審査)の着手と完了を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(4) サービスタスク

機能

業務処理を,人手の介入なしに自動で実行します。

自動実行する業務処理を次に示します。

  • ユーザが作成したRESTアプリケーションの呼び出し

  • ユーザが作成したJavaオブジェクトの呼び出し

変換イメージ

サービスタスクの変換イメージを示します。

サービスタスクは,業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒11 サービスタスクの変換イメージ

[図データ]

処理内容

サービスタスクの業務実行の動作については,「1.8.1 呼び出し対象のBPMN要素」を参照してください。

(5) サービスタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

サービスタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を自動で逐次処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

シーケンシャルマルチインスタンスがサービスタスクに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたサービスタスクは,業務ステップ定義,作業定義(サービス1(並列作業)),および作業定義(IWMW_サービス1(一般作業))に変換されます。

図1‒12 サービスタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたサービスタスクから変換された業務ステップに遷移すると,1件の業務処理を自動実行します。

業務処理が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理が完了しているかどうかを評価します。すべての業務処理が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない業務処理がある場合,再び業務処理を1件自動実行します。

業務処理が強制終了した場合,サービスタスクから変換された業務ステップを強制終了します。この場合,サービスタスクから先には遷移しません。

業務処理の自動実行を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(6) サービスタスク(パラレルマルチインスタンス)

機能

サービスタスク(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を自動で並列処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

パラレルマルチインスタンスがサービスタスクに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

パラレルマルチインスタンスが定義されたサービスタスクは,業務ステップ定義,作業定義(サービス1(並列作業)),および作業定義(IWMW_サービス1(一般作業))に変換されます。

図1‒13 サービスタスク(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

パラレルマルチインスタンスが定義されたサービスタスクから変換された業務ステップに遷移すると,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を並列に自動実行します。

業務処理が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理が完了しているかどうかを評価します。すべての業務処理が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない業務処理がある場合,業務ステップは実行中のままとなります。

業務処理が強制終了した場合,サービスタスクから変換された業務ステップを強制終了します。また,すべての業務処理も強制終了します。この場合,サービスタスクから先には遷移しません。

業務処理の自動実行を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(7) ビジネスルールタスク

機能

ユーザが作成したビジネスルールエンジンを呼び出す業務処理を,自動で実行します。

自動実行する業務処理を次に示します。

  • ユーザが作成したRESTアプリケーションの呼び出し

  • ユーザが作成したJavaオブジェクトの呼び出し

変換イメージ

ビジネスルールタスクの変換イメージを示します。

ビジネスルールタスクは,業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒14 ビジネスルールタスクの変換イメージ

[図データ]

処理内容

ビジネスルールタスクの業務実行の動作については,「1.8.1 呼び出し対象のBPMN要素」を参照してください。

(8) ビジネスルールタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

ビジネスルールタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分,ユーザが作成したビジネスルールエンジンを呼び出す業務処理を,自動で逐次処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

シーケンシャルマルチインスタンスがビジネスルールタスクに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたビジネスルールタスクは,業務ステップ定義,作業定義(ビジネスルール1(並列作業)),および作業定義(IWMW_ビジネスルール1(一般作業))に変換されます。

図1‒15 ビジネスルールタスク(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたビジネスルールタスクから変換された業務ステップに遷移すると,1件の業務処理を自動実行します。

業務処理が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理が完了しているかどうかを評価します。すべての業務処理が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない業務処理がある場合,再び業務処理を1件自動実行します。

業務処理が強制終了した場合,ビジネスルールタスクから変換された業務ステップを強制終了します。この場合,ビジネスルールタスクから先には遷移しません。

業務処理の自動実行を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(9) ビジネスルールタスク(パラレルマルチインスタンス)

機能

ビジネスルールタスク(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分,ユーザが作成したビジネスルールエンジンを呼び出す業務処理を,自動で並列処理します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

変換イメージ

パラレルマルチインスタンスがビジネスルールタスクに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

パラレルマルチインスタンスが定義されたビジネスルールタスクは,業務ステップ定義,作業定義(ビジネスルール1(並列作業)),および作業定義(IWMW_ビジネスルール1(一般作業))に変換されます。

図1‒16 ビジネスルールタスク(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

パラレルマルチインスタンスが定義されたビジネスルールタスクから変換された業務ステップに遷移すると,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理を並列に自動実行します。

業務処理が完了した場合,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務処理が完了しているかどうかを評価します。すべての業務処理が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない業務処理がある場合,業務ステップは実行中のままとなります。

業務処理が強制終了した場合,ビジネスルールタスクから変換された業務ステップを強制終了します。また,すべての業務処理も強制終了します。この場合,ビジネスルールタスクから先には遷移しません。

業務処理の自動実行を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,遷移先の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(10) 折りたたまれたサブプロセス

機能

折りたたまれたサブプロセスは,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

また,別ビジネスプロセスにはならないで,親ビジネスプロセスの遷移元からの処理の延長で動作します。このため,折りたたまれたサブプロセス内のフロー定義は,親ビジネスプロセス定義のフロー定義の延長と考えて問題ありません。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。折りたたまれたサブプロセスは階層定義および先着ノードに変換されます。

図1‒17 折りたたまれたサブプロセスの変換イメージ

[図データ]

処理内容

折りたたまれたサブプロセスから変換された階層定義に遷移すると,階層定義内のソースノードの次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(11) 展開されたサブプロセス

機能

展開されたサブプロセスは,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

また,別ビジネスプロセスとはならないで,親ビジネスプロセスの遷移元からの処理の延長で動作します。

このため,展開されたサブプロセス内のフロー定義は,親ビジネスプロセス定義のフロー定義の延長と考えて問題ありません。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。展開されたサブプロセスは階層定義および先着ノードに変換されます。

図1‒18 展開されたサブプロセスの変換イメージ

[図データ]

処理内容

展開されたサブプロセスから変換された階層定義に遷移すると,階層定義内のソースノードの次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(12) コールアクティビティ

機能

ほかのビジネスプロセス定義に子案件を投入します。子案件が完了すると呼び元のコールアクティビティも完了します。

コールアクティビティには,開始(タイプなし)が定義してあるビジネスプロセス定義を指定する必要があります。

変換イメージ

コールアクティビティのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。コールアクティビティは業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒19 コールアクティビティの変換イメージ

[図データ]

処理内容

コールアクティビティから変換された業務ステップに遷移すると,calledElement属性値で指定されたコールアクティビティ情報ファイルに従って子案件を投入します。子案件の投入時にコールアクティビティ情報ファイルに従って親案件のプロセスデータを子案件に登録します。

子案件が終了した場合の動作
  • 子案件が完了した場合

    親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップを完了して,次の業務ステップ/制御ノードに遷移します。業務ステップ完了時に,コールアクティビティ情報ファイルに従って子案件のプロセスデータを親案件に登録します。

  • 子案件が強制終了した場合

    親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップを強制終了します。この場合,コールアクティビティから先には遷移しません。

親案件またはコールアクティビティが終了した場合の動作
  • 親案件が強制終了した場合

    すべての実行中の子案件も強制終了します。

  • 親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップまたは作業が,完了または強制終了した場合

    対象のコールアクティビティから投入された子案件も強制終了します。

案件の削除処理
  • APIやコマンドでは子案件を直接削除できません。

  • ルート案件を削除すると,子案件もまとめて削除されます。

(13) コールアクティビティ(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

コールアクティビティ(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の子案件を逐次投入します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

コールアクティビティ(シーケンシャルマルチインスタンス)には開始(タイプなし)が定義してあるビジネスプロセス定義を指定する必要があります。

変換イメージ

シーケンシャルマルチインスタンスがコールアクティビティに定義された場合の ,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたコールアクティビティは,業務ステップ定義,作業定義(コールアクティビティ(並列作業)),および作業定義(IWMW_コールアクティビティ(一般作業))に変換されます。

図1‒20 コールアクティビティ(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

シーケンシャルマルチインスタンスが定義されたコールアクティビティから変換された業務ステップに遷移すると,1件の子案件を投入します。子案件の投入時に,コールアクティビティ情報ファイルに従って,親案件のプロセスデータを子案件に登録します。

子案件が終了した場合の動作
  • 子案件が完了した場合

    コールアクティビティ情報ファイルに従って子案件のプロセスデータを親案件に登録し,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。

    完了条件(completionCondition)が 成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の子案件が完了しているかどうかを評価します。すべての子案件が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない子案件がある場合,再び子案件を1件投入します。子案件の投入時に,コールアクティビティ情報ファイルに従って親案件のプロセスデータを子案件に登録します。

  • 子案件が強制終了した場合

    親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップを強制終了します。この場合,コールアクティビティから先には遷移しません。

親案件またはコールアクティビティが終了した場合の動作
  • 親案件が強制終了した場合

    すべての実行中の子案件も強制終了します。

  • 親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップまたは作業が,完了または強制終了した場合

    対象のコールアクティビティから投入された子案件も強制終了します。

子案件の投入,完了を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,次の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(14) コールアクティビティ(パラレルマルチインスタンス)

機能

コールアクティビティ(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の子案件を並列に投入します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は何もしないで終了し,次に遷移します。

コールアクティビティ(パラレルマルチインスタンス)には開始(タイプなし)が定義してあるビジネスプロセス定義を指定する必要があります。

変換イメージ

パラレルマルチインスタンスがコールアクティビティに定義された場合の ,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

パラレルマルチインスタンスが定義されたコールアクティビティは,業務ステップ定義,作業定義(コールアクティビティ(並列作業)),および作業定義(IWMW_コールアクティビティ(一般作業))に変換されます。

図1‒21 コールアクティビティ(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

パラレルマルチインスタンスが定義されたコールアクティビティから変換された業務ステップに遷移すると,繰り返し回数(loopCardinality)分の子案件を同時に投入します。子案件の投入時に,コールアクティビティ情報ファイルに従って,親案件のプロセスデータを子案件に登録します。

子案件が終了した場合の動作
  • 子案件が完了した場合

    コールアクティビティ情報ファイルに従って子案件のプロセスデータを親案件に登録し,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。

    完了条件(completionCondition)が 成立した場合,業務ステップは完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分の子案件が完了しているかどうかを評価します。すべての子案件が完了した場合,業務ステップは完了します。完了していない子案件がある場合,業務ステップは実行中のままとなります。

  • 子案件が強制終了した場合

    親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップを強制終了します。また,すべての実行中の子案件も強制終了します。この場合,コールアクティビティから先には遷移しません。

親案件またはコールアクティビティが終了した場合の動作
  • 親案件が強制終了した場合

    すべての実行中の子案件も強制終了します。

  • 親案件のコールアクティビティから変換された業務ステップまたは作業が,完了または強制終了した場合

    対象のコールアクティビティから投入された子案件も強制終了します。

子案件の投入,完了を繰り返し遷移して業務ステップが完了すると,次の業務ステップ/制御ノードに遷移します。

(15) イベント・サブプロセス

機能

親ビジネスプロセスとイベント・サブプロセスは,並行実行されます。

なお,親ビジネスプロセスとイベント・サブプロセスを合わせて,1つのビジネスプロセス定義とします。変換後のCSCIWビジネスプロセス定義も,親ビジネスプロセスとイベント・サブプロセスは同じビジネスプロセス定義ファイル内に定義します。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージの例を示します。イベント・サブプロセスは,階層定義,先着ノードおよびシンクノードに変換されます。イベント・サブプロセス内の各BPMN要素はそれぞれ変換されて,階層定義内に定義されます。

図1‒22 イベント・サブプロセスの変換イメージ

[図データ]

処理内容

イベント・サブプロセス内に定義された内容に従って遷移します。

(16) 開始(タイプなし)

機能

指定されたビジネスプロセスを,開始(タイプなし)イベントから開始します。

開始(タイプなし)は,省略もできます。

変換イメージ

開始(タイプなし)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。開始(タイプなし)イベントは,ソースノードおよび分業ノードに変換されます。開始(タイプなし)が省略されている場合も,ソースノードおよび分業ノードに変換されます。

図1‒23 開始(タイプなし)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

案件投入(イベントなし)APIが呼び出されると案件が生成され,開始します。複数の開始(タイプなし)イベントがある場合は,すべての遷移先の業務ステップに遷移します。

開始(タイプなし)(省略されている場合も含む)が定義されていないビジネスプロセスに対して案件投入(メッセージ)APIが指定された場合は,例外が発生します。

(17) 開始(メッセージ)

機能

指定されたビジネスプロセスを,指定したメッセージの開始(メッセージ)イベントから開始します。

変換イメージ

開始(メッセージ)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。開始(メッセージ)イベントは,ソースノード,分岐ノード,分岐条件,業務ステップ定義,および作業定義に変換されます。

図1‒24 開始(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

案件投入(メッセージ)APIが呼び出されると案件を生成し,開始します。指定されたmessageRefに従って分岐し,開始(メッセージ)から変換された業務ステップに遷移します。開始(メッセージ)から変換された業務ステップは自動的に完了し,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。案件投入(イベントなし)APIが呼び出されると分岐条件が成立しないため,例外が発生します。

(18) 終了(タイプなし)

機能

終了(タイプなし)イベントに遷移すると,ほかに実行中のアクティビティがない場合は,案件が完了します。ほかに実行中のアクティビティがある場合は,案件は完了しません。

変換イメージ

終了(タイプなし)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

終了(タイプなし)イベントは,業務ステップ定義,作業定義,およびシンクノードに変換されます。

図1‒25 終了(タイプなし)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

終了(タイプなし)から変換されたシンクノードに遷移すると,ほかに実行中の業務ステップがない場合は,案件が完了します。ほかに実行中の業務ステップがある場合は,案件が完了しません。

サブプロセスの場合はシンクノードに遷移すると,同一のサブプロセス内にほかに実行中の業務ステップがない場合は,サブプロセスの先に遷移します。同一のサブプロセス内に実行中の業務ステップがある場合は,サブプロセスの先には遷移しません。

子案件の場合は,案件の完了時に呼び元のコールアクティビティから変換された作業を完了します。

(19) 終了(メッセージ)

機能

終了(メッセージ)イベントに遷移すると,メッセージをスローし,ほかに実行中のアクティビティがない場合は,案件が完了します。ほかに実行中のアクティビティがある場合,案件は完了しません。

終了(メッセージ)イベントのメッセージスロー先を示します。

  • 開始(メッセージ)

  • キャッチ(メッセージ)

  • 境界中断(メッセージ)

  • イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)

  • RESTアプリケーション

変換イメージ

終了(メッセージ)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

終了(メッセージ)イベントは,業務ステップ定義,作業定義,およびシンクノードに変換されます。

図1‒26 終了(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

終了(メッセージ)の動作については,「1.8.1 呼び出し対象のBPMN要素」を参照してください。

メッセージの送信に成功した場合,シンクノードに遷移します。シンクノードに遷移した場合の動作については,「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(18) 終了(タイプなし)」を参照してください。

(20) 強制終了

機能

共通設定ファイルのTerminateCompatModeパラメタにtrueを指定している場合(03-10までと同じ)

強制終了イベントに遷移すると,ほかに実行中のアクティビティがある場合でも案件を強制終了します。

共通設定ファイルのTerminateCompatModeパラメタにfalseを指定している場合

強制終了イベントに遷移すると,トップレベルの場合は,ほかに実行中のアクティビティがあっても案件は強制終了します。サブプロセスやイベント・サブプロセス内の場合は,そのサブプロセスやイベント・サブプロセス内の実行中のアクティビティだけを強制終了します。

変換イメージ

強制終了イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

強制終了イベントは業務ステップ定義,作業定義,およびシンクノードに変換されます。

図1‒27 強制終了の変換イメージ

[図データ]

処理内容

共通設定ファイルのTerminateCompatModeパラメタの指定によって,強制終了イベントに遷移する時の案件および業務ステップの状態遷移が異なります。パラメタの指定ごとの状態遷移を次の表で示します。

表1‒7 強制終了イベントへ遷移時の案件および業務ステップの状態遷移

TerminateCompatModeパラメタの指定

強制終了イベントを定義するスコープ

遷移後の状態

案件

ほかの実行中の業務ステップ

強制終了イベントの業務ステップ

スコープ内

スコープ外

true

スコープに関係なく強制終了イベントを定義

強制終了

強制終了

強制終了

false

トップレベル

強制終了

強制終了

強制終了

サブプロセス

実行中

強制終了

実行中

強制終了

イベント・サブプロセス

実行中

強制終了

実行中

強制終了

共通設定ファイルのTerminateCompatModeパラメタにtrueを指定している場合(03-10までと同じ)

強制終了イベントから変換された業務ステップに遷移すると,ほか「実行中」状態の業務ステップの有無に関係なく案件を強制終了します。

子案件の場合は,呼び元のコールアクティビティから変換された作業および業務ステップを強制終了します。

表1‒8 強制終了イベントへ遷移時の状態遷移

遷移前

遷移後

ほかの業務ステップ

案件

ほかの業務ステップ

強制終了イベントの業務ステップ

強制終了イベントの業務ステップ内の作業

未終了

終了

未終了なし

強制終了

変更なし

強制終了

強制終了

未終了あり

強制終了

強制終了

変更なし

強制終了

強制終了

(凡例)

-:該当なし

共通設定ファイルのTerminateCompatModeパラメタにfalseを指定している場合

トップレベルの強制終了イベントから変換された業務ステップに遷移すると,ほか「実行中」状態の業務ステップの有無に関係なく案件を強制終了します。

サブプロセス,イベント・サブプロセス内の強制終了イベントから変換された業務ステップに遷移すると,サブプロセス,イベント・サブプロセス内の「実行中」状態の業務ステップを強制終了して,強制終了イベントから変換された業務ステップも強制終了します。サブプロセス,イベント・サブプロセスの先には遷移しません。対象となるサブプロセス,イベント・サブプロセス以外に「実行中」状態の業務ステップがないと,案件は「実行中」状態のままですが「実行中」状態の業務ステップがなくなり,強制終了しかできなくなります。

(凡例)

-:該当なし

(21) キャッチ(メッセージ)

機能

キャッチ(メッセージ)イベントに遷移すると,設定されたメッセージが送信されるまで受信待ち状態になります。メッセージを受信すると,次のアクティビティに遷移します。

変換イメージ

キャッチ(メッセージ)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

キャッチ(メッセージ)イベントは,業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒28 キャッチ(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

キャッチ(メッセージ)から変換された業務ステップに遷移すると,設定されたmessageRefの受信待ちになります。

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,業務ステップを完了して,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(22) 境界中断(メッセージ)

機能

アクティビティの境界上にキャッチ(メッセージ)が定義される場合,その境界のアクティビティが実行中の間だけ受信待ち状態になります。アクティビティが完了する前に,メッセージが発生した場合は,アクティビティを停止して例外フローに遷移します。アクティビティが完了した場合,通常フローに遷移します。

図1‒29 境界中断(メッセージ)イベント

[図データ]

変換イメージ1(ユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティ)

境界中断(メッセージ)イベントがユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティに定義された場合のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

境界中断(メッセージ)イベント(msg1受信)は,業務ステップ定義(msg1受信)および作業定義(msg1受信)に変換されます。

境界中断(メッセージ)が定義された対象から変換された業務ステップ定義(STEP1)には,境界中断(メッセージ)の受信用の作業定義(IW_msg1受信)が定義されます。

図1‒30 境界中断(メッセージ)の変換イメージ1

[図データ]

処理内容1(ユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティ)

境界中断(メッセージ)が定義されたアクティビティから変換された業務ステップに遷移すると,境界中断(メッセージ)に設定されたmessageRefの受信待ちになります。

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,業務ステップを強制終了して,境界中断(メッセージ)から変換された業務ステップを生成します。境界中断(メッセージ)から変換された業務ステップは,自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

ユーザタスクから変換された作業を完了しても業務ステップ内には受信用の作業が存在しているため,業務ステップは完了しません。作業完了のAPIの中で業務ステップが完了していなかった場合は,業務ステップを完了します。業務ステップが完了すると通常フローの遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

変換イメージ2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)

境界中断(メッセージ)がサブプロセス / イベント・サブプロセスに定義された場合のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

図1‒31 境界中断(メッセージ)の変換イメージ2

[図データ]

境界中断(メッセージ)「msg8受信」が定義されたイベント・サブプロセス内で実行中になる業務ステップ定義内には受信用の作業定義「IW_msg8受信」が定義されます。受信用の作業定義が定義される対象が複数になる以外は,「変換イメージ1(ユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティ)」と同じになります。

処理内容2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)

境界中断(メッセージ)が定義されたサブプロセス内ではタスクやイベントから変換された業務ステップに遷移すると,境界中断(メッセージ)に設定されたmessageRefの受信待ちになります。

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,サブプロセス内で受信待ちしていたすべての業務ステップを強制終了して,境界中断(メッセージ)から変換された業務ステップを生成します。境界中断(メッセージ)から変換された業務ステップは自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

変換イメージ3(サブプロセス(マルチインスタンス))

境界中断(メッセージ)がサブプロセス(マルチインスタンス)に定義された場合のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

図1‒32 境界中断(メッセージ)の変換イメージ3

[図データ]

注※

階層定義名,および階層定義内の業務ステップ定義名は,「IW<インデクス>_<BPMN要素のname属性>_<BPMN要素のid属性>」となります。

境界中断(メッセージ)「msg3受信」が定義されたサブプロセス内で実行中になる業務ステップ定義内には,受信用の作業定義「IW_msg3受信」が定義されます。サブプロセス(マルチインスタンス)から変換されたすべての階層(IW<インデクス>_SubProcess)内の業務ステップ定義内に定義される以外は,「変換イメージ2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)」と同じになります。

処理内容3(サブプロセス(マルチインスタンス))

境界中断(メッセージ)が定義されたサブプロセス(マルチインスタンス)の動作は,「処理内容2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)」と同じになります。

変換イメージ4(アドホック・サブプロセス)

境界中断(メッセージ)がアドホック・サブプロセスに定義された場合のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

図1‒33 境界中断(メッセージ)の変換イメージ4

[図データ]

境界中断(メッセージ)「msg1受信」が定義されたアドホック・サブプロセス内で実行中になる業務ステップ定義内には,受信用の作業定義「IW_msg1受信」が定義されます。境界中断(メッセージ)が定義されたアドホック・サブプロセスの変換は,「変換イメージ2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)」と同じになります。

処理内容4(アドホック・サブプロセス)

境界中断(メッセージ)が定義されたアドホック・サブプロセスの動作は,「処理内容2(サブプロセス / イベント・サブプロセス)」と同じになります。

(23) イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)

機能

イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)は,ビジネスプロセスが実行中の間だけイベントの受信待ちになります。サブプロセスに定義されている場合は,そのサブプロセス(下位のサブプロセスも含む)が実行中の間だけイベントの受信待ちになります。メッセージを受信するとイベント・サブプロセスが開始されます。

変換イメージ

イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)はイベント・サブプロセスから変換された階層定義の中でソースノード,分岐ノード,分岐条件,業務ステップ定義,および作業定義に変換されます。作業定義の説明にはmessageRefから生成された文字列が設定されます。

図1‒34 イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,指定されたmessageRefのイベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)から変換された業務ステップが生成されます。生成された業務ステップは自動的に完了し,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(24) スロー(メッセージ)

機能

メッセージをスローします。

スロー(メッセージ)のスロー先を示します。

  • 開始(メッセージ)

  • キャッチ(メッセージ)

  • 境界中断(メッセージ)

  • イベント・サブプロセス非中断開始(メッセージ)

  • RESTアプリケーション

変換イメージ

スロー(メッセージ)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

スロー(メッセージ)イベントは,業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒35 スロー(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

スロー(メッセージ)イベントの動作については,「1.8.1 呼び出し対象のBPMN要素」を参照してください。

(25) スロー(リンク)/キャッチ(リンク)

機能

スロー(リンク)からキャッチ(リンク)に遷移します。

ビジネスプロセス定義が大き過ぎて1画面(ページ)に収まらない場合に,1画面(ページ)の最後にスロー(リンク)を定義し,2画面(ページ)の先頭に対応するキャッチ(リンク)を定義するときに使用します。

変換イメージ

スロー(リンク)/キャッチ(リンク)のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

スロー(リンク)およびキャッチ(リンク)は先着ノード(後続停止なし)とフロー定義に変換されます。

図1‒36 スロー(リンク)/キャッチ(リンク)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

フロー定義に従ってスロー(リンク)の遷移元から,キャッチ(リンク)の遷移先に遷移します。

(26) 排他ゲートウェイ

機能

分岐する場合と合流する場合の2パターンがあります。

分岐の場合,1つの入力フローに対し複数の出力フローを定義し,任意の出力フローが1つだけ有効になります。デフォルトシーケンスフロー以外の出力フローには分岐条件としてXPath式を設定します。分岐条件の詳細は,「1.6.4 プロセスデータの利用方法」を参照してください。

合流の場合,複数の入力フローに対し1つの出力フローを定義し,任意の入力フローが合流したあとに,次のアクティビティに遷移します。

変換イメージ

排他ゲートウェイのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

排他ゲートウェイ・分岐は分岐ノードおよび分岐条件に,排他ゲートウェイ・合流は先着ノード(後続停止なし)に変換されます。

図1‒37 排他ゲートウェイ・分岐の変換イメージ

[図データ]

図1‒38 排他ゲートウェイ・合流の変換イメージ

[図データ]

処理内容

排他ゲートウェイ・分岐

分岐ノードに遷移すると,分岐条件が順番に評価され最初に成立した分岐先に遷移します。

デフォルトシーケンスフローを定義しなかった場合,分岐条件が1つも成立しないとエラーになります。

排他ゲートウェイ・合流

先着ノード(後続停止なし)に遷移すると,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(27) 並列ゲートウェイ

機能

分岐する場合と合流する場合の2パターンがあります。

分岐の場合,1つの入力フローに対し複数の出力フローを定義し,すべての出力フローへ並行に遷移します。

合流の場合,複数の入力フローに対し1つの出力フローを定義し,すべての入力フローが合流したあとに,次のアクティビティへ遷移します。

変換イメージ

並列ゲートウェイのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

並列ゲートウェイ・分岐は分業ノードに,並列ゲートウェイ・合流は待合ノードに変換されます。

図1‒39 並列ゲートウェイ・分岐の変換イメージ

[図データ]

図1‒40 並列ゲートウェイ・合流の変換イメージ

[図データ]

処理内容

分業ノードに遷移した場合,遷移先として定義されたすべての業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

待合ノードはすべての遷移元から遷移した場合に,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

注意事項

並列ゲートウェイを使用したビジネスプロセス定義で差し戻し/引き戻しをする場合,注意事項があります。差し戻し/引き戻しの注意事項は,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイドの「2.5.2  案件の動的な制御」の「(1) 引き戻しと差し戻し」を参照してください。

(28) 排他イベントゲートウェイ

機能

排他イベントゲートウェイに遷移すると,続く複数のイベントが受信待ち状態になります。受信待ちの複数のイベントの中から最初に受信したイベントの遷移先に遷移します。

変換イメージ

排他イベントゲートウェイのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

排他イベントゲートウェイは,業務ステップ,作業,分岐ノード,および分岐条件に変換されます。業務ステップには受信用のイベントから変換された作業が定義されます。分岐ノードからは各受信用のイベントの遷移先にフロー定義が定義され,それぞれに分岐条件が設定されます。

図1‒41 排他イベントゲートウェイの変換イメージ

[図データ]

処理内容

排他イベントゲートウェイから変換された業務ステップに遷移すると,各メッセージイベントのmessageRefの受信待ち,およびタイマーイベントの発火時刻の待ち状態になります。

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,指定されたmessageRefに従って分岐し,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。タイマーの発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスによって,発火時刻を過ぎたタイマーの遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(29) 境界非中断(メッセージ)

機能

アクティビティの境界上にキャッチ(メッセージ)が定義される場合,その境界のアクティビティが実行中の間だけ受信待ち状態になります。アクティビティが完了する前にメッセージが発生した場合は,例外フローに遷移します。アクティビティが完了すると通常フローに遷移します。

境界中断(メッセージ)とは,受信した際にアクティビティを停止するかどうかが異なります。

図1‒42 境界非中断(メッセージ)イベント

[図データ]

変換イメージ

境界中断(メッセージ)と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(22) 境界中断(メッセージ)」を参照してください。

処理内容

境界非中断(メッセージ)が定義されたユーザタスク,サービスタスク,ビジネスルールタスク,コールアクティビティや,境界非中断(メッセージ)が定義されたサブプロセス内のタスクやイベントから変換された業務ステップに遷移すると,境界非中断(メッセージ)に設定されたmessageRefの受信待ちになります。

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,境界非中断(メッセージ)から変換された業務ステップを生成します。境界非中断(メッセージ)から変換された業務ステップは自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(30) イベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)

機能

イベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)は,ビジネスプロセスが実行中の間だけイベントの受信待ちになります。サブプロセスに定義されている場合は,そのサブプロセス(下位のサブプロセスも含む)が実行中の間だけイベントの受信待ちになります。トップレベルに定義されている場合は,メッセージを受信すると同一案件内で実行中のタスク / イベントを強制終了してから,イベント・サブプロセスが開始されます。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内の実行中のタスク / イベントを強制終了してから,イベント・サブプロセスが開始されます。

変換イメージ

イベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

イベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)はイベント・サブプロセスから変換された階層定義の中でソースノード,分岐ノード,分岐条件,業務ステップ定義,および作業定義に変換されます。作業定義の説明にはmessageRefから生成された文字列が設定されます。

図1‒43 イベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

メッセージイベント送信APIによってメッセージを受信すると,指定されたmessageRefのイベント・サブプロセス中断開始(メッセージ)から変換された業務ステップが生成されます。生成された業務ステップは自動的に完了し,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

トップレベルに定義されている場合は,同一案件内の実行中の業務ステップを強制終了します。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内の実行中の業務ステップを強制終了します。

(31) 終了(エラー)

機能

終了(エラー)イベントに遷移すると,エラーをスローします。ほかに実行中のアクティビティがない場合,案件が完了します。ほかに実行中のアクティビティがある場合,案件は完了しません。

終了(エラー)イベントのエラースロー先を次に示します。

  • 境界中断(エラー)

  • イベント・サブプロセス中断開始(エラー)

子案件の場合,キャッチできる境界中断(エラー)やイベント・サブプロセス中断開始(エラー)が対象案件に存在しないときは,親案件に対してエラーをスローします。親案件にも存在しないときは,親案件の親案件に対してエラーをスローします。これをルート案件まで繰り返します。

変換イメージ

終了(エラー)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

終了(エラー)イベントは,業務ステップ定義,作業定義,およびシンクノードに変換されます。

図1‒44 終了(エラー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

終了(エラー)の動作については,「1.8.1 呼び出し対象のBPMN要素」を参照してください。

(32) 境界中断(エラー)

機能

アクティビティの境界上に境界中断(エラー)が定義される場合,その境界のアクティビティが実行中の間だけ受信待ち状態になります。アクティビティが完了する前に,エラーイベントが発生した場合は,アクティビティを停止して例外フローに遷移します。アクティビティが完了した場合,通常フローに遷移します。

図1‒45 境界中断(エラー)イベント

[図データ]

変換イメージ

境界中断(メッセージ)と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(22) 境界中断(メッセージ)」を参照してください。

処理内容

境界中断(エラー)が定義されたユーザタスク,サービスタスク,ビジネスルールタスク,コールアクティビティや,境界中断(エラー)が定義されたサブプロセス内のタスクやイベントから変換された業務ステップに遷移すると,境界中断(エラー)に設定されたerrorRefの受信待ちになります。

エラーを受信すると,受信待ちをしていたすべての業務ステップを強制終了し,境界中断(エラー)から変換された業務ステップを生成します。境界中断(エラー)から変換された業務ステップは,自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(33) イベント・サブプロセス中断開始(エラー)

機能

イベント・サブプロセス中断開始(エラー)は,ビジネスプロセスが実行中の間だけイベントの受信待ちになります。サブプロセスに定義されている場合は,そのサブプロセス(下位のサブプロセスも含む)が実行中の間だけイベントの受信待ちになります。

トップレベルに定義されている場合は,エラーを受信すると同一案件内で実行中のタスク / イベントを強制終了してから,イベント・サブプロセスが開始されます。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内の実行中のタスク / イベントを強制終了してから,イベント・サブプロセスが開始されます。

変換イメージ

イベント・サブプロセス中断開始(エラー)のBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

イベント・サブプロセス中断開始(エラー)はイベント・サブプロセスから変換された階層定義の中でソースノード,分岐ノード,分岐条件,業務ステップ定義,および作業定義に変換されます。作業定義の説明にはerrorRefから生成された文字列が設定されます。

図1‒46 イベント・サブプロセス中断開始(エラー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

エラーを受信すると,指定されたerrorRefのイベント・サブプロセス中断開始(エラー)から変換された業務ステップが生成されます。生成された業務ステップは自動的に完了し,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

トップレベルに定義されている場合は,同一案件内の実行中の業務ステップを強制終了します。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内の実行中の業務ステップを強制終了します。

(34) 開始(タイマー)

機能

設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻を過ぎたときに,案件を開始します。

変換イメージ

開始(タイマー)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

開始(タイマー)イベントは,ソースノード,分岐ノード,分岐条件,業務ステップ定義,および作業定義に変換されます。

図1‒47 開始(タイマー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

開始(タイマー)の処理内容については,「1.8.4 開始(タイマー)の場合の処理の流れ」を参照してください。

(35) キャッチ(タイマー)

機能

キャッチ(タイマー)イベントに遷移すると,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。発火時刻を過ぎると,次のアクティビティに遷移します。

変換イメージ

キャッチ(タイマー)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

キャッチ(メッセージ)イベントは,業務ステップ定義および作業定義に変換されます。

図1‒48 キャッチ(タイマー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

キャッチ(タイマー)から変換された業務ステップに遷移すると,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。

作業は,次のとおり設定されます。

  • 処理期限:設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻

  • 優先度(実行回数として使用):「0」

  • 作業者:「IWTTIM_IWTransit」

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスが業務ステップを完了して,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

タイマーイベントによる案件の遷移については,「1.8.5 開始(タイマー)以外のタイマーイベントの場合の処理の流れ」を参照してください。

(36) 境界中断(タイマー)

機能

境界中断(タイマー)イベントが定義されたアクティビティに遷移すると,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。

アクティビティが完了する前に発火時刻を過ぎると,アクティビティを強制終了して例外フローに遷移します。

発火時刻を過ぎる前にアクティビティが完了すると,通常フローに遷移します。

図1‒49 境界中断(タイマー)イベント

[図データ]

変換イメージ1(ユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティ)

境界中断(タイマー)イベントがユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

境界中断(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(タイマー1)と作業定義(タイマー1)に変換されます。

境界中断(タイマー)が定義された対象から変換された業務ステップ定義(STEP1)には,境界中断(タイマー)の受信用の作業定義(IWTBI_タイマー1)が定義されます。

図1‒50 境界中断(タイマー)の変換イメージ1

[図データ]

処理内容1(ユーザタスク / サービスタスク / ビジネスルールタスク / コールアクティビティ)

境界中断(タイマー)が定義されたタスクから変換された業務ステップに遷移すると,受信用の作業が生成されて,「実行開始可能」状態に遷移します。

受信用の作業は,次のとおり設定されます。

  • 処理期限:設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻

  • 優先度(実行回数として使用):「0」

  • 作業者:「IWTTIM_IWTransit」

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスから,境界中断(タイマー)の受信用の作業に対して遷移要求が投げられます。遷移要求を受けると,タスクから変換された業務ステップを強制終了し,境界中断(タイマー)から変換された業務ステップを生成して開始します。

境界中断(タイマー)から変換された業務ステップは自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

変換イメージ2(サブプロセス)

境界中断(タイマー)イベントがサブプロセスに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

境界中断(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(境界(タイマー))および作業定義(境界(タイマー))に変換されます。

境界中断(タイマー)が定義された対象から変換された階層定義(SubProcess)の階層定義内には,分業ノードと境界中断(タイマー)の受信用の業務ステップおよび作業定義(IWTPI_境界(タイマー))が定義されます。

図1‒51 境界中断(タイマー)の変換イメージ2

[図データ]

処理内容2(サブプロセス)

境界中断(タイマー)が定義されたサブプロセスから変換された階層に遷移すると,分業して境界中断(タイマー)の受信用の業務ステップが実行中になります。そして,受信用の作業が生成されて,「実行開始可能」状態に遷移します。

受信用の作業は,次のように設定されます。

  • 処理期限:設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻

  • 優先度(実行回数として使用):「0」

  • 作業者:「IWTTIM_IWTransit」

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスから,境界中断(タイマー)の受信用の作業に対して遷移要求が投げられます。遷移要求を受けると,境界中断(タイマー)の場合は,同一階層内で実行中の業務ステップおよび受信用の業務ステップを強制終了します。

境界中断(タイマー)から変換された業務ステップを生成して開始します。境界中断(タイマー)から変換された業務ステップは自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

正常フローに遷移するケース

対象のサブプロセスのシンクノードに遷移すると,同一階層内で実行中の業務ステップが次に示すものだけの場合は,タイマーの業務ステップを強制終了します。また,終了判定用の業務ステップを完了し,階層の遷移先に遷移します。

  • 境界中断(タイマー)

  • 境界非中断(タイマー)

  • イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)

  • イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)

変換イメージ3(サブプロセス(マルチインスタンス))

境界中断(タイマー)イベントがサブプロセス(マルチインスタンス)に定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

境界中断(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(境界(タイマー))および作業定義(境界(タイマー))に変換されます。

境界中断(タイマー)が定義された対象から変換された階層定義(SubProcess)内には,分業ノード,境界中断(タイマー)の受信用の業務ステップ,および作業定義(IWTPI_境界(タイマー))が定義されます。

境界中断(タイマー)イベント以外の変換については,「折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス / パラレルマルチインスタンス)」,または「展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス / パラレルマルチインスタンス)」と同じになります。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(40) 折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」,または「(42) 展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」を参照してください。

図1‒52 境界中断(タイマー)の変換イメージ3

[図データ]

注※

階層定義名,および階層定義内の業務ステップ定義名は,「IW<インデクス>_<BPMN要素のname属性>_<BPMN要素のid属性>」となります。

処理内容3(サブプロセス(マルチインスタンス))

境界中断(タイマー)が定義されたサブプロセス(マルチインスタンス)の動作については,「処理内容2(サブプロセス)」と同じになります。

変換イメージ4(アドホック・サブプロセス)

境界中断(タイマー)イベントがアドホック・サブプロセスに定義された場合の,BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

境界中断(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(境界(タイマー))および作業定義(境界(タイマー))に変換されます。

境界中断(タイマー)が定義された対象から変換された階層定義(AdHocSubProcess)内には,分業ノード,境界中断(タイマー)の受信用の業務ステップ,および作業定義(IWTPI_境界(タイマー))が定義されます。

境界中断(タイマー)イベント以外の変換については,「展開されたアドホック・サブプロセス」,または「折りたたまれたアドホック・サブプロセス」と同じになります。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(44) 展開されたアドホック・サブプロセス」,または「(45) 折りたたまれたアドホック・サブプロセス」を参照してください。

図1‒53 境界中断(タイマー)の変換イメージ4

[図データ]

処理内容4(アドホック・サブプロセス)

境界中断(タイマー)が定義されたアドホック・サブプロセスの動作については,「処理内容2(サブプロセス)」と同じになります。

(37) 境界非中断(タイマー)

機能

境界非中断(タイマー)イベントが定義されたアクティビティに遷移すると,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。

アクティビティが完了する前に発火時刻を過ぎると,アクティビティは実行中のまま例外フローに遷移します。繰り返しが設定されている場合は,次の発火時刻まで待ち状態になります。

アクティビティが完了すると,通常フローに遷移します。

図1‒54 境界非中断(タイマー)イベント

[図データ]

変換イメージ

変換については,業務ステップ / 作業定義名以外は「境界中断(タイマー)」と同じになります。境界非中断(タイマー)の業務ステップ / 作業定義名は次に示すとおりです。

  • 対象がタスクの場合:

    IWTBN_境界非中断(タイマー)のラベル名

  • 対象がサブプロセスの場合:

    IWTPN_境界非中断(タイマー)のラベル名

処理内容

受信待ち状態になるところまでは,「境界中断(タイマー)」と同じになります。

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスから境界非中断(タイマー)の受信用の作業に対して遷移要求が投げられます。遷移要求を受けると,境界非中断(タイマー)から変換された業務ステップを生成して開始します。

境界非中断(タイマー)から変換された業務ステップは,自動的に完了し,例外フロー遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

処理の実行回数が上限まで達していない場合は,タイマールールを再評価して,次の発火時刻を求めて処理期限に設定します。実行回数が上限に達した場合は,受信用の作業 / 業務ステップを強制終了します。

(38) イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)

機能

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)は,イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)が定義されたビジネスプロセスまたはサブプロセスが実行中になった時点から,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。

ビジネスプロセスまたはサブプロセスが完了する前に発火時刻を過ぎると,そのプロセス内で実行中のタスクやイベントを強制終了してから,イベント・サブプロセスが開始されます。

変換イメージ

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(EventSubStart)と作業定義(EventSubStart)に変換されます。

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)が定義されたビジネスプロセスまたはサブプロセスから変換されたトップレベル / 階層定義(SubProcess)には,分業ノード,イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)の受信用の業務ステップ,および作業定義(IWTSI_EventSubStart)が定義されます。

図1‒55 イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)が定義されたサブプロセスから変換された階層に遷移すると,分業してイベント・サブプロセス中断開始(タイマー)の受信用の業務ステップが実行中になります。また,受信用の作業が生成されて「実行開始可能」状態に遷移します。

受信用の作業は,次のように設定されます。

  • 処理期限:設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻

  • 優先度(実行回数として使用):「0」

  • 作業者:「IWTTIM_IWTransit」

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスから,イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)の受信用の作業に対して遷移要求が投げられます。遷移要求を受けると,同一階層内で実行中の業務ステップ,およびイベント・サブプロセス中断開始(タイマー)受信用の業務ステップを強制終了します。

イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)から変換された業務ステップを生成して開始すると,自動的に完了し,遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

トップレベルに定義されている場合は,同一案件内で実行中の業務ステップを強制終了します。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内で実行中の業務ステップを強制終了します。

(39) イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)

機能

イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)は,イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)が定義されたビジネスプロセスまたはサブプロセスが実行中になった時点から,設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻になるまで待ち状態になります。

ビジネスプロセスまたはサブプロセスが完了する前に発火時刻を過ぎると,イベント・サブプロセスが開始されます。繰り返しが設定されている場合は,次の発火時刻まで待ち状態になります。

変換イメージ

イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)イベントのBPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)イベントは,業務ステップ定義(EventSubStart)と作業定義(EventSubStart)に変換されます。

イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)が定義されたビジネスプロセスまたはサブプロセスから変換されたトップレベル / 階層定義(SubProcess)には,分業ノード,イベント・サブプロセス中断開始(タイマー)の受信用の業務ステップおよび作業定義(IWTSN_EventSubStart)が定義されます。

図1‒56 イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)が定義されたサブプロセスから変換された階層に遷移すると,分業してイベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)の受信用の業務ステップが実行中になります。また,受信用の作業が生成されて「実行開始可能」状態に遷移します。

受信用の作業は,次のように設定されます。

  • 処理期限:設定されたタイマールールを評価して求めた発火時刻

  • 実行回数として使用する優先度:「0」

  • 作業者:「IWTTIM_IWTransit」

発火時刻を過ぎると,アプリケーション呼び出しサービスから,イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)の受信用の作業に対して遷移要求が投げられます。遷移要求を受けると,イベント・サブプロセス非中断開始(タイマー)から変換された業務ステップを生成して開始します。そして,自動的に完了し,遷移先の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

実行回数が上限まで達していない場合は,受信用の作業は,次のように設定されます。

  • 処理期限:タイマールールを再評価して求めた,次の発火時刻

  • 優先度(実行回数として使用):1を加算

実行回数が上限に達した場合は,受信用の作業および業務ステップを強制終了します。

トップレベルに定義されている場合は,同一案件内で実行中の業務ステップを強制終了します。サブプロセスに定義されている場合は,サブプロセス内で実行中の業務ステップを強制終了します。

(40) 折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)は,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分のサブプロセスが1件ずつ生成され,逐次に遷移します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は,何もせずに終了し,次に遷移します。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

折りたたまれたサブプロセスは,階層定義(SubProcess),および先着ノードに変換されます。

階層定義内(SubProcess)には,次の業務ステップ定義,作業定義,および階層定義が定義されます。

  • 繰り返し回数評価用の業務ステップ定義(IWMB_SubProcess),および作業定義(IWMB_SubProcess)

  • 繰り返し回数(loopCardinality)分の,インスタンスの動的生成用の業務ステップ定義(IWMS<インデクス>_SubProcess),および作業定義(IWMS_SubProcess)

  • 折りたたまれたサブプロセス内に定義された,BPMN要素の定義用の階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)

  • 完了条件(completionCondition)評価用の業務ステップ定義(IWMA_SubProcess),および作業定義(IWMA_SubProcess)

業務ステップ定義(IWMS<インデクス>_SubProcess),作業定義(IWMS_SubProcess),および階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が定義される個数については,ciwtransbpmnコマンドの-mimaxオプションに指定した,サブプロセス(マルチインスタンス)使用時の生成個数,または繰り返し回数(loopCardinality)の設定値に依存します。ciwtransbpmnコマンドの詳細については,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow コマンドを参照してください。なお,この例は,ciwtransbpmnコマンドの-mimaxオプションに3を指定した場合の変換イメージです。

図1‒57 折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

注※

階層定義名,および階層定義内の業務ステップ定義名は,「IW<インデクス>_<BPMN要素のname属性>_<BPMN要素のid属性>」となります。

処理内容

折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)から変換された階層定義(SubProcess)に遷移すると,業務ステップ(IWMB_SubProcess)に遷移します。

業務ステップ(IWMB_SubProcess)に遷移すると,業務ステップ(IWMB_SubProcess)を完了し,業務ステップ(IWMS1_SubProcess)を1件生成します。業務ステップ(IWMS1_SubProcess)は自動的に完了し,階層定義(IW1_SubProcess)に遷移します。

階層定義(IW1_SubProcess)に遷移すると,サブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)内に定義されたBPMN要素から変換された業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が完了した場合の動作

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が完了し,業務ステップ(IWMA_SubProcess)に遷移すると,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は完了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分のサブプロセスが完了しているかを評価します。

すべてのサブプロセスが完了した場合,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は完了します。1つでも完了していないサブプロセスがある場合,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は強制終了され,業務ステップ(IWMS<次のインデクス>_SubProcess)を1件生成します。業務ステップ(IWMS<次のインデクス>_SubProcess)は自動的に完了し,階層定義(IW<次のインデクス>_SubProcess)に遷移します。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)内の業務ステップ / 作業を強制終了した場合の動作

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)内に実行中の業務ステップがなくなった場合,次の業務ステップ / 制御ノードには遷移しなくなります。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)への遷移と完了を繰り返し,業務ステップ(IWMA_SubProcess)が完了すると,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(41) 折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)

機能

折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)は,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分の折りたたまれたサブプロセスが同時に生成され,並列に遷移します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は,何もせずに終了し,次に遷移します。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

折りたたまれたサブプロセスは,階層定義および先着ノードに変換されます。

階層定義(SubProcess)内には,次の業務ステップ定義,作業定義,および階層定義が定義されます。

  • 繰り返し回数(loopCardinality)評価用の業務ステップ定義,および作業定義(IWMB_SubProcess)

  • 繰り返し回数(loopCardinality)分の,インスタンスの動的生成用の業務ステップ定義(IWMS<インデクス>_SubProcess),および作業定義(IWMS_SubProcess)

  • 折りたたまれたサブプロセス内に定義されたBPMN要素の定義用の階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)

  • 完了条件(completionCondition)評価用の業務ステップ定義(IWMA_SubProcess),および作業定義(IWMA_SubProcess)

業務ステップ定義(IWMS<インデクス>_SubProcess),作業定義(IWMS_SubProcess),および階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が定義される個数については,ciwtransbpmnコマンドの-mimaxオプションに指定した,サブプロセス(マルチインスタンス)使用時の生成個数,または繰り返し回数(loopCardinality)の設定値に依存します。ciwtransbpmnコマンドの詳細については,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow コマンドを参照してください。なお,この例は,ciwtransbpmnコマンドの-mimaxオプションに3を指定した場合の変換イメージです。

図1‒58 折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

注※

階層定義名,および階層定義内の業務ステップ定義名は,「IW<インデクス>_<BPMN要素のname属性>_<BPMN要素のid属性>」となります。

処理内容

折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)から変換された階層定義(SubProcess)に遷移すると,業務ステップ(IWMB_SubProcess)に遷移します。

業務ステップ(IWMB_SubProcess)に遷移すると,業務ステップ(IWMB_SubProcess)を完了し,繰り返し回数(loopCardinality)分の業務ステップ(IWMS<インデクス>_SubProcess)を同時に生成します。各業務ステップ(IWMS<インデクス>_SubProcess)は自動的に完了し,階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)に遷移します。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)内に遷移すると,サブプロセス(パラレルマルチインスタンス)内に定義されたBPMN要素から変換された業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が完了した場合の動作

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)が完了し,業務ステップ(IWMA_SubProcess)に遷移すると,マルチインスタンスの完了条件(completionCondition)を評価します。完了条件(completionCondition)が成立した場合,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は完了します。階層定義(SubProcess)内に実行中の業務ステップが存在する場合,すべての業務ステップを強制終了します。完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合は,繰り返し回数(loopCardinality)分のサブプロセスが完了しているかを評価します。

すべてのサブプロセスが完了している場合,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は完了します。1つでも完了していないサブプロセスがある場合,サブプロセスは実行中のままとなり,業務ステップ(IWMA_SubProcess)は強制終了されます。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)内の業務ステップ / 作業を強制終了した場合の動作

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)内に実行中の業務ステップがなくなった場合,次に遷移しなくなったサブプロセスは完了済みのサブプロセスとは評価されません。そのため,完了条件(completionCondition)が成立する以外,サブプロセス(パラレルマルチインスタンス)の次の業務ステップ / 制御ノードには遷移しません。

階層定義(IW<インデクス>_SubProcess)への遷移と完了を繰り返し,業務ステップ(IWMA_SubProcess)が完了すると,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(42) 展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)

機能

展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)は,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分のサブプロセスが1件ずつ逐次に生成され,遷移します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は,何もせずに終了し,次に遷移します。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。変換後の変換イメージは,「折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(40) 折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」を参照してください。

図1‒59 展開されたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

「折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(40) 折りたたまれたサブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)」を参照してください。

(43) 展開されたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)

機能

展開されたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)は,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

展開されたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)に遷移すると,BPMNビジネスプロセス定義に指定した繰り返し回数(loopCardinality)分のサブプロセスが同時に生成され,並列に遷移します。繰り返し回数(loopCardinality)が0の場合は,何もせずに終了し,次に遷移します。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。変換後の変換イメージは,「折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(41) 折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)」を参照してください。

図1‒60 展開されたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)の変換イメージ

[図データ]

処理内容

「折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(41) 折りたたまれたサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)」を参照してください。

(44) 展開されたアドホック・サブプロセス

機能

展開されたアドホック・サブプロセスは,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

展開されたアドホック・サブプロセスに遷移すると,アドホック・サブプロセス内に定義されたフローノード(業務ステップ)を任意のタイミングで生成できます。

アドホック・サブプロセスに遷移したあとの処理の起点は,ユーザの操作になります。ユーザが業務プログラムを介したBPMN連携ライブラリまたはREST APIで,アドホック・サブプロセス内のフローノード(業務ステップ)のフロー制御を行います。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。

展開されたアドホック・サブプロセスは,階層定義および先着ノードに変換されます。

階層定義(AdHocSubProcess)内には,次の業務ステップ定義および作業定義が定義されます。

  • アドホック・サブプロセスの状態表示用の業務ステップ定義(AdHocSubProcess),および作業定義(AdHocSubProcess)

  • アドホック・サブプロセス内に定義された各BPMN要素から変換された業務ステップ定義,および作業定義

  • 完了条件(completionCondition)評価用の業務ステップ定義(IWAA_AdHocSubProcess),および作業定義(IWAA_AdHocSubProcess)

図1‒61 展開されたアドホック・サブプロセスの変換イメージ

[図データ]

処理内容

展開されたアドホック・サブプロセスから変換された階層定義(AdHocSubProcess)に遷移すると,業務ステップ(AdHocSubProcess)に遷移します。

業務ステップ(AdHocSubProcess)に遷移すると,業務ステップは「実行中」状態に遷移し,アドホック・サブプロセスは「生成可」(作業(AdHocSubProcess)は「実行開始可能」)状態に遷移します。アドホック・サブプロセスが「生成可」(作業(AdHocSubProcess)は「実行開始可能」)状態に遷移すると,ユーザは業務プログラムを介したBPMN連携ライブラリまたはREST APIで,アドホック・サブプロセス内のフロー先端のフローノード(業務ステップ)のインスタンスを生成できます。

アドホック・サブプロセス内のフロー終端のフローノード(UserTask1)が完了すると,業務ステップ(IWAA_AdHocSubProcess)に遷移し,アドホック・サブプロセスの完了条件(completionCondition)を評価します。

  • 完了条件(completionCondition)が成立し,かつインスタンスのキャンセル属性(cancelRemainingInstances)がtrueの場合

    業務ステップ(IWAA_AdHocSubProcess)を強制終了します。アドホック・サブプロセスは「完了」(作業(AdHocSubProcess)は「実行済」)状態に遷移します。階層定義(AdHocSubProcess)内に実行中の業務ステップが存在するときは,すべての業務ステップを強制終了します。

  • 完了条件(completionCondition)が成立し,かつインスタンスのキャンセル属性(cancelRemainingInstances)がfalseの場合

    • 階層定義(AdHocSubProcess)内に実行中の業務ステップが存在するとき

      業務ステップ(IWAA_AdHocSubProcess)を強制終了します。アドホック・サブプロセスは「生成不可」(作業(AdHocSubProcess)は「作業者実行」)状態に遷移します。アドホック・サブプロセスは,アドホック・サブプロセス内の実行中のすべての業務ステップが完了し,フロー終端に到達したあとに完了します。

      ユーザは,アドホック・サブプロセス内のフローノード(業務ステップ)のインスタンスを生成することはできません。

    • 階層定義(AdHocSubProcess)内に実行中の業務ステップが存在しないとき

      業務ステップ(IWAA_AdHocSubProcess)を強制終了します。アドホック・サブプロセスは「完了」(作業(AdHocSubProcess)は「実行済」)状態に遷移します。

  • 完了条件(completionCondition)が成立しない場合または完了条件(completionCondition)の設定を省略した場合

    業務ステップ(IWAA_AdHocSubProcess)を強制終了します。アドホック・サブプロセスは「生成可」(作業(AdHocSubProcess)は「実行開始可能」)状態のままになります。

    ユーザはアドホック・サブプロセス内のフローノード(業務ステップ)のインスタンスを再び生成できます。

アドホック・サブプロセス内のフローノード(業務ステップ)のインスタンスの生成と完了を繰り返し,アドホック・サブプロセスが「完了」(作業(AdHocSubProcess)が「実行済」)状態に遷移すると,次の業務ステップ / 制御ノードに遷移します。

(45) 折りたたまれたアドホック・サブプロセス

機能

折りたたまれたアドホック・サブプロセスは,親ビジネスプロセス内のアクティビティになります。

折りたたまれたアドホック・サブプロセスに遷移すると,アドホック・サブプロセス内に定義されたフローノード(業務ステップ)を任意のタイミングで生成できます。アドホック・サブプロセスに遷移したあとの処理の起点は,ユーザの操作になります。ユーザが業務プログラムを介したBPMN連携ライブラリまたはREST APIで,アドホック・サブプロセス内のフローノード(業務ステップ)のフロー制御を行います。

変換イメージ

BPMNビジネスプロセス定義からCSCIWビジネスプロセス定義への変換イメージを示します。変換後の変換イメージは,「展開されたアドホック・サブプロセス」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(44) 展開されたアドホック・サブプロセス」を参照してください。

図1‒62 折りたたまれたアドホック・サブプロセスの変換イメージ

[図データ]

処理内容

「展開されたアドホック・サブプロセス」と同じです。「1.3.4 BPMN要素のCSCIWビジネスプロセス定義への変換の詳細」の「(44) 展開されたアドホック・サブプロセス」を参照してください。