Cosminexus システム運用ガイド
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Cosminexusシステムでは,論理サーバに異常が発生した場合に,自動的にトラブルシュートに必要な情報を取得,収集できます。
- ポイント
- トラブル発生時に資料を自動で取得するためには,システムを構築する段階で必要な設定をしておく必要があります。トラブルシューティングの資料取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
自動で資料を取得する場合の,トラブル発生から資料の取得と収集,システムの回復までの流れを次の図に示します。
図5-2 自動で資料を収集する場合の流れ
![[図データ]](FIGURE/ZU070020.GIF)
2.の障害検知時コマンドによって,トラブルシュートに必要な情報が出力されます。このコマンドで出力した情報,およびそれ以外のトラブルシュートに必要な情報を,3.でsnapshotログとしてまとめて収集します。
このほか,設定によっては,snapshotログは,運用管理ドメインで管理しているJ2EEサーバを手動で一括再起動する直前にも自動収集されます。
- ポイント
- 障害検知時コマンドの実行とsnapshotログの収集によって,トラブルシューティングに必要な情報は,次の情報を除いてすべて自動収集するように設定できます。
- デフォルトの設定で収集されない情報については,次のように設定して収集します。
- ユーザ作成の障害検知時コマンド内で,必要な情報を出力します。
- 1.の情報の出力先を,snapshotログの収集対象のパスに追加します。
- snapshotログ取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
ここでは,2.の障害検知時コマンド実行時と,3.のsnapshotログ収集時に取得できる資料の種類について説明します。
- 注意
- snapshotログで取得できる構成ソフトウェアのログのうち,次の表に示すログの取得については,このマニュアルでは説明していません。取得方法については,次の表の参照先マニュアルを参照してください。
表5-4 このマニュアルでログの取得方法を記載していない構成ソフトウェア
ログの種類 |
参照先マニュアル名 |
Cosminexus Component ContainerのSOAPアプリケーション実行基盤のログ |
Cosminexus SOAPアプリケーション開発ガイド |
Cosminexus TPBrokerのログ |
TPBroker ユーザーズガイド |
Cosminexus Web Services - Securityのログ |
Cosminexus Webサービスセキュリティ 使用の手引 |
-
- <この項の構成>
- (1) 障害検知時コマンドで出力できる資料
- (2) snapshotログとして収集できる資料
- (3) 取得した情報の格納先
障害検知時コマンドは,Management Serverで管理している論理サーバにトラブルが発生した場合に,システムによって実行されます。
障害検知時コマンドには,次の2種類があります。
- システムで提供されている障害検知時コマンド
- ユーザが作成する障害検知時コマンド
ここでは,それぞれで取得できる情報について説明します。
- ポイント
- 障害検知時コマンドは,システム構築時に必要な設定がされていない場合,実行されません。次の設定内容を確認してください。
- mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のcom.cosminexus.mngsvr.sys_cmd.abnormal_end.enabledキーに「true」が設定されている場合,システムで提供されている障害検知時コマンドが実行されます。
- mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のcom.cosminexus.mngsvr.usr_cmd.abnormal_end.enabledキーに「true」が設定されている場合,ユーザが作成した障害検知時コマンドが実行されます。
- 障害検知時コマンドによる資料取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
システムで提供されている障害検知時コマンドで出力できる資料について,次の表に示します。障害検知時コマンドで出力できる資料は,障害の種類(システムダウン,またはハングアップ)および使用しているOSによって異なります。
なお,snapshotログでこれらの情報を取得するためには,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)に必要な設定がされていることが必要です。
障害検知時コマンドで出力できる資料を次に示します。
表5-5 障害検知時コマンドで出力できる資料
論理サーバ |
OS |
取得できる情報 |
プロセスダウンを検出した場合 |
ハングアップを検出した場合 |
論理パフォーマンストレーサ |
Windows
UNIX |
|
|
論理J2EEサーバ |
Windows |
|
|
UNIX |
- JavaVMのスタックトレース情報
- 性能解析トレースファイル
|
|
論理SFOサーバ |
Windows |
|
|
UNIX |
- JavaVMのスタックトレース情報
- 性能解析トレースファイル
|
|
論理Webサーバ |
Windows
UNIX |
|
|
ほかの論理サーバ |
Windows
UNIX |
|
|
(凡例)−:何も出力されません。
- トラブルが発生したJ2EEサーバまたはSFOサーバのスレッドダンプ
adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のadminagent.j2ee.sys_cmd.abnormal_end.threaddumpキーに「true」が設定されている場合に取得できます。
- 性能解析トレース
adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のadminagent.sys_cmd.abnormal_end.prftraceキーに「true」が設定されている場合に取得できます。
- 注意
- トラブルが発生したJ2EEサーバまたはSFOサーバのプロセスが存在しないと判断された場合,スレッドダンプは出力されません。また,パフォーマンストレーサのプロセスが存在しないと判断された場合,性能解析トレースは出力されません。
ユーザが作成した障害検知時コマンドとして,資料取得に必要な任意の処理を記述したバッチファイルまたはシェルスクリプトを実行できます。例えば,ユーザダンプまたはcoreダンプは,このコマンドの中でdrwtsn32コマンドまたはcjdumpsvコマンドなどを実行して取得できます。障害検知時コマンドの作成方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」の障害検知時コマンドによる資料取得の設定に関する説明を参照してください。
なお,ユーザ作成の障害検知時コマンドは,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のadminagent.<serverkind>.usr_cmd.abnormal_endキーに指定されているものが実行されます。
snapshotログとして収集できる情報を示します。snapshotログには,システム保守に必要な情報とアプリケーション保守に必要な情報が含まれます。
なお,snapshotログとして収集する情報は,リストファイルの設定によって変更できます。例えば,ユーザ作成の障害検知時コマンドで出力した情報を収集したい場合には,設定を変更すれば収集対象に加えられます。リストファイルの設定はシステム構築時に実行します。
実際の運用環境での収集対象は,次のファイルで確認できます。
- snapshotlog.conf
一次送付資料として取得する内容が定義されています。
snapshotlog.confの格納場所を次に示します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\config\snapshotlog.conf
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/snapshotlog.conf
- snapshotlog.2.conf
二次送付資料として取得する内容が定義されています。
snapshotlog.2.confの格納場所を次に示します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\config\snapshotlog.2.conf
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/snapshotlog.2.conf
ただし,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)の指定内容によっては,収集できる情報が異なる場合があります。snapshotログ取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
デフォルトの設定の場合,トラブル発生時に自動的に取得されるsnapshotログには,次の情報が含まれます。
- 一次送付資料
- snapshotログの一次送付資料の収集対象として定義されているディレクトリ下の情報※1
- J2EEサーバおよびSFOサーバのスレッドダンプ※2
- インストール情報
- OSの状態ログ
- 二次送付資料
- 性能解析トレース※2
- snapshotログの二次送付資料の収集対象として定義されているディレクトリ下の情報※1
- インストール情報
- OSの状態ログ
- 注※1 snapshotログの収集対象のディレクトリについては,「付録B snapshotログの収集対象一覧」を参照してください。
- 注※2 システムで提供されている障害検知時コマンドで,スレッドダンプおよび性能解析トレースを出力する設定にしている場合に収集できます。
次に,デフォルトの状態で取得できる情報と取得できない情報の例を示します。
(a) デフォルトの状態で取得できる情報
デフォルトの状態で取得できる情報の例を次に示します。
- システム保守に必要な情報
- システム保守に必要な情報として,次に示す構成ソフトウェアの定義ファイルおよびログファイルが収集されます。
- Cosminexus Component Container※
- Cosminexus Component Transaction Monitor
- Cosminexus DABroker Library
- Cosminexus Developer's Kit for Java
- Cosminexus Performance Tracer
- Cosminexus TPBroker
- Cosminexus Web Services - Security
- Hitachi Web Server
- Cosminexus cFramework
- このほか,日立トレース共通ライブラリのログ,およびプログラムプロダクト情報(UNIXの場合)も収集します。
- 注※ SOAPアプリケーション実行基盤の情報も含みます。
- アプリケーション保守に必要な情報
- アプリケーション保守に必要な情報として,Cosminexus Component Containerのメッセージログおよびユーザログを収集します。
なお,デフォルトの状態では,構成ソフトウェアのインストール時にデフォルトで作成されたディレクトリがsnapshotログの収集対象として定義されています。ログの出力先を変更している場合は収集先も変更するようにしてください。
snapshotログ取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」,およびマニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。
(b) デフォルトの状態では収集できない情報
次に示す情報は,デフォルトの状態で運用している場合は収集されません。必要に応じて,取得するように設定してください。snapshotログ取得の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
- Windowsの場合
- Cosminexus Component Container関連
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<サーバ名称>\import下すべて
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<サーバ名称>\rars下すべて
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\public下すべて
- Ear/Jarファイル(デプロイ/インポートできなかった場合)
- Microsoft IIS関連
- Microsoft IISと連携している場合,次の資料を取得します。
- C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC1(C:の部分にはシステムドライブを指定します)
- OS関連
- システムモニタ関連の資料一式(5.4.11参照)
- イベントログ(アプリケーション,システム)
- OSの稼働資料
winmsd起動画面から[操作]−[テキストファイルとして保存]メニューで資料採取します(5分から10分掛かる場合があります)。
- UNIXの場合
- Cosminexus Component Container関連
- /opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/import下すべて
- /opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/rars下すべて
- /opt/Cosminexus/CC/server/public下すべて
- Ear/Jarファイル(デプロイ/インポートできなかった場合)
- OS関連
(3) 取得した情報の格納先
snapshotログの収集によって自動で取得された情報は,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のキー「adminagent.snapshotlog.log_dir」で指定したディレクトリに次の名称で格納されています。
- 一次送付資料として収集したファイル
snapshot-<論理サーバ名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>.zip
- 二次送付資料として収集したファイル
snapshot-<論理サーバ名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>.2.zip
注※ yyyy:西暦 MM:月 dd:日 HH:時 mm:分 ss:秒
なお,出力先ディレクトリのデフォルトは,次のとおりです。
- Windowsの場合
<Managerのログ出力ディレクトリ>\snapshot
- UNIXの場合
<Managerのログ出力ディレクトリ>/snapshot
- 参考
- snapshotログとして収集しようとしたファイルの一覧,および実際に収集したファイルの一覧は,次のファイルで確認できます。これらのファイルは,アーカイブされたzipファイルに含まれています。
- 収集しようとしたファイルの一覧
snapshot-<ホスト名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>/filelist_pre.txt
snapshot-<ホスト名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>.2/filelist_pre.txt
- 実際に収集したファイルの一覧
snapshot-<ホスト名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>/filelist_post.txt
snapshot-<ホスト名>-log-<yyyyMMddHHmmss※>.2/filelist_post.txt
- 注※ yyyy:西暦 MM:月 dd:日 HH:時 mm:分 ss:秒
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