Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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11.5 JP1/SC/DPMを利用したシステムのスケールアウトとスケールイン

Smart Composer機能を使用してシステムをスケールアウトする場合に,追加するアプリケーションサーバのセットアップにJP1/SC/DPMのディスク複製OSインストール機能を利用できます。この場合,通常のシステムのスケールアウトの手順の前に,複製元のディスクイメージを作成する準備が必要です。

なお,JP1/SC/DPMを利用して構築したシステムのスケールインについては,「7.7.3 JP1/SC/DPMを利用して構築したシステムのスケールイン」を参照してください。参照の際には次の点に注意してください。

JP1/SC/DPMを使用して,アプリケーションサーバのディスクイメージを複製し,そのディスクイメージに従って,新たなアプリケーションサーバにOSやアプリケーションをインストールします。次に,Smart Composer機能のコマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバの情報をシステムにスケールアウトします。スケールアウトの概要については,「7.7.2 ホスト単位管理モデルでのシステムのスケールアウト」を参照してください。

なお,スケールアウトの方法は,J2EEアプリケーションを実行するシステムと同じです。ここでは,システムのスケールアウトの準備およびスケールアウトで実施する内容と参照先について説明します。

スケールアウトの準備
システムのスケールアウトの準備とは,複製元のディスクイメージを作成する作業です。システム構築が終わって,運用環境が整ったところで実施します。スケールアウトの準備では次の内容を実施します。
  1. 複製元アプリケーションサーバでの準備
    複製元アプリケーションサーバで,JP1/SC/DPMでのディスクイメージ作成のための準備をします。準備方法については,「7.7.2(1) 複製元アプリケーションサーバでの準備」を参照してください※1※2
  2. スケールアウト用ディスクイメージの作成
    JP1/SC/DPMを使用して,複製元アプリケーションサーバからディスクイメージを作成します。作成方法については,「7.7.2(2) JP1/SC/DPMを使用したスケールアウト用ディスクイメージの作成」を参照してください※1
注※1 バッチサーバの場合,J2EEアプリケーションに関する記述は該当しません。
注※2 バッチサーバの場合,負荷分散機を使用しません。このため,参照先の手順6のcmx.lbキーの変更に関する記述は該当しません。

スケールアウト
複製したディスクイメージを使用して,スケールアウトをします。スケールアウトでは,次の内容を実施します。
  1. ディスクイメージのリストア
    作成したディスクイメージを,複製先アプリケーションサーバにリストアします。リストアの手順については,「7.7.2(3) JP1/SC/DPMを使用したディスクイメージのリストア」を参照してください。
  2. スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成
    スケールアウト用ホスト定義ファイルに複製先アプリケーションサーバを定義します。スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成については,(1)を参照してください。
  3. システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)
    2.で作成したスケールアウト用ホスト定義ファイルを基に,Management Serverが保持するシステムの情報モデルを変更します。情報モデルの変更方法については,(2)を参照してください。
 

なお,システムの構成を変更するとシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。システムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,「9.1 使用リソースの見積もり」を参照してください。

注意
アプリケーションサーバ(運用管理ドメイン)ごと複製するため,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット,ホストの名称は,複製元と同じになります。
注意
JP1/AJS2 - SOを使用してシステムのスケールアウトを自動化する場合
JP1/SC/DPMを使用したシステムのスケールアウトを,JP1/AJS2 - SOを使用して自動化する場合,ディスク複製インストール(リストア)が完了してから運用管理エージェントを自動起動するように設定する必要があります。設定方法については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。また,JP1/AJS2 - SOとの連携については,「15.1.2 JP1/AJS2 - SOを使用したシナリオによるシステムの運用」を参照してください。
<この節の構成>
(1) スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成
(2) システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)

(1) スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成

スケールアウト用ホスト定義ファイルを任意の場所にコピーして,ファイルの内容を編集します。

  1. スケールアウト用ホスト定義ファイルを作成します。
    スケールアウト用ホスト定義ファイル(cmxscaleouthostdef.xmlファイル)は,次の場所に提供されています。
    • Windowsの場合
      <Cosminexusインストールディレクトリ>\manager\config\templates\
    • Linuxの場合
      /opt/Cosminexus/manager/config/templates/
    このファイルをコピーし,名称を変更して,任意の場所に格納します。なお,ここではファイル名を「MyWebSystemHostScaleout.xml」に変更しています。
  2. コピーしたスケールアウト用ホスト定義ファイルを編集します。
    MyWebSystemHostScaleout.xmlファイルを編集します。ここでは,複製先アプリケーションサーバのシステムの内容と,ホストの定義をします。
    設定後のMyWebSystemHostScaleout.xmlファイルを次に示します。
     
    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <host-scaleout xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/HostScaleOut-2.5">
      <!-- 複製先のWebシステムの定義 -->
      <web-system>
        <name>MyWebSystem1</name>
      </web-system>
      <!-- 複製先のホストの定義 -->
      <host>
        <host-name>192.168.1.13</host-name>
        <agent-host>192.168.100.13</agent-host>
      </host>
    </host-scaleout>
     
    注 太字の部分が編集部分です。

(2) システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)

作成したスケールアウト用ホスト定義ファイルの内容を,複製先アプリケーションサーバのManagement Serverの,システムの情報モデルに反映します。また,変更したシステムの情報モデルを実システムに適用して,複製先アプリケーションサーバのホスト情報を変更します。

  1. システムの情報モデルを変更します。
    cmx_scaleout_hostコマンドに,(1)で作成したスケールアウト用ホスト定義ファイルを指定して,複製先アプリケーションサーバのManagement Serverの,システムの情報モデルを変更します。
    Windowsの場合
     
    <Cosminexusインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_scaleout_host -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>\MyWebSystemHostScaleout.xml
     
    Linuxの場合
     
    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_scaleout_host -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>/MyWebSystemHostScaleout.xml
     
  2. 変更したシステムの情報モデルを実システムに展開します。
    cmx_build_systemコマンドを使用して,1.で変更したシステムの情報モデルを実システムに適用します。
    Windowsの場合
     
    <Cosminexusインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_build_system -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem1
     
    Linuxの場合
     
    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem1
     
  3. 複製先アプリケーションサーバのサービスユニットを一括起動します。
    cmx_start_targetコマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」を一括起動します。このとき,コマンドの-modeオプションに「ALL」を指定して,稼働状態で起動します。
    Windowsの場合
     
    <Cosminexusインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_start_target -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1
     
    Linuxの場合
     
    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.13 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1
     
  4. 複製先アプリケーションサーバのリソースアダプタを開始します(必要に応じて)。
    リソースアダプタが自動で開始しない場合は,最初に,リソースアダプタを開始します。JP1/SC/DPMを使用してディスクイメージを作成するときに,複製元アプリケーションサーバでリソースアダプタを一括停止しなかった場合,この操作は必要ありません。
    ここでは次の内容を実施しています。
    • サーバ管理コマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」のリソースアダプタを開始します。
    Windowsの場合
     
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjstartrar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
     
    Linuxの場合
     
    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4