Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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8.1 バッチアプリケーションを実行するシステムの構成

ここでは,Smart Composer機能で構築,運用するバッチアプリケーションを実行するシステムの概要や,システムを構成する要素について説明します。

Smart Composer機能で構築,運用するシステムは,バッチサーバなどが動作するアプリケーションサーバマシン,データベースが構築されているデータベースサーバマシンなどで構成されます。バッチアプリケーションを実行するシステムの概要を次の図に示します。

図8-1 バッチアプリケーションを実行するシステムの概要

[図データ]

Smart Composer機能では,システム内のサーバやサービスユニットの構成をWebシステムという概念で管理します。Webシステムは一つの業務システムに対応し,Management Serverが管理,運用する運用管理ドメイン内に複数配置できます。バッチアプリケーションを実行するシステムの場合,一つの業務につき,一つのWebシステムを定義します。なお,Management Serverはアプリケーションサーバに配置します。

運用管理ドメイン内では,Webシステムおよびサーバマシン(ホスト)をIDで識別して管理しています。このため,Webシステムおよびサーバマシン(ホスト)のIDは,運用管理ドメイン内で一意になるように設定してください。

また,Smart Composer機能では,Webシステム内のサーバマシンの集合や,サーバの集合を,それぞれ物理ティア,サービスユニットという論理的なまとまりで扱っています。また,サービスユニット内に配置する論理サーバの構成は,物理ティアの種類によって決まります。次に,物理ティアおよびサービスユニットについて説明します。

物理ティア

同一のデプロイメント(プロセスの配置,リソースアダプタのデプロイ,定義設定)を適用するサーバマシンの集合を物理ティアといいます。バッチアプリケーションを実行するシステムで使用する物理ティアはj2ee-tierです。j2ee-tierは,アプリケーションサーバマシンの中に,バッチサーバ,およびパフォーマンストレーサ(PRFデーモン)の二つの論理サーバを配置する構成です。

参考
free-tier
ほかのどの物理ティアの構成にも当てはまらない構成です。ほかの物理ティアとは異なり,システムを構築する場合には使用しないで,運用管理ポータルなどで構築したシステムをほかの環境に移行する場合に使用します。運用管理ポータルなどを使用して構築したシステムの内容を簡易構築定義ファイルに出力する場合,ほかのどの物理ティアの構成にも当てはまらない構成が含まれていると,その構成がfree-tier構成として出力されます。
free-tier構成には,Webシステム名,およびサービスユニット名がありません。そのため,free-tier構成を含むシステムに対して,Smart Composer機能のコマンドでできる操作は,システムの構築,起動および停止です。そのほかの操作は,Smart Composer機能のコマンドでは実施できません。
サービスユニット

業務サービスを提供する,閉じた部分系などのサーバの集合をサービスユニットといいます。サービスユニットは,サーバの起動・停止や,スケールアウトをするための単位となります。

サービスユニットは,1台のサーバマシンに複数配置できます。これによって,サーバマシン内に複数のバッチサーバを配置できます。サービスユニットの配置については,「8.3 バッチアプリケーションを実行するシステムの構成パターン」を参照してください。

参考
サービスユニットを配置するサーバマシンには,構築済みのWebシステムなどで使用しているマシンを指定することもできます。

バッチサーバの場合,サービスユニットにはバッチサーバとPRFデーモンの二つのプロセスを配置します。次の表に,バッチサーバの場合にサービスユニットに配置するプロセスと,1サービスユニットに配置できるプロセスの数を示します。

表8-1 サービスユニットに配置するプロセスと配置できる数

サービスユニットに配置するプロセス 1サービスユニットに配置できる数
バッチサーバ 1
PRFデーモン 1

次に,サービスユニットを構成する各プロセスについて説明します。