Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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5.1.2 AIXの場合

見積もりは物理ティアの種類によって異なります。AIXの場合の,Smart Composer機能を使用して構築されたシステムが必要とするリソースと,リソースの所要量の見積もりについて,参照先を次の表に示します。

表5-2 使用リソースの見積もりの参照先(AIXの場合)

内容 参照先
サービスユニットの見積もり combined-tierの構成 (1) サービスユニットの使用リソースの見積もり
http-tierとj2ee-tierを組み合わせた構成
インプロセスHTTPサーバ機能を使用する構成
データベースの見積もり (4) DBMSの使用リソースの見積もり
運用管理サーバの見積もり (5) 運用管理サーバの使用リソースの見積もり
セッションフェイルオーバ機能使用時の見積もり (6) セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり
CTM使用時の見積もり (7) ctm-tierのサービスユニットの使用リソースの見積もり

注※ セッションフェイルオーバ機能を使用する場合,J2EEサーバが使用するメモリ量が増加します。J2EEサーバが使用するメモリ増加量については,「5.1.7 セッションフェイルオーバ機能使用時の見積もり」を参照してください。


なお,仮想メモリ所要量については,「5.1.6 仮想メモリの使用量の見積もり」を参照してください。また,ディスク占有量については,Application Serverのリリースノートを参照してください。

また,各表の見積もりにある,「オプション設定ファイル例」については,使用しているOSのバージョン,およびカーネルのバージョンごとに異なります。使用しているOSのマニュアルを参照して,表中の見積もり式を基に見積もった値を設定してください。なお,使用しているOSで該当するカーネルパラメタが設定できない場合には,設定は不要です。

<この項の構成>
(1) サービスユニットの使用リソースの見積もり
(2) Webサーバマシンの使用リソースの見積もり
(3) アプリケーションサーバマシンの使用リソースの見積もり
(4) DBMSの使用リソースの見積もり
(5) 運用管理サーバの使用リソースの見積もり
(6) セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり
(7) ctm-tierのサービスユニットの使用リソースの見積もり

(1) サービスユニットの使用リソースの見積もり

サービスユニットの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-3 サービスユニットの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
共用メモリ PrfTraceBufferSize※1+18496+リクエスト最大同時処理数※2×14
プロセス数 リクエスト最大同時処理数※2×2+5
スレッド数 リクエスト最大同時処理数※2×2+41+J2EEサーバのスレッド数※3
ファイルディスクリプタ数 nofiles J2EEサーバのファイルディスクリプタ数※3+76+リクエスト最大同時処理数※2×4 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512〜102400の範囲で指定します(単位はキロバイトになります)。PrfTraceBufferSizeについては,「14.6 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。

注※2
Webサーバで同時に処理できるリクエストの最大数を指します。

注※3
J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「付録F J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数の見積もり」を参照して算出してください。

(2) Webサーバマシンの使用リソースの見積もり

Webサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-4 Webサーバマシンの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
共用メモリ PrfTraceBufferSize※1+18496+リクエスト最大同時処理数※2×14
プロセス数 リクエスト最大同時処理数※2×2+4
スレッド数 リクエスト最大同時処理数※2×2+35
ファイルディスクリプタ数 nofiles リクエスト最大同時処理数※2×4+75 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512〜102400の範囲で指定します(単位はキロバイトになります)。PrfTraceBufferSizeについては,「14.6 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。

注※2
Webサーバで同時に処理できるリクエストの最大数を指します。

(3) アプリケーションサーバマシンの使用リソースの見積もり

アプリケーションサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-5 アプリケーションサーバマシンの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
共用メモリ PrfTraceBufferSize※1+18496
プロセス数 4
スレッド数 J2EEサーバのスレッド数※2+34
ファイルディスクリプタ数 nofiles J2EEサーバのファイルディスクリプタ数※2+43 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512〜102400の範囲で指定します(単位はキロバイトになります)。PrfTraceBufferSizeについては,「14.6 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。

注※2
J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「付録F J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数の見積もり」を参照して算出してください。

(4) DBMSの使用リソースの見積もり

DBMSの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-6 DBMSの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

コンポーネント 使用リソース 所要量
DBMS(HiRDBの場合) 最大同時接続数(pd_max_users) (サービスユニット内リソースアダプタ数×リクエスト最大同時処理数×2+ユニット内リソースアダプタ数)×サービスユニット数
DBMS(Oracleの場合) 最大同時接続数(PROCESSES) (サービスユニット内リソースアダプタ数×リクエスト最大同時処理数+ユニット内リソースアダプタ数)×サービスユニット数

注※
Webサーバで同時に処理できるリクエストの最大数を指します。

(5) 運用管理サーバの使用リソースの見積もり

運用管理サーバの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-7 運用管理サーバの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
プロセス数 5
スレッド数 56
ファイルディスクリプタ数 nofiles 43+J2EEサーバ数 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。


(6) セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり

セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-8 セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
共用メモリ PrfTraceBufferSize※1+18496
プロセス数 4
スレッド数 SFOサーバのスレッド数※2+34
ファイルディスクリプタ数 nofiles SFOサーバのファイルディスクリプタ数※2+43 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512〜102400の範囲で指定します(単位はキロバイトになります)。PrfTraceBufferSizeについては,「14.6 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。

注※2
SFOサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数は,J2EEサーバと同じです。J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「付録F J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数の見積もり」を参照して算出してください。

(7) ctm-tierのサービスユニットの使用リソースの見積もり

ctm-tierのサービスユニットの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-9 ctm-tierのサービスユニットの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソース パラメタ 所要量 オプション設定ファイル例
共用メモリ PrfTraceBufferSize+18496+CTMドメインマネジャの共用メモリ※1+CTMデーモンの共用メモリ※1
プロセス数 7+J2EEサーバ数※2
スレッド数 72+(J2EEサーバのスレッド数※3+7)×J2EEサーバ数※2+CTMデーモンで必要とするスレッド数※4
ファイルディスクリプタ数 nofiles 88+(J2EEサーバのファイルディスクリプタ数※3+6)×J2EEサーバ数※2+CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数※4 /etc/security/limits

(凡例)−:該当しません。

注※1
値については,「5.1.2(7)(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式」を参照して算出してください。

注※2
簡易構築定義ファイルの<j2ee-server-count>タグの指定値を指します。

注※3
J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「付録F J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数の見積もり」を参照して算出してください。

注※4
CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「5.1.2(7)(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式」を参照して算出してください。

(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式

共用メモリ用ファイルサイズを算出するには,CTMドメインマネジャの共用メモリおよびCTMデーモンの共用メモリを算出する必要があります。それぞれの計算式について次に示します。

なお,計算式中の可変値には,次の値を使用してください。「ctm.」で始まるパラメタについては,簡易構築定義ファイルの「14.9 論理CTMで指定できるパラメタ」を参照してください。

計算式に使用する値
-CTMMaxCTM:64
-CTMQueueCount:ctm.QueueCount
-CTMClientConnectCount:256
-CTMServerConnectCount:ctm.ServerConnectCount
-CTMEntryCount:-CTMClientConnectCount+-CTMServerConnectCount
-CTMServerCacheSize:ctm.ServerCacheSize
-CTMQueueRegistCount:ctm.QueueRegistCount
-CTMDispatchParallelCount:ctm.DispatchParallelCount
CTMドメインマネジャの共用メモリ用ファイルサイズの計算式

CTMドメインマネジャの共用メモリ用ファイルサイズの計算式を次に示します。

共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
1018320+(2362 × -CTMMaxCTM指定値)
CTMデーモンの共用メモリ用ファイルサイズの計算式

CTMデーモンの場合は,CTMデーモン単位で固定長の共用メモリ用ファイルと可変長の共用メモリ用ファイルを確保する必要があります。それぞれの計算式を次に示します。

固定長の共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
551840 + (1208 × -CTMQueueCount指定値)

可変長の共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
1027008
+(928 × -CTMClientConnectCount指定値)
+(256 × -CTMServerConnectCount指定値)
+(512 × -CTMEntryCount指定値)
+(1024 ×-CTMServerCacheSize指定値)
+(512 × -CTMQueueCount指定値)
+(544 × -CTMQueueCount指定値 × -CTMQueueRegistCount指定値)
+(512 × -CTMDispatchParallelCount指定値)
(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式

スレッド数およびファイルディスクリプタ数を算出するには,CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数を算出する必要があります。それぞれの計算式について次に示します。

●CTMデーモンで必要とするスレッド数の計算式

最大値 =
(A×4+B×3+C×2+D×E+F+G+32) / 0.8
(凡例)
  • A:-CTMMaxCTM値(ctmdが属するctmdmdで指定された値)
  • B:-CTMClientConnectCount値
  • C:-CTMServerConnectCount値
  • D:-CTMQueueCount値
  • E:-CTMQueueRegistCount値
  • F:-CTMDispatchParallelCount値
  • G:Createを発行するEJBクライアントの総数
●CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数の計算式

最大値 =
(A×2+B×4+C×2+D×E+F×EJBのインタフェース数+G+100) / 0.8
(凡例)
  • A:-CTMMaxCTM値(ctmdが属するctmdmdで指定された値)
  • B:-CTMClientConnectCount値
  • C:-CTMServerConnectCount値
  • D:-CTMQueueCount値
  • E:-CTMQueueRegistCount値
  • F:-CTMDispatchParallelCount値
  • G:Createを発行するEJBクライアントの総数