JP1 Version 8 JP1/Script(UNIX(R)用)

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3.1.2 Script実行環境ファイルコンバータの実行方法

Script実行環境ファイルコンバータを実行するには,コマンドラインに次の形式で入力します。

<この項の構成>
(1) 実行環境構文ファイル(.SPU)から実行環境ファイル(.SPV)への変換
(2) 実行環境ファイル(.SPV)から実行環境構文ファイル(.SPU)への変換

(1) 実行環境構文ファイル(.SPU)から実行環境ファイル(.SPV)への変換

変換元ファイルの実行環境構文ファイルの拡張子に「.SPU」を指定した場合,この変換を行います。

形式
sptuspv△-i△変換元ファイル名(△-o△出力先ディレクトリ名)(△オプション)

説明
-i△変換元ファイル名
実行環境ファイル(.SPV)に変換する実行環境構文ファイル(.SPU)を指定します。ラベル名にワイルドカード指定ができます。拡張子に指定できるのは「.SPU」,または「.SPV」だけです。これらの拡張子以外を指定した場合はエラーになります。-iと変換元ファイル名の間には,スペースを指定してください。
-o△出力先ディレクトリ名
変換後の実行環境ファイル(.SPV)が出力されるフォルダを指定します。指定を省略した場合,変換元ファイルと同じフォルダに出力されます。変換後のファイルがすでにある場合は,今までの内容はすべて失われます。-oと出力先ディレクトリ名の間には,スペースを指定してください。
オプション
次のオペランドを指定できます。
-SPT:ALL
一つの実行環境構文ファイル(.SPU)から出力先フォルダに存在するすべてのスクリプトファイル(.SPT)に適用させたい場合に指定します。
-SPT:ALLを指定した場合,変換元ファイル名にワイルドカードは指定できません(オペランドの組み合わせエラーになります)。
ただし,ワイルドカードを指定した場合でも,ワイルドカードの対象となるファイルが1個だけの場合は,エラーになりません。
-SPT:ALLを指定した場合の実行環境ファイル作成の流れを次の図に示します。

図3-4 -SPT:ALLを指定した場合の実行環境ファイル作成の流れ

[図データ]

(2) 実行環境ファイル(.SPV)から実行環境構文ファイル(.SPU)への変換

変換元ファイルの実行環境構文ファイルの拡張子に「.SPV」を指定した場合,この変換を行います。

形式
sptuspv△-i△変換元ファイル名(△-o△出力先ディレクトリ名)

説明
-i△変換元ファイル名
実行環境構文ファイル(.SPU)に変換する実行環境ファイル(.SPV)を指定します。ラベル名にワイルドカード指定ができます。拡張子に指定できるのは「.SPU」,または「.SPV」だけです。これらの拡張子以外を指定した場合はエラーになります。-iと変換元ファイル名の間には,スペースを指定してください。
-o△出力先ディレクトリ名
変換後の実行環境構文ファイル(.SPU)が出力されるフォルダを指定します。指定を省略した場合,変換元ファイルと同じフォルダに出力されます。変換後のファイルがすでにある場合は,今までの内容はすべて失われます。-oと出力先ディレクトリ名の間には,スペースを指定してください。

戻り値
正常に終了した場合は,0が返されます。正常に終了しなかった場合は,そのエラーコードが返されます。

表示するメッセージ
sptuspvでは,表3-1に示すメッセージがコンソールに表示されます。コンソールがない状態で実行する場合などは,実行時のオペランドに標準出力装置を割り当て,実行後に割り当てたファイルを参照してエラー内容を確認します。メッセージはファイルの変換単位で表示されます。
実行環境ファイル,実行環境構文ファイルにエラーがある場合は,そのファイルの変換を中止し,次のファイルを変換します。

表3-1 Script実行環境ファイルコンバータの戻り値とメッセージ

項番 戻り値 戻り値の意味 メッセージID
処理
メッセージ
1 0 正常に終了しました(ワイルドカード指定時,対象ファイルすべての変換が正常に終了しました)。 KBSC5100-I ファイルを変換しました。(変換されたファイル名
2 1 実行環境構文ファイルの構文に誤りがあります。 KBSC5101-E 実行環境構文ファイルの構文に誤りがあります。(エラーとなったファイル名
3 2 範囲外の数値が指定されています。 KBSC5102-E 実行環境構文ファイル中に範囲外の値が指定されています。(エラーとなったファイル名
4 3 ファイル形式に誤りがあります。 KBSC5103-E ファイルが壊れているかまたはファイルの形式が異なります。(エラーとなったファイル名
5 出力先フォルダに変換するファイルがすでに存在します。 KBSC5104-I 変換後のファイルが出力先ディレクトリに既に存在しました。このファイルの内容はすべて失われました。(上書きされたファイル名
6 4 入力ファイルが存在しません。 KBSC5105-E 指定されたファイルが見つかりません。(エラーとなったファイル名
7 5 入力ファイルアクセスエラー。 KBSC5106-E システムエラーメッセージ。(エラーとなったファイル名
8 20 出力先ディレクトリが見つかりません。 KBSC5107-E 出力先のディレクトリが見つかりません。(エラーとなったディレクトリ名
9 21 出力ファイルアクセスエラー。 KBSC5108-E システムエラーメッセージ。(エラーとなったファイル名
10 22 SPV,SPU以外のファイルを指定しました。 KBSC5109-E 指定できないファイルです。(エラーとなったファイル名
11 23 実行時のコマンドラインに変換元ファイル名が指定されていません。または,コマンドラインに指定した内容が不正です。 KBSC5110-E パラメタの指定が不正です。
12 24 オペランドが不正です。 KBSC5111-E 指定したパラメタの組み合わせに誤りがあります。
13 25 メモリが不足しています。 KBSC5112-E メモリが不足しました。
14 26 対象SPTファイルが存在しません。 KBSC5113-W 出力先のディレクトリに対象となるスクリプトファイルが存在しませんでした。
15 27 実行環境構文ファイル中のディレクトリの指定が不正です。 KBSC5114-E 実行環境構文ファイル中に指定しているディレクトリが見つかりません。
16 28 上書き時の障害でファイルを削除しました。 KBSC5115-I
  • 既に存在するファイルに対して書き込みエラーが発生したため,ファイルを削除しました。
  • 変更後のファイルが出力先のディレクトリに存在しましたが,書き込みエラーが発生したため削除しました。
17 99 一部変換が失敗しました。

注※

  • 入力ファイルのワイルドカード指定時,項番2,3,4,6,7が発生した場合に返ります。
  • そのファイルの変換は行われなかったが,そのほかの対象ファイルの変換は行った場合に返ります。
  • 項番2,3,4,6,7以外のエラー時は,その時点で処理が中断されます。