JP1/Automatic Job Management System 2 解説

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


10.4.2 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続ルール

ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットは,それぞれの実行登録後,同じ実行日の世代同士が接続関係を結びます。接続関係を結んだ世代間でルートジョブネットの終了を待ち合わせたり,ルートジョブネットの開始を同期させたりできます。

<この項の構成>
(1) 接続ルール
(2) 48時間制の場合
(3) 基準時刻が異なる場合
(4) 世代の実行日を変更した場合
(5) 実行予定が1日に複数回ある場合
(6) タイムゾーンが異なる場合
(7) スケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合

(1) 接続ルール

ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットの世代について,次の条件が重なる場合に接続関係が成立します。

注※
ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットとの接続関係は,どちらか一方がまだ実行を開始していないときには確定していません。両方が実行を開始したとき(または繰り越し未実行など,実行しないで終了したとき)に確定します。

実行予定が1日に複数回ある場合は,これらの条件を満たす世代のうち開始予定日時が最も早い世代同士で接続関係が成立します。ただし,擬似予定の段階では接続関係は成立しません。

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネット(jobnetS)と接続先のジョブネット(jobnetA)を実行登録した場合の接続例を次に示します。

図10-59 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例

[図データ]

jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」は,同一実行日の世代であるため接続関係が成立します。jobnetSの世代「@A104」およびjobnetAの世代「@A102」は,ともに同一実行日に対応する世代がないため接続されません。4/20(金)にはjobnetSおよびjobnetAともに擬似予定がありますが,擬似予定の段階では接続関係は成立しません。

(2) 48時間制の場合

48時間制を採用している場合でも,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。

48時間制の場合の接続例を次に示します。

図10-60 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例(48時間制の場合)

[図データ]

jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A102」は,暦日では実行日が異なりますが,48時間制の場合は同一実行日となるため,接続関係が成立します。

(3) 基準時刻が異なる場合

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合でも,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合の接続例を次に示します。

図10-61 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例(基準時刻が異なる場合)

[図データ]

jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」は,暦日では実行日が異なりますが,それぞれの基準時刻で見るとどちらも同じ4/17であるため,接続関係が成立します。

ただし,基準時刻が異なるルートジョブネットの実行順序を制御しようとした場合,この例のように暦日では実行日が異なる世代が接続されることがあるため,ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットでは,基準時刻を合わせて運用してください。

(4) 世代の実行日を変更した場合

世代が接続されても,ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネット,または接続先のジョブネットの世代が実行される前に,どちらかの世代を登録解除もしくは実行中止した場合,接続関係が成立しなくなります。

また,計画一時変更やスケジュール定義変更によって世代の実行日が変わった場合は,接続関係も変わります。次の図のように,同一実行日で接続関係にあるjobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」について,計画一時変更によって「@A101」の実行予定を翌日の4/18にずらした場合,「@A103」との接続関係はなくなって4/18にある世代「@A104」と接続されます。

図10-62 実行予定日を変更した場合の接続関係

[図データ]

(5) 実行予定が1日に複数回ある場合

1日に実行予定が複数回ある場合でも,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。ただし,計画一時変更や実行中止などによって実行予定が変更されたときなどに接続関係が複雑になるため,ジョブネットコネクタを定義したジョブネットおよび接続先のジョブネットの実行は1日1回とすることをお勧めします。

1日に実行予定が複数回ある場合に実行予定を計画一時変更した例を次に示します。

[図データ]

1日に実行予定が複数回ある場合は,同一実行日の世代のうち,開始予定日時の早い順に接続関係が成立するため,jobnetSの世代「@A103」はjobnetAの世代「@A101」と接続関係を結びます。ここで,jobnetSの世代「@A103」の実行予定を4/19(木)に計画一時変更した場合,jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」の接続関係はなくなり,jobnetAの世代「@A101」はjobnetSの世代「@A104」と接続関係を結びます。

また,1日に実行予定が複数回ある場合にJP1/AJS2 - Viewやajsshowコマンドで接続関係をシミュレーションすると,まだ実行されていない世代に複数の世代が接続するように見えます。

1日に実行予定が複数回ある場合に接続関係をシミュレーションした例を次に示します。なお,すべての世代が開始時刻待ちの状態であるとします。

[図データ]

まず,jobnetSの世代「@A103」は,同一実行日でjobnetAの世代のうち開始予定日時が最も早い「@A101」と接続関係がシミュレーションされます。ただし,jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」との接続関係は確定していないため,jobnetSの世代「@A104」についてもjobnetAの世代「@A101」と接続関係がシミュレーションされます。同様に,jobnetAの世代「@A101」はjobnetSの世代「@A103」と,jobnetAの世代「@A102」もjobnetSの世代「@A103」と接続関係がシミュレーションされます。

(6) タイムゾーンが異なる場合

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットのタイムゾーンが異なる場合でも,実行日が同一であれば世代間の接続関係が成立します。ただし,運用が困難になるため,ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットのタイムゾーンを統一して運用してください。

(7) スケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合でも,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。

ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの,スケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合の接続例を次に示します。

図10-63 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例(スケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合)

[図データ]

jobnetSの世代「@A103」とjobnetAの世代「@A101」は,暦日では実行日が異なりますが,それぞれのスケジューラーサービスのローカル日時で見るとどちらも同じ4/17であるため,接続関係が成立します。

ただし,スケジューラーサービスのローカル日時が異なるルートジョブネットの実行順序を制御しようとした場合,この例のように暦日では実行日が異なる世代が接続されることがあるため,ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットでは,スケジューラーサービスのローカル日時を合わせて運用してください。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi Software Engineering Co., Ltd.