JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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10.4.1 ジョブネットコネクタを使ったルートジョブネット実行順序制御の概要

ジョブネットコネクタは,実行順序を制御したいルートジョブネットと接続関係を持つことで,ルートジョブネットの終了を待ち合わせたり,ルートジョブネットの開始を同期させたりして,実行のタイミングや順序を制御できます。

ジョブネットコネクタと実行順序を制御するルートジョブネットの関係を次に示します。

図10-57 ジョブネットコネクタと実行順序を制御するルートジョブネットの関係

[図データ]

ジョブネットコネクタは,ジョブネット配下にジョブネットワーク要素の一つとして定義できます。

ジョブネットコネクタを使って実行順序を制御できる対象は,ルートジョブネットまたはプランニンググループ直下のルートジョブネットです。デフォルトの状態では,同一スケジューラーサービス内に接続範囲が限定されますが,セットアップを行うことで異なるスケジューラーサービス間でもルートジョブネットの実行順序を制御できるようになります。

図10-58 異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序制御

[図データ]

セットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.7.11 ジョブネットコネクタで異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するための設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.7.12 ジョブネットコネクタで異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するための設定」(UNIXの場合)を参照してください。

なお,ジョブネットコネクタと接続関係を持つルートジョブネットを「接続先のジョブネット」と呼びます。

ジョブネットコネクタを使ったルートジョブネットの実行順序制御は,次の流れで行います。

  1. ジョブネットを作成し,ジョブネットコネクタを定義する。
  2. ジョブネットコネクタと実行順序制御の対象との接続関係を定義する。
    ジョブネットコネクタ側に,接続先のジョブネット名を指定します。実行順序制御の対象がルートジョブネットの場合はルートジョブネット名を,プランニンググループ直下のルートジョブネットの場合はプランニンググループ名を指定します。
    接続先のジョブネット側には,対応するジョブネットコネクタ名を指定します。

    補足事項
    JP1/AJS2 - Viewのメニューコマンド[ジョブネットコネクタとして記憶][ジョブネットコネクタの自動生成]を使用すると,定義を手入力する手間が省けます。
    ただし,異なるスケジューラーサービス間で実行順序制御をする場合は使用できません。この場合は手入力で定義してください。
  3. それぞれのジョブネットを実行登録する。

定義および実行登録の操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド」を参照してください。

注意事項
  • JP1/AJS2 - Viewおよび接続先のJP1/AJS2 - Managerが08-10より前のバージョンでは,ジョブネットコネクタを使用できません。
  • JP1/AJS2 - Viewおよび接続先のJP1/AJS2 - Managerのバージョンが08-10のジョブネットコネクタでは,異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御できません。異なるスケジューラーサービス間でジョブネットコネクタを使用できるのは,JP1/AJS2 - Viewおよび接続先のJP1/AJS2 - Managerのバージョンが08-50以降の場合になります。
  • ジョブネットコネクタは,ルートジョブネットおよびネストジョブネット以外のユニット配下に定義できません。
  • ジョブネットコネクタの接続先のジョブネットとして,ルートジョブネットおよびプランニンググループ以外のユニット種別を指定できません。
  • オペレーションネット用スケジューラーサービス配下(JP1/IM - Planning Operationで管理しているユニット)には,ジョブネットコネクタを定義できません。また,ジョブネットコネクタの接続先のジョブネットとして指定することもできません。
  • 接続先のジョブネット配下には,ジョブネットコネクタを定義しないでください。接続先のジョブネット配下にジョブネットコネクタを定義した場合,ジョブネットの実行登録時にエラーになります。
  • ジョブネットコネクタを定義するジョブネットおよび接続先のジョブネットには,起動条件を設定しないでください。ジョブネットコネクタを定義したジョブネットおよび接続先のジョブネットに起動条件を設定した場合,ジョブネットの実行登録時にエラーになります。
  • ジョブネットコネクタは,従属ユニットおよびリカバリーユニットとしては定義できません。
  • ジョブネットコネクタは,従属ジョブネットおよびリカバリージョブネット配下に定義できますが,接続関係が複雑になるため,これらの配下には定義しないことをお勧めします。
  • サスペンド中は,ジョブネットコネクタを新規作成および削除できません。
  • ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの基準時刻を合わせて運用してください。ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合の詳細については,「10.4.2(3) 基準時刻が異なる場合」を参照してください。
  • ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットのタイムゾーンを統一してください。ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットのタイムゾーンが異なる場合の詳細については,「10.4.2(6) タイムゾーンが異なる場合」を参照してください。
  • ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットで,スケジューラーサービスのローカル日時を合わせてください。ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットでスケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合の詳細については,「10.4.2(7) スケジューラーサービスのローカル日時が異なる場合」を参照してください。

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