JP1/Automatic Job Management System 2 解説

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


3.2.1 ファイルを指定して処理を実行する(標準ジョブを使ったジョブネットの定義例)

ファイルを実行して処理を行うようなジョブネットの定義には,標準ジョブを使用します。

「プログラムjuchu.exeで総受注数計算してファイルに出力した結果と,shiire.exeで総仕入れ計算してファイルに出力した結果から,nippou.exeで売り上げデータを算出して売り上げ日報を作成・印刷する。なお,総受注計算と売り上げ日報の作成はhostA(Windows)で,総仕入れデータ計算はhostB(UNIX)で実行する。」というジョブネットを,標準ジョブを使って定義する例を次に示します。

図3-21 標準ジョブを使ったジョブネットの定義例

[図データ]

「総受注計算」と「売り上げ日報作成」の実行先ホストはWindowsなのでPCジョブを,「総仕入れ計算」の実行先ホストはUNIXなのでUNIXジョブを使用します。

「総受注計算」には,実行ホストとしてhostAを,実行ファイル名にjuchu.exeを指定します。「総仕入れ計算」には,実行ホストとしてhostBを,実行ファイル名にshiire.exeを指定します。「売り上げ日報作成」には,実行ホストとしてhostAを,実行ファイル名にnippou.exeを指定します。「総受注計算」と「総仕入れ計算」の実行順序に前後関係はありませんが,双方の結果から売り上げデータを算出するので,図のようなジョブフローになります。

また,標準ジョブでは実行結果の終了判定ができます。終了判定には,次の五つの方法があります。

例えば,この例で「総受注計算」と「総仕入れ計算」の計算結果がファイルに出力され,更新されたら「売り上げ日報作成」を実行させるように定義する場合は,「総受注計算」と「総仕入れ計算」の終了判定方法を「ファイルが更新されれば正常終了」とします。

 

注※1
Windowsの場合,優先順位は3段階になります。次の三つの優先順位クラスを設定してジョブのプロセスを起動します。
  • 優先順位の設定値が[1]または[2]の場合は,システムがアイドル状態のときに実行されます。
    (Windowsで規定されるIDLE_PRIORITY_CLASSを設定します)
  • 優先順位の設定値が[3]と場合は,一般的なプロセスとして実行されます。
    (Windowsで規定されるNORMAL_PRIORITY_CLASSを設定します)
  • 優先順位の設定値が[4]または[5]の場合は,上記の優先順位クラスを割り当てられたプロセスのスレッドより先に実行されます。
    (Windowsで規定されるHIGH_PRIORITY_CLASSを設定します)

注※2
UNIXの場合,nice値のデフォルトとして,jajs_spmdを実行した際のJP1/AJS2サービスのnice値を基準とします。特に設定されていない場合のnice値は20が仮定されます。
優先順位の設定値が[1]でnice値が20の場合,優先順位の値は次のようになります。
 39 ≒ 20(初期値)+ 20(増分値)
nice値の範囲(0〜39)を超える場合,最大値は39,最小値は0です。
なお,実行先サービスを[JP1/AJS2 Queueless Agent]とした場合,nice値は固定の値を設定します。nice値には実行優先順位の低い順から39,30,20,10,または0のどれかを設定します。nice値を変更する場合は,これらのnice値に対応したジョブの実行優先順位を指定してください。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi Software Engineering Co., Ltd.