JP1/Automatic Job Management System 2 解説
複数の条件のうち,どれか一つでも成立したら処理を実行させるようなジョブネットの定義には,ORジョブを使用します。
「JP1イベントの受信を10分間監視し,受信したら直ちに後続ジョブを実行させる。ただし,10分間を経過した場合はJP1イベントを受信しなくても,その時点で後続ジョブを実行させる。」というジョブネットを,ORジョブを使って定義する例を次に示します。
図3-22 ORジョブを使ったジョブネットの定義例
ORジョブの先行ジョブとして定義できるのは,イベントジョブに限ります。この場合,JP1イベントの受信を監視するのでJP1イベント受信監視ジョブを定義します。また,10分間という時間経過の監視には実行間隔制御ジョブを使用し,待ち時間を10分と定義します。
ORジョブの先行ジョブとして定義されたイベントジョブが監視している事象のうちどれか一つでも発生した場合,後続のORジョブを実行され,そのほかのイベントジョブは監視を打ち切り,「計画未実行」状態となります。したがって,この場合はJP1イベント受信監視ジョブで監視しているJP1イベントが受信されると,実行間隔制御ジョブは時間経過の監視を打ち切ります。イベントの受信によって後続ジョブが実行終了すると,そのジョブネットは実行終了となります。
なお,後続ジョブが終了判定を行う場合のORジョブの戻り値は,実行された先行ジョブであるイベントジョブの戻り値と同じ値になります。
- 注意事項
- イベントジョブを実行中止すると,イベントジョブは「未計画」状態となります。そのあと,実行中止したイベントジョブの先行ジョブが終了すると「未計画」状態のイベントジョブは「計画未実行」状態となり,ほかのイベントジョブが実行中であっても「計画未実行」状態となり,後続のORジョブが実行されるので注意が必要です。
- なお,イベントジョブを強制終了したり,打ち切り時間に到達したりして,イベントジョブの状態が「強制終了」状態,および「異常検出終了」状態に遷移した場合も,そのほかのイベントジョブは監視を打ち切り,「計画未実行」状態になります。しかし,この場合はORジョブの先行ジョブに異常終了したイベントジョブが存在するため,ORジョブは実行されません。
- ORジョブの先行ジョブとして定義されたイベントジョブまたはその先行ユニットから再実行する場合で,ORジョブの先行ジョブに「計画未実行」状態で終了しているイベントジョブが存在すると,再実行した直後に,ORジョブが実行されるので注意が必要です。ORジョブの先行ジョブとして定義されたイベントジョブを再実行して,再度事象を監視させたい場合は,ORジョブの直前のイベントジョブをすべて「異常検出終了」状態に状態変更したあと,再実行方法に「異常終了ジョブから」を指定してルートジョブネットを再実行するなどの対応をしてください。
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