JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド
機能
ルールをテスト実行します。
このコマンドを実行することで,指定したJP1イベントが起動条件となるルールの起動および実行を確認できます。なお,テスト実行の対象とできるのは,メイン画面の[ルール運用]ページに登録されたルールです。[ルール編集]ページで作成,編集中のルールは起動できません。
このコマンドによってテスト実行の対象となるルールが起動されたあと,ルールの起動結果が表示されます。テスト実行で起動したルールは,JP1イベント発行が契機で起動した通常運用のルールと同様に,順次ルールエレメントを実行していきます。
形式
jrmtestrule [-h 論理ホスト名] -f JP1イベント情報ファイル名 [-r ルールパス名]
実行権限
Administrators権限
格納先フォルダ
IM - RLパス\bin\
引数
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,論理ホストを指定します。クラスタシステムを使用していない場合には,指定は不要です。省略した場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを設定していない場合は,物理ホスト名が仮定されます。
-f JP1イベント情報ファイル名
JP1イベントの属性情報(イベントID,発生日時,発行元プロセスIDなど)を定義したファイル名を絶対パス形式,またはこのコマンドを実行した場所からの相対パス形式で指定します。JP1イベントの属性情報には,ルールの起動条件となる情報のほかに,後続のルールエレメントで参照されるJP1イベントの属性情報も指定します。
パス名に空白を含む場合は,「"」で囲んで指定します。このオプションは省略できません。
- JP1イベント情報ファイルの記述方法
- 「イベント属性名=値」の形式で定義します。=のあとに空白を記述した場合は,値として扱われます。
- 「イベント属性名=値」は,1行につき一つだけ定義します。
- 値に2バイトコードを含める場合は,ファイルの文字コードをSJISとしてください。
- JP1イベント情報ファイルにフォーマットエラーがある場合,jrmtestruleコマンドは異常終了します。フォーマットエラーとなったイベント属性名は標準エラー出力に表示されます。
- 行頭に「#」がある行はコメントアウトされます。
- イベント属性名として指定できる名称,値の指定範囲,および値を指定しなかった場合に仮定されるデフォルト値を次の表に示します。
表9-12 JP1イベント情報ファイルの記述内容
イベント属性 イベント属性名 値の形式・指定範囲 デフォルト 使用個所※1 イベントID B.ID 00000000〜7FFFFFFFの範囲の16進数※2 0
- 起動条件ルールエレメント
- 各ルールエレメントに定義したイベント変数
イベント発生日,時刻 B.TIME YYYY/MM/DD△hh:mm:ss コマンド実行時刻 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元プロセスID B.PROCESSID 0〜2147483647の範囲の数値 0 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元プロセスのユーザーID B.USERID 0〜2147483647の範囲の数値 -1 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元プロセスのグループID B.GROUPID 0〜2147483647の範囲の数値 -1 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元ユーザー名 B.USERNAME 文字列※3 コマンドを実行したOSユーザー名 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元グループ名 B.GROUPNAME 文字列※3 空文字 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発行元ホスト名 B.SOURCESERVER 文字列※3 空文字
- 起動条件ルールエレメント
- 各ルールエレメントに定義したイベント変数
イベント発行元ホストのIPアドレス B. SOURCEIPADDR 文字列※3 空文字 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベントDB内通し番号 B.SEQNO 0〜2147483647の範囲の数値 0 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント到着日,時刻 B.ARRIVEDTIME YYYY/MM/DD△hh:mm:ss コマンド実行時刻 各ルールエレメントに定義したイベント変数 イベント発生元のイベントDB内通し番号 B.SOURCESEQNO 0〜2147483647の範囲の数値 0 各ルールエレメントに定義したイベント変数 メッセージ B.MESSAGE 0〜1,023バイトの長さの文字列 空文字
- 起動条件ルールエレメント
- 各ルールエレメントに定義したイベント変数
重大度 E.SEVERITY 次に示すどれかの値
- Emergency
- Alert
- Critical
- Error
- Warning
- Notice
- Information
- Debug
−
- 起動条件ルールエレメント
- 各ルールエレメントに定義したイベント変数
ユーザー名 E.USER_NAME 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント プロダクト名 E.PRODUCT_NAME 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント オブジェクトタイプ E.OBJECT_TYPE 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント オブジェクト名 E.OBJECT_NAME 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント 登録名タイプ E.ROOT_OBJECT_TYPE 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント 登録名 E.ROOT_OBJECT_NAME 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント 事象種別 E.OCCURRENCE 文字列※3 − 起動条件ルールエレメント 拡張属性 E.拡張属性名※4 文字列※3 −
- 起動条件ルールエレメント
- 各ルールエレメントに定義したイベント変数
- (凡例)
- △:半角空白文字
- −:なし
- 注
- ルールエレメントが参照するイベント変数をJP1イベント情報ファイルに定義していない場合,ルールエレメント実行時のイベント変数展開では,定義した文字列がそのまま使用されます。例えば,イベント変数$EV"TEST"をルールエレメントに定義していた場合,変数展開の結果は$EV"TEST"となります。
- 注※1
- 「使用個所」とは,指定したJP1イベントの属性情報が,ルールの実行時に使用される個所を示します。ルールエレメントにイベント変数を定義している場合,ルールエレメントは,jrmtestruleコマンドに指定したJP1イベントの属性情報を参照します。
- 注※2
- 使用できる文字はA〜F,a〜f,0〜9で,上位0の桁は省略できます。例えば,「00001100」または「1100」のどちらでも指定できます。
- 注※3
- 指定できる文字列の長さは,0〜10キロバイトです。ただし,指定できるイベント属性の合計は,10キロバイトまでです。
- 注※4
- 拡張属性名には,先頭が英字の最大32バイトの文字列を指定します。使用できる文字は,英数字および_(アンダーバー)です。英字には大文字を使用してください。
- JP1イベント情報ファイルのサンプル
- 格納先フォルダ:IM - RLパス\sample\
- ファイル名:jp1rm_event_info_sample.txt.model
- jp1rm_event_info_sample.txt.modelをコピーし,任意のファイル名に変更して使用してください。
- jp1rm_event_info_sample.txt.modelの記述内容を次に示します。
# JP1/IM-RL Event information file for test execution. #B.ID=00000000 #B.TIME=2008/01/01 00:00:00 #B.PROCESSID=0 #B.USERID=0 #B.GROUPID=0 #B.USERNAME=username #B.GROUPNAME=groupname #B.SOURCESERVER=servername #B.SOURCEIPADDR=0.0.0.0 #B.SEQNO=0 #B.ARRIVEDTIME=2008/01/01 00:00:00 #B.SOURCESEQNO=0 #B.MESSAGE=message #E.SEVERITY=Debug #E.USER_NAME=user_name #E.PRODUCT_NAME=product_name #E.OBJECT_TYPE=object_type #E.OBJECT_NAME=object_name #E.ROOT_OBJECT_TYPE=root_object_type #E.ROOT_OBJECT_NAME=root_object_name #E.OCCURRENCE=occurrence-r ルールパス名
テスト実行するルールのパス名を,/RuleOperationを含めた絶対パス形式で指定します。指定できるルールは,[ルール運用]ページに登録された適用状態のルール,または適用解除状態のルールだけです。また,指定したルールの起動条件がJP1イベント情報ファイルに指定したイベント属性と一致しない場合,そのルールは起動されません。
ルール名に空白文字が含まれる場合は,「"」で囲んで指定してください。
このオプションを省略すると,適用状態のすべてのルールのうち,JP1イベント情報ファイルに指定したイベント属性と,起動条件が一致するルールが起動されます。
注意事項
- jrmtestruleコマンドは複数同時に実行できます。ただし,ルールの同時実行数の最大値を超えてテスト実行を行った場合は,起動したルールは実行待ちキューに格納されます。
- イベント情報ファイルには,バイナリデータを含めないでください。
戻り値
0 ルール起動が完了した 1 起動条件が一致するルールがない 0以外 異常終了
使用例
「D:\test\memory_fault_event.txt」にルールの起動条件となるJP1イベント情報を定義して,「/RuleOperation/rule1」をテスト実行します。コマンドが正常終了し,ルールが起動されると,KAJX4308-Iメッセージが表示されます。
jrmtestexec -f D:\test\memory_fault_event.txt -r /RuleOperation/rule1
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.