JP1/Base 運用ガイド
JP1/Baseを運用するために必要な設定について説明します。
- <この項の構成>
- (1) ユーザー管理機能の設定
- (2) 起動管理機能の設定(Windows限定)
- (3) イベントサービスの動作環境の設定
- (4) イベント変換機能の動作環境の設定
- (5) 統合トレース機能(HNTRLib2)の設定
(1) ユーザー管理機能の設定
この設定は,JP1/IMおよびJP1/AJS2を利用する場合に必要な設定です。
Windowsの場合,新規インストールで自動セットアップを選択したときの設定項目は「2.2 インストール(Windowsの場合)」を,UXINの場合,新規インストールの設定項目は「2.3 インストール(UNIXの場合)」を参照してください。
ユーザー管理機能の設定については,Windowsの場合「4.2 ユーザー管理機能の設定(Windowsの場合)」を,UNIXの場合「4.4 ユーザー管理機能の設定(UNIXの場合)」を参照してください。
(2) 起動管理機能の設定(Windows限定)
この設定は,JP1シリーズの製品のサービス,およびJP1以外の製品のサービスの起動順序および終了順序を詳細に管理したい場合に設定します。サービスを指定した順序通りに終了させたい場合は,同一マシン上にJP1/Power Monitorがインストールされている必要があります。
デフォルトでは,JP1/Base,JP1/IM,JP1/AJS2の順番でサービスが起動するように設定されています。
通常は起動管理機能の設定を変更する必要はありません。起動管理機能の設定については,「5. サービスの起動順序および終了順序の設定(Windows限定)」を参照してください。
(3) イベントサービスの動作環境の設定
この設定は,JP1/Baseのイベントサービスを使ってJP1イベントを管理したい場合に,必要な設定です。デフォルトでの主な設定を次に示します。
- 自ホストでイベントサーバを動作させる。
- イベントデータベースを作成する。
イベントデータベースをデフォルトで作成する場所を次に示します。
Windowsの場合:インストール先フォルダ\sys\event\servers\
UNIXの場合:/var/opt/jp1base/sys/event/servers/
なお,イベントデータベースの上限サイズは,デフォルトで10,000,000バイトとなっています。
- JP1イベントをすべて取得する。
- JP1イベントを上位サーバに転送する。※
- 注※ 上位サーバは,JP1/IMの構成定義ファイルで設定したサーバとなります。また,転送されるJP1イベントは,拡張属性が「SEVERITY」で,値が「Warning」「Error」「Critical」「Alert」「Emergency」のどれかと一致するJP1イベントとなっています。JP1/IMの構成定義ファイルで上位サーバを設定しなかった場合,JP1イベントはどこにも転送されません。構成定義ファイルで設定したサーバ以外の他ホストにJP1イベントを転送したい場合は,デフォルトの設定を変更する必要があります。
デフォルトの設定を変更したい場合は,「6. イベントサービス環境の設定」を参照してください。
(4) イベント変換機能の動作環境の設定
この設定は,アプリケーションログ,Windowsのイベントログ,またはSNMPトラップをJP1イベントに変換して,イベントサービスで管理したい場合に必要な設定です。デフォルトでどのように設定されているかを次に示します。
- アプリケーションログをJP1イベントに変換する設定
- ログファイルトラップ機能を使ってアプリケーションログをJP1イベントに変換します。ログファイルトラップ機能の場合,JP1イベントに変換したいアプリケーションプログラムのログメッセージが各ユーザーによって異なると考えられるため,デフォルト値を設定していません。
- ログファイルトラップ機能を利用したい場合は,各ユーザーで設定する必要があります。設定の詳細については,「7.2 アプリケーションプログラムのログファイルを変換する」を参照してください。
- WindowsのイベントログをJP1イベントに変換する設定
- イベントログトラップ機能を使って,WindowsのイベントログをJP1イベントに変換します。デフォルトでは,Windowsの「イベント ビューア」に表示される「システム ログ」と「アプリケーション ログ」の「エラーログ」および「警告ログ」だけをJP1イベントに変換する設定になっています。
- この設定を変更したい場合は,「7.3 Windowsのイベントログを変換する」を参照してください。
- SNMPトラップをJP1イベントに変換する設定
- SNMPトラップ変換機能を使って,JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのSNMPトラップをJP1イベントに変換します。SNMPトラップについては,マニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」を参照してください。SNMPトラップ変換機能を利用する場合は,JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMの定義ファイルおよびJP1/BaseのSNMPトラップ用定義ファイルを編集する必要があります。
- 詳細については,「7.4 SNMPトラップを変換する」を参照してください。
(5) 統合トレース機能(HNTRLib2)の設定
JP1/Baseでは,統合トレース機能(HNTRLib2)を使って,JP1/Baseを前提とする製品を含めた動作処理の流れをトレースしたログファイルを出力しています。このログファイルは,障害が発生したときなどの原因究明に役立ちます。
デフォルトでは,次のように設定されています。
- ログファイルのサイズ:256キロバイト
- ログファイルの数:4
- ログファイルの出力先:
- Windowsの場合
- システムドライブ\Program Files\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2*.log
- UNIXの場合
- /var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2*.log
通常はデフォルト値を変更する必要はありませんが,次に示すコマンドを実行するとデフォルト値を変更できます。
- Windowsの場合
システムドライブ\Program Files\Hitachi\HNTRLib2\bin\hntr2util
- UNIXの場合
/opt/hitachi/HNTRLib2/bin/hntr2utilこのコマンドの詳細については,Windowsの場合「13. コマンド」の「hntr2util(Windows)」を,UNIXの場合「13. コマンド」の「hntr2util(UNIX)」を参照してください。なお,統合トレース(HNTRLib2)の設定を変更した場合は,統合トレース機能を再起動する必要があります。次に示す手順で,統合トレース機能を再起動してください。
- Windowsの場合
- Hitachi Network Objectplaza Trace Monitor 2サービス(統合トレース機能)を再起動します。
コントロールパネルの[サービス]ダイアログボックスで,[Hitachi Network Objectplaza Trace Monitor 2]の名称のサービスを再起動します。
- UNIXの場合
- 次に示すコマンドを実行して,統合トレース採取プロセスを停止します。
/opt/hitachi/HNTRLib2/bin/hntr2kill- 次に示すコマンドを実行して,統合トレース採取プロセスを起動します。
/opt/hitachi/HNTRLib2/bin/hntr2mon -d &
- 注意
- バージョン7から,統合トレース機能に自動アンインストール機能が付き,名称がHNTRLibからHNTRLib2に変更になりました。統合トレース関連のコマンドの名称や,ログファイルの出力先もバージョン6と異なるため,バージョン6以前をご使用されていた方はご注意ください。
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