Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編


5.4.2 必要なIPアドレスとポート番号

系切り替え構成の導入に当たり,IPアドレスを確保する必要があります。ここでは,IPアドレスを割り当てる対象およびIPアドレスの数について説明します。IPアドレスを割り当てる対象を次の図に示します。

図5‒1 IPアドレスを割り当てる対象(BladeSymphonyまたはHA8000xMモデル以前の場合)

[図データ]

図5‒2  IPアドレスを割り当てる対象(HA8000xNモデル以降,またはRV3000で障害管理プロセサとして管理サーバを使用する場合)

[図データ]

図5‒3 IPアドレスを割り当てる対象(HA8000xNモデル以降で障害管理プロセサとして管理サーバを使用しない場合)

[図データ]

図で示した,IPアドレスを割り当てる対象と指定するIPアドレスの数を次の表に示します。

表5‒3 IPアドレスとポート番号を割り当てる対象と数

図中の番号

割り当てる対象

IPアドレスの数

単位

説明

設定個所

1

監視パス

6

1系につき

監視パスは複線化する必要があります。6本まで複線化できます。

各監視パスに異なるIPアドレスとポート番号を指定する必要があります。

IPアドレスについては,「(3) 複線化した監視パスに割り当てるIPアドレス」を参照してください。

ポート番号には,システムで未使用の5001以上の番号を指定します。実行系と待機系とでペアになっている監視パスには,同じポート番号を指定してください。

HAモニタ Extensionを使用して系の最大数を変更する場合の,IPアドレスとホスト名については,「3.7.2 系の最大数の変更」もあわせて参照してください。

  • HAモニタの環境設定のlanオペランド(ホスト名)

  • HAモニタの環境設定のlanportオペランド(サービス名)

  • HAモニタの環境設定のnetmaskオペランド(ネットマスク)

  • HAモニタの環境設定のmulticast_lanオペランド(ホスト名)

  • /etc/hostsファイル(IPアドレス,ホスト名)

  • /etc/servicesファイル(ポート番号,サービス名)

  • HAモニタの接続構成設定ファイル

2

リセットパス※1

1

1系につき

専用のIPアドレスとポート番号が必要です。

ポート番号には,各系で同じ番号,かつ未使用の番号を5001から65535の範囲で指定します。

システム内に互いに監視し合わない系切り替え構成が複数ある場合で,かつリセットパスを共用する場合は,設定時に注意が必要です。詳細は「(2) 系切り替え構成間でリセットパスを共用する場合の注意事項」を参照してください。

  • リセットパスの設定

    (HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を使用した設定)

3

障害管理プロセサ※1

1

1系につき

専用のIPアドレスとポート番号が必要です。

IPアドレスには,リセットパスと同じネットワークアドレスを持つIPアドレスを指定します。

なお,HA8000xNモデル以降で障害管理プロセサとして管理サーバを使用しない構成で,HAモニタとHAモニタオプションが同一OSに存在する場合は,リセットパスと同じIPアドレスを指定します。

ポート番号には,各系で同じ番号,かつ未使用の番号を5001から65535の範囲で指定します。また,リセットパスとは異なるポート番号としてください。

システム内に互いに監視し合わない系切り替え構成が複数ある場合で,かつリセットパスを共用する場合は,設定時に注意が必要です。詳細は「(2) 系切り替え構成間でリセットパスを共用する場合の注意事項」を参照してください。

  • リセットパスの設定

    (HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を使用した設定)

4

LAN

0以上

1系につき

サーバがLANを使用する場合は1個以上必要です。上限はありません。LANを使用しない場合は,不要です。

  • OSの設定

    設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。

5

サーバ

0以上

1サーバにつき

サーバがLANを使用する場合は1個以上必要です。

エイリアスIPアドレスを指定します。実行系と待機系とで同じ値を指定してください。エイリアスIPアドレスの詳細については,「(2) サーバに割り当てるIPアドレス」を参照してください。

  • LANの状態設定ファイル

6

VMware ESXi※1,※2,※3

1

プロセサまたは筐体

HAモニタが接続するためのIPアドレスとSSH接続用のポート番号が必要です。

HAモニタが使用するIPアドレスは,DHCPを使用しないで,スタティックに設定してください。

SSH接続用のポート番号には,デフォルトで22が割り当てられていますが,新たに別のポート番号を割り当てても問題ありません。この場合,HAモニタにVMware ESXiのSSH接続用ポート番号を指定してください。

  • リセットパスの設定

    (HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を使用した設定)

注※1 系のリセットをする場合に必要な設定です。共有ディスクのSCSIリザーブをする場合,およびLANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合には設定できません。

注※2 VMware ESXiで仮想化する構成で,かつ系のリセットをする場合は,この設定も必要です。

注※3 RV3000で高信頼化機能を追加したvSphereを使用している場合,VMware ESXiについては,HA Monitor Connectorで設定します。HA Monitor Connectorのドキュメントを参照して実施してください。この場合,HAモニタによるリセットパスの設定(monsetup -resetpath)では,VMware ESXiについての設定はしません。