5.5.2 LANの構成
LANは,実行系と待機系を接続したり,クライアントとなるWSやPCと接続したりするために使用します。実行系と待機系は,同じLAN上にLANアダプタで接続します。
(1) 単一点障害の防止
HAモニタは,HUBやLANアダプタなどのLAN障害を直接処理しません。これらの障害に対しては,次の方法でLANの単一点障害を防止する構成にしてください。
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HUBの冗長化
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Linuxのカーネル拡張パッケージであるbondingパッケージなどを使用したLANアダプタの冗長化
(2) サーバに割り当てるIPアドレス
サーバにはエイリアスIPアドレスを指定します。エイリアスIPアドレスを指定することで,一つのサーバに複数のエイリアスIPアドレスを指定できます。サーバにエイリアスIPアドレスを指定する場合,次の点に注意してください。
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系切り替えをするプログラムの送信元アドレスをエイリアスIPアドレスにしておく必要があります。
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エイリアスIPアドレスを持つホスト名を,hostname(1)コマンドで設定するローカルホスト名として使用してはいけません。系切り替えで別ホストに移動した場合,ホスト名からIPアドレスを取得するプログラムが元のホスト上で動作できなくなります。
(3) IPアドレスの構成
HAモニタは,サーバに割り当てたエイリアスIPアドレス単位に,LANの切り替えをします。したがって,複数の異なるサーバで系切り替え構成にする場合,各サーバが使用するエイリアスIPアドレスは異なるIPアドレスとなるように,ネットワークアドレスを構成してください。ただし,リソースサーバを使用すれば,一つのエイリアスIPアドレスを複数のサーバで共用できます。
(4) VMware ESXiで仮想化する場合の構成
VMware ESXiで仮想化する構成の場合,LANアダプタ,およびホストバスアダプタ(HBA)は仮想マシン間で共有しても,また占有しても問題ありません。
また,信頼性確保のため,VMware ESXiの機能を使用して次のように冗長化することを推奨します。
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LANアダプタをそれぞれ二つずつ用意して,リセットパス,またはVMware ESXi接続用リセットパスを冗長化する。
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ホストバスアダプタを二つ用意して冗長化する。