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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


19.9.1 実表の運用(コールドスタンバイ構成の場合)

ここでは,コールドスタンバイ構成の場合の,実表の運用について説明します。

コールドスタンバイ構成の場合,実表の運用のうち,次の運用項目ではコールドスタンバイ構成特有の運用が必要となります。

上記以外については,コールドスタンバイ構成ではない場合と同じです。「11.1 実表の運用」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 実表の更新不可状態を解除する方法(コールドスタンバイ構成の場合)

adbimportコマンド,adbidxrebuildコマンド,またはadbunarchivechunkコマンドの実行中に系切り替えが発生した場合,処理対象の実表は更新不可状態となります。この場合,新しく実行系となった系でコマンドを再実行してください。

なお,次に示すファイルシステムが,両方の系から同一のパスで参照できる場合は,コマンドを再実行する際に,中断した処理の続きから実行できます。

実表の更新不可状態については,「16.8.1 実表が更新不可状態になった場合」を参照してください。

重要

作業用一時ファイルを格納するファイルシステムを系切り替え対象としない場合は,実行系と待機系から同じファイルシステムを参照できません。そのため,コマンドの中断時または中断後に系切り替えが発生した場合,切り替え先の系でコマンドを再実行しても,中断したコマンドの続きを実行できません。その場合は,「16.2.4 adbimportコマンドまたはadbidxrebuildコマンドが再実行できない場合の対処方法」または「16.2.5 adbunarchivechunkコマンドが再実行できない場合の対処方法」を参照して対処してください。

(2) アーカイブマルチチャンク表を使用する際の運用(コールドスタンバイ構成の場合)

実行系と待機系の両方から同一の絶対パスでアーカイブディレクトリを参照できるようにしてください。

例えば,分散ファイルシステムの一つであるNFSを使用する場合は,次の手順でアーカイブディレクトリを準備します。

手順
  1. NFSサーバを用意し,NFSサーバ上でアーカイブディレクトリを作成してください。

  2. 手順の1.で作成したアーカイブディレクトリをエクスポートしてください。

    この操作は,NFSサーバで実行します。

  3. 手順の2.でエクスポートしたディレクトリを,実行系と待機系で同じパスとなるようにマウントしてください。

    この操作は,実行系と待機系の両方で実行します。

NFSを使用したシステム構成例を次の図に示します。

図19‒4 NFSを使用したシステム構成例

[図データ]