スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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19.20 RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生したときの対処方法

実行者 HiRDB管理者

ここでは,RDエリアの入出力エラーが発生したときの対処方法について説明します。なお,ここでいう入出力エラーとは,HiRDBがファイルを操作したときにHiRDBが判別できない理由でファイル操作に失敗したエラーを意味し,HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラーコードに-1544が出力されるエラーのことです。

<この節の構成>
(1) RDエリアの入出力エラーが発生したときのHiRDBの処理
(2) pd_db_io_error_action=unitdown(HiRDBの異常終了)を選択するときは
(3) 環境設定
(4) 運用方法
(5) 注意事項

(1) RDエリアの入出力エラーが発生したときのHiRDBの処理

RDエリアの入出力エラーが発生したときのHiRDBの処理を次の表に示します。

表19-21 RDエリアの入出力エラーが発生したときのHiRDBの処理

RDエリアの種類 HiRDBの処理
pd_db_io_error_action
=dbhold(省略値)
pd_db_io_error_action
=unitdown
マスタディレクトリ用RDエリア HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。
それ以外のRDエリア RDエリアを障害閉塞します。 HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。RDエリアを障害閉塞しません。ただし,異常終了後に再度入出力エラーが発生した場合,そのRDエリアを障害閉塞します。

(2) pd_db_io_error_action=unitdown(HiRDBの異常終了)を選択するときは

RDエリアの入出力エラーが発生したときにHiRDBを異常終了させると,次に示すような利点があります。

(a) パス障害の場合は系を切り替えると業務を続行できます

RDエリアの入出力エラーが発生したときにHiRDBが異常終了するため,系を切り替えられます。入出力エラーの要因がパス障害の場合は,系の切り替え後に入出力処理ができるようになるため,業務をそのまま続行できます。なお,ここでいうパス障害とは,HiRDBとファイル間の通信経路が何かの要因で切断されているため,ファイルをアクセスできない状態を意味しています。

(b) RDエリアの回復作業が必要なくなることがあります

RDエリアの入出力エラーが発生したときにRDエリアを障害閉塞しないでHiRDBを異常終了します。したがって,HiRDBを再開始する前に入出力エラーの対策ができます。対策後,HiRDBを再開始すると処理を続行できます。この場合,RDエリアが障害閉塞しないため,RDエリアの回復作業が必要なくなります。ただし,ディスク障害などでディスクを交換した場合などは,データベース回復ユティリティでRDエリアを回復する必要があります。

(3) 環境設定

RDエリアの入出力エラーが発生したときにHiRDBを異常終了させるには,次に示す環境設定が必要です。

(a) pd_db_io_error_actionオペランドの指定

pd_db_io_error_actionオペランドにunitdownを指定してください。

(b) 系切り替え機能を使用する場合

系切り替え機能を使用する場合は,「26.21.2 RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生した場合に系を切り替える方法」を参照してください。

(c) pd_mode_confオペランドの指定(系切り替え機能を使用しない場合限定)

HiRDBの異常終了後にHiRDBが自動的に再開始しないように,pd_mode_confオペランドにMANUAL2を指定してください。MANUAL2以外を指定すると,HiRDBの異常終了後にHiRDBが自動的に再開始します。この場合,同じRDエリアで入出力エラーが発生し,そのRDエリアを障害閉塞状態にします。したがって,pd_db_io_error_action=unitdownを指定した意味がなくなります。

(d) ほかの機能との関連

OS又はデバイス・ドライバの機能で,物理ボリューム又は論理ボリュームの入出力エラーを検知するまでの時間を指定する場合は,次に示すオペランドの値に注意が必要です。

これらのオペランドは実行時間の監視を行うオペランドです。OS又はデバイス・ドライバの機能で指定した時間がこれらのオペランドに指定した時間より長い場合,入出力エラーを検知する前にこれらのオペランドの機能が動作します。したがって,これらのオペランドで指定する監視時間を長くするなどの対応が必要になります。

注※
例えば,HP-UXのpvchangeコマンドやlvchangeコマンドの-tオプションが該当します。機能の詳細については,OSやデバイス・ドライバのマニュアルを参照してください。

(4) 運用方法

pd_db_io_error_action=unitdownを指定したときの運用方法を説明します。

(a) 系切り替え機能を使用する場合の運用方法

系切り替え機能を使用する場合は,「26.21.2 RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生した場合に系を切り替える方法」を参照してください。

(b) 系切り替え機能を使用しない場合の運用方法

入出力エラーが発生してHiRDBが異常終了した場合,出力されたメッセージを調査して対策してください。対策後,HiRDBを再開始してください。なお,再開始後も入出力エラーが発生するとRDエリアは障害閉塞します。この場合,データベース回復ユティリティでRDエリアを回復してください。

(c) HiRDBの異常終了後にすること(共通)

入出力エラーが発生してHiRDBが異常終了した場合,それ以降はpd_db_io_error_action=unitdownの指定が無効になります(RDエリアが障害閉塞します)。再び,pd_db_io_error_action=unitdownの指定を有効にするには,次に示すどちらかの方法を実行してください。

(5) 注意事項