トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド
形式
tscstartgw [-h] | -TSCAPID アプリケーション識別子 [-TSCDomain TSCドメイン名称] [-TSCID TSC識別子] [-TSCUid ユーザID] [-TSCGid グループID] [-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス] [-TSCEnviron ユーザ環境変数定義ファイル名称] [-TSCStartTimeOut TSCORBコネクタ開始時のタイムアウト値] [-TSCTimeOut タイムアウト値] [-TSCRequestPriority プライオリティ値] [-TSCExceptConvertFile 例外変換テーブルファイル] -TSCIDLFile IDLファイル[,IDLファイル...] [-TSCIDLPath IDLファイルのディレクトリ [:IDLファイルのディレクトリ...]] [[-I インクルードファイルのディレクトリ [:インクルードファイルのディレクトリ...]]...] [-TSCObjectName オブジェクト名] [-TSCIORConnect] [-TSCAgent 1 | 0] [-TSCSendAcceptor TSCアクセプタ名称] [-TSCClientConnectCount コネクション数] [-TSCPort ポート番号]
機能
CORBAに準拠するクライアントアプリケーション,つまり,TPBrokerクライアントを始めとするORBクライアントからのリクエストをOTMで処理するためのTSCORBコネクタを開始します。tscstartgwコマンドは,TSCORBコネクタがリクエスト受付待ち状態になったことを確認して,リターンします。
なお,tscstartgwコマンドを使用してTSCORBコネクタを開始するには,OTM - Connector for ORBが必要です。
オプション
●-h
コマンドの使用方法が表示されます。
●-TSCAPID アプリケーション識別子
〜<1〜32文字の英数字>
開始するTSCORBコネクタのアプリケーション識別子を指定します。-TSCDomainオプションおよび-TSCIDオプションで指定したTSCノード内で,サーバアプリケーションのアプリケーション識別子も含めて一意となるように指定してください。
●-TSCDomain TSCドメイン名称
〜<1〜31文字の英数字>《TSCDOMAIN》
TSCORBコネクタを管理するTSCデーモンが属するTSCドメイン名称を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSCドメイン名称は指定しないでください。省略した場合は"TSCDOMAIN"が設定されます。
●-TSCID TSC識別子
〜<1〜31文字の英数字,およびピリオド(.)>《IPアドレス》
TSCORBコネクタを管理するTSCデーモンの識別子を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSC識別子は指定しないでください。ピリオド(.)は,IPアドレスを指定する場合だけ使用できます。省略した場合は,IPアドレスがTSC識別子に設定されます。例えば,ホストのIPアドレスが"172.17.112.43"のときは,"172.17.112.43"という文字列がTSC識別子となります。
●-TSCUid ユーザID
〜<符号なし整数>((0〜2147483647))《tscstartgwコマンドを実行したユーザのユーザID》
開始するTSCORBコネクタのユーザIDを指定します。-TSCUidオプションの指定値を使用してTSCORBコネクタを開始した場合の処理は,動作環境に依存します。なお,Windowsの場合,-TSCUidオプションは無効です。
-TSCUidオプションを省略した場合は,tscstartgwコマンドを実行したユーザのユーザIDでTSCORBコネクタを開始します。
●-TSCGid グループID
〜<符号なし整数>((0〜2147483647))《tscstartgwコマンドを実行したユーザのグループID》
開始するTSCORBコネクタのグループIDを指定します。-TSCGidオプションの指定値を使用してTSCORBコネクタを開始した場合の処理は,動作環境に依存します。なお,Windowsの場合,-TSCGidオプションは無効です。
-TSCGidオプションを省略した場合は,tscstartgwコマンドを実行したユーザのグループIDでTSCORBコネクタを開始します。
●-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス
〜<1〜64文字の文字列>《hostnameコマンドで取得されるホスト名称》
マルチホームドホスト環境でOTMが使用するホスト名称またはIPアドレスを指定します。省略した場合は,hostnameコマンドで取得されるホスト名称が設定されます。
-TSCMyHostオプションを指定する場合は,-OAipAddrオプションに-TSCMyHostオプションと同じコマンドオプション引数を指定してください。同じコマンドオプション引数を指定しないと,異常終了や例外発生などの予期しない動作が発生することがあります。-OAipAddrオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ リファレンス」または「VisiBroker for Java リファレンス」を参照してください。
-TSCIDオプションを省略して-TSCMyHostオプションを指定した場合,デフォルトのTSC識別子は-TSCMyHostオプションで指定したIPアドレスになります。
●-TSCEnviron ユーザ環境変数定義ファイル名称
UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>
Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
開始するTSCORBコネクタが使用する環境変数を記述したユーザ環境変数定義ファイル名称をフルパスで指定します。ユーザ環境変数定義ファイルの詳細については,「4.1.4 ユーザ環境変数定義ファイル」を参照してください。
●-TSCStartTimeOut TSCORBコネクタ開始時のタイムアウト値
〜<符号なし整数>((0〜2147483647))≪180≫(単位:秒)
TSCORBコネクタの開始処理の待ち時間を指定します。"0"を指定した場合,無限に待ち続けます。省略した場合は"180(秒)"が設定されます。
●-TSCTimeOut タイムアウト値
〜<符号なし整数>((0〜2147483647))《180》(単位:秒)
サービスの要求を送信してからサービスの応答が返るまでの待ち時間を指定します。"0"を指定した場合,無限に待ち続けます。省略した場合は"180(秒)"が設定されます。
●-TSCRequestPriority プライオリティ値
〜<符号なし整数>((1〜8))《4》
スケジュール用キューに滞留したリクエストを引き出すときのプライオリティ(優先順位)を指定します。指定値が小さいほどプライオリティは高くなります。
省略した場合は"4"が設定されます。
●-TSCExceptConvertFile 例外変換テーブルファイル
UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
TSCORBコネクタ経由で接続しているORBクライアントに例外を通知するときは,OTMのシステム例外をCORBA例外に変換して通知します。-TSCExceptConvertFileオプションは,デフォルトの例外変換以外の方法で変換する場合だけ指定します。この場合,使用する例外変換テーブルファイル名称を絶対パスで指定してください。
例外変換テーブルファイルには,OTM例外からCORBA例外に変換する方法を記述します。例外変換テーブルファイルについては,「付録D 例外変換テーブルファイルの作成方法」を参照してください。
●-TSCIDLFile IDLファイル[,IDLファイル...]
UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>
Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
TSCORBコネクタのインタフェースを定義したIDLファイルを指定します。-TSCIDLPathオプションを指定しない場合は絶対パスで指定し,-TSCIDLPathを指定する場合はそのディレクトリからの相対パスで指定してください。
IDLファイルを複数指定する場合,区切り文字としてコンマ(,)を指定してください。また,IDLファイルとコンマ(,)の間には空白を入れないでください。
なお,-TSCIDLFileオプションは省略できません。
-TSCIDLFileオプションには,開始するTSCORBコネクタを経由して呼び出すサーバアプリケーションの作成時に使用したIDLファイルを指定してください。内容が異なるIDLファイルを使用すると,動作が不正になることがあります。また,IDLファイルを複数指定する場合に,各IDLファイルの定義で,同一のモジュール中に同一のインタフェース定義が記述されているときは,そのインタフェース定義に対して作成されるCORBAオブジェクトは一つだけとなります。ただし,同じインタフェース定義の中でオペレーションの定義に不整合があった場合,つまり,異なるオペレーションが定義されていた場合は,TSCORBコネクタの開始時にエラーになるか,動作が不正になります。
●-TSCIDLPath IDLファイルのディレクトリ[:IDLファイルのディレクトリ...]
UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>
Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
-TSCIDLFileオプションで指定するIDLファイルの格納ディレクトリを,絶対パスで指定します。複数指定する場合,UNIXの場合はコロン(:),Windowsの場合はセミコロン(;)で区切って指定してください。
TSCORBコネクタは,-TSCIDLPathオプションに指定したディレクトリからの相対パスで,-TSCIDLFileオプションに指定したIDLファイルを検索します。このとき,最初に検索されたディレクトリのIDLファイルが有効になります。
●-I インクルードファイルのディレクトリ[:インクルードファイルのディレクトリ...]
UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>
Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>
-TSCIDLFileで指定したIDLファイル中に記述されているインクルードファイルの格納ディレクトリを,絶対パスで指定します。複数指定する場合,UNIXの場合はコロン(:),Windowsの場合はセミコロン(;)で区切るか,または-Iオプションを複数回指定してください。
●-TSCObjectName オブジェクト名
〜<英数字,ピリオド(.),プラス(+),およびハイフン(-)>《空文字列》
開始するTSCORBコネクタに対応するCORBAオブジェクトの名称を指定します。先頭は英数字で指定してください。なお,ほかのTSCORBコネクタと重複するオブジェクト名も指定できます。
省略した場合は,オブジェクト名は空文字列となります。
開始するTSCORBコネクタに対応するCORBAオブジェクトに対して,IOR文字列を使用した接続をする場合に指定します。-TSCIORConnectオプションを指定すると,TSCORBコネクタの開始後に,tscgetiorコマンドを使用したIOR文字列の取得ができるようになります。
-TSCIORConnectオプションを指定した場合は,-TSCPortオプションを省略できません。また,-TSCIORConnectオプションを省略した場合は,-TSCAgentオプションには"0"を指定できません。
●-TSCAgent 1 | 0
〜<符号なし整数>((1 | 0))《1》
開始するTSCORBコネクタに対応するCORBAオブジェクトをTPBrokerのosagentに登録するかどうかを指定します。
"1"を指定すると,対応するCORBAオブジェクトをTPBrokerのosagentに登録します。この場合は,TPBrokerのクライアントアプリケーションからTSCORBコネクタへの接続で,TPBrokerの_bindを使用できるようになります。
"0"を指定すると,対応するCORBAオブジェクトをTPBrokerのosagentに登録しません。この場合は,-TSCIORConnectオプションの指定を省略できません。
-TSCAgentオプションを省略した場合は"1"が設定されます。
●-TSCSendAcceptor TSCアクセプタ名称
〜<1〜31文字の英数字>
TSCORBコネクタからサーバオブジェクトへの呼び出しを識別するためのTSCアクセプタ名称を指定します。すべての呼び出しに対して,ここで指定した同じTSCアクセプタ名称が適用されます。
-TSCSendAcceptorオプションを省略した場合は,"TSCアクセプタ名称なし"としてサーバオブジェクトが呼び出されます。
●-TSCClientConnectCount コネクション数
〜<符号なし整数>((1〜32767))《64》
TSCORBコネクタに接続できる,ORBクライアントアプリケーションからの最大コネクション数を指定します。-TSCClientConnectCountオプションの指定値を超えて接続した場合,リクエストの呼び出し時に例外が発生します。
●-TSCPort ポート番号
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
TSCORBコネクタの新しいコネクションを探すときに使用するポート番号を指定します。省略した場合は,OSが自動的に割り当てたポート番号を使用します。
戻り値
このコマンドは次に示す戻り値をシェルに返してから,処理を終了します。
戻り値 | 意味 |
---|---|
0 | 正常終了しました。 |
0以外 | コマンド処理中にエラーが発生したために異常終了しました。 出力されたメッセージに従って対策したあと,再度,コマンドを実行してください。ただし,このコマンドが異常終了した場合も,TSCORBコネクタの開始処理が続行されるときがあります。 |
注意事項
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