Groupmax Object Server Version 6  システム管理者ガイド

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付録G.2 クラスタリングシステムを使用する場合の環境設定

ここでは,クラスタリングシステムを使用する場合のオブジェクトサーバの環境設定について説明します。

環境設定は,次の流れで実行します。

  1. ディレクトリ及びファイルの配置を決定する

  2. オブジェクトサーバをインストールする

  3. オブジェクトサーバをOSに登録する

  4. オブジェクトサーバの定義ファイルを作成する

  5. データベースを初期化する

  6. システムジャーナルファイル及びステータスファイルを作成する(High-end Object Server)
<この項の構成>
(1) ディレクトリ及びファイルの配置の決定
(2) オブジェクトサーバのインストール
(3) オブジェクトサーバのOSへの登録
(4) オブジェクトサーバの定義ファイルの作成
(5) データベースの初期化
(6) システムジャーナルファイル及びステータスファイルの作成(High-end Object Server)

(1) ディレクトリ及びファイルの配置の決定

クラスタリングシステムでは,オブジェクトサーバが使用するディレクトリ及びファイルを,それぞれのノードのローカルディスク又は共有ディスクに格納します。

なお,オブジェクトサーバでは,クラスタリングシステムによる信頼性を向上させるために,共有ディスクに格納するファイルを種類ごとに複数の物理ボリュームに分散して格納することをお勧めします。High-end Object Serverを御使用の場合は,システムジャーナルファイル及びステータスファイルをそれぞれα群,β群に分けて,別ボリュームに格納することで,より信頼性が向上します。α群,β群に分ける方法については,「(4)オブジェクトサーバの定義ファイルの作成」を参照してください。

オブジェクトサーバが使用するディレクトリ及びファイルを格納するディスクについて,表G-1に示します。

表G-1 オブジェクトサーバのディレクトリ及びファイルの格納ディスク

ディレクトリ名又はファイル名 配置するディスク
オブジェクトサーバのインストールディレクトリ ローカルディスク
オブジェクトサーバのホームディレクトリ ローカルディスク
データベース 共有ディスク(ボリューム1)
簡易ジャーナルファイル(Object Server) 共有ディスク(ボリューム1)
ユーザジャーナルファイル 共有ディスク(ボリューム1)
システムジャーナルファイル
(High-end Object Server)
α群 共有ディスク(ボリューム2)
β群 共有ディスク(ボリューム3)
ステータスファイル
(High-end Object Server)
α群 共有ディスク(ボリューム2)
β群 共有ディスク(ボリューム3)

注1 各ノードから,それぞれのディレクトリ及びファイルの絶対パスは,同じになるように設定してください。

注2 共有ディスクに格納するディレクトリ又はファイルは,( )内に記述したボリューム番号が同じファイルを同じ物理ボリュームに,ボリューム番号が異なるファイルは異なる物理ボリュームに格納することをお勧めします。


(2) オブジェクトサーバのインストール

オブジェクトサーバは,それぞれのノードのローカルディスクにインストールしてください。なお,MC/ServiceGuardを構成するサーバにObject ServerとHigh-end Object Serverは混在できません。また,各ノードにインストールするオブジェクトサーバは,完全に同一のバージョン・リビジョン番号のプログラムを使用してください。

(3) オブジェクトサーバのOSへの登録

インストールしたそれぞれのノードで,ローカルディスクにオブジェクトサーバのホームディレクトリを作成してください。オブジェクトサーバのOSへの登録については,「8.2 システム管理コマンド」のxodsetupコマンドを参照してください。

それぞれのオブジェクトサーバのホームディレクトリの絶対パス名は,同じにしてください。また,所有者/グループは,次のように設定してください。

所有者:root

グループ:sys

(4) オブジェクトサーバの定義ファイルの作成

オブジェクトサーバの定義ファイルとして,次のファイルを作成します。

Object Serverの場合
  • システム共通定義ファイル

High-end Object Serverの場合
  • システム共通定義ファイル
  • ステータスサービス定義ファイル
  • システムジャーナルサービス定義ファイル

これらのファイルは一つのノードの$XODDIR/conf下に作成して,それぞれのノードに複写してください。なお,それぞれのファイルの詳細な作成方法については,「7. オブジェクトサーバのファイル」を参照してください。

(a) システム共通定義ファイルの作成

システム共通定義のujfileパラメタで指定するユーザジャーナルを,共有ディレクトリ上に作成するように指定してください。

(b) ステータスサービス定義ファイル及びシステムジャーナルサービス定義ファイルの作成(High-end Object Server)

ステータスファイル及びシステムジャーナルファイルは,共有ディレクトリ上に作成するように指定してください。

なお,信頼性を向上させるために,システムジャーナルファイル及びステータスファイルの出力先を,二つの物理ボリュームに分けて指定することをお勧めします。

(5) データベースの初期化

データベースのファイルは,すべて共有ディレクトリ上に作成します。

データベースの初期化には,xodbinitコマンドを実行します。このコマンドは,一つのノードだけで実行してください。ほかのノードでは実行しないでください。xodbinitコマンドについては,「8.3 データベース管理コマンド」のxodbinitコマンドを参照してください。

(6) システムジャーナルファイル及びステータスファイルの作成(High-end Object Server)

システムジャーナルファイル及びステータスファイルは,すべて共有ディレクトリ上に作成します。

システムジャーナルファイルの初期設定には,xodjnlinitコマンドを実行します。このコマンドは,一つのノードだけで実行してください。ほかのノードでは実行しないでください。

また,ステータスファイルの初期設定には,xodstsinitコマンドを実行します。このコマンドは,一つのノードだけで実行してください。ほかのノードでは実行しないでください。

xodjnlinitコマンドについては,「8.10 システムジャーナルファイル管理コマンド(High-end Object Server)」のxodjnlinitコマンドを参照してください。xodstsinitコマンドについては,「8.11 ステータスファイル管理コマンド(High-end Object Server)」のxodstsinitコマンドを参照してください。

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