Groupmax Object Server Version 6  システム管理者ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


7.2.2 システム共通定義の項目

それぞれの項目について説明します。

<この項の構成>
(1) system_idパラメタ
(2) lck_limitパラメタ
(3) prc_process_countパラメタ
(4) trn_tran_process_countパラメタ
(5) sysloglevelパラメタ
(6) static_shmpool_sizeパラメタ
(7) dynamic_shmpool_sizeパラメタ
(8) dbm_masterパラメタ
(9) add_area_limitパラメタ(High-end Object Server)
(10) ujerrorパラメタ
(11) ujfileパラメタ
(12) jnl_output_fileパラメタ(Object Server)
(13) logprint_system_idパラメタ
(14) gcacheパラメタ
(15) resipoolパラメタ
(16) resiobjパラメタ

(1) system_idパラメタ

説明:ここに指定した値がOMS識別子となります。
OMS識別子を変更した場合は,ステータスファイルとジャーナルファイルを再度初期設定して,オブジェクトサーバを再起動してください。

規則:最大2文字の〈識別子〉を半角で指定します。

(2) lck_limitパラメタ

説明:
同時に要求できる,データベースの排他の最大数を定義します。ここに指定した値に30(システムで使用する排他数)を加えた値が,複数ユーザからのデータベース更新,及び参照を保証するための制御情報の数(排他制御テーブルのプール数)となります。この値は,同時に参照,又は更新できるデータベースの量によって決まります。
lck_limitの定義値は,次の計算式を参考にして決定してください。
[図データ]

規則:256〜32767の〈符号なし整数〉を指定します。

(3) prc_process_countパラメタ

説明:
オブジェクトサーバと同時に接続するプロセスの最大数を定義します。定義値には,同時に接続するクライアントの数を指定してください。

規則:1〜230の〈符号なし整数〉を指定します。

(4) trn_tran_process_countパラメタ

説明:
オブジェクトサーバの下で同時に実行できるトランザクションの最大数を定義します。定義値には,同時にログインするユーザの数を指定してください。

規則:1〜255の〈符号なし整数〉を指定します。

(5) sysloglevelパラメタ

説明:
システムログに出力するメッセージの種類を指定します。この指定によってオブジェクトサーバのログに出力しているメッセージをシステムログにも出力します。ただし,オブジェクトサーバのログに出力できなかったメッセージは,指定したメッセージの種類に関係なくシステムログに出力します。
出力するメッセージの種類には,次の指定をします。

err:
メッセージの種類がEのメッセージをシステムログに出力します。

warning:
メッセージの種類がEとWのメッセージをシステムログに出力します。

all:
すべてのメッセージをシステムログに出力します。

規則:
指定した種類が誤っている場合,メッセージの種類がEのメッセージをシステムログに出力します。なお,HP-UXを使用している場合,2バイトコードの文字が表示できないため,メッセージテキストの2バイトコードの文字を".."に変換して出力します。

(6) static_shmpool_sizeパラメタ

説明:
オブジェクトサーバシステムが,開始から終了までの間に占有する共用メモリを,静的共用メモリといいます。この静的共用メモリの総量をキロバイト単位で指定します。定義値は,次の計算式を使って算出してください。
[図データ]

注意:
  • xodaraddコマンドでデータベースにエリアを追加した後でオブジェクトサーバを再起動すると,追加したエリア数分だけ静的共用メモリの総量が増加しますので,指定値を増やす必要があります。static_shmpool_sizeは,余裕を持って計算してください。
  • HI-UX/WE2及びHP-UXを使用しstatic_shmpool_size又はdynamic_shmpool_sizeを大きくした場合,OSのカーネルパラメタshmmax値を増やしてください。これを行わずにxodstartコマンドを実行すると,オブジェクトサーバが起動できなくなることがあります。

規則:5120〜750000の〈符号なし整数〉を指定します。

(7) dynamic_shmpool_sizeパラメタ

説明:
オブジェクトサーバシステムが,ワークエリアとして一時的に使用する共用メモリを,動的共用メモリといいます。この共用メモリの最大量をキロバイト単位で定義します。定義値には,オブジェクトサーバと連携するプログラムごとに次の計算式を使って算出した値の,合計を指定してください。この共用メモリは,実際にオブジェクトサーバにアクセスしているユーザが使用します。計算式中の「同時にアクセスするユーザ数」には,ログインをして,ほかの業務をしているようなユーザは含まれません。
[図データ]
  • オブジェクトサーバと連携するプログラムで使用する共用メモリ量は,それぞれの仕様に従ってください。
  • フラグメンテーションを考慮して,10%程度の余裕を見込んで見積もってください。

注意:
  • static_shmpool_size及びdynamic_shmpool_sizeで指定した共用メモリ量が大きいと仮想メモリに指定サイズの連続領域を確保できないことがあります。この場合エラーメッセージ(KFXO00100-E)が出力されますので,static_shmpool_size又はdynamic_shmpool_sizeの指定値を小さくしてください。
  • HI-UX/WE2及びHP-UXを使用しstatic_shmpool_size又はdynamic_shmpool_sizeを大きくした場合,OSのカーネルパラメタshmmax値を増やしてください。これを行わずにxodstartコマンドを実行すると,オブジェクトサーバが起動できなくなることがあります。

規則:0〜750000の〈符号なし数字〉を指定します。

(8) dbm_masterパラメタ

説明:
初期設定パラメタで指定したマスタディレクトリのファイル名を指定します。

規則:
ファイル名を,2〜175バイトの「/」で始まる〈パス名〉で指定します。

(例)
/groupbase/database/master_dir

(9) add_area_limitパラメタ(High-end Object Server)

次の値のうち,どちらか大きい値を定義します。
  • 一度High-end Object Serverを起動してから終了するまでの間に,xodaraddコマンドで追加するユーザ用,インデクス用エリアの数の上限値
  • データベースのバックアップの取得後,次のデータベースのバックアップを取得するまでの間に,xodaraddコマンドで追加するユーザ用,インデクス用エリアの数の上限値
定義値を超えて追加したエリアは,High-end Object Serverを再起動するまで使用できません。

注意
  • 一度High-end Object Serverを起動してから終了するまでの間にエリアを削除した場合は,定義した値に削除したエリアの数を加えた値が上限になります。削除したエリアの領域は,エリアを追加したときに再利用されます。
  • データベースのバックアップの取得後追加したエリアがこの数を超えていた場合,そのエリアの更新ジャーナルを含むアンロードジャーナルを使用してデータベースの回復,又はバックアウトを実行するとエラーになります。この場合,xodbrstrコマンドの再実行の後,この値を大きくして,オブジェクトサーバを再起動し,データベースの回復,又はバックアウトを再実行してください。

規則:32〜3173の〈符号なし整数〉を指定します。

(10) ujerrorパラメタ

説明:
ユーザジャーナルの出力に失敗した際,処理を続行するか中止するかを指定します。

CONTINUE:処理を続行する。

STOP:処理を中止する。

規則:CONTINUE,又はSTOPの〈識別子〉を一つだけ指定します。
省略時はCONTINUEが仮定されます。

(11) ujfileパラメタ

UAP履歴情報の出力ファイルとして,正常時用ユーザジャーナル出力ファイルと障害時用ユーザジャーナル出力ファイルの二つのファイル名を指定します。この指定は,Groupmax Workflow Serverの環境設定ユティリティで,ワークフローログレベル0以外を指定したときに必要です。使用方法については,Groupmax Workflowのバージョンによって異なるため,マニュアル「Groupmax Workflow Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。

(a) -nオペランド

説明:UAP履歴情報を出力するファイル名を指定します。

規則:
ファイル名は1〜175バイトの「/」で始まるパス名で指定します。

(b) -eオペランド

説明:
正常時用ユーザジャーナル出力ファイルへの出力に失敗した場合に切り替えて使用する,UAP履歴情報出力ファイル名を指定します。

規則:
ファイル名は1〜175バイトの「/」で始まるパス名で指定します。

(12) jnl_output_fileパラメタ(Object Server)

説明:
簡易ジャーナルの出力先のファイル名を定義します。ファイルのパス名は,システム管理者の権限で作成できるパス名で指定してください。この項目を追加又は変更する場合は,出力先にファイルが存在しないようにしてください。

注意:
この項目は,Object Serverの異常終了時に追加又は変更しないでください。データベースの回復に必要な前回のジャーナルが読めなくなる場合があります。この場合,Object Serverはメッセージを出力して,異常終了します。
Object Serverが正常終了していることを確認してから,追加又は変更してください。また,追加又は変更後は,エラーメッセージが出力されずに正常に開始することを確認してください。

規則:
ファイル名を,1〜175バイトの「/」から始まるパス名(絶対パス名)で指定します。
なお,パス名中のディレクトリはあらかじめ作成しておいてください。

(例)
/groupbase/spool/jnlfile

(13) logprint_system_idパラメタ

説明:
system_idパラメタに指定したOMS識別子をメッセージ(「付録K.1 メッセージの出力形式」参照)に付加するかどうかを指定します。
Y:OMS識別子をメッセージに付加する。
N:OMS識別子をメッセージに付加しない。

規則:
半角1文字でY又はNを指定します。
省略時はNが仮定されます。

(14) gcacheパラメタ

gcacheパラメタでは,グローバルキャッシュを定義します。グローバルキャッシュとはオブジェクトサーバのデータベースページの入出力用バッファキャッシュです。グローバルキャッシュは共用メモリ上に確保されます。

gcacheパラメタは,グローバルキャッシュの用途ごとに1個ずつ,4個まで指定できます。

なお,gcacheがすべて省略された場合は,次の省略値が仮定されます。

    gcache -n xod_gcache_area -m 200 -u AREA
    gcache -n xod_gcache_oidindex -m 100 -u OIDINDEX

(a) -nオペランド

説明:
グローバルキャッシュの名称を指定します。グローバルキャッシュ名は,オブジェクトサーバの中で一意な名称を指定してください。

規則:
-nの後ろに1〜30バイトの〈文字列〉を指定します。半角文字と全角文字の両方を指定できます(混在も可能)。

(b) -mオペランド

説明:
グローバルキャッシュの面数を指定します。グローバルキャッシュの一面の大きさは,8キロバイトです。また,グローバルキャッシュの一面に一つのページを入力できます。

規則:
20〜80000の〈符号なし整数〉を指定します。-mオペランドを省略すると,-uオペランドの識別子の指定によって,次の値が仮定されます。

-uオペランドにOIDINDEXが指定された場合:100

-uオペランドにOIDINDEX以外の識別子が指定された場合:80

(c) -uオペランド

説明:
グローバルキャッシュの用途を,次の識別子のどれかを使って指定します。

AREA:
グローバルキャッシュを,データベースの各エリアの入出力用に使用します。AREAを指定したgcacheパラメタを省略すると,次の省略値が仮定されます。
gcache -n xod_gcache_area -m 200 -u AREA

INDEX:
グローバルキャッシュをインデクス用のエリアの入出力用に使用します。INDEXを使用したgcacheパラメタを省略すると,-u AREAのグローバルキャッシュが,インデクス用のエリアの入出力に使用されます。

OIDINDEX:
グローバルキャッシュをOIDインデクス用のエリアの入出力に使用します。OIDINDEXを指定したgcacheパラメタを省略すると,次の省略値が仮定されます。
gcache -n xod_gcache_oidindex -m 100 -u OIDINDEX

DICTIONARY:
グローバルキャッシュを,ディクショナリ用のエリアの入出力に使用します。DICTIONARYを指定したgcacheパラメタを省略すると,-u AREAのグローバルキャッシュが,ディクショナリ用のエリアの入出力に使用されます。

規則:-uの後ろにAREA,INDEX,OIDINDEX,又はDICTIONARYの〈識別子〉を一つだけ指定します。

(15) resipoolパラメタ

resipoolパラメタでは,常駐ページプールを定義します。常駐ページプールとは,オブジェクトサーバのデータベースページを共用メモリに常駐するために用意するページプールです。

オブジェクトサーバのデータベースを共用メモリに常駐すると,データベースの入出力回数が削減されるので,性能が向上します。

resipoolパラメタは,常駐プールの用途ごとに1個ずつ,3個まで指定できます。

また,-uオペランドにUSER又はCSTYPEを指定したresipoolパラメタを指定するときは,必ずresiobjパラメタを共に指定してください。どちらか一方だけを指定しても,ページは常駐されません。

(a) -nオペランド

説明:
常駐ページプール名称を指定します。この名称は,オブジェクトサーバの中で一意な名称を指定してください。

規則:
1〜30バイトの〈文字列〉を指定します。半角文字と全角文字の両方が指定できます(混在も可能)。

(b) -mオペランド

説明:
常駐ページプールの面数を指定します。常駐ページプールの1面の大きさは,8キロバイトです。常駐ページプールの1面には,1ページを常駐します。常駐ページをすべて使用したときには,メッセージが表示されます。常駐ページプールの面数を増やす場合には,一度オブジェクトサーバを終了させてから指定し直してください。

規則:1〜80000の〈符号なし整数〉を指定します。

(c) -uオペランド

説明:常駐ページプールの用途を次の識別子のどれかを使って指定します。

USER:
常駐ページプールをユーザデータベース用エリアのページの常駐に使用します。

CSTYPE:
常駐ページプールをクラスタードストリングタイプオブジェクトのページの常駐に使用します。

DICTIONARY:
常駐ページプールをディクショナリ用エリアのページの常駐に使用します。

規則:USER,CSTYPE,又はDICTIONARYの中から〈識別子〉を一つだけ指定します。

(16) resiobjパラメタ

共用メモリに常駐するオブジェクトのタイプを指定します。指定したタイプのオブジェクトが参照又は更新されたときに,そのオブジェクトを含むデータベースページが共用メモリに常駐されます。オブジェクトサーバのデータベースを共用メモリに常駐すると,データベースの入出力回数が削減されるので,性能が向上します。

resiobjパラメタで常駐指定できるタイプ数は,すべてのスキーマのタイプの合計が32までです。32を超えて指定した場合,33番目以降の指定は無視されます。resiobjパラメタの-tオペランドにタイプを指定するときは,必ず-uオペランドにUSERを指定したresipoolパラメタを共に指定してください。また,resiobjパラメタの-tオペランドにクラスタードストリングタイプを指定するときは,必ず-uオペランドにCSTYPEを指定したresipoolパラメタを共に指定してください。resiobjパラメタだけを指定しても,ページは常駐されません。

(a) -sオペランド

説明:
共用メモリ上に常駐するオブジェクトのタイプを定義しているスキーマ名を指定します。指定するスキーマ名は,オブジェクトサーバと連携するプログラムによって決まっています。それぞれのプログラムの規則に従って指定してください。

規則:
1〜63バイトの〈文字列〉を指定します。半角文字と全角文字の両方が指定できます(混在も可能)。

(b) -tオペランド

説明:
共用メモリ上に常駐するオブジェクトのタイプを指定します。指定するタイプ名は,オブジェクトサーバを使用するそれぞれのプログラムによって決まっています。それぞれのプログラムの規則に従って指定してください。常駐の対象となるのは,既にデータベースに定義されているタイプだけです。つまり,オブジェクトサーバを起動してから現在までに新規に定義したタイプは,常駐の対象となりません。このような場合は,オブジェクトサーバをいったん停止して,再起動する必要があります。また,このオペランドで常駐すると指定したタイプは,オブジェクトサーバの動作中に削除できません。

規則:
1〜95バイトの〈文字列〉を指定します。半角文字と全角文字の両方が指定できます(混在も可能)。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved, Copyright (C) 2001, 2002, Hitachi, Ltd.