付録B.2 デバッグ環境のシステム構築
J2EEアプリケーションのテストで使用するシステムを構築します。
システムの構築には,Smart Composer機能を使用します。Smart Composer機能とは,システムの構築を支援するための機能です。システムの情報を定義したファイルを作成してSmart Composer機能のコマンドを実行すると,簡単にシステムを構築できます。
Smart Composer機能を使用したシステム構築の流れを次に示します。
-
Management Serverの設定
Management Serverとは,アプリケーションサーバを一括で管理および運用するための運用管理プロセスです。
Management Serverをセットアップして,Management Serverの管理ユーザを設定します。また,Management Serverおよび運用管理エージェントを自動起動するための設定もします。設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.14 運用管理機能を構築する」を参照してください。
なお,Management Serverおよび運用管理エージェントの概要については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「2.3.1 プロセス構成」を参照してください。
-
簡易構築定義ファイルの作成
構築するシステムの情報を,簡易構築定義ファイルに定義します。簡易構築定義ファイルには,構築するシステムの名称やシステムに配置する論理サーバの種類などを定義します。また,J2EEアプリケーションのデバッグ環境ではリロード機能を使用します。リロード機能を使用するための設定も簡易構築定義ファイルに定義します。作成方法については,「(1) 簡易構築定義ファイルの作成」を参照してください。
-
システムの構築
Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,システムを構築します。Smart Composer機能で使用するコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「8. Smart Composer機能で使用するコマンド」を参照してください。
-
JavaVMのセキュリティポリシーの設定
セキュリティマネージャを使用する場合は,JavaVMのセキュリティポリシーを指定できます。JavaVMのセキュリティポリシーを指定する場合は,あらかじめ設定しておきます。セキュリティマネージャを使用しない場合はこの設定は不要です。設定方法については,「(2) JavaVMのセキュリティポリシーの設定」を参照してください。
-
Management Serverリモート管理機能の設定
WTPコネクタでManagement Serverリモート管理機能を使用するため,事前にManagement Serverリモート管理機能の設定が必要です。Management Serverリモート管理機能の設定については,「(3) Management Serverリモート管理機能の設定」を参照してください。
-
コンソールへの情報出力の設定
コンソールに情報を出力する場合は,運用管理エージェントの設定が必要です。コンソールに情報出力をするための設定については,「(4) コンソールへの情報出力の設定」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 簡易構築定義ファイルの作成
構築するシステムの情報を定義した簡易構築定義ファイルを作成します。
ここでは,Developerで提供しているテンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)を使用して,簡易構築定義ファイルを作成します。簡易構築定義ファイルのテンプレートは次の場所に格納されています。テンプレートファイルを任意の場所にコピーして,簡易構築定義ファイルを作成してください。
- テンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)の格納先
<Developerのインストールディレクトリ>\manager\config\templates\
簡易構築定義ファイルで定義する内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.3 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
なお,デバッグ環境をプログラミング環境とは別のマシンに構築している場合は,Management Serverにアクセスするホストを許可する設定が必要になります。簡易構築定義ファイルの<param>タグの下に次のタグを設定します。
-
<param-name>タグ
「webserver.connector.http.permitted.hosts」を指定します。
-
<param-value>タグ
Management Serverへのアクセスを許可するホスト名またはIPアドレス(Developerがインストールされている開発環境のホスト名またはIPアドレス)を指定します。
また,JSPデバッグを実施する場合は,簡易構築定義ファイルの<param>タグの下に次のタグを設定します。
-
<param-name>タグ
webserver.jsp.debugging.enabled
-
<param-value>タグ
true
(2) JavaVMのセキュリティポリシーの設定
JavaVMのセキュリティポリシーを設定するには,server.policyを編集します。server.policyの格納先を次に示します。
- server.policyの格納先
-
<Developerのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<サーバ名称>\server.policy
server.policyに設定する内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.4 server.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)」を参照してください。
- ポイント
-
server.policyの格納先である<サーバ名称>フォルダ,およびserver.policyは,cmx_build_systemコマンドを実行すると作成されます。
(3) Management Serverリモート管理機能の設定
WTPコネクタを使用するためには,Management Serverリモート管理機能の設定が必要です。Management Serverリモート管理機能を使用するためには,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)にプロパティを設定します。mserver.propertiesの格納先と追加するプロパティを次に示します。
-
格納先
<Developerのインストールディレクトリ>\manager\config\mserver.properties
-
追加するプロパティ
com.cosminexus.mngsvr.management.enabled=true com.cosminexus.mngsvr.management.connector.enabled=true com.cosminexus.mngsvr.management.port=28099※
- 注※
-
任意のポート番号を指定してください。デフォルトは28099です。
なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverを再起動する必要があります。
(4) コンソールへの情報出力の設定
コンソールに情報を出力する場合は,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)に次の設定を追加してください。
-
格納先
<Developerのインストールディレクトリ>\manager\config\adminagent.properties
-
追加するプロパティ
adminagent.j2ee.process.console_event.enabled=true
- 注
-
adminagent.propertiesには,上記のプロパティがすでに記載されています。adminagent.propertiesに記載されているプロパティを使用する場合は,次の内容を実施してください。
・コメントアウトを解除します(#を削除します)。
・プロパティの値を,falseからtrueに変更します。
なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverおよび運用管理エージェントを再起動する必要があります。
- ポイント
-
ここで設定しているのは,コンソールに情報を出力するかどうかです。コンソールに表示する文字数などの設定については,「2.6.3 コンソールの設定変更」を参照してください。