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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


2.3.1 プロセス構成

J2EEアプリケーションを実行するアプリケーションサーバは,次の図に示すプロセスで構成されます。

図2‒1 J2EEアプリケーションを実行するアプリケーションサーバを構成するプロセス

[図データ]

参考

なお,システムを構築する場合は,これらのプロセスをシステムの要件に合わせて,システム内の各マシンに一つまたは複数配置します。

それぞれのプロセスについて説明します。なお,図中の番号は,(1)〜(6)に対応します。

〈この項の構成〉

(1) J2EEサーバ

J2EEサーバは,J2EEアプリケーションの実行基盤となるプロセスです。J2EEサーバは,J2EEアプリケーション,J2EEコンテナ,J2EEサービス,J2EEリソースなど,複数のプログラムモジュールで構成されます。また,J2EEコンテナは,提供する機能によって,EJBコンテナとWebコンテナに分けられます。J2EEサーバを構成するプログラムモジュールについては,「2.3.2 J2EEサーバの構成」で説明します。

(2) Webサーバ

Webサーバは,Webブラウザからのリクエスト受信,およびWebブラウザへのデータ送信に関連する処理を実行するプロセスです。J2EEサーバ上で動作するJ2EEアプリケーションにWebブラウザからアクセスするシステムの場合に,Webサーバを使用する必要があります。なお,Webブラウザからアクセスできるのは,J2EEアプリケーションに含まれるサーブレット,JSP,または静的コンテンツです。

アプリケーションサーバでは,Webサーバとして,HTTP ServerまたはMicrosoft IISを使用できます。HTTP Serverは,アプリケーションサーバの構成ソフトウェアの一つです。HTTP Serverの機能については,マニュアル「HTTP Server」を参照してください。

注※

Webサーバを経由しないでJ2EEサーバのNIO HTTPサーバとWebブラウザ間で直接リクエストを送受信する場合,Webサーバに相当するプロセスは不要です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「7. NIO HTTPサーバ」を参照してください。

(3) CTM

CTMは,J2EEアプリケーション内のSession Beanに対するリクエストをスケジューリングするためのプロセス群です。CTMを使用することで,クライアントからのリクエストを適切に分散,スケジューリングできます。これによって,サーバの負荷を抑え,システムの可用性を高めて業務を滞りなく進めるようにできます。

CTMとしての機能は,CTMデーモン,CTMレギュレータ,CTMドメインマネジャなどの,複数のプロセスを使用して実現します。また,ネーミングサービスとして,CORBAネーミングサービスを使用します。

CTMの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「3. CTMによるリクエストのスケジューリングと負荷分散」を参照してください。

ポイント

CTMは,構成ソフトウェアにComponent Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説」の「2.2 構成ソフトウェア」を参照してください。

(4) PRFデーモン(パフォーマンストレーサ)

アプリケーションサーバは,リクエストを処理するときに,トレース情報をバッファに出力します。また,アプリケーションサーバだけでなく,トレースの対象を拡張して,アプリケーションでもトレース情報をバッファに出力できます。PRFデーモン(パフォーマンストレーサ)は,バッファに出力されたトレース情報をファイルに出力するためのI/Oプロセスです。

PRFデーモンが出力するトレース情報ファイルは,システムのボトルネックを検証したり,トラブルシュートの効率向上を図ったりするために役立ちます。

PRFデーモンの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(5) 運用管理エージェント

運用管理者の代わりに,それぞれのホスト上の論理サーバを起動したり,設定ファイルを更新したりするエージェント機能を持つプロセスです。なお,論理サーバとは,Management Serverの運用管理の対象になる,サーバまたはクラスタです。

(6) Management Server

運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行するためのプロセスです。

(7) そのほかのプロセス

(1)〜(6)で示したプロセス以外に,機能に応じて使用するプロセスとして,次のプロセスがあります。