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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編


付録B.1 システム構築の流れ

J2EEアプリケーションを実行するシステムをファイル編集とコマンド実行で構築する場合,アプリケーションサーバが提供するコマンド,ユーザ定義ファイルなどを使用してシステムの動作環境を設定します。

〈この項の構成〉

(1) システムの構築で使用するファイル

J2EEアプリケーションを実行するシステムを構築する場合に使用する主なファイルを次に示します。各ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2. J2EEサーバで使用するファイル」を参照してください。

注意事項

ファイルを変更する場合は,J2EEサーバを停止してください。J2EEサーバの稼働中にファイルの内容を変更した場合の動作は保証されません。

(2) J2EEアプリケーションを実行するシステムを構築する流れ

ファイル編集とコマンド実行で,J2EEアプリケーションを実行するシステムを構築する場合の,システム構築の流れについて説明します。

  1. J2EEサーバをセットアップします。

    デフォルトの設定のままで利用する場合は,セットアップ不要です。

    インストール時にセットアップ済みのJ2EEサーバとは別のサーバ名称を使用したい場合に,セットアップしてください。詳細については,「付録B.2 J2EEサーバのセットアップ」を参照してください。

  2. J2EEサーバの動作設定をします。

    デフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。

    使用する機能の動作を変更したり,特定の機能を使用したりする場合には,アプリケーションサーバが提供するユーザ定義ファイルやコマンドを使用して,J2EEサーバの動作を設定,変更します。

    J2EEサーバの動作を設定,変更できる機能の例を次に示します。

    • ネーミングサービス

    • トランザクション

    • JavaVMの起動オプション

    • コンテナ拡張ライブラリ

    • CTMによるリクエストのスケジューリング

  3. トラブルシューティングの資料取得の設定をします。

    デフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。ただし,次の資料は,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。

    • OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)

    • JavaVMのGCのログ

    これらの資料を取得する場合や,ほかの資料の取得設定を変更したい場合に,トラブルシューティングの資料取得の設定をしてください。トラブルシューティングに必要な資料の詳細と,システム構築時の設定の要否については「付録B.1(3) トラブルシューティングに必要な資料」を参照してください。

  4. Webサーバとの連携の設定をします。

    Webサーバと連携しない場合は,設定不要です。

    リバースプロキシを利用したリクエストの振り分け,通信タイムアウト,エラーページのカスタマイズなど,Webサーバと連携するための設定をします。

  5. 統合ユーザ管理機能の設定をします。

    統合ユーザ管理機能を使用しない場合は,設定不要です。

    アプリケーションサーバシステムにログインするユーザを統合管理するための設定をします。ユーザ認証情報を格納するLDAPディレクトリサーバや,統合ユーザ管理のコンフィグレーションファイルを設定します。設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 セキュリティ管理機能編」の「5.13 統合ユーザ管理機能の設定手順」を参照してください。

  6. システムの可用性を高める設定をします。

    システムの可用性を高める機能を使用しない場合は,設定不要です。

    セッションフェイルオーバ機能によるJ2EEサーバへのセッション情報の引き継ぎの設定をします。設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「5. J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎ」を参照してください。

  7. リソースとJ2EEアプリケーションの設定をします。

    サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタやJ2EEアプリケーションのプロパティを定義し,J2EEサーバにインポートします。設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3. リソース接続とトランザクション管理」を参照してください。

  8. システムを起動して,システムの動作を確認します。

    システムの起動および停止については,「付録C J2EEアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(Windowsの場合)」,または「付録D J2EEアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(UNIXの場合)」を参照してください。

(3) トラブルシューティングに必要な資料

トラブルシューティングに必要な資料と,システム構築時の設定の要否について次の表に示します。なお,設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「3. トラブルシューティングのための準備」を参照してください。

表B‒1 トラブルシューティングの資料の種類と設定要否(J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合)

資料の種類

設定の要否

snapshotログ

※1

性能解析トレースファイル

×※2

J2EEサーバのログ

Webサーバのログ

J2EEアプリケーションのユーザログ

稼働情報ファイル

リソースアダプタのログ

TPBrokerのトレースファイル

OSの統計情報

ユーザダンプ

coreダンプ

JavaVMの資料

サーバ管理コマンドのログ

(凡例)

○:資料を取得する場合には,設定が必要。

△:デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ,設定が必要。

×:設定は不要。

注※1

snapshotlogコマンドを使用してsnapshotログを取得します。この場合,あらかじめ設定しておいたリストファイルを,コマンド実行時に引数として指定します。snapshotlogコマンド,およびデフォルトの設定で収集できるsnapshotログについては,「11.2 ログの運用で使用するコマンドの詳細」の「snapshotlog(snapshotログの収集)」を参照してください。なお,snapshotログの収集先を変更する場合には,snapshotログ収集対象定義ファイルを編集します。snapshotログ収集対象定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2.1 snapshotログ収集対象定義ファイル」を参照してください。

注※2

日常的なシステム運用の作業で,cprfstartコマンドを実行してパフォーマンストレーサを起動するときに,PRFトレースの取得レベルやファイルの面数を指定できます。性能解析トレースファイルの取得については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3.1 性能解析トレースファイルの収集方法」を参照してください。

表B-1に示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。

なお,次のログはログ出力先を変更できません。

ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.4 取得が必要な資料の種類」を参照してください。