2.6.4 自動再起動の設定
障害が発生した場合に,停止したManagement Serverおよび運用管理エージェントを自動再起動できます。自動再起動を設定すると,自動起動の設定も有効になります。Management Serverおよび運用管理エージェントの自動再起動の設定には,mngautorunコマンドを使用します。mngautorunコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngautorun(自動起動および自動再起動の設定/設定解除)」を参照してください。
Windowsの場合,mngautorunコマンドで設定する,Management Serverおよび運用管理エージェントの自動再起動処理は,同期実行させることをお勧めします。この場合,コマンド実行時に同期実行オプション(-syncオプション)を指定します。このオプションを指定すると,自動再起動時に,Management Serverおよび運用管理エージェントの起動を同期実行します。また,自動再起動時に,Management Serverおよび運用管理エージェントの起動を同期実行するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を,-timeoutオプションで指定できます。
UNIXの場合,自動再起動処理に対して同期実行オプションを指定できません。
- 注意事項
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- 09-00より前に自動起動を設定して運用している場合
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ここで説明する設定を有効にするときは,09-00より前の自動起動の設定を解除する必要があります。設定変更手順については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.3 旧バージョンから11-40までの仕様変更の確認」を参照してください。
- JavaVMの異常終了時に自動再起動するための設定
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JavaVMの異常終了時にユーザダンプを取得したあと,アプリケーションサーバの自動再起動を正しく動作させるには,次のどちらかのレジストリキーにレジストリ値(DontShowUI : 1)を設定して,ユーザダンプ取得時の応答要求を抑止することをお勧めします。
「\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Windows Error Reporting」
「\\HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Windows Error Reporting」(上記のレジストリキーがない場合に使用します)
mngautorunコマンドの実行形式と実行例を次に示します。
- 実行形式
mngautorun respawn {server|agent|both} [-runlevel <ランレベル>]※1 [-sync※2 [-timeout <同期実行のタイムアウト時間>※2]]
注※1 ランレベルは,UNIXの場合に指定できます。Windowsの場合は指定できません。
注※2 同期実行オプションおよび同期実行のタイムアウト時間は,Windowsの場合に指定できます。UNIXの場合は指定できません。
- 実行例
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Management Serverを自動再起動する場合
mngautorun respawn server
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運用管理エージェントを自動再起動する場合
mngautorun respawn agent
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Management Serverおよび運用管理エージェントを自動再起動する場合
mngautorun respawn both
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Management Serverおよび運用管理エージェントの自動再起動を同期実行する場合※
mngautorun respawn both -sync
注※ Windowsの場合に指定できます。UNIXの場合は指定できません。
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mngautorunコマンドの実行時に,Management Serverおよび運用管理エージェントに設定される自動再起動の内容を次に示します。
(1) Management Serverに設定される自動再起動の内容
mngautorunコマンドの実行時に,Management Serverに設定される自動再起動の内容をOSごとに説明します。
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Windowsの場合
Management Serverのサービスで,サービスの回復機能にエラー発生時にサービスを再起動するように次の内容が設定されます。
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最初のエラー:サービスを再起動する
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エラーカウントのリセット:0(エラーカウントをリセットしません)
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サービスの再起動:0(異常終了後に即時に再起動を実行します)
なお,「エラーカウントのリセット」,「サービスの再起動」の値は,手動で設定を変更できます。
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UNIXの場合
mngautorunコマンドのrespawnオプションを使用して自動再起動を設定※し,OSを起動や再起動することでManagement Serverを自動再起動することができます。
Management Serverのサービスを監視し,サービス終了時に再起動するように設定されます。
- 注※ /etc/inittabファイルにManagement Serverの起動コマンドをrespawnオプションを指定して登録します。ただし,Linuxの場合は,/etc/systemd/system下のディレクトリにCoMS.service(Management Serverを自動起動,自動停止,自動再起動するサービス)を登録します。
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- 注意事項
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UNIXの場合は,Management Serverのサービスで障害が発生しているかどうかに関係なく,mngsvrctlコマンドなどでManagement Serverのサービスを停止した場合も自動再起動されます。
(2) 運用管理エージェントに設定される自動再起動の内容
mngautorunコマンドの実行時に,運用管理エージェントに設定される自動再起動の内容をOSごとに説明します。
- 参考
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自動再起動処理では,運用管理エージェントを起動する前に,運用管理エージェント自動起動用設定ファイル(/opt/Cosminexus/manager/config/AdminAgentrc)を読み込みます。このファイルに次の設定を記述することで,運用管理エージェントから起動する論理サーバに設定を引き継ぐことができます。
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リソースの制御設定(ulimit)
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ファイル作成時のパーミッション(umask)
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環境変数
運用管理エージェント自動起動用設定ファイルにはこれらの設定以外を記述しないでください。運用管理エージェント自動起動用設定ファイルにこれらの設定以外を記述した場合の動作は保証しません。
運用管理エージェント自動起動用設定ファイルはシェルスクリプトとして実行されます。このため,運用管理エージェント自動起動用設定ファイルの記載内容を変更する場合は十分な動作確認を実施してください。
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Windowsの場合
運用管理エージェントのサービスで,サービスの回復機能にエラー発生時にサービスを再起動するように次の内容が設定されます。
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最初のエラー:サービスを再起動する
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エラーカウントのリセット:0(エラーカウントをリセットしません)
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サービスの再起動:0(異常終了後に即時に再起動を実行します)
なお,「エラーカウントのリセット」,「サービスの再起動」の値は,手動で設定を変更できます。
- 注意事項
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親プロセスであるadminagentsvプロセスがダウンして自動再起動されたあと,サービスまたはコマンドから運用管理エージェントを停止しても,次のキーの設定は有効ならないため,論理サーバは停止されません。
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<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\config\adminagent.propertiesのadminagent.finalization.stop_serversキー
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UNIXの場合
mngautorunコマンドのrespawnオプションを使用して自動再起動を設定※し,OSを起動や再起動することで運用管理エージェントを自動再起動することができます。
運用管理エージェントのサービスを監視し,サービス終了時に再起動するように設定されます。
- 注※ /etc/inittabファイルに運用管理エージェントの起動コマンドをrespawnオプションを指定して登録します。ただし,Linuxの場合は,/etc/systemd/system下のディレクトリにCoAA.service(運用管理エージェントを自動起動,自動停止,自動再起動するサービス)を登録します。
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- 注意事項
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UNIXの場合は,運用管理エージェントのサービスで障害が発生しているかどうかに関係なく,adminagentctlコマンドなどで運用管理エージェントのサービスを停止した場合も自動再起動されます。