2.6.5 自動停止の設定
UNIXの場合は,ホストの停止と同時にManagement Serverおよび運用管理エージェントを自動停止できます。
(1) Management Serverの自動停止の設定
Management Serverの自動停止を設定する手順をOSごとに次に示します。
- 注意事項
-
Management Serverを自動再起動するように設定している場合は,この手順では停止できません。各論理サーバを停止してからホストを停止してください。ただし,Red Hat Enterprise Linux Server 7以降は,Management Serverを自動再起動するように設定している場合でも,この手順で停止できます。
(a) AIXの停止手順
ホスト停止時にManagement Serverを自動停止させるためには,次に示す作業が必要です。
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Management Serverを停止させるスクリプトファイルを作成します。
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/etc/rc.shutdownスクリプトに,Management Serverを停止させるための処理を追加します。
ここでは,Management Serverを停止させるスクリプトファイルの作成方法と,/etc/rc.shutdownスクリプトへのManagement Serverの停止処理の追加方法について説明します。
- Management Serverを停止させるスクリプトファイルの作成
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Management Serverを停止させるスクリプトファイルを,/etc/下に任意のファイル名で作成します(例:/etc/MngSvrStop)。なお,スクリプトファイルの権限は「755」に設定してください。
スクリプトファイルの例を次に示します。
#!/bin/sh BIN_PATH=/opt/Cosminexus/manager/bin # Management Server停止 if [ -x $BIN_PATH/mngsvrctl ] ; then $BIN_PATH/mngsvrctl stop fi exit 0
この例では,最後の"exit 0"で停止処理に失敗した場合でもシャットダウン処理が中断されないようにしています。エラー発生時にシャットダウンを中断する場合は,それぞれのコマンド実行後にリターンコードをチェックして0以外のリターンコードを返すようにしてください。
なお,ホスト停止時に論理サーバを停止させるには,論理サーバを停止させるスクリプトを,Management Serverを停止させるスクリプトの前に追加してください。
スクリプトファイルの例を次に示します。
#!/bin/sh BIN_PATH=/opt/Cosminexus/manager/bin #論理サーバ停止 if [ -x $BIN_PATH/mngsvrutil ] ; then $BIN_PATH/mngsvrutil -m mnghost:28080 -u user1 -p user1 -t mnghost -k host -s stop server fi # Management Server停止 if [ -x $BIN_PATH/mngsvrctl ] ; then $BIN_PATH/mngsvrctl stop fi exit 0
mngsvrutilコマンドの各種オプションは,運用環境に合わせて指定してください。
- /etc/rc.shutdownスクリプトへのManagement Serverの停止処理の追加
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/etc/rc.shutdownスクリプトで実行する処理として,/etc/rc.shutdownスクリプトにManagement Serverを停止させるためのスクリプトファイルを追加します。同一ホスト上でManagement Serverと運用管理エージェントを停止する場合,Management Serverが運用管理エージェントよりも先に停止するように順番を設定してください。
/etc/rc.shutdownスクリプトへのManagement Serverの停止処理の追加例を次に示します。なお,この例は,Management Serverを停止させるためのスクリプトファイルを/etc/MngSvrStopに保存した場合の例です。
if [ -x /etc/MngSvrStop ]; then /etc/MngSvrStop fi
(b) Linuxの停止手順
ホスト停止時にManagement Serverを自動停止させるための設定手順について説明します。また,ホスト停止時に論理サーバを自動停止させるための設定手順についても説明します。
- ホスト停止時にManagement Serverを自動停止させるための設定手順
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Management Serverを自動起動設定(mngautorunコマンド)すれば,自動停止も行われます。
mngautorunコマンドで「-sync」指定した場合,Management Serverの自動停止のタイムアウト時間はデフォルトで120秒となります。Management Serverの自動停止のタイムアウト時間(-timeout)を設定する場合は次の手順で設定してください。
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/etc/systemd/systemディレクトリに格納されているCoMS.serviceファイルを開き,ExecStop=オプションの指定にタイムアウト時間を追加します。
指定例を次に示します。
(例)
CoMS.serviceの変更前
ExecStop= /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop -sync
CoMS.serviceの変更後
ExecStop= /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop -sync -timeout 120
注 背景色付きの太字個所が編集個所になります。また,斜体個所は運用環境に合わせて設定してください。
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1.で変更したCoMS.serviceファイルを適用するために,次のコマンドを実行します。
# systemctl reenable CoMS.service
- 注意事項
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mngautorunコマンドを再度実行すると,この手順でCoMS.serviceに設定した内容はリセットされます。その場合は再度この手順を実施してください。
また,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを停止する場合は,両方を自動起動設定(mngautorunコマンドのboth指定)します。このとき同期起動(mngautorunコマンドの-sync指定)するように設定した場合は, ホスト停止時またはホスト再起動時にManagement Serverが運用管理エージェントより先に停止します。
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- ホスト停止時に論理サーバを自動停止させるための設定手順
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ホスト停止時に論理サーバを自動停止させるための設定手順を次に示します。なお,この手順は,Management Serverを停止するホストだけで運用管理ドメインを構成していることを前提とした手順です。
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/etc/systemd/systemディレクトリに格納されているCoMS.serviceファイルをテキストエディタで開き,ExecStop=オプションに設定されているコマンド構文をコピーして控えます。
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任意の場所およびファイル名で論理サーバとManagement Serverを停止させるためのスクリプトファイルを作成します(例:/opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop)。スクリプトファイルの作成例を次に示します。
#!/bin/sh ret=0 /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrutil -m mnghost:28080 -u user1 -p user1 -t mnghost - k host -s stop server ERROR=$? if [ $ERROR -ne 0 ] ; then ret=1 fi /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop -sync ERROR=$? if [ $ERROR -ne 0 ] ; then ret=1 fi exit $ret
なお,mngsvrutilコマンドの各種オプションは,運用環境に合わせて指定してください。また,Management Serverの停止コマンド構文は,1.で控えたコマンド構文を指定してください。
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作成した論理サーバおよびManagement Server停止スクリプトの権限を変更します。
# chmod 755 /opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop
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/etc/systemd/systemディレクトリに格納されているCoMS.serviceファイルをテキストエディタで再度開き,ExecStop=オプションの指定を,2.で作成したスクリプトのパスに変更します。
CoMS.serviceファイルの変更例を次に示します。
変更前(mngautorun -sync指定ありの場合の内容)
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop -sync
変更後(2.で作成したスクリプト場合)
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop
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運用管理エージェントとManagement Serverを非同期起動(mngautorun both指定あり,-sync指定なし)で設定している場合は,CoMS.serviceファイルのAfter=オプションに”CoAA.service”を追加します。
CoMS.serviceファイルの変更例を次に示します。
CoMS.serviceの変更前(mngautorun -sync指定なしの場合の内容)
After=network.target multi-user.target
変更後
After=CoAA.service network.target multi-user.target
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変更したCoMS.serviceファイルを適用するために,次のコマンドを実行します。
# systemctl reenable CoMS.service
- 注意事項
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mngautorunコマンドを再度実行すると,この手順でCoMS.serviceに設定した内容はリセットされます。その場合は再度この手順を実施してください。
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- ホスト停止時の論理サーバの自動停止を解除する手順
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上記で設定したホスト停止時の論理サーバの停止を解除する場合は,次の手順を実施してください。
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上記で作成した論理サーバとManagement Serverを停止するスクリプトファイル(例:/opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop)をテキストエディタで開き,Management Serverの停止コマンド構文をコピーして控えます。
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/etc/systemd/systemディレクトリに格納されているCoMS.serviceファイルを開き,ExecStop=オプションの指定を,1.で控えたコマンド構文に変更します。
CoMS.serviceファイルの変更例を次に示します。
変更前
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop
変更後
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop -sync
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運用管理エージェントとManagement Serverを非同期起動(mngautorun both指定あり,-sync指定なし)で設定している場合は, CoMS.serviceファイルのAfter=オプションの”CoAA.service”を削除します。
CoMS.serviceファイルの変更例を次に示します。
変更前
After=CoAA.service network.target multi-user.target
変更後
After=network.target multi-user.target
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変更したCoMS.serviceファイルを適用するために,次のコマンドを実行します。
# systemctl reenable CoMS.service
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論理サーバとManagement Serverを停止するスクリプトファイル(例:/opt/Cosminexus/manager/bin/LS_MNG_stop)を削除してください。
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(2) 運用管理エージェントの自動停止の設定
運用管理エージェントの自動停止を設定する手順をOSごとに次に示します。
- 注意事項
-
運用管理エージェントを自動再起動するように設定している場合は,この手順では停止できません。各論理サーバを停止してからホストを停止してください。ただし,Red Hat Enterprise Linux Server 7以降は,運用管理エージェントを自動再起動するように設定している場合でも,この手順で停止できます。
(a) AIXの停止手順
ホスト停止時に運用管理エージェントを自動停止させるためには,次に示す作業が必要です。
-
運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルを作成します。
-
/etc/rc.shutdownスクリプトに,運用管理エージェントを停止させるための処理を追加します。
ここでは,運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルの作成方法と,/etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加方法について説明します。
- 運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルの作成
-
運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルを,/etc/下に任意のファイル名で作成します(例:/etc/AdminAgentStop)。なお,スクリプトファイルの権限は「755」に設定してください。
スクリプトファイルの例を次に示します。
#!/bin/sh BIN_PATH=/opt/Cosminexus/manager/bin # 運用管理エージェント停止 if [ -x $BIN_PATH/adminagentctl ] ; then $BIN_PATH/adminagentctl stop fi exit 0
なお,この例では,最後の"exit 0"で停止処理に失敗した場合でもシャットダウン処理が中断されないようにしています。エラー発生時にシャットダウンを中断する場合は,それぞれのコマンド実行後にリターンコードをチェックして0以外のリターンコードを返すようにしてください。
- /etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加
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/etc/rc.shutdownスクリプトで実行する処理として,/etc/rc.shutdownスクリプトに運用管理エージェントを停止させるためのスクリプトファイルを追加します。
/etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加例を次に示します。なお,この例は,運用管理エージェントを停止させるためのスクリプトファイルを/etc/AdminAgentStopに保存した場合の例です。
if [ -x /etc/AdminAgentStop ]; then /etc/AdminAgentStop fi
(b) Linuxの停止手順
運用管理エージェントを自動起動設定(mngautorunコマンド)すれば,自動停止も行われます。
mngautorunコマンドで「-sync」指定した場合,運用管理エージェントの自動停止のタイムアウト時間はデフォルトで120秒となります。運用管理エージェントの自動停止のタイムアウト時間(-timeout)を設定する場合は次の手順で設定してください。
-
/etc/systemd/systemディレクトリに格納されているCoAA.serviceファイルを開き,ExecStop=オプションの指定にタイムアウト時間を追加します。
指定例を次に示します。
(例)
CoAA.serviceの変更前
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl stop -sync
CoAA.serviceの変更後
ExecStop=/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl stop -sync -timeout 120
注 背景色付きの太字個所が編集個所になります。また,斜体個所は運用環境に合わせて設定してください。
-
1.で変更したCoAA.serviceファイルを適用するために,次のコマンドを実行します。
# systemctl reenable CoAA.service
- 注意事項
-
mngautorunコマンドを再度実行すると,この手順でCoAA.serviceに設定した内容はリセットされます。その場合は再度この手順を実施してください。
また,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを停止する場合は,両方を自動起動設定(mngautorunコマンドのboth指定)します。このとき同期起動(mngautorunコマンドの-sync指定)するように設定した場合は, ホスト停止時またはホスト再起動時に運用管理エージェントがManagement Serverより後に停止します。