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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


3.3.8 リソースアダプタの設定の流れ(J2EEリソースアダプタとしてデプロイして使用する場合)

ここでは,リソースアダプタをJ2EEリソースアダプタとしてデプロイして使用する場合の,次の流れについて説明します。

リソースアダプタの設定には,サーバ管理コマンドを使用します。

〈この項の構成〉

(1) リソースアダプタの新規設定の流れ

データベースやほかのリソースに接続する場合のリソースアダプタの新規設定の流れを次の図に示します。

図3‒2 リソースアダプタの新規設定の流れ

[図データ]

図中の1.〜4.について説明します。

  1. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタをインポートします。

    cjimportresコマンドを使用して,リソースアダプタをインポートします。

    DB Connectorを使用してデータベースに接続する場合と,ほかのリソースアダプタを使用してOpenTP1などの各種リソースに接続する場合では,インポートするRARファイルが異なります。インポートするリソースアダプタについては,「3.3.2 リソースアダプタの種類」を参照してください。

  2. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタをデプロイします。

    cjdeployrarコマンドを使用して,リソースアダプタをデプロイします。

    リソースアダプタは,デプロイするとJ2EEリソースアダプタとして使用できます。J2EEリソースアダプタとは,J2EEサーバに共有スタンドアロンモジュールとして配備したリソースアダプタのことです。サーバ管理コマンドでインポートしたリソースアダプタをデプロイすると,そのJ2EEサーバ上で動作するすべてのJ2EEアプリケーションから使用できるようになります。

  3. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタのプロパティを定義します。

    cjgetrarpropコマンドでConnector属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetrarpropコマンドで編集内容を反映させます。

    使用する機能ごとに設定するリソースアダプタのプロパティについては,それぞれ次の個所を参照してください。

  4. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタの接続テストを実施します。

    cjtestresコマンドを使用して,リソースアダプタの接続テストを実施します。リソースごとの接続テストでの検証内容については,「3.17 リソースへの接続テスト」を参照してください。

    注意事項

    DB Connector for Reliable MessagingとReliable Messagingを使用してデータベースに接続する場合の接続テストには次のような順序があります。

    1. DB Connector for Reliable Messagingを開始します。

    2. Reliable Messagingの接続テストを実施します。

    3. Reliable Messagingを開始します。

    4. DB Connector for Reliable Messagingの接続テストを実施します。

    DB Connector for Reliable Messagingの場合の,J2EEリソースアダプタの接続テストについては,マニュアル「Reliable Messaging」の「2.7 DB Connector for Reliable Messagingの機能」を参照してください。

サーバ管理コマンドでの操作については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3. サーバ管理コマンドの基本操作」を参照してください。また,コマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。属性ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4. リソースの設定で使用する属性ファイル」を参照してください。

注意事項

リソースアダプタを使用する場合,J2EEアプリケーションからリソースアダプタへのリファレンスを解決しておく必要があります。リソースアダプタを使用しているJ2EEアプリケーションのプロパティを定義するときに,J2EEアプリケーションからリソースアダプタへのリファレンスを解決しておいてください。

参考

次のような場合,リソースアダプタをエクスポート・インポートすることで,効率良くリソースアダプタを設定できます。

  • 開発環境で設定したリソースアダプタをエクスポートして,運用環境にインポートして使用する場合

  • 運用環境ですでに動いているリソースアダプタをエクスポートして,増設したJ2EEサーバにインポートして使用する場合

エクスポートとインポートはcjexportrarとcjimportresで実行します。

なお,アプリケーションサーバのバージョンやプラットフォームが異なるホスト間では,リソースアダプタをエクスポート・インポートして使用することはできません。リソースアダプタをエクスポートするホストと,アプリケーションサーバのバージョンやプラットフォームが異なるホストでリソースアダプタを設定する場合は,リソースアダプタを新規に設定してください。

(2) リソースアダプタの設定変更の流れ

デプロイ済みのリソースアダプタの設定を変更する場合の流れについて説明します。設定変更の流れを次の図に示します。

図3‒3 リソースアダプタの設定変更の流れ

[図データ]

図中の1.〜2.について説明します。

  1. サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタを停止します。

    cjstoprarコマンドを使用してリソースアダプタを停止します。なお,リソースアダプタを停止する前に,そのリソースアダプタを使用しているJ2EEアプリケーションをすべて停止してください。

  2. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタのプロパティを定義します。

    リソースアダプタはデプロイ済みであるため,cjgetrarpropコマンドを使用して属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetrarpropコマンドで編集内容を反映させます。

(3) リソースアダプタの入れ替えの流れ

リソースアダプタを入れ替える場合の流れについて説明します。リソースアダプタの入れ替えの流れを次の図に示します。

図3‒4 リソースアダプタの入れ替えの流れ

[図データ]

図中の1.〜3.について説明します。

  1. J2EEサーバを停止します。

    cjstopsvコマンドを使用してJ2EEサーバを停止します。

  2. リソースアダプタを入れ替えます。

    cjrarupdateコマンドを使用して,リソースアダプタを入れ替えます。

  3. J2EEサーバを起動します。

    cjstartsvコマンドを使用してJ2EEサーバを起動します。

cjrarupdateコマンドを使用しないでリソースアダプタを入れ替えることもできます。cjrarupdateコマンドを使用しないでリソースアダプタを入れ替えるときの流れを次の図に示します。

図3‒5 リソースアダプタの入れ替えの流れ(cjrarupdateコマンドを使用しない場合)

[図データ]

図中の1.〜7.について説明します。

  1. サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタを停止します。

    cjstoprarコマンドを使用して入れ替えるリソースアダプタを停止します。なお,リソースアダプタを停止する前に,そのリソースアダプタを使用しているJ2EEアプリケーションをすべて停止してください。

  2. J2EEサーバを再起動します。

    cjstopsvコマンドを使用してJ2EEサーバを停止し,cjstartsvコマンドを使用してJ2EEサーバを起動します。

  3. サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタのプロパティ定義を退避します。

    リソースアダプタのプロパティ定義を引き継ぐ場合は,cjgetrarpropコマンド,またはcjgetrespropコマンドを使用して,リソースアダプタのConnector属性ファイルを取得します。

  4. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタをアンデプロイします。

    cjundeployrarコマンドを使用して,入れ替えるリソースアダプタをアンデプロイします。

  5. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタを削除します。

    cjdeleteresコマンドを使用して,入れ替えるリソースアダプタを削除します。

  6. サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタを設定します。

    「(1) リソースアダプタの新規設定の流れ」に従って,リソースアダプタを設定します。リソースアダプタのプロパティ定義を引き継ぐ場合は,3.で取得したConnector属性ファイルを使用します。

  7. サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタを開始します。

    cjstartrarコマンドを使用してリソースアダプタを開始します。なお,リソースアダプタを開始したあとに,リソースアダプタを使用するJ2EEアプリケーションを開始してください。