4.1.15 Management Serverを使用するために設定する情報
Management Serverを使用するために設定する情報について説明します。なお,Management Serverを使用する際には,管理ユーザアカウントを設定しない運用もできます。
(1) Management Serverのプロパティの設定
Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを指定できます。
mserver.propertiesに指定するキーを次に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.6 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。
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adminagent.connector.comm.state.cache_max_time
運用管理エージェントとの通信状態をキャッシュする最大時間を指定します。
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webserver.connector.ajp13.port
Management Server内部通信用ポート番号を指定します。
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webserver.connector.http.port
Management Server接続HTTPポート番号を指定します。
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webserver.shutdown.port
Management Server終了要求受信ポート番号を指定します。
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webserver.connector.http.permitted.hosts
Management Serverへのアクセスを許可するホストおよび運用管理エージェント稼働ホストの,IPアドレスまたはホスト名を指定します。
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mngsvr.myhost.name
運用管理機能(Management Server)を配置するホストに,論理サーバを配置するホスト(アプリケーションサーバ)からアクセス可能なIPアドレス,またはそのIPアドレスを示すホスト名を指定します。運用管理機能(Management Server)を配置するホストが複数個のIPアドレスを持っていて,ホスト名が意図するIPアドレスに変換されないおそれがある場合に,このキーを指定します。
これらのキーのほかに,mserver.propertiesでは次の設定ができます。
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snapshotログ収集や障害検知時コマンドによる資料取得のためのキーを設定できます。snapshotログ収集の設定,および障害検知時コマンドによる資料取得のための設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の次の個所を参照してください。
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管理ユーザアカウントを設定しないでManagement Serverにログインすることもできます。この場合,管理ユーザアカウントの省略機能を有効にします。機能の設定については,「(3) 管理ユーザアカウントを設定しない場合の設定」を参照してください。
また,必要に応じて,cmxserver.properties(サーバ設定プロパティファイル)で,Smart Composer機能で使用するコマンドの実行環境を設定します。
cmxserver.propertiesに指定するキーを次に示します。
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cmx.max_wait_time
共通オプション-waitを指定して実行したコマンドに有効で,すでに実行しているコマンドの完了を待つときの最大待ち時間を指定します。デフォルトで,180秒が設定されています。
(2) Management Serverの動作環境の設定
mngsvrctlコマンドやManagement Serverのプロパティで,Management Serverを利用するユーザのアカウント情報,Management Serverが出力するログ情報など,Management Serverの動作環境を設定してください。
Management Serverの動作環境の設定内容を次の表に示します。
設定項目 |
設定内容 |
設定の要否 |
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管理ユーザアカウントの設定 |
Management Serverのセットアップ時に管理ユーザアカウントを設定していない場合は,mngsvrctlコマンドに引数「setup」を指定して実行するか,または運用管理ポータルの[管理ユーザアカウントの設定]画面で設定します。 |
○※ |
ログの設定 |
mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[ログの設定]画面で,Management Serverが出力するログのログレベル,ファイル数,サイズなどを設定します。 次のキーを指定します。
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△ |
開始時の設定 |
mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[開始時の設定]画面で,Management Serverを起動するときに,論理サーバを一括起動するかどうかを設定します。一括起動する場合には,この設定が必要です。 |
△ |
性能解析トレース収集の設定 |
mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[性能解析トレース収集の設定]画面で,com.cosminexus.mngsvr.traceキーに,Management Serverで保持する性能解析トレースファイルの面数を設定します。 |
△ |
JP1連携の設定 |
mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[JP1連携の設定]画面で,com.cosminexus.mngsvr.jp1event.enabledキーに,Management Serverの障害情報(検知した障害や論理サーバの起動の通知など)をJP1イベントとして発行するかどうかを指定します。このほかに,com.cosminexus.mngsvr.jp1eventから始まるキーで,Management Serverの障害情報をJP1へ通知するための設定をします。JP1と連携する機能を利用する場合には,この設定が必要です。JP1との連携については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「12. JP1と連携したシステムの運用」を参照してください。 |
△ |
(3) 管理ユーザアカウントを設定しない場合の設定
管理ユーザアカウントとは,運用管理ポータルにログインしたり,Management Serverに対してコマンド(例:mngsvrutilコマンド)を実行したりするときに使用するユーザ権限です。管理ユーザアカウントの設定はManagement Serverのセットアップ時などに実施しますが,管理ユーザアカウントを設定しないでManagement Serverを使用することもできます。管理ユーザアカウントを設定しない場合,運用管理ポータルの操作およびManagement Serverに対してコマンドを実行するときには次のようになります。
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運用管理ポータルの[ログイン]画面が表示されません。URLを指定するとログインなしで運用管理ポータルを使用できます。
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Management Serverに対するコマンドの実行時に,-u(管理ユーザID)および-p(管理ユーザパスワード)の指定が不要になります。これらのオプションを指定しなくても,コマンドを実行できます。
管理ユーザアカウントを設定しない場合は,mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management_user_account.enabledキーにfalseを設定します。ただし,管理ユーザアカウントを設定していないと,だれでも運用管理ポータルやコマンドの実行を通してManagement Serverを操作できます。複数人でManagement Serverを操作するような運用環境の場合は,管理ユーザアカウントを設定することをお勧めします。