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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド


4.1.15 Management Serverを使用するために設定する情報

Management Serverを使用するために設定する情報について説明します。なお,Management Serverを使用する際には,管理ユーザアカウントを設定しない運用もできます。

〈この項の構成〉

(1) Management Serverのプロパティの設定

Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを指定できます。

mserver.propertiesに指定するキーを次に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.6 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。

これらのキーのほかに,mserver.propertiesでは次の設定ができます。

また,必要に応じて,cmxserver.properties(サーバ設定プロパティファイル)で,Smart Composer機能で使用するコマンドの実行環境を設定します。

cmxserver.propertiesに指定するキーを次に示します。

(2) Management Serverの動作環境の設定

mngsvrctlコマンドやManagement Serverのプロパティで,Management Serverを利用するユーザのアカウント情報,Management Serverが出力するログ情報など,Management Serverの動作環境を設定してください。

Management Serverの動作環境の設定内容を次の表に示します。

表4‒8 Management Serverの動作環境の設定内容

設定項目

設定内容

設定の要否

管理ユーザアカウントの設定

Management Serverのセットアップ時に管理ユーザアカウントを設定していない場合は,mngsvrctlコマンドに引数「setup」を指定して実行するか,または運用管理ポータルの[管理ユーザアカウントの設定]画面で設定します。

ログの設定

mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[ログの設定]画面で,Management Serverが出力するログのログレベル,ファイル数,サイズなどを設定します。

次のキーを指定します。

  • com.cosminexus.mngsvr.log.levelキーに,Management Serverのログの出力レベルを指定します。

  • com.cosminexus.mngsvr.log.rotateキーに,Management Serverのログのファイル面数を指定します。

  • com.cosminexus.mngsvr.log.sizeキーに,Management Serverのログのファイルサイズを指定します。

開始時の設定

mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[開始時の設定]画面で,Management Serverを起動するときに,論理サーバを一括起動するかどうかを設定します。一括起動する場合には,この設定が必要です。

性能解析トレース収集の設定

mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[性能解析トレース収集の設定]画面で,com.cosminexus.mngsvr.traceキーに,Management Serverで保持する性能解析トレースファイルの面数を設定します。

JP1連携の設定

mserver.propertiesまたは運用管理ポータルの[JP1連携の設定]画面で,com.cosminexus.mngsvr.jp1event.enabledキーに,Management Serverの障害情報(検知した障害や論理サーバの起動の通知など)をJP1イベントとして発行するかどうかを指定します。このほかに,com.cosminexus.mngsvr.jp1eventから始まるキーで,Management Serverの障害情報をJP1へ通知するための設定をします。JP1と連携する機能を利用する場合には,この設定が必要です。JP1との連携については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「12. JP1と連携したシステムの運用」を参照してください。

(凡例)

○:設定します。

△:デフォルトの設定を変更する場合,特定の機能を使用する場合に設定します。

注※

Management Serverのセットアップ時に,管理ユーザアカウントを設定している場合は,設定不要です。ただし,セットアップ時に設定した管理ユーザアカウントを変更したい場合は,mngsvrctlコマンドを使用して再設定してください。

(3) 管理ユーザアカウントを設定しない場合の設定

管理ユーザアカウントとは,運用管理ポータルにログインしたり,Management Serverに対してコマンド(例:mngsvrutilコマンド)を実行したりするときに使用するユーザ権限です。管理ユーザアカウントの設定はManagement Serverのセットアップ時などに実施しますが,管理ユーザアカウントを設定しないでManagement Serverを使用することもできます。管理ユーザアカウントを設定しない場合,運用管理ポータルの操作およびManagement Serverに対してコマンドを実行するときには次のようになります。

管理ユーザアカウントを設定しない場合は,mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management_user_account.enabledキーにfalseを設定します。ただし,管理ユーザアカウントを設定していないと,だれでも運用管理ポータルやコマンドの実行を通してManagement Serverを操作できます。複数人でManagement Serverを操作するような運用環境の場合は,管理ユーザアカウントを設定することをお勧めします。