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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


7.7.11 FTP連携システムでの障害対策

この項では,FTP連携の運用時に発生する障害に対して取得できる情報の種類について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 障害情報の取得(FTPインバウンドアダプタ)

FTPインバウンドアダプタに関する障害情報には次の種類があります。

ここでは,これらの障害情報について説明します。

注※

これらのログについて,ファイル転送,またはFTPインバウンドアダプタの起動・停止を1回実行するときに必要なログファイルのサイズを次の表に示します。この表の値を参考にして,環境に応じて必要なログファイルサイズを算出してください。

表7‒129 必要なログファイルサイズ

ログの種類

1回のファイル転送に必要なログファイルサイズ

1回の起動・停止に必要なログファイルサイズ

メッセージログ

1.0KB

1.5KB

保守用ログ

0.5KB

0.5KB

プロトコルトレース

2.0KB

0.0KB

転送履歴ログ

0.5KB

0.0KB

リソースアダプタ間共通ログ

0.5KB

1.5KB

なお,FTPインバウンドアダプタでは,このマニュアルで説明する障害情報のほかに,FTPインバウンドアダプタが動作するJ2EEサーバおよびJavaVMが出力する資料があります。J2EEサーバおよびJavaVMが出力する資料については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「4. トラブルシューティングで必要な資料の出力先と出力方法」を参照してください。

(a) メッセージログ(FTPインバウンドアダプタ)

メッセージログには,FTPインバウンドアダプタのエラー情報,および稼働情報を示すメッセージが出力されます。ここでは,FTPインバウンドアダプタでのメッセージログについて説明します。

●メッセージログの出力形式

メッセージログの出力形式を次に示します。

<日付> <時刻> <pid> <tid> <転送ID> <メッセージID> <メッセージテキスト>
●出力される内容

メッセージログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒130 メッセージログに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)

項目

内容

日付

メッセージログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

メッセージログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

転送ID

転送IDが出力されます。

メッセージID

メッセージIDが出力されます。

メッセージテキスト

メッセージの内容が出力されます。

●メッセージログの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc\inbound-adapter\ftp\FTP_Inbound_Resource_Adapter

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

メッセージログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒131 メッセージログのログファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

ログファイル名

現用ファイル

message.log

バックアップファイル

message<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

メッセージログの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数は,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルで変更できます。プロパティを次に示します。

  • server_message_logLevel=メッセージログの出力レベル

  • server_message_maxFileSize=メッセージログのファイルサイズ

  • server_message_maxBackupIndex=バックアップファイルの面数

設定手順については,「3.2.3(3) FTPインバウンドアダプタの設定」を参照してください。

(b) 保守用ログ(FTPインバウンドアダプタ)

保守用ログには,FTPインバウンドアダプタでのエラー発生時のログが出力されます。このログは,保守員に連絡するときに必要です。ここでは,FTPインバウンドアダプタでの保守用ログについて説明します。

●保守用ログの出力形式

保守用ログの出力形式を次に示します。

<日付> <時刻> <pid> <tid> <保守情報>
●出力される内容

保守用ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒132 保守用ログに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)

項目

内容

日付

保守用ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

保守用ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。OSが管理するプロセスIDとは異なります。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。OSが管理するスレッドIDとは異なります。

保守情報

システム管理者または保守員に連絡するときに必要な保守情報が出力されます。

●保守用ログの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc\inbound-adapter\ftp\FTP_Inbound_Resource_Adapter

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

保守用ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒133 保守用ログのログファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

ログファイル名

現用ファイル

maintenance.log

バックアップファイル

maintenance<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

保守用ログの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数は,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルで変更できます。プロパティを次に示します。

  • server_maintenance_logLevel=保守用ログの出力レベル

  • server_maintenance_maxFileSize=保守用ログのファイルサイズ

  • server_maintenance_maxBackupIndex=バックアップファイルの面数

設定手順については,「3.2.3(3) FTPインバウンドアダプタの設定」を参照してください。

(c) FTPプロトコルトレース(FTPインバウンドアダプタ)

FTPプロトコルトレースでは,FTPクライアントと送受信を行ったFTPプロトコルメッセージのトレースが出力されます。ここでは,FTPインバウンドアダプタでのFTPプロトコルトレースについて説明します。

●FTPプロトコルトレースの出力形式

FTPプロトコルトレースの出力形式を次に示します。

<日付> <時刻> <pid> <tid> <転送ID> <送受信方向> <プロトコルメッセージ>
●出力される内容

FTPプロトコルトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7‒134 FTPプロトコルトレースに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)

項目

内容

日付

プロトコルメッセージの送受信日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

プロトコルメッセージの送受信時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

転送ID

転送IDが出力されます。ただし,最初のコネクション接続時のトレースには出力されません。

送受信方向

プロトコルメッセージの送受信方向が出力されます。

--->:FTPクライアントから受信した場合

<---:FTPクライアントへ送信した場合

プロトコルメッセージ

プロトコルメッセージの内容が出力されます。

PASSコマンドの引数であるパスワードの文字列がFTPプロトコルトレースに出力される場合,パスワードの文字列の代わりに「*****」が表示されます。

注※

転送IDが出力されているレコードから,該当する処理スレッド(tid)がわかります。tidを検索することで,転送処理に対する一連のFTPプロトコルトレースを参照できます。

●FTPプロトコルトレースの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc\inbound-adapter\ftp\FTP_Inbound_Resource_Adapter

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

FTPプロトコルトレースのトレースファイル名を次の表に示します。

表7‒135 FTPプロトコルトレースのファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

トレースファイル名

現用ファイル

protocol.log

バックアップファイル

protocol<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

FTPプロトコルトレースの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数は,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルで変更できます。プロパティを次に示します。

  • server_protocol_logLevel=FTPプロトコルトレースの出力レベル

  • server_protocol_maxFileSize=FTPプロトコルトレースのファイルサイズ

  • server_protocol_maxBackupIndex=バックアップファイルの面数

設定手順については,「3.2.3(3) FTPインバウンドアダプタの設定」を参照してください。

●FTPプロトコルトレースの出力例

RETRコマンドを実行して,サーバからファイルを取得する場合のFTPプロトコルトレースの出力例を次に示します。

2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid>                     ---> connection from 10.209.12.244
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> OPENED
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 220 Service ready for new user.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> USER admin
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 331 User name okay, need password for admin.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> PASS *****
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 230 User logged in, proceed.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> TYPE A
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 200 Command TYPE okay.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> PORT 10,209,12,244,17,28
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 200 Command PORT okay.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> RETR /sample1/hoge.txt
2010/10/29 21:50:15.361    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 150 Opening ASCII mode data connection for /sample1/hoge.txt.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 226 Transfer Complete.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> QUIT
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 221 Goodbye.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> CLOSED

(d) 転送履歴ログ(FTPインバウンドアダプタ)

転送履歴ログには,FTP連携システムでの転送履歴が次の個所に出力されます。

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc\inbound-adapter\ftp\FTP_Inbound_Resource_Adapter

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

転送履歴ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒136 転送履歴ログのファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

ログファイル名

現用ファイル

history.log

バックアップファイル

history<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

転送履歴ログの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数は,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルで変更できます。プロパティを次に示します。

  • server_history_logLevel=転送履歴ログの出力レベル

  • server_history_maxFileSize=転送履歴ログのファイルサイズ

  • server_history_maxBackupIndex=バックアップファイルの面数

設定手順については,「3.2.3(3) FTPインバウンドアダプタの設定」を参照してください。

(e) リソースアダプタ間共通ログ(FTPインバウンドアダプタ)

リソースアダプタ間共通ログには,FTPインバウンドアダプタの起動を開始してからリソースアダプタ名称が決まるまでの処理,ネットワーク制御やログ出力などの処理に関する情報が出力されます。ここでは,FTPインバウンドアダプタでのリソースアダプタ間共通ログについて説明します。

●リソースアダプタ間共通ログの出力形式と出力される内容

リソースアダプタ間共通ログは,メッセージと保守情報として出力されます。

出力形式

リソースアダプタ間共通ログの出力形式を次に示します。

  • メッセージの場合

    <日付> <時刻> <pid> <tid> <転送ID> <メッセージID> <メッセージテキスト>
  • 保守情報の場合

    <日付> <時刻> <pid> <tid> <保守情報>
出力される内容

リソースアダプタ間共通ログに出力される内容を次の表に示します。

  • メッセージの場合

    表7‒137 リソースアダプタ間共通ログに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)(メッセージの場合)

    項目

    内容

    日付

    リソースアダプタ間共通ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

    • yyyy:西暦年

    • mm:月

    • dd:日

    時刻

    リソースアダプタ間共通ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

    • hh:時

    • mm:分

    • ss:秒

    • SSS:ミリ秒

    pid

    プロセスを識別するためのIDが出力されます。

    tid

    スレッドを識別するためのIDが出力されます。

    転送ID

    転送IDが出力されます。

    メッセージID

    メッセージIDが出力されます。

    メッセージテキスト

    メッセージの内容が出力されます。

  • 保守情報の場合

    表7‒138 リソースアダプタ間共通ログに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)(保守情報の場合)

    項目

    内容

    日付

    リソースアダプタ間共通ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

    • yyyy:西暦年

    • mm:月

    • dd:日

    時刻

    リソースアダプタ間共通ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

    • hh:時

    • mm:分

    • ss:秒

    • SSS:ミリ秒

    pid

    プロセスを識別するためのIDが出力されます。

    tid

    スレッドを識別するためのIDが出力されます。

    保守情報

    システム管理者または保守員に連絡するときに必要な保守情報が出力されます。

●リソースアダプタ間共通ログの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc\inbound-adapter\ftp\common

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

リソースアダプタ間共通ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒139 リソースアダプタ間共通ログのファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

ログファイル名

現用ファイル

ftpd.log

バックアップファイル

ftpd<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

リソースアダプタ間共通ログの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数は,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルで変更できます。プロパティを次に示します。

  • server_common_logLevel=リソースアダプタ間共通ログの出力レベル

  • server_common_maxFileSize=リソースアダプタ間共通ログのファイルサイズ

  • server_common_maxBackupIndex=バックアップファイルの面数

設定手順については,「3.2.3(3) FTPインバウンドアダプタの設定」を参照してください。

(f) 運用コマンド実行時の保守用ログ(FTPインバウンドアダプタ)

運用コマンド実行時の保守用ログには,運用コマンドでのエラー発生時のログが出力されます。このログは,保守員に連絡するときに必要です。

●運用コマンド実行時の保守用ログの出力先
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\inbound-adapter\ftp\logs\FTP_Inbound_Resource_Adapter

運用コマンド実行時のログの出力先を変更する場合は,環境変数(CSCFTP_CMD_LOG)に,変更後の出力先ディレクトリをフルパスで指定します。指定したパスが存在しない場合は,運用コマンド実行時にディレクトリが作成されます。環境変数が設定されていない場合,または環境変数の値として空文字を指定した場合,デフォルトの出力先に出力されます。

環境変数CSCFTP_CMD_LOGを指定した場合のログの出力先

<環境変数CSCFTP_CMD_LOGの指定値>\logs\FTP_Inbound_Resource_Adapter

環境変数(CSCFTP_CMD_LOG)に指定できるパスは,次の条件を満たしている必要があります。

  • 「//」,「/./」,または「/../」を含まないこと

  • 半角英数字,半角スペース,ファイルセパレータ(「\」または「/」),および「:」を使用していること

  • パスの長さが128バイト(半角文字で128文字)以内であること

なお,Linuxの場合,ディレクトリのパスにスペースを含むときは,パスをダブルクォーテーション(")で囲む必要があります。

●運用コマンド実行時の保守用ログのログファイル名

運用コマンド実行時の保守用ログのログファイル名を次の表に示します。なお,これらの保守用ログの最大ファイルサイズと最大ファイル面数は次の値に固定されていて,変更はできません。

表7‒140 運用コマンド実行時の保守用ログのファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

ファイルの種類

ログファイル名

最大ファイルサイズ

最大ファイル面数

メッセージログ

  • 現用ファイル

    message.log

  • バックアップファイル

    message<面数>.log

5MB

7

メンテナンスログ

  • 現用ファイル

    maintenance.log

  • バックアップファイル

    maintenance<面数>.log

共通ログ

  • 現用ファイル

    ftpd.log

  • バックアップファイル

    ftpd<面数>.log

注※

現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。

バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が大きい番号となります。一度作成されたログファイルは削除されません。なお,ファイルの改行コードは「LF」です。

(g) 性能解析トレース(FTPインバウンドアダプタ)

FTPインバウンドアダプタでの性能解析トレースについて説明します。

●性能解析トレースの出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

●出力される内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表7‒141 性能解析トレースファイルに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

取得ポイントの詳細は,項目「性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

オプション情報

保守情報が出力されます。取得ポイントによっては出力されないこともあります。

●性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図7‒122 性能解析トレースの取得ポイント(FTPインバウンドアダプタ)

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は上の図の番号と対応しています。

表7‒142 性能解析トレースの取得ポイント(FTPインバウンドアダプタ)

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0x9950

1

FTPクライアントから新規にリクエストを受信した個所

A

0x9951

2

FTPクライアントからの一連のリクエストが完了し,セッションを完了する個所

A

0x9952

3

転送リクエストを受信し,FTP受付への振り分けを依頼する個所の前

A

0x9953

4

転送リクエストを受信し,FTP受付への振り分けを依頼する個所のあと

A

0x9954

5

FTP受付で実行される転送処理の個所の前

A

0x9956

FTP受付で実行されるリストデータ転送処理の個所の前

A

0x9955

6

FTP受付で実行される転送処理の個所のあと

A

0x9957

FTP受付で実行されるリストデータ転送処理の個所のあと

A

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

●性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースを取得するには設定が必要です。設定の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(2) 障害情報の取得(FTPアダプタ)

FTPアダプタに関する障害情報には次の種類があります。

ここでは,これらの障害情報について説明します。

(a) メッセージログ(FTPアダプタ)

メッセージログについては,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。

(b) 保守用ログ(FTPアダプタ)

FTPアダプタでの保守用ログについて説明します。

●保守用ログの出力形式

保守用ログの出力形式を次の図に示します。

図7‒123 保守用ログの出力形式(FTPアダプタ)

[図データ]

●出力される内容

保守用ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒143 保守用ログに出力される内容(FTPアダプタ)

項目

内容

番号

保守用ログの出力通番が表示されます。

日付

保守用ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

保守用ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,FTPアダプタを示す「FTPADP」が出力されます。また,バージョン情報が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID,種別

表示されません。

出力種別

保守用ログの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • BGN:メソッドの開始

  • END:メソッドの終了

  • CAL:メソッドの呼び出し

  • RET:メソッドの戻り

  • THR:例外のスロー

  • CTH:例外のキャッチ

クラス名

保守用ログを取得するクラス名が出力されます。

メソッド名

保守用ログを取得するメソッド名が出力されます。

入出力情報

保守用ログを取得するメソッドの入出力情報(引数の値,戻り値,例外名など)が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●保守用ログの出力先
<FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.methodtrace.filepathプロパティで指定したパス>\<サービスID>

保守用ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒144 保守用ログのファイル名(FTPアダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscftpadpmtd_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscftpadpmtd_<HCSCサーバ名>_.log

なお,ログファイルの面数は,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.methodtrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.methodtrace.filesizeプロパティで指定します。

FTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.3 FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(c) 性能解析トレース(FTPアダプタ)

FTPアダプタでの性能解析トレースについて説明します。

●性能解析トレースの出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

●出力される内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表7‒145 性能解析トレースファイルに出力される内容(FTPアダプタ)

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

取得ポイントの詳細は,項目「性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

オプション情報

サービスID

HCSCコンポーネントのサービスIDが出力されます。

オペレーション

次のどれかが出力されます。

  • PUT

  • GET

  • GETINFO

FTPコマンド名

STOR,APPE,RETR,LIST,NLST,TYPEなどが出力されます。

転送ファイル名またはパス

FTPコマンド名がSTORまたはAPPEの場合は,ローカルファイル名が出力されます。

FTPコマンド名がRETRの場合は,リモートファイル名が出力されます。

FTPコマンド名がLISTまたはNLSTの場合は,リモートパスが出力されます。

転送サイズ

転送ファイルのサイズまたはリストデータのサイズがバイト単位で出力されます。

任意時刻からのナノ秒

java.lang.SystemクラスのnanoTimeメソッドの戻り値が出力されます。

例外クラス名

例外が発生したクラス名が出力されます。

●性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図7‒124 性能解析トレースの取得ポイント(FTPアダプタ)

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は上の図の番号と対応しています。

表7‒146 性能解析トレースの取得ポイント(FTPアダプタ)

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0xAB00

1

リクエスト受付時

B

0xAB02

2

転送またはリスト以外のFTPコマンド実行時

A

0xAB03

3

転送またはリスト以外のFTPコマンドリプライ時

A

0xAB04

4

転送コマンドまたはリストコマンド(STOR,APPE,RETR,LIST,またはNLST)実行時

A

0xAB05

5

転送コマンドまたはリストコマンド(STOR,APPE,RETR,LIST,またはNLST)リプライ時

A

0xAB01

6

レスポンス送信時

B

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

B:「詳細」であることを示します。

●性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースを取得するには設定が必要です。設定の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(d) FTPプロトコルトレース(FTPアダプタ)

FTPアダプタでのFTPプロトコルトレースについて説明します。

●FTPプロトコルトレースの出力形式

FTPプロトコルトレースの出力形式を次の図に示します。

図7‒125 FTPプロトコルトレースの出力形式(FTPアダプタ)

[図データ]

●出力される内容

FTPプロトコルトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7‒147 FTPプロトコルトレースに出力される内容(FTPアダプタ)

項目

内容

番号

FTPプロトコルトレースの出力通番が出力されます。

日付

FTPプロトコルトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

FTPプロトコルトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,FTPアダプタを示す「FTPADP」が出力されます。また,バージョン情報が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

出力されません。

種別

FTPプロトコルトレースの種別が出力されます。

  • CMD:コマンド実行

  • REP:応答行

リクエストID

受付で作成されたリクエストIDが出力されます。共通フォルダを使用している場合は,リクエストIDが存在しないため「****」が出力されます。IPv4でリクエストIDが作成された場合は最大49桁で出力され,リクエストIDの右側に足りない分の半角スペースが設定されます。

トレース情報

種別がCMDの場合,FTPコマンド名が出力されます。

種別がREPの場合,コマンドメッセージが出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●FTPプロトコルトレースの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\FTPADP\<サービスID>

FTPプロトコルトレースのトレースファイル名を次の表に示します。

表7‒148 FTPプロトコルトレースのトレースファイル名(FTPアダプタ)

トレースファイルの出力モード

トレースファイル名

ラップアラウンドモードの場合

ftpprotocoltrace_<面数>.log

シフトモードの場合

ftpprotocoltrace_.log

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

なお,ログファイルの面数は,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.ftpprotocoltrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.ftpprotocoltrace.filesizeプロパティで指定します。

詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.3 FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

●FTPプロトコルトレースの出力例

FTPアダプタでのFTPプロトコルトレースの出力例を次に示します。

CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC Connected to 10.208.180.254.
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 220 (vsFTPd 2.0.1)
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC USER user1
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 331 Please specify the password.
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC PASS ********
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 230 Login successful.
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC TYPE I
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 200 Switching to Binary mode.
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC PORT 10,210,182,27,8,173
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 200 PORT command successful. Consider using PASV.
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC STOR test.txt
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 150 Ok to send data.
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 226 File receive OK.
CMD RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC QUIT
REP RCP01---0102000300000420100602144121012000/HCSC 221 Goodbye.

(e) 例外ログ(FTPアダプタ)

トレースの開始以降に発生した例外情報(スタックトレース)を例外ログとして別のファイルに出力します。例外ログでは,出力ファイルのパスと出力レベルは設定しないで,出力ファイルのサイズと面数を設定します。また,例外ログファイルは保守用ログと同じディレクトリに出力されます。

FTPアダプタの例外ログについて説明します。

●例外ログの出力形式

例外ログの出力形式を次の図に示します。

図7‒126 例外ログの出力形式(FTPアダプタ)

[図データ]

●出力される内容

例外ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒149 例外ログに出力される内容(FTPアダプタ)

項目

内容

番号

例外ログの出力通番が表示されます。

日付

例外ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

例外ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,FTPアダプタを示す「FTPADP」が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

空白

スタックトレース情報

スタックトレース情報が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●例外ログの出力先

例外ログの出力先を次に示します。保守用ログと同じパスです。

<FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.methodtrace.filepathプロパティで指定したパス>\<サービスID>

例外ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒150 例外ログのログファイル名(FTPアダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscftpadpexp_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscftpadpexp_<HCSCサーバ名>_.log

なお,ログファイルの面数は,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.exptrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.exptrace.filesizeプロパティで指定します。

FTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.3 FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(f) FTPコマンドメッセージログ(FTPアダプタ)

FTPアダプタでのFTPコマンドメッセージログについて説明します。

FTPアダプタでのcscpasswdコマンドの開始時,停止時のインフォメーション情報や,コマンド実行中に障害などが発生した場合のエラーメッセージは,ログファイルとしてFTPコマンドメッセージログに出力されます。FTPコマンドメッセージログを参照することで,過去に実行したコマンドの障害情報や稼働情報を確認できます。

●FTPコマンドメッセージログの出力形式

FTPコマンドメッセージログの出力形式を次の図に示します。

図7‒127 FTPコマンドメッセージログの出力形式(FTPアダプタ)

[図データ]

●出力される内容

FTPコマンドメッセージログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒151 FTPコマンドメッセージログに出力される内容(FTPアダプタ)

項目

内容

番号

コマンドメッセージログの出力通番が表示されます。

日付

コマンドメッセージログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

コマンドメッセージログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,FTPアダプタを示す「FTPADP」の後ろに,実行したコマンドの名前を示す「add」,「del」または「ls」が出力されます。

  • FTPADP:add

  • FTPADP:del

  • FTPADP:ls

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

メッセージID

メッセージIDが「KDEKnnnnn-X」の形式で出力されます。

メッセージテキスト

メッセージの内容が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●FTPコマンドメッセージログの出力先

FTPコマンドメッセージログの出力先およびログファイル名を次に示します。

<FTPアダプタコマンド定義ファイルのftpadp.command.messagelog.filepathキーに指定されたパス>\message<面数>.log

なお,ログファイルの面数は,FTPアダプタコマンド定義ファイルのftpadp.command.messagelog.filenumキーで指定します。ログファイルのサイズは,FTPアダプタコマンド定義ファイルのftpadp.command.messagelog.filesizeキーで指定します。

(3) 障害情報の取得(ファイル操作アダプタ)

ファイル操作アダプタに関する障害情報には次の種類があります。

ここでは,これらの障害情報について説明します。

(a) メッセージログ(ファイル操作アダプタ)

ファイル操作アダプタでのメッセージログについて説明します。

●メッセージログの出力形式

メッセージログの出力形式を次の図に示します。

図7‒128 メッセージログの出力形式(ファイル操作アダプタ)

[図データ]

●出力される内容

メッセージログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒152 メッセージログに出力される内容(ファイル操作アダプタ)

項目

内容

番号

メッセージログの出力通番が表示されます。

日付

メッセージログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

メッセージログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,Component Containerを示す「HEJB」が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

メッセージID

メッセージIDが「KDECnnnnn-X」の形式で出力されます。

メッセージテキスト

メッセージの内容が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●メッセージログの出力先

J2EEサーバの稼働ログの出力先に指定されたパスに出力されます。

J2EEサーバの稼働ログの出力先は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで指定します。デフォルトの出力先は,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<J2EEサーバ名>\logsです。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

メッセージログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒153 メッセージログのログファイル名(ファイル操作アダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cjmessage<面数>.log

シフトモードの場合

cjmessage.log

なお,ログファイルの面数は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)のejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>.filenumキーで指定します。ログファイルのサイズは,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)のejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>.filesizeキーで指定します。

(b) 保守用ログ(ファイル操作アダプタ)

ファイル操作アダプタでの保守用ログについて説明します。

●保守用ログの出力形式

保守用ログの出力形式を次の図に示します。

図7‒129 保守用ログの出力形式(ファイル操作アダプタ)

[図データ]

●出力される内容

保守用ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒154 保守用ログに出力される内容(ファイル操作アダプタ)

項目

内容

番号

保守用ログの出力通番が表示されます。

日付

保守用ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

保守用ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

製品ID

製品を特定するための識別子として,ファイル操作アダプタを示す「FOPADP」が出力されます。また,バージョン情報が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID,種別

表示されません。

出力種別

保守用ログの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • BGN:メソッドの開始

  • END:メソッドの終了

  • CAL:メソッドの呼び出し

  • RET:メソッドの戻り

  • THR:例外のスロー

  • CTH:例外のキャッチ

クラス名

保守用ログを取得するクラス名が出力されます。

メソッド名

保守用ログを取得するメソッド名が出力されます。

入出力情報

保守用ログを取得するメソッドの入出力情報(引数の値,戻り値,例外名など)が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

注※
  • ファイル変換オペレーションの開始時

    次のフォーマットで出力します。

    <入力ファイルのパス> , file type = <入力ファイル形式> , file size = <入力ファイルサイズ>

    各項目の意味を次に示します。

    追加する情報

    説明

    <入力ファイルのパス>

    入力ファイルの絶対パス

    <入力ファイル形式>

    バイナリ形式の場合:non-xml

    XML形式の場合:xml

    <入力ファイルサイズ>

    バイト単位で出力

  • ファイル変換オペレーションの出力完了時

    次のフォーマットで出力します。

    <出力ファイルのパス> , file type = <出力ファイル形式> , file size = <出力ファイルサイズ> , record count = <入力レコード数>

    各項目の意味を次に示します。

    追加する情報

    説明

    <出力ファイルのパス>

    出力ファイルの絶対パス

    <出力ファイル形式>

    バイナリ形式の場合:non-xml

    XML形式の場合:xml

    <出力ファイルサイズ>

    バイト単位で出力

    <入力レコード数>

    分割処理方式の場合:入力したレコード数を出力

    一括処理方式の場合:常に「-1」を出力

●保守用ログの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\ADPFOP\maintenance\<ファイル操作アダプタのサービスID>

保守用ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒155 保守用ログのログファイル名(ファイル操作アダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscadpfopmnt_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscadpfopmnt_<HCSCサーバ名>_.log

なお,ログファイルの面数は,HCSCサーバランタイム定義ファイルのmethodtrace-filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,HCSCサーバランタイム定義ファイルのmethodtrace-filesizeプロパティで指定します。

HCSCサーバランタイム定義ファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

(c) 性能解析トレース(ファイル操作アダプタ)

ファイル操作アダプタでの性能解析トレースについて説明します。

●性能解析トレースの出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

●出力される内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表7‒156 性能解析トレースファイルに出力される内容(ファイル操作アダプタ)

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

取得ポイントの詳細は,項目「性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

付加情報

データ(16進数形式)

取得ポイントごとに異なる情報(16進数形式)が出力されます。512文字を超えた場合は超えた分が切り捨てられます。

データ(ASCII形式)

データ(16進数形式)の内容がASCII形式で出力されます。512文字を超えた場合は超えた分が切り捨てられます。

注※

データ(ASCII形式)の出力形式例を次に示します。

Service ID=<サービスID>, Operation Name=<サービスオペレーション名>, Time=<任意時刻からのナノ秒>, Exception=<例外クラス名>
●性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図7‒130 性能解析トレースの取得ポイント(ファイル操作アダプタ)

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は上の図の番号と対応しています。

表7‒157 性能解析トレースの取得ポイント(ファイル操作アダプタ)

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0x9B80

1

ファイル操作アダプタの入口

A

0x9B81

2

ファイル操作アダプタの出口

A

0x9B82

3

ファイル操作アダプタのオペレーションの呼び出し口

A

0x9B83

4

ファイル操作アダプタのオペレーション結果の受け取り口

A

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

●性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースを取得するには設定が必要です。設定の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(d) 例外ログ(ファイル操作アダプタ)

例外ログには例外情報が出力されます。例外ログの概要については,「7.4.7(1) 例外ログ」を参照してください。なお,例外ログの出力内容は保守用ログと同じです。

●出力先

例外ログの出力先を次に示します。

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\ADPFOP\maintenance\<ファイル操作アダプタのサービスID>

例外ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒158 例外ログのログファイル名(ファイル操作アダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscadpfopexp_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscadpfopexp_<HCSCサーバ名>_.log

●ファイル面数

出力ファイルの面数のデフォルトは8面です。面数はファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイルのexptrace-filenumキーで変更できます。ログファイルのサイズは,ファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイルのexptrace-filesizeプロパティで指定します。

ファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.8 ファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(4) 障害情報の取得(FTP受付)

FTP受付では,障害情報として性能解析トレースを出力します。

ここでは,FTP受付実行時に発生したエラーの伝わり方と,性能解析トレースについて説明します。

(a) FTP受付実行時に発生したエラーの伝わり方

FTPクライアントからFTP受付を使用してビジネスプロセスを呼び出す場合のエラーの伝わり方を説明します。エラーの伝わり方は,エラーの種類によって異なります。

エラーを示す応答電文がFTP受付に返された場合

エラーを示す応答電文がFTP受付に返された場合のエラーの伝わり方を次の図に示します。

図7‒131 エラーを示す応答電文がFTP受付に返された場合のエラーの伝わり方

[図データ]

サービスアダプタから返されたフォルト電文は,ビジネスプロセスのフォルト処理に伝わります。ビジネスプロセスのフォルト処理で,エラー情報を,エラーを示す応答電文(応答電文の<success>タグにfalseを設定した応答電文)に変換し,FTP受付に返します。このとき,エラーを示す応答電文は,メッセージ配送基盤およびカスタム受付フレームワークを経由してFTP受付に返されます。

FTP受付では,応答電文に設定されているメッセージテキストをそのままの形でFTPインバウンドアダプタに返します。FTPインバウンドアダプタでは,受け取ったメッセージテキストをFTPの転送コマンドまたはリストコマンドのレスポンスとしてFTPクライアントへ応答します。

カスタム受付フレームワークがエラーをリターンした場合

カスタム受付フレームワークがエラーをリターンした場合のエラーの伝わり方を次の図に示します。なお,ビジネスプロセスから呼び出したサービスアダプタからフォルト電文が返され,このフォルトに該当するフォルト処理がビジネスプロセスに定義されていない場合も,次の図に示す流れと同じです。

図7‒132 カスタム受付フレームワークがエラーをリターンした場合のエラーの伝わり方

[図データ]

図中に示したエラー1〜エラー5の要因を次に示します。

  • エラー1:要求パラメタ不正など

  • エラー2:宛先(ロケーション)が見つからない,サービスアダプタが停止しているなど

  • エラー3:データ変換の失敗など

  • エラー4:宛先不正,サービス部品が停止,通信障害など

  • エラー5:ビジネスプロセス処理上での例外エラーなど

エラー1〜エラー5のどれかが発生した場合,例外をキャッチしたカスタム受付フレームワークはFTP受付の受付処理に対して,CSCMsgServerExceptionをスローします。

FTP受付の受付処理では,キャッチした例外を基にKDEC00384-EまたはKDEC00385-Eのメッセージテキストを生成し,FTPインバウンドアダプタに応答します。FTPインバウンドアダプタでは,受け取ったメッセージテキストを,FTPの転送コマンドまたはリストコマンドのレスポンスとしてFTPクライアントに応答します。

CSCMsgServerExceptionの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録A.3 カスタム受付フレームワークのAPI」を参照してください。

FTP受付がエラーを検知した場合

FTP受付がエラーを検知した場合のエラーの伝わり方を次の図に示します。

図7‒133 FTP受付がエラーを検知した場合のエラーの伝わり方

[図データ]

図中に示したエラー1〜エラー2の要因を次に示します。

  • エラー1:作業フォルダの作成失敗など

  • エラー2:FTPインバウンドアダプタでのファイルデータまたはリストデータ転送中に障害発生など

FTP受付では,検知した障害を基にKDEC00386-E〜KDEC00410-Wのメッセージテキストを生成し,FTPインバウンドアダプタに応答します。FTPインバウンドアダプタでは,受け取ったメッセージテキストを,FTPの転送コマンドまたはリストコマンドのレスポンスとしてFTPクライアントに応答します。

(b) 性能解析トレース(FTP受付)

FTP受付での性能解析トレースについて説明します。

●性能解析トレースの出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

●出力される内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表7‒159 性能解析トレースファイルに出力される内容(FTP受付)

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

取得ポイントの詳細は,項目「性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

オプション情報

メッセージ共通ID

リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。未設定の場合,nullが出力されます。

サービスリクエストID

リクエスト識別情報(子ID)が出力されます。未設定の場合,nullが出力されます。

付加情報

次のオプション情報が出力されます。

  • 受付名

  • 受付ID

  • リクエストID

  • サービス名

  • サービスオペレーション名

  • 例外名(障害発生時だけ)

●性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図7‒134 性能解析トレースの取得ポイント(FTP受付)

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は上の図の番号と対応しています。

表7‒160 性能解析トレースの取得ポイント(FTP受付)

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0x9870

1

カスタム受付の入口

A

0x9871

2

カスタム受付の出口

A

0x9872

3

カスタム受付フレームワークの呼び出し口

B

0x9873

4

カスタム受付フレームワークの応答受信口

B

0x9874

5

PUTオペレーションの場合

ビジネスプロセスの呼び出し後,作業ディレクトリの削除前

GETオペレーションの場合

FTPクライアントへのファイルデータ転送後,作業ディレクトリの削除前

GETINFOオペレーションの場合

FTPクライアントへのリストデータ転送後,作業ディレクトリの削除前

A

0x9860

6

カスタム受付フレームワークの入口

A

0x9861

7

カスタム受付フレームワークの出口

A

0x9864

8

HCSCメッセージ配送制御の呼び出し口

A

0x9865

9

HCSCメッセージ配送制御の応答受信口

A

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

B:「詳細」であることを示します。

●性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースを取得するには設定が必要です。設定の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。