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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


5.7.3 N対1クラスタ構成での運用

N対1クラスタ構成での運用の開始および終了について説明します。また,運用中にN対1クラスタを構成するHCSCサーバを追加,変更,および削除する方法についても説明します。

〈この項の構成〉

(1) 運用の開始

環境構築とセットアップが終了したあと,N対1クラスタ構成のシステムの運用を開始できます。運用を開始するには,次の作業を実施します。

  1. 実行系・待機系の構成要素の状態の確認

    N対1クラスタ構成のすべてのロードバランスクラスタ内で,HAクラスタ相当の実行系・待機系の構成要素が次の表に示す状態である必要があります。

    表5‒8 HAクラスタ相当の構成要素の状態

    構成要素

    状態

    実行系

    待機系

    運用管理エージェント

    Management Server

    PRF

    スマートエージェント

    CTM(CTMを使用する場合)

    ※1

    J2EEサーバ

    ※2

    HCSCサーバ

    ※3

    HTTP Server

    (凡例)

    ○:起動しています。

    −:停止しています。

    注※1

    CTMドメインマネジャおよびCTMデーモンも開始状態である必要があります。

    注※2

    Reliable Messagingなどのアプリケーションの状態を一致させておく必要があります。なお,Reliable Messagingのシステム名は,ロードバランスクラスタ相当のそれぞれのHCSCサーバでユニークな名称を指定する必要があります。

    注※3

    配備されているサービスアダプタとビジネスプロセス,および標準受付の状態を一致させておく必要があります。

  2. サービスリクエスタへの送信制御

    セットアップ時に,サービス部品の実行要求を受け付けられない状態にしたサービスリクエスタを,ネットワークを接続するなどして,サービス部品の実行要求を受け付けられる状態にします。

(2) 運用の終了

N対1クラスタ構成のシステムの運用を終了する方法は,ロードバランスクラスタ構成の場合と同様です。ロードバランスクラスタ構成の運用の終了方法については,「5.7.1(2) 運用の終了」を参照してください。

(3) N対1クラスタへのHCSCサーバの追加・削除

運用を停止しないで,N対1クラスタを構成するHCSCサーバを追加および削除できます。ロードバランスクラスタ構成で使用するロードバランサが汎用ロードバランサの場合,動的にIPアドレスを追加および削除する機能があるときだけ,運用を停止しないでHCSCサーバを追加および削除できます。

N対1クラスタを構成するHCSCサーバを追加および削除する方法を次に示します。

(a) HCSCサーバの追加

  1. N対1クラスタ構成で追加するHCSCサーバの実行環境をセットアップします。

    ロードバランスクラスタ相当の実行環境のセットアップ方法については,「2.5.2(2) 実行環境のセットアップ」を参照してください。

    HAクラスタ相当の実行環境のセットアップ方法については,「2.6.2(2) 実行環境(待機系)のセットアップ」および「2.6.2(3) 実行環境(実行系)のセットアップ」を参照してください。

  2. HCSCサーバを起動します。

    HCSCサーバの起動方法については,「5.3.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。

  3. サービスアダプタを配備します。

    サービスアダプタの配備方法については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」を参照してください。

  4. ビジネスプロセスを配備します。

    ビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。

  5. サービスアダプタを開始します。

    サービスアダプタの開始方法については,「5.3.7 サービスアダプタを開始する」を参照してください。

  6. ビジネスプロセスを開始します。

    ビジネスプロセスの開始方法については,「5.3.8 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。

  7. 標準受付を開始します。

    標準受付の開始方法については,「5.3.10 標準受付を開始する」を参照してください。

  8. ロードバランサを設定します。

    追加するHCSCサーバに,動的にサービス部品の実行要求を送信するように設定します。

    CTMを使用する場合,すべてのHCSCサーバでCTMドメインマネジャ名およびスマートエージェントのポート番号を同じ値に設定する必要があります。

    汎用ロードバランサの設定方法については,使用する汎用ロードバランサのドキュメントを参照してください。

    注意事項

    CTMを使用する場合,追加するHCSCサーバの標準受付を開始した段階で,HCSCサーバにサービス部品の実行要求を振り分けます。

(b) HCSCサーバの削除

  1. ロードバランサを設定します。

    削除するHCSCサーバにサービス部品の実行要求を送信しないように設定します。その際,現在処理中の実行要求がすべて完了していることを確認してください。

    CTMを使用する場合,対象となるJ2EEサーバにサービス部品の実行要求を送信するキューを閉塞します。CTMを使用する場合のキューの閉塞については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「3.7.4 スケジュールキューの閉塞制御」を参照してください。

    汎用ロードバランサの設定方法については,使用する汎用ロードバランサのドキュメントを参照してください。

  2. 標準受付を停止します。

    標準受付の停止方法については,「5.3.35 標準受付を停止する」を参照してください。

  3. ビジネスプロセスを停止します。

    ビジネスプロセスの停止方法については,「5.3.38 ビジネスプロセスを停止する」を参照してください。

  4. サービスアダプタを停止します。

    サービスアダプタの停止方法については,「5.3.37 サービスアダプタを停止する」を参照してください。

  5. ビジネスプロセスを削除します。

    ビジネスプロセスの削除方法については,「3.3.2 ビジネスプロセスを削除する」を参照してください。

  6. サービスアダプタを削除します。

    サービスアダプタの削除方法については,「3.3.1 サービスアダプタを削除する」を参照してください。

  7. 削除するHCSCサーバを停止します。

    HCSCサーバの停止方法については,「5.3.41 HCSCサーバを停止する」を参照してください。

  8. HCSCサーバを削除します。

    HCSCサーバの削除方法については,「3.3.6 HCSCサーバをアンセットアップする」を参照してください。

(4) HCSCサーバへのサービスアダプタおよびビジネスプロセスの追加・削除・変更

N対1クラスタを構成するHCSCサーバへのサービスアダプタおよびビジネスプロセスの追加,削除,および変更方法について説明します。

なお,クラスタを構成するすべてのHCSCサーバに対してサービスアダプタおよびビジネスプロセスを追加,削除,または変更する場合,HAクラスタ構成の組ごとに順番に実施してください。

(a) サービスアダプタの追加・削除

すでにHCSCサーバに配備済みのサービスアダプタを停止しないで,新たなサービスアダプタを追加および削除する方法については,「5.7.1(4) ロードバランスクラスタへのサービスアダプタの追加・削除」を参照してください。

(b) ビジネスプロセスの追加・削除

すでにHCSCサーバに配備済みのビジネスプロセスを停止しないで,新たなビジネスプロセスを追加および削除する方法については,「5.7.1(5) ロードバランスクラスタへのビジネスプロセスの追加・削除」を参照してください。

(c) サービスアダプタの変更

すでにHCSCサーバに配備済みのサービスアダプタを停止しないで,サービスアダプタを変更する方法については,「5.7.1(6) ロードバランスクラスタ構成でのサービスアダプタの変更」を参照してください。

(d) ビジネスプロセスの変更

すでにHCSCサーバに配備済みのビジネスプロセスを停止しないで,ビジネスプロセスを変更する方法については,「5.7.1(7) ロードバランスクラスタ構成でのビジネスプロセスの変更」を参照してください。

(5) 障害に備えたHCSCサーバの準備

ロードバランスクラスタを構成しているHCSCサーバの障害に備え,ロードバランスクラスタに余裕を持った台数のHCSCサーバを準備することを推奨します。詳細については,「7.9.2(1) ロードバランスクラスタ構成での障害と復旧」を参照してください。