3.1.8 サービスアダプタを配備する
サービスアダプタを実行環境に配備する場合の前提条件,および配備方法について説明します。
なお,HCSCコンポーネントをHCSCサーバに配備して開始する一連の処理を,開発環境で一括して実行することもできます。ただし,一括実行は,システム開発時,または単体テストから結合テスト時を対象としています。詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「8.5 HCSCコンポーネントをHCSCサーバに配備して開始する処理の一括実行」を参照してください。
(1) 前提条件
サービスアダプタを配備するには,次の条件を満たす必要があります。
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配備先の実行環境のHCSCサーバが起動状態であること
HCSCサーバの状態の確認方法については,「5.3.16 HCSCサーバの情報を確認する」を参照してください。
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次の場合には,配備前にHCSCサーバを再起動していること
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削除したMDB(WS-R)アダプタまたはMDB(DBキュー)アダプタのサービスIDと同じ名称のままで,配備するサービスアダプタのサービス部品の種類(MDB(WS-R)アダプタまたはMDB(DBキュー)アダプタ)を変更した場合
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削除したMDB(WS-R)アダプタのサービスIDと同じ名称のままで,配備するサービスアダプタのキュー情報(JMSメッセージ種別,最大メッセージ数,および転送キュー作成先RDエリア)を変更した場合
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削除したMDB(WS-R)アダプタまたはMDB(DBキュー)アダプタのサービスIDと,大文字/小文字だけが異なるサービスIDのサービスアダプタを配備する場合
HCSCサーバを再起動しないで配備すると,新たに配備したサービスアダプタで定義されている情報が無視されたり,正常に動作しなかったりする場合があります。
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(2) 配備方法
サービスアダプタを配備するには,運用環境でcsccompodeployコマンドを実行します。
csccompodeployコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「csccompodeploy(HCSCコンポーネントの配備)」を参照してください。
すべてのサービスアダプタを一括して配備するか,指定したサービスアダプタだけを配備するかによって実行形式が異なります。
- 注意事項
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サービスアダプタを配備するとき,配備済みのサービスアダプタおよびビジネスプロセスのサービスID,ならびにユーザ定義受付の受付IDと大文字/小文字だけが異なるサービスアダプタのサービスIDは使用しないでください。このような名称を使用するとサービスアダプタが配備できません。
(a) すべてのサービスアダプタを一括して配備する場合
HCSCサーバまたはクラスタにすべてのサービスアダプタを一括して配備します。
サービスアダプタの配備先が単一のHCSCサーバか,クラスタを構成するすべてのHCSCサーバかによって実行形式が異なります。
- 単一のHCSCサーバにすべてのサービスアダプタを配備する場合
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HCSCサーバ名と-allオプションを指定して実行します。
-cscオプションで指定したHCSCサーバに,配備されていないサービスアダプタがすべて配備されます(配備されていないビジネスプロセスおよびユーザ定義受付も同時にすべて配備されます)。
csccompodeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -all
- クラスタ内のすべてのHCSCサーバにすべてのサービスアダプタを配備する場合
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クラスタ名と-allオプションを指定して実行します。
-clusterオプションで指定したクラスタ内のすべてのHCSCサーバに,配備されていないサービスアダプタがすべて配備されます(配備されていないビジネスプロセスおよびユーザ定義受付も同時にすべて配備されます)。
csccompodeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名> -all
- 注意事項
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-allオプションを指定して実行した結果,サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付の配備が失敗した場合,未配備のサービスアダプタ,ビジネスプロセスおよびユーザ定義受付が存在しても無視してコマンドを終了します。コマンドを実行したあとには,cscreplsコマンドを利用して配備の状況を確認します。
cscreplsコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepls(リポジトリ情報の表示)」を参照してください。
(b) 指定したサービスアダプタだけを配備する場合
HCSCサーバまたはクラスタに,指定したサービスアダプタだけを配備します。
サービスアダプタの配備先が単一のHCSCサーバか,クラスタを構成するすべてのHCSCサーバかによって実行形式が異なります。
- 指定したサービスアダプタを単一のHCSCサーバに配備する場合
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HCSCサーバ名とサービスアダプタのサービスIDを指定して実行します。
-cscオプションで指定したHCSCサーバに,-nameオプションで指定したサービスアダプタが配備されます。
csccompodeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -name <サービスアダプタのサービスID>
csccompodeployコマンドに指定するHCSCサーバ名およびサービスアダプタのサービスIDは,cscreplsコマンドで確認できます。cscreplsコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepls(リポジトリ情報の表示)」を参照してください。
- 指定したサービスアダプタをクラスタ内のすべてのHCSCサーバに配備する場合
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クラスタ名とサービスアダプタのサービスIDを指定して実行します。
-clusterオプションで指定したクラスタ内のすべてのHCSCサーバに,指定したサービスアダプタが配備されます。
csccompodeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名> -name <サービスアダプタのサービスID>